2011年11月08日

エル・マクファーソンと水着特集 フレンズ6-7その3

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[Scene, Monica and Chandler's, Chandler is there. Everything is out of its place and Chandler's cleaning.]
モニカとチャンドラーの部屋。チャンドラーがそこにいる。すべてのものは元の場所から出されていて、チャンドラーが掃除中。
ロス: (enters) Wow. Couples who live together do start to look alike. So, Mondler... uh, what uh, what 'cha doin? ([入ってきて] わぁ、一緒に住んでるカップルはほんとに似てくるんだね。それで、モンドラー、何やってるんだ?)
チャンドラー: What does it look like? I am cleaning. (何に見えるって? 俺は掃除をしてるんだよ。)
ロス: Did you get Monica's authorization to move all of her stuff? (モニカの持ち物全部を動かす承諾をモニカから得たのか?)
チャンドラー: Authorization? I don't need that. I'm gonna put everything back. (承諾だって? そんなの必要ないよ。すべてのものを元の場所に戻すんだから。)
ロス: Put it back exactly where you found it? (それがあった正確な場所に戻すって?)
チャンドラー: Yes. I'm gonna put it back (Mocking Ross) exactly where I found it. (そうだよ、俺はそれがあった”正確な”場所に戻すよ。)
ロス: 'Kay, first of all, that attitude is not helping. (わかった。まず第一に、そういう態度は何の助けにもならないよ。)
チャンドラー: She's not gonna care if I put her stuff back in the same stupid place. (もし俺が彼女のものを元の場所に戻したら、モニカは気にしないさ。)
ロス: Whoa, hello? Did you just meet Monica? (おっとー、もしもし? 君はモニカと知り合ったばかりなの?)
チャンドラー: She is gonna recognize that I did a nice thing and, and, appreciate it. (俺がいいことをしたってモニカはわかってくれるよ。そしてそのことを感謝するさ。)
ロス: Hmm, you know, actually this'll work out well. Because when you have to move back in with Joey, Joey's hot new roommate can come and live with me. (ふーん、ほら、実際、これは結果としてうまくいくだろうね。だって君がジョーイのところに戻らなければならなくなった時、ジョーイのホットな新しいルームメイトは僕のところに来て一緒に住むことができるからね。)

ロスがモニカ&チャンドラーの部屋に入ってくると、チャンドラーは黄色いゴム手袋をして、お皿を磨いているところ。
それを見て、「一緒に住んでるカップルは似てくるんだねぇ」とロスは言っています。
do start の do は強調の do で、「ほんとによく似てくるんだな」みたいな感覚です。
モニカ化しているチャンドラーを「モンドラー」とまで呼んで(笑)、チャンドラーは一体何をやってるんだ?と尋ねています。

What does it look like? は、「何に見える?」という感じですね。
その後、「俺はクリーニングしてる、掃除をしてるんだよ」と言っていますから、「何に見える?」というのは、「見りゃわかるだろ」というニュアンスで言っているわけでしょう。
見たままのことをやってるのに、どうしてわざわざそんなことを尋ねるんだ?と、チャンドラーは逆に問いたいようです。

authorization は「権限を与えること、承諾、承認、許可」。
モニカの持ち物全部を、そんな風に動かす承諾を本人から得たのか? そういう承諾を得た上で、そういうことをやってるのか?とロスは尋ねています。

承諾、というものものしい言葉を聞いて、「そんなものは要らない、だって全部元の場所に戻すから」とチャンドラーは答えます。
put back という言葉を聞いたロスは、Put it back exactly where you found it? と念押しするように尋ねています。
where は、the place where ということで、 where you found it は、「お前がそれ(モニカのそれぞれの持ち物)を見つけた場所」、つまり、「それぞれのものが元々置いて・入れてあった場所」ということになります。
「元の”正確な”場所に戻せるのか?」とケチをつけられた感じなので、チャンドラーはその exactly の部分を大げさに真似てみせています。
細かいことにうるさいロスに対して、「ああ、おっしゃる通り、間違いなく正しい場所にきちんと!戻してみせるさ」みたいな感じですね。

ロスの言葉を皮肉っぽく真似て反抗的な態度を見せるチャンドラーに、ロスは、that attitude is not helping. と言っています。
attitude は「態度」。そんな態度をとっても、何の得にもならないよ、みたいな感覚でしょう。
ロスにしてみれば、チャンドラーのためを思って助言してやってるのに、まずはその態度が良くないぞ、と注意しているわけですね。
チャンドラーは、「同じ場所に戻しておけば、モニカは気にしないよ」と言っています。
in the same stupid place のように、stupid 「ばかな、愚かな」がついているのは、チャンドラー自身が「寸分違わず全く同じ場所になおす、しまう」という行為をばかばかしいと思っている、ということだと思います。
「俺としては、なんだかあほらしいって思ってるけど、その”全く同じ場所”ってヤツにちゃんと戻せば問題ないさ」みたいに言っている感覚でしょう。

その発言を聞いたロスは驚いたように、Whoa, hello? Did you just meet Monica? と言っていますね。
Did you just meet Monica? は just という言葉があることから、「君は、今さっき、モニカに会ったばかり? 知り合ったばかり?」みたいな感覚だと思います。
つまり、チャンドラーの今の発言を、「モニカと知り合ったばかりで、モニカの本質・本性を知らない人の発言」みたいに言っているわけでしょう。
そんなことで無事に済むと思ってるのか? お前はモニカって人間をわかってないのか?みたいなことですね。

「モニカのことを全然わかってない」みたいに言われたチャンドラーは、恋人として、「モニカは俺がいいことをしたってわかってくれる、感謝してくれる」と言っています。
恋人であるチャンドラーがそう反論した後、ロスは「実際、これは(結果として)うまくいくだろうね」と言っています。
うまくいく、というのは、この「チャンドラーがモニカの持ち物を動かしたこと」が問題にはならない、ということかと思いきや、because 以下では違うことが述べられています。
チャンドラーがジョーイのところに戻らないといけなくなったら、ジョーイの新しいホットな(つまりセクシーな)ルームメイトは僕と一緒に住むことができる、というのがその理由ですね。
つまり、ロスがうまくいく、と言っているのは、「ロスにとっては良い結果となる」と言っているだけで、いくらチャンドラーが反論しても、ロスは「モニカは激怒するに決まってる、そしてこの同居は解消となり、チャンドラーは元のジョーイの部屋に戻らないといけなくなる」と確信しているわけです。
現在恋人であるチャンドラーがいくら力説しても、ロスの意見が揺らぐ気配は全くなく、妹モニカをよくわかっている兄としての余裕な感じも見せている発言、ということです。

ちなみに、上のセリフにあるように、今回のエピソードでは早速、ジョーイに新しいルームメイトができます。
ジャニーン(Janine)という名前のそのルームメイトを演じているのは、スーパーモデルのエル・マクファーソン(Elle MacPherson)。
フレンズ3-1その24 では、以下のように、「エル・マクファーソン」という本人の名前がセリフの中にすでに登場していました。

チャンドラー: Okay, you know, you know when you're in bed with a woman. (わかった、ほら、その、ある女性とベッドにいるとするだろ。)
ロス: Hmph. (あぁ。)
チャンドラー: And, ah, you know, you're fooling around with her. And you get all these, like, mental images in your brain, you know, like Elle MacPherson, or that girl at the Xerox place? (それで、ほら、その子といちゃいちゃしてるんだ。そこで、頭の中に心的イメージが浮かぶんだよ、エル・マクファーソンとか、コピー屋のあの子、とか。)

その過去記事でも触れましたが、エル・マクファーソンは、The Body というニックネームを持つ、オーストラリア出身のモデルさんです。

Wikipedia 日本語版: エル・マクファーソン
Wikipedia 英語版: Elle Macpherson

超有名なスーパーモデルなので、フレンズ3-1 では、「ベッドに一緒にいるホットな女の子の理想的な例」として挙げられていたわけですが、それがシーズン6では、このようにジョーイのルームメイト役としてゲスト出演しているのが非常に面白いと思います。
フレンズではこのように、実在の俳優や有名人としてセリフに名前が挙げられていながら、後に「一般人役」(笑)としてゲスト出演する場合がよくあります。
フレンズはあくまでコメディーなので、そういう細かい話は気にせずに楽しむべき、ということなのでしょうね。

英語版ウィキペディアの説明に、以下の記述があります。
She is perhaps best known for her record five cover appearances for the Sports Illustrated Swimsuit Issue beginning in the 1980s.
つまり、「1980年代から「スポーツ・イラストレイテッド 水着特集」の表紙に5回登場したという記録で恐らく最も有名だろう」。

フレンズ4-19その4 で、"Didn't you ever read Sports Illustrated?" 「お前こそ、「スポーツ・イラストレイテッド」を読んでないのか?」というセリフが出てきた時に、その「水着特集(Swimsuit Issue)」についても少し説明しました。
「スポーツ・イラストレイテッド」はスポーツ誌のようですが、その「水着特集」はやはり、「殿方に嬉しい、水着美女がいっぱいの雑誌」のようです。
今回のエピソードの最初の方で(ブログでは解説を飛ばしてしまいましたが)、エル・マクファーソン演じるルームメイト、ジャニーンをフレンズたちに紹介する時に、ジョーイは嬉しくてたまらないという満面の笑みを浮かべていました。
「スポーツ・イラストレイテッド 水着特集」はどうやらジョーイの愛読誌(笑)らしいので、その表紙を何度も飾るような人…もちろん、今回のエピソードでは、そのモデル本人としてではなく、一般人の設定であったとしても、そういう「スタイル抜群のホットな美女」がルームメイト!となると、ジョーイが大喜びするのも当然だということですね。

過去のフレンズのセリフで、チャンドラーがエル・マクファーソンを例えに出したり、ジョーイが彼女が表紙に載るような雑誌を愛読していたり…ということがあったわけで、それを踏まえた上で今回のゲスト出演を見てみると、さらに面白く感じられる気がします。
サブカルネタがよく登場するシリーズものならではの楽しみ方と言えるかもしれません。

ちなみに、エル・マクファーソンが the Sports Illustrated Swimsuit Issue によく登場することが有名であることがわかるセリフが他の作品にも出てきました。

「となりのサインフェルド(原題:Seinfeld)」のシーズン3第12話「略奪は寝てる間に」(原題: The Suicide)の最後の方のシーンで、ある人がある場所でエル・マクファーソンに会った時のことを嬉しそうに話しています。(一応、ネタバレ防止のため、誰のセリフかは伏せておきます)

They were shooting the Sports Illustrated swimsuit issue right in the hotel pool. Not only that, the hotel opened up an area on the beach for nude bathing and all of the Sports Illustrated models went down there. I am on the next blanket from Elle Macpherson. We played backgammon nude. Oh, she's a sweet kid. (ホテルのプールで、「スポーツ・イラストレイテッド 水着特集」の撮影をしてたんだ。それだけじゃないぜ、ビーチのあるエリアを、裸で泳ぐために(ヌーディスト・ビーチとして)開放していて、スポーツ・イラストレイテッドのモデル全員がその場所に行ってたんだ。俺はエル・マクファーソンの隣のブランケットにいたんだぜ。裸でバックギャモン(というゲーム)をしたんだ。あぁ、エルはいい娘だよ。)

このセリフからも、この「水着特集」のモデルと言えば、エル・マクファーソンが一番に名前が上がる様子がよくわかりますね。
また、日本語では「エル・マクファーソン」と表記されていますが、Seinfeld のセリフを聞く限り、「マクフィアスン」みたいな発音の方が近いように思いました。

エル・マクファーソンの話から、随分脱線してしまいましたが、それくらい、Elle Macpherson と the Sports Illustrated swimsuit issue は密接な関係にある、ということがわかれば、Seinfeld のセリフもより楽しめるし、今回のジョーイの喜びようもうなずけるわけですね。


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posted by Rach at 13:20| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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