2011年11月18日

友達なのに彼がわからないの? フレンズ6-8その2

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マッサージ師であるフィービーは、自分の顧客を増やすためにチラシを作り、そのコピーをさせてもらうために、レイチェルの勤務先ラルフ・ローレンを訪れます。
コピー室で、社長のラルフ・ローレンとキスしたと告白するフィービー。
それを聞いたレイチェルは、みんなにそのニュースを伝えます。
モニカ: My God, Rachel, I can't believe Phoebe made out with Ralph Lauren. Ohh, I'm so jealous! (Chandler looks at her.) (まぁ、なんてこと、レイチェル。フィービーがラルフ・ローレンといちゃついたなんて信じられないわ。あー、すっごく妬けちゃう! [チャンドラーはモニカを見る])
チャンドラー: Hi, I'm Chandler, your live-in boyfriend. (はーい、俺はチャンドラー、君の同棲中の恋人だ。)
モニカ: Chandler, please, come on. Look at him. (Pointing to a picture of Ralph on a magazine.) (チャンドラー、やめてよ。彼を見て。[雑誌に載っているラルフの写真を指差す])
チャンドラー: Oh, I am no woman, but that is one tasty dish. (Phoebe walks in.) (あー、俺は全然、女じゃないけど、でも、それって、おいしい料理だね[おいしそうだね]。[フィービーが入ってくる])
フィービー: Hey. Here. (Hands Chandler a copy of her flyer and sees the picture of Ralph.) Ohh, who's the silver fox? (はい、どうぞ。[チャンドラーにチラシを1部渡して、ラルフの写真を見る] まぁ、そのギンギツネ(シルバーグレイのいい男)は誰?)
レイチェル: That, that is your make-out buddy. Don't you recognize him? (Holding up the magazine in front of her face.) Oh, wait. "Ohh, Phoebe, I love you. Kiss me, please." (それは、あなたのいちゃつき友達でしょ? 彼のこと、見覚えないの[見分けられないの]? [フィービーの顔の前にその雑誌を掲げて] あぁ、待って。「おぉ、フィービー、愛してるよ。キスしておくれ」)
フィービー: That's not Ralph Lauren. Sounds like him, though. (それはラルフ・ローレンじゃないわ。声(の感じ)は彼みたいだけどね。)

make out は「いちゃつく」。
アカデミックな辞書であるLAAD (Longman Advanced American Dictionary) にも、その意味はちゃんと、以下のように載っています。
make out : (informal) to kiss and touch someone in a sexual way
例) A couple was making out in the hallway.

つまり、「性的な方法で、誰かにキスしたり、触ったりすること」。
例文は、「あるカップルが廊下でいちゃついていた」。

有名ブランドのデザイナーであるラルフ・ローレン本人とフィービーがキスしてた、と聞いて、モニカは「うらやましくて妬けちゃう」みたいなことを言っています。
隣にいた恋人のモニカは、「もしもし、俺が隣にいるの、忘れてない?」みたいに、「俺は、君と同棲中の恋人チャンドラーだけど」と言っています。
live-in は「同棲中の、住み込みの」という意味で、live-in boyfriend/girlfriend なら「同棲中の恋人」ですし、live-in babysitter なら「住み込みのベビーシッター」という意味になります。

「でもね、この写真を見たら私の言ってる意味も納得できるわよ」みたいに、モニカはラルフ・ローレンの写真が載っている雑誌を見せます。
それを見たチャンドラーは、Oh, I am no woman, but that is one tasty dish. と言っていますね。
I am no woman. は、I'm not a woman よりもさらに否定を強めたようなニュアンスで、「俺は全く女性じゃないけど」みたいな感じになるでしょうか。
dish は「皿」という意味から、「皿に盛った料理」という意味にもなりますので、tasty dish は文字通り「おいしい料理」という感覚ですね。
the main dish 「メインディシュ、主な料理」は日本語になっていますので、ディッシュ=料理という発想は日本人にもピンとくると思います。
that はその雑誌に載っているラルフを指していて、「それはおいしい料理だね」、つまり、「それっておいしそう」と言っている感覚になるでしょう。
フレンズ1-12その3 では、フィービーのマッサージ師の同僚ジャスミンのセリフで、
ジャスミン: I don't mean to sound unprofessional, but...Yum! (プロらしくないかもしれないけど… おいしそう!)
というのがありましたが、魅力的な異性を見た時に「おいしそう」みたいに言う感覚は日本語にもあるように思います。
今回のチャンドラーの「おいしそうな料理」という表現も、Yummy! 「おいしそう!」と言ったのと同じ感覚でしょう。

