2011年12月13日

アローン・アローン フレンズ6-9その4

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今年の感謝祭のデザートはレイチェルが作ることになったのですが、レシピ本のページがくっついていたために、別のビーフ料理が混ざったデザートを作ってしまいます。
それを知ったロスとジョーイは、レイチェルが笑い者にならないよう、おいしそうなふりをして食べてくれと他のみんなに頼むことにします。
ジョーイがみんなに頼んでいるのをレイチェルに聞かれないように、ロスはレイチェルを廊下に連れ出します。
レイチェル: What's up, Ross? (どうしたの、ロス?)
ロス: So um... Thanksgiving. The holiday season is upon us, hm? (それであの…感謝祭だね。ホリデー・シーズンがやってきたね。)
レイチェル: Yeah! (そうね!)
ロス: And um... You look nice today. (それでその…今日、君は素敵だよ。)
レイチェル: Oh, no. No, Ross, don't do this. (あぁ、だめよ、ロス。こんなことしないで。)
ロス: What? (何?)
レイチェル: I just, I don't think us getting back together is a good idea. (私はただ、私たちがよりを戻すのはいい考えじゃないと思うの。)
ロス: (shocked) Eh? ([ショックを受けて] え?)
レイチェル: I thought this might happen today. Ross, I know the holidays can be rough... y'know? And it's probably really hard for you to be alone right now. (こういうことが今日起こるかもしれないって思ってたのよ、ロス。ホリデーがつらいってわかるもの、でしょ? そして、多分、あなたにとっては、ちょうど今ひとりでいることが本当につらいんでしょうね。)
ロス: (cutting her off) You're alone. ([レイチェルの話を遮(さえぎ)って] 君もひとりだろ。)
レイチェル: No, I, I live with Phoebe. I mean, you're [pity-tone] alone-alone. And I just, it's just not the time for us. I'm sorry. (いいえ、私はフィービーと住んでるもの。ほら、あなたは [憐(あわ)れみの口調で] ほんとにひとりぼっちだもの。私たちにとってその時じゃないと思うの。ごめんなさい。)
ロス: (just trying to get out of the conversation) Oh, well. Can't blame a guy for trying. ([その会話から抜け出そうとして] まぁ、いいや。人が何かにトライするのを非難はできないだろ[トライしてみるのも悪いことじゃないだろ]。)

廊下でレイチェルをしばらく引き留めておかないといけないロスは、話題が見つからないので、「ホリデーシーズンがやってきたね」とか「今日の君はきれいだね」とか、適当なことを言っています。
何を話していいかわからない、みたいな様子のロスを見て、レイチェルは誤解してしまったようです。
「こんなことしないで」と言われたロスは何のことかわからず、What? と聞き返すのですが、その後のセリフで、レイチェルがロスの様子をどう誤解したのかがわかりますね。

I don't think us getting back together is a good idea. の us getting back together は、us が getting という動名詞の主語に当たります。
フレンズでこれまで何度も出てきたように、動名詞の主語は、セリフのような口語では、所有格(our)ではなく、目的格(us)が使われることが多いですよね。
I don't think A is a good idea. は、「私は…とは思わない」という否定語句 not が先に来る形になっています。
英語ではこのように、not のような否定語句はできるだけ早めに示しておく、という傾向があります。
このレイチェルの発言から、ロスが復縁を迫っている(笑)とレイチェルが誤解したことがわかりますね。

I thought this might happen today. は、「私は今日、このことが起こるかもしれないと思っていた」。
rough は「つらい、苦しい」で、the holidays can be rough は「ホリデーはつらいものにもなり得る」という感覚でしょう。
つまり、どうして「今日」こういうことが起こりそうと思っていたかと言うと、今日の感謝祭のような特別な日には、普段よりもより人恋しくなって、元の恋人とよりを戻したいと思ったりするかもしれないと思ってた、みたいなことですね。
さらに追い打ちをかけるように、really hard for you 「あなたにとっては本当につらい」こととして、to be alone 「ひとりでいること、ひとりぼっちでいること」と言っています。

