2011年12月09日

着替え中に入ってくる人 フレンズ6-9その3

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[Phoebe walks from the living room to the kitchen and talks quietly to Rachel.]
フィービーはリビングからキッチンに歩いてきて、レイチェルに静かに語りかける。
フィービー: Rach, Rach, I just remembered. I had a dream about Mr. Geller last night. (レイチェル、レイチェル、ちょっと思い出したの。昨日の晩、ゲラー氏(ゲラーパパ)の夢を見たのよ。)
レイチェル: Really? (ほんとに?)
フィービー: Yeah, I dreamt that he saved me from a burning building and he was so brave and so strong! And it's making me look at him totally differently. Y'know, I mean, he used to be just, y'know "Jack Geller, Monica and Ross' dad. "And now he's, he's "Jack Geller, dream hunk." (ええ、彼が私を燃えるビルから助け出すって夢を見たの。彼はとっても勇敢でとっても強かったのよ! そのことで、彼を全く違った目で見るようになってるの。ほら、つまり、以前はただ、ほら、「ジャック・ゲラー、モニカとロスのパパ」だったけど、今や彼は、「ジャック・ゲラー、夢のたくましくていい男」。)
[We see a shot of Jack stuffing his face with food. Some dream hunk!]
視聴者は顔を食べ物でいっぱいにした[顔に食べ物を詰め込んだ]ジャックのショットを見る。全く、大した「夢のたくましくていい男」だ!
レイチェル: I dunno. Y'know, to me, he'll always be "Jack Geller, walks in while you're changing." (どうかしらねぇ。ほら、私にとっては、ゲラーパパはいつも、「ジャック・ゲラー、着替え中に入ってくる人」だけど。)

感謝祭のデザートを作っているレイチェルのところにフィービーがやってきて、「昨夜、ゲラーパパ(ロスとモニカのパパ)の夢を見たの」と話しかけます。
驚くレイチェルに、フィービーはその夢の内容を語ります。
「燃えさかるビルから私を助け出してくれたの。彼はとっても勇敢で強かったのよ!」と、ゲラーパパがヒーローになったかようなお話ですね。

It's making me look at him totally differently. の make は使役動詞。
夢の中のそういう彼の行為、もしくはそういう夢を見たことが、「私を look at him totally differently にさせている」という感覚になります。
「全く違うように彼を見る」ようにさせた、ということはつまり、彼を見る目が全く変わってしまった、それまでとは全く違う感じで彼を見るようになった、ということですね。

used to 「以前は…だった」、now 「今は…」という表現を使って、夢を見る前と後とで、どのように見る目が違ったかということをフィービーは説明します。
以前の状態は、「ジャック・ゲラー、モニカとロスのパパ」という、なんとも「そのまんま」な説明なわけですが(笑)、夢で助けられた後の彼は「ジャック・ゲラー、dream hunk 」だと言っています。

hunk は「りっぱな体格の男、たくましい男」、さらには「セクシーでいかす男、いい男」という意味もあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hunk : (informal) a sexually attractive man with a big strong body
つまり、「(インフォーマル) 大きくて強い体の、性的に魅力的な男」。

ロングマンの語義にもあるように、「性的に魅力的」、つまり、「異性として魅力的に感じられる」という感覚なのですね。
dream は「夢の中に出てきた」というよりも、「夢の(男)」という感じ、つまり、「夢のように素晴らしい、理想的な」という感覚になるでしょう。

ゲラーパパを dream hunk だと表現したフィービーですが、そのパパに視線をやると、パパは食べ物を口いっぱいにほおばって、口の端にクリームみたいなものまでつけて、食べ物にがっついている、という感じ。
フィービーが、dream hunk だと言ったのとは対照的な、その現実の姿とのギャップに、観客も笑っているのですね。

ト書きには、Some dream hunk! と書いてありますが、これは「全く、大した・とんだ”夢の男”ってやつだな!」みたいな皮肉なニュアンスが入っています。
元々、some には、「たいした、なかなかの」「素敵な、素晴らしい」という意味があるのですが、それをわざと皮肉っぽく使って、「全く、大した…だよ」と表現する技法があるのですね。
本音としては、「全然…ではない」と言いたいところをあえて皮肉っぽく大袈裟に褒めている感じです。

LAAD では、
some [determiner] :
4. (spoken, informal) very good, bad, impressive, or extreme
例) That was some party last night!

つまり、「(限定詞。口語、インフォーマル) とても良い、とても悪い、印象的、または極端な」。
例文は、「昨夜はなかなかのパーティーだったね!」
5. some friend/help! etc. (spoken) used, especially when you are annoyed, to mean someone or something has disappointed you by not behaving in the way you think they should
例) Some friend you are!

つまり、「特にうんざりしている時に、誰かや何かがそうすべきだと思う方法で行動しないことで人をがっかりさせたことを言うのに用いられる」。
例文は、「まったく、君はたいした友人だね!」

上の 4. の語義が文字通りの「なかなかの」という意味で、5. が皮肉っぽく使った用法だということになります。

ト書きを書いた人にもあきれられているゲラーパパですが(笑)、レイチェルも、ゲラーパパの様子を目にしながら、「どうかしらねぇ」みたいに言って、自分にとってはこんな風に見える、というさまを説明しています。

ネットスクリプトに I dunno. と書いてあったので、上ではそちらを採用しましたが、これはつまり、I don't know. ということ。
発音したまんまを文字にしたらこんな感じ、というような「発音綴り」です。

「私にとってゲラーパパはいつも…」の後、walks in while you're changing と言っています。
change は「変わる」ですが、この場合は「着替える」ですね。
主語の you は、一般の人を表す you で、それには自分自身も含まれています。
ここでの感覚は、「私たち女性が着替え中に、歩いて(その部屋に)入ってくる」という感じですが、そういう場合に we や I ではなく、you を使うことで、相手に共感させながら物事を語ることができる、という効果があるわけです。

walks in のように「現在形」が使われているのは、「そういう習慣・習性がある(人)」という感覚。
「女性が着替えてると(いつも)部屋に入ってくるのよ、女性の着替え中に部屋に入ってくるような人よ」と言っていることになります。
ちょっとうろ覚えなのですが、あだち充さんの漫画「みゆき」で、鹿島ちゃんのお父さんの「二枚刃の安次郎」さんが、よく女の子(実の娘の鹿島ちゃん含む)の着替え中に、「間違って」部屋に入ってきては「キャー」とか言われ、ドアを閉めた後に「ムフ」とか言ったりしていたような…(笑)。

レイチェルはゲラーパパに対して、悪い言葉で言うと「エロ親父」みたいなイメージを持っているということが、このセリフからわかるわけですね。


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posted by Rach at 17:33| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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