ラルフのことを tasty dish と表現する前に、I am no woman. と、「必要以上に女性であることを否定」しているのは、男性のことを「おいしそう!」と表現するのがいかにも女性っぽい言い方であること、さらには、チャンドラー自身がよくゲイ疑惑を持たれることに対する自虐的な言い回しも含めてのことなのかな、と思います。

フィービーは、コピーした自分のチラシを配りながら、その雑誌の写真を見て、その the silver fox は誰?と尋ねています。
silver fox は文字通り「ギンギツネ」ですが、ここではシルバーグレーのいい男、みたいなニュアンスで使っているのでしょう。
LAAD では、
fox : (informal) someone who is sexually attractive
例) She's such a fox!

つまり、「性的に魅力的な人」。

今回のエピソードでは、ラルフ・ローレンご本人が本人役としてカメオ出演しており、これより後のシーンで出てきます。
自分のブランド服をビシッと着こなした、ダンディなシルバーグレーの男性なので、確かに、the silver fox という表現は当たっているという感じですね。

IMDb: Ralph Lauren
にも、今回のこのエピソードで本人役として出演したことが書いてあります。

ラルフとキスしたくせに、彼の顔もわからないの?みたいにレイチェルは言っていますね。
recognize は「見覚えがある、見分けがつく」。
LAAD では、
recognize : to know who someone is or what something is, because you have seen, heard, experienced, or learned about them in the past
つまり、「過去にそれを見たことがある、聞いたことがある、経験したことがある、それについて学んだことがあるという理由で、ある人が誰であるか、またはあることが何であるかを知っていること」。

上のロングマンの語義説明は、文章にするととても長いですが、recognize という動詞の示すニュアンスを的確に表しているように思います。
英和辞典は「日本語で言うとこういう意味」という「日本語での置き換え語」を主に紹介する役割がありますが、英英辞典はこのように「言葉の定義そのもの」を説明してくれていることが多く、その点が、ノンネイティブの学習者にとって、非常に有用だと思います。
日本語でわからない言葉を辞書で改めて調べてみると、「おー、こんな風に噛み砕いて説明するのかぁ〜」と感心してしまうことがありますが、それと似た感じがします。
英語と日本語は、違う民族の使う言葉ですから、英単語と日本語訳の意味が完全に一致すると考えるのは危険です。
そういう場合は、英和での日本語訳を参考にしつつ、根本的な意味を英英辞典でしっかり理解することも必要になる、ということですね。

レイチェルはラルフの写真を自分の顔の前に置いて、「愛してるよ、キスして」みたいにフィービーをからかっています。
が、フィービーは、「それはラルフ・ローレンじゃない」と衝撃的な発言をしていますね。
sound like は「…のように(…らしく、…っぽく)聞こえる、…と声が似ている」なので、今のレイチェルの言い方は、ラルフに似てるけどね、と付け加えていることになります。

この後、フィービーがラルフ・ローレンだと思っていたのは別人だということがわかり、「ラルフが誰かとキスしてた」と上司にチクってしまったレイチェルは大慌てすることになります。
結局、フィービーとラルフ・ローレンがいちゃついてた、という話は全くの大嘘だったわけですが、日本でも有名なブランドであるラルフ・ローレンにレイチェルが就職し、ついにはご本人登場となった今回のエピソード、そういう大物のゲスト出演も、フレンズという番組の人気ぶりがうかがえてファンとしては嬉しいところですね。


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posted by Rach at 17:25| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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