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前回の続きです。
好きな女性にアイルランドのじゃがいも飢饉(the Irish potato famine)の話をして、相手の女性をヒカせてたじゃないか、とチャンドラーに言われてしまったロス。
ロス: Yeah, well, what about you? You weren't you know, so hot in college either. After everything he said, he'd go "ba dum bum chessh." (あぁ、そうだね、君はどうなんだ? 君も大学時代は、ほら、そんなにイケてなかったよ。チャンドラーは何か言うたびに、直後に「バ・ダム・バム・チシー」って言ってたもんだ。)
チャンドラー: Yeah, Monica doesn't like that either, Maybe I should stop doing that. (そうだな、モニカもそれは好きじゃないって。多分、俺はそういうことするのはやめるべきだよね。)
ロス: Oh y'know what, girls don't like it when I start talking about science. (あぁ、それからさ、女の子は科学の話を始めるといやがるよ。)
チャンドラー: That's not specific to girls. (それは女の子特有じゃないよ[女の子だけに当てはまる話じゃないよ]。)
ジョーイ: This is great, this is great, what else, what else? (これってすごいよ、すごい。他には何か、他には?)
ロス: Uh, they don't like it when you correct their grammar. (あー、文法を訂正されたら女の子はいやがるよ。)
チャンドラー: And they don't like it when you explain why your jokes are funny. (自分の言ったジョークがなぜ面白いかを説明するのもいやがる。)
ロス: They don't like it when you keep asking them if they like you. (相手が自分のことを好きかどうかを相手に尋ね続けるといやがるね。)
チャンドラー: Man, I'm so lucky I have Monica. (ああ、俺にはモニカがいて、ラッキーだ。)
ロス: (nonchalantly) I'm never gonna find love again. ([無関心な様子で] 僕は二度と愛を見つけることはないね。)
大学時代、好きな女性に「アイルランドのじゃがいも飢饉」の話ばかりしてたくせに、と言われたロスは、チャンドラーの逸話も披露します。
「君だって(僕と同じように)大学時代はそんなにホットじゃなかった、イケてなかった」と言い、After everything he said, he'd go "ba dum bum chessh." と説明しています。
go は say と同じような意味で、チャンドラーが言った、あらゆる言葉の後に、彼はこんな風に言ったものだった(he would say)みたいな感じです。
ネットスクリプトでは、ba dum bum chessh のように文字化されていますが、これはロスの手の動きからもわかるように、ドラム&シンバルの音ですね。
日本語で言うと、「ダ・ダン、チャーン♪」みたいな感覚でしょう。
これは、アメリカのスタンダップコメディアンがトークをする時に、オチの部分で、ドラムの音が入るイメージ。
チャンドラーは、ジョークのオチのたびに、いちいち自分でドラムの音を口で言っていた、ということですね。
こういうドラムによる効果は、過去記事、フレンズ2-24その23+コメディアンとドラムの話 でも説明しています。
ロスとチャンドラーが、お互いの「女性をヒカせるエピソード」を披露したせいで何かが吹っ切れたのでしょうか(笑)、二人は他にもいろいろとそういう「女性を遠ざけるコツ」について語り出します。
科学の話が好きなロスは、「女性は科学の話をするといやがる」と言いますが、「そのことは女の子に特有のものじゃない」とチャンドラーに言われています。
「俺たち男も、お前の科学話にはうんざりしてるんだけど」みたいなことですね。
「え、そうなの?」みたいな顔をしているロスにも笑えます。
文法を訂正する話をロスは言っていますが、そう言えば、過去記事、you'reをyourと書く間違い フレンズ4-1その7 では、レイチェルの手紙の文法的スペルミスを、ロスが指摘するシーンもありました。
チャンドラーは、「自分が言ったジョークがどうして面白いか? どこが面白いかという理由を説明すると女性はいやがる」と言っています。
ジョークがウケた場合は、説明は不要でしょうから、ジョークが不発だった場合に、「あ、今の、わからなかったかもしれないけど、これは、この言葉とこの言葉をかけててね…」みたいに、言い訳がましく説明するようなことを指すのでしょう。
女性に対して、「自分のことが好きかどうか」を尋ね続けるのもダメだ、と言っています。
それを聞いたチャンドラーは、「俺にはモニカがいてラッキーだ」と言っていますね。
ということはつまり、モニカの場合は、「ねぇ、モニカは俺のこと好き?」と何度尋ねても、モニカは嫌がらない、ということでしょうか。
モニカは愛情をいちいち言葉で確認することが嫌いではなさそうなタイプなので、確かにモニカなら問題ないかもしれません。
ロスは、「僕は二度と愛を見つけることはない」と言っていますが、これは恐らく、ロスがやたらと相手に「僕のこと、ほんとに好き?」と確認したがる傾向が強い、ということなのでしょう。
この「女性を遠ざけるコツ」の話では、ロスの文法訂正みたいに実際に過去のエピソードで見たものもありますが、チャンドラーがドラムの音を最後につけるのなんて、聞いたことないような気もしますね。
やはりこの作品はコメディーなので、話を面白くするために、あれやこれやと大げさに話を作っているのだと捉え、その「あるある!」と思えるような例を聞いて、素直に笑えば良いのでしょう。
ちなみに、「こういうことをすると、女性は嫌がる」という文章では、They don't like it when you... という構文が何度も使われていますね。
直訳すると、「男性が…をする時に、女性はそういう状況を嫌がる」みたいな感じになるでしょうか。
They don't like that you explain why... や、They don't like you/your explaining why のように、don't like の目的語に、男性が行う行為の内容(男性が…すること)を that 節や動名詞で続けるのではなく、they don't like it と先に言っておいてから、when you explain why... 「男性が…する時に」という文章を続ける形になっているわけです。
「男性が…するのをいやがる」ではなくて、「男性がこういうことをしている時に、女性はそれを(その状況を)いやだと思う」という感覚で、このように when の形で説明する場合には、They don't like it when... のように、it という目的語を置くことを忘れないようにしたいものですね。
過去記事、フレンズ5-19その2 でも、"I like it here." 「私はここが好きなの」というフレーズが出てきましたが、その文にも it が必要です。
日本語の単語を1つずつ英単語に置き換える感覚では、なかなかこういう it の存在に気づくことはできません。
実際に、セリフのような「生きた英語」にたくさん当たってみて、英語と日本語の構造の違いに気づくことが大切で、そういうことの繰り返しが、英語圏の人に通じるナチュラルな英語を身に付けるのに役立ってくれると思います。
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I lile it here.
の、it。何でいるんでしょうかね。
と思って、I like it here をグーグルで検索しましたら
教えてGoo!にありましたがな。
なんとな〜く分かったような、分からないような。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/3502435.html
むずかしー。
I am going to ask my husband, but probably he can't explain :).
コメントありがとうございます。まとめレスになってしまい申し訳ありません。
リンクをはっていただいた「教えて!goo」でも、様々な意見が出されていますが、it を「とりあえず置いておける軽さ」と表現されている回答が、私的には一番しっくりきました。
I like here. という文の場合は、その here は like の目的語として「名詞的」に使われている、と解釈することになるのでしょうね。ただ、私自身は、I like here. という文章には出会った記憶がなく、これまでドラマや映画のセリフを見てきた中では、I like it here. のように it が入る形が一般的だったように思います。そういう経験から、「通りがいい言い方」はやはり、I like it here. なんだろうな、と感じたということです。
なぜ it が必要かということを文法的に説明しようとすると、「here は副詞であって、他動詞 like の目的語として名詞が必要だから it を置いている」ということになるでしょう。ただ、私の場合は「先に文法ありき」ではなくて、ドラマや映画などで生きた英語を大量に浴びる中で、I like it here. などの表現にぶつかり、その時、I like it here. の it はなんだろう?と疑問に思うところが出発点なのですね。
日本人の感覚だと「私はここが好き」と言いたい場合に、I like here. と書いてしまいそうになるけれど、ナチュラルな英語では、I like it here. になるのだとすると、それは「here は副詞で、like は他動詞だから、目的語としての名詞が必要」という文法を根拠にして、その文の構造が理解でき、納得できる、という流れになるでしょうか。when という副詞句の場合も、目的語としての名詞が必要になるために、They don't like it when... の形になるということですね。
文法的に正しいか正しくないか、という視点よりも、ネイティブが「普通に」使うのはどちらか?という視点で考えることが「通じる英語」には大切だと思っていて、いつもそういう姿勢で生きた英語に取り組むようにしています。
過去記事でも触れましたが、私が初めて I like it here. の it の存在を意識したのは、Ally McBeal で、それ以来、フレンズを含む他の作品でも、同様の it を発見し、あぁ、そういうもんなんだな、とだんだんそのニュアンスがつかめてきた気がします。それは、日本で生活している際に、日本語を自然に覚える流れと似ているのかな、と思いますし、それが自然な言語の学び方なのかな、とも思っています。
興味深いコメント、ありがとうございました。
フレンズ5-19その2 も読み返しましたよ。
ボクは受験英語にどっぷり浸かったので先に文法ありきなんですよね。名詞のhereを知ってしまってるんです。
I like here. じゃ、ダメなの?と悶々とするんです。
でも、基本 here は副詞だから目的語が必要だってしといた方が
いいかもですね。
あと、「通りがいい言い方」って言われた方が何気に納得します。
それなら仕方ねーか、みたいな(笑
「英語の感覚を掴む」ということなんだな、とスーッと入っていく
Rachさんがうらやましいです。
なにかと気にしてしまう自分。。。
どうもありがとうございました。
お返事ありがとうございます。
here が「名詞」と言えるのかどうか、についてですが、
研究社 新英和中辞典では、
[前置詞・他動詞の目的語として; 名詞的に] ここ; この点
from here ここから
in here (部屋などで)この中に[で](は)、ここの中に[で](は)
のような形で説明されています。
また、英英辞典のLAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、here はもっぱら、
adverb 「副詞」、interjection 「間投詞」として挙がっていますので、noun 「名詞」扱いはされていないようです。
ですから、from here などのフレーズでは、「副詞 here が前置詞 from の目的語として ”名詞的” に使われている」と文法的に説明することになるのでしょうが、やはり here はまずは副詞と考えるのが自然な気がします。
受験英語ではどうしても「正しいか正しくないか」というところに焦点が行きがちですが、「通りがいいのはどういう英語か」というのを学べるのが、生きたセリフから英語を学ぶ利点だと思っています。私も最初からそういう感覚がスーッと入ってきたわけではなく、ドラマで英語を学び続けることでだんだんそういう感覚で受け止められるようになってきた、ということかなと思っています。
解説をお願い致したく。
16:55
Janine: Hey Joey, I got some beer for you.
Joey: Uh, don't you mean "for whom?"
Janine: Sure,
Joeyの"for whom?"に対する
JanineのSureが気になっています。
恐縮です。よろしくお願いします。
コメントありがとうございます。お返事大変遅くなり申し訳ありません。
ご質問のセリフの解釈については正直あまり自信がありませんので、以下に書くことは参考程度にお聞きいただけると幸いです。
ジャニーンに嫌われようとしているジョーイは、女の子に嫌われる方法をチャンドラーとロスに尋ねています。ちょうどそのやりとりが今回の解説記事で説明されていますが、その中の、
ロス: Uh, they don't like it when you correct their grammar. (あー、文法を訂正されたら女の子はいやがるよ。)
という部分が、この for whom に繋がっていると思われます。
ただ、このジョーイとジャニーンの会話の場合は、ジャニーンの for you という表現は特に文法的に間違っているわけではないと思われます。
don't you mean "for whom?" を直訳すると「for whom ってこと[意味]じゃないの?」のような感じでしょうか。
このジョーイのセリフは、前置詞 for の後の人称代名詞は(主格ではなく)目的格になることを指摘しているのかなと思いました。
who であれば、for who ではなく、for whom になるべきという文法的な話をしているようですが、for you については、主格も目的格もどちらも you なので、for you は「for+目的格」として文法的に正しいことになります。それを「for の後は主格の you じゃなくて、目的格が正しいんじゃないのか?」のように言ったのがジョーイのセリフになるのかなぁ?と。
恐らく、for who のような間違いを「正しくは for whom である」と指摘するのが「文法訂正でよくある例」の一つで、ジョーイはそれを言ってみたけれど、ジャニーンのセリフでは for you が for whom(for+目的格)という正しい形を取っていたので、「変なこと言うわね」と思いつつも、「そうよ」というニュアンスで、少し間をあけてから Sure. と返したのかなと思いました。
文法の間違いを上から目線で訂正したつもりのジョーイの方が、文法のことをわかってない、という面白さかなと思います。