ト書きの cut off は「人の話・発言を遮る(さえぎる)」。
「ひとりぼっちのあなたには、ホリデーシーズンはさぞ堪える(こたえる)でしょうねぇ」みたいに言われたので、「僕のことを alone だと言うレイチェルだって、彼氏がいないから alone じゃないか!」とロスは指摘します。

レイチェルはそれを軽く否定して、「私はフィービーと一緒に住んでるもの」と返しています。
つまり、今は彼氏はいないけれど、一緒に住んでる同居人はいる、ということですね。
そう言った後、同情するかのような憐れみの感じられるトーンで、「あなたは alone-alone だもの」と言っています。
alone-alone のニュアンスは、全く・完全に・本当に alone みたいな感覚ですね。
私の場合は alone と言っても、「同居人がいる」 alone だけど、ロスの場合は、
正真正銘の alone、「一人で住んでるし、彼女もいない」 alone だと言いたいわけです。
「まさに alone と表現できる alone」みたいなニュアンスでしょう。
逆に、同居人がいるレイチェルの場合は、I'm not alone-alone. 「alone って断言できるほど、alone でもない、”ひとりぼっち”って言うほどひとりぼっちでもない」みたいな感じになると自分では言いたいのでしょうね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、alone の語義が以下のように説明されています。
alone :
1. NO OTHER PEOPLE without any other people
2. NO FRIENDS without any friends or people who you know, and feeling nervous or unhappy

つまり、1. は「他の人が誰もいない状態で」、2. は「友達、または知り合いが誰もいない状態で、神経質で不幸せな気持ちであること」。

1. は物理的に人が近くにいない、という感覚で、2. は精神的に人がそばにいない、という感覚になるでしょうか。
レイチェル的には、自分には同居人がいるから、たとえ今、ステディな恋人がいないとしても、上の 1. の語義には自分は該当しない、と言いたいわけですね。
お互いに今は恋人がいないけど、私は同居人がいるから、あなたほど寂しくない、人恋しくないのよ、みたいに、少し勝ち誇ったような優越感を味わっているようなセリフになるでしょう。

元カノにそんなことを言われ、ムッとしたらしいロスは、とりあえず時間稼ぎはできた、とばかりに、あっさりと話を終えます。
Can't blame a guy for trying. を直訳すると、「ある人間がトライするのを責める・非難することはできない」。
例え、ダメ元であったとしても、人が何かにトライしようとすることは悪いことではない、みたいな意味になるでしょう。
ロスはただ時間稼ぎをしたかっただけなのに、よりを戻したがっているとレイチェルに誤解されてしまったわけですが、あえてその誤解を解くことはせずに、それが会話の目的だったことにして、「まぁ、よりを戻せるかどうかトライしてみるのも悪いことじゃないだろ、結果はダメだったけどトライしたこと自体は悪いことじゃないもんね」と言ってみせて、無難に会話を終わらせようとしている、ということになるでしょう。
勝手に「よりを戻したがっている」と誤解され、さらには「私はまだいいけれど、恋人もいない、同居人もいないあなたにとっては、この季節は寂しいでしょうねぇ」みたいに同情され、踏んだり蹴ったりのロスがなんだかかわいそうですね。

(2011.12.16 追記)
上で説明した、Can't blame a guy for trying. というセリフの解釈について、Twitter 上でご意見を頂戴しました。
このセリフは少々ダブルミーニングになっていて、trying 以下は、"trying to keep her there" 「レイチェルをそこにとどまらせるようトライする」ことも同時に示唆しているのではないか、というご意見だったのですが、私もそれが正しいように今は思います。

このセリフそのものは、レイチェルに対して言っているセリフなので、レイチェルに対しては、上に書いたような「よりを戻せるかどうかトライしてみるのも悪いことじゃないだろ」という意味に聞こえることを想定して、ロスは言っているのだと思いますが、ロスの本心としては、「それほど長時間レイチェルを廊下でキープできