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チャンドラーはモニカと一緒にポプリ(!)を作った後、ジョーイのところに行ってくる、と言います。
これから包装紙の引き出しを片づけることになってるわよ、と言うモニカに、
チャンドラー: Yes, but I feel like I've really gotten in touch with my feminine side enough today. You know. In fact, I think we're two sachets away from becoming a lesbian couple. (そうだね。でも俺は今日、自分の女性的一面に十分触れたような気がするんだ。実際、(ポプリの)サッシェあと2つで、俺たちはレズビアンのカップルになっちゃうよ。)
モニカ: You know what? This has been kind of a girlie day. You're right. I'm sorry. (ねぇ、今日はずっと女の子っぽい日だったわよね。あなたが正しいわ。ごめんなさい。)
チャンドラー: Nah, Nah, it's okay. I feel like I need to be in a "guy" place, you know, do kind of like a "man" thing. (いやぁ、いいんだよ。俺は「男」の場所にいる必要がある、って気がするんだよ、ほら、「男」っぽいこととかをする必要があるって。)
モニカ: Yeah. Go over to Joey's. Go over to Joey's and drink some beer and hammer up some dry wall. (そうね。ジョーイのところに行って。彼のところに行って、ビールを飲んで、壁をハンマーで叩いちゃえ。)
チャンドラー: You know when guys hang out, they don't just drink beer and hammer up dry wall. (ねぇ、男同士が一緒に過ごしてる時、ただビールを飲んで、壁をハンマーでたたく、なんてことはしないよ。)
モニカ: When girls hang out, we don't have pillow fights in our underwear. (Chandler gets a hurt look on his face.) I'm sorry. We do. We do. I don't know why I said that. (女の子同士が一緒に過ごしてる時、下着(姿)で枕投げしたりしないわよ。[チャンドラーは傷ついた表情を浮かべる] ごめんなさい。女の子はするわ。そういうことするわ。どうしてそんなこと言ったのか、自分でもわかんない。)
get in touch with は「…に連絡する、…と連絡をとる」という意味で使うことが多いですが、ここでは「…と接触する」という感覚ですね。
チャンドラーが「触れた」と言っているのは、my feminine side 「自分の女性的な一面・部分」なので、「今日はもう十分すぎるほど、自分の女性的な一面に触れちゃったと思う」という意味になります。
We're two sachets away from becoming a lesbian couple. について。
sachet はフランス語で「小袋」「におい袋」。英語では sack に該当する言葉です。
ここではポプリを小さな袋に入れたものを指していて、直訳すると、「俺たちは、レズビアンのカップルになるところから2袋分離れている」ということになるでしょう。
「(このポプリを)あともう2袋作ったら、俺たちはレズビアンのカップルになっちゃうね」とチャンドラーは言いたいわけで、つまりは、「俺が女になっちゃう」と言っていることになるでしょう。
「レズビアンカップルになるまで、あと2袋」みたいな感覚で、レズビアンのカップルになるまでそれだけしか離れていない、もうレズビアンカップルになる寸前だからこの辺で止めとかないと、みたいに言っているのです。
「数詞のついた名詞+away from」という表現で、「あとそれだけで、それと同じになる、その状態に到達する、それだけしか離れていない」ことを表しているのが面白いなと思います。
私がこれまでに見た他のドラマにもこの away from のフレーズは登場していました。
例えば、「バーン・ノーティス 元スパイの逆襲」(Burn Notice) 1-1 : Pilot では、
... the place where everyone is a Jell-O shot away from alcohol poisoning 「ジェロ・ショット(酒入りゼリー)あと1つでアル中になるようなやつらばかりがいる場所」
Jell-O shot というのは「キツいお酒の入ったゼリー」のこと。
フレンズ3-11その15 で、チャンドラーが食べていたのをご記憶の方も多いでしょうか?
そういう「酒入りゼリー」をあと1個食べると、アルコール中毒になってしまうような人たち、ということは、ほとんどアル中同然、アル中の一歩手前くらいの酔っぱらいという意味ですね。
日本語なら「お猪口(おちょこ)1杯で」みたいに言いそうなところを、一口サイズの酒入りゼリーでその「あとちょっと感」を出しているのが面白いセリフだと思いました。
モニカは継続を表す完了形を使って、This has been kind of a girlie day. 「今日のこの日は、ずっとガーリーな・女の子っぽい日って感じだったものね」と言って、そういう女の子っぽいことにチャンドラーをつき合わせてしまったことを詫びています。
そんなの問題ないよ、と言いながら、チャンドラーは、in a "guy" place や do kind of like a "man" thing のように、guy, man という言葉を使って、男っぽい場所、男っぽいことが必要なんだと言っています。
男っぽいことの話になって、モニカは、drink some beer and hammer up some dry wall と言っていますね。
hammer は文字通り「ハンマー」で、ここでは動詞として使われています。
hammer up は wall に向かってハンマーを振り上げるイメージでしょう。
dry wall は研究社 新英和中辞典では、
dry wall 【名】【C】
T (モルタル・セメントを用いない)石積み壁
U (壁板・プラスターボードで作られた)乾式工法の壁
と説明されています。
Wikipedia 英語版: Drywall
では、also known as plasterboard... 「プラスターボード(石膏ボード)…などとしても知られている」とありますので、「石膏ボード」のイメージで理解するとよいでしょう。
ビールを飲んで、ハンマーで壁をガンガン叩く、みたいな感じでしょうから、ビール片手に、アメリカ人が好きな DIY (Do it yourself) つまり、日曜大工みたいなことをするイメージをモニカは頭に描いているのかなと思います。
男性が集まるとこういうことするんでしょう?みたいな、女性が想像するステレオタイプなイメージを語っているわけで、それを聞いたチャンドラーは、「男が集まっても、そんなことはしないよ」と笑いながら否定しています。
モニカもそれに対応する形で、When girls hang out, we don't have... 「私たち女性も、一緒にいる時に…はしない」と説明しています。
つまり、あなたたち男性が想像しがちな、イメージ通りのことは私たち女性もしないわよ、と言っているわけですが、その内容はと言うと、have pillow fights in our underwear つまり「下着姿でピローファイト(枕投げ)をする」こと。
軽く笑いながらそう言ったモニカでしたが、その発言を聞いた後、チャンドラーは、あ、と口を開けて寂しそうな顔をしています。そんなことって…とショックを受け、目の焦点が定まらず茫然とした顔になっています。
チャンドラーが想像していたそういう映像が、実際には行われたりはしていないとわかって衝撃を受けているわけですが、「下着姿で枕投げ」が虚構のイメージだと知った場合に、そこまでショックを受けるかぁ?!的な面白さがあるわけですね。
軽い気持ちでそう言っただけなのに、チャンドラーがものすごいショックを受けた様子なので、モニカは慌てて自分の発言を訂正しています。
We do. はその前の発言の、we don't have pillow fights... という否定文を、肯定文に訂正した形で、つまりは、We have pillow fights in our underwear. ということ。
「下着姿で枕投げはしない、って言ったけど、それは間違いよ。私たち女性はそういうことしてるわよ」と、言い直しているわけですね。
「どうしてそんなこと(下着姿で枕投げはしない、なんてこと)を言っちゃったのか自分でもわからない」とも付け足しています。
恋人チャンドラーの夢を壊さないように、必死に自分の発言を否定するモニカが微笑ましいですね。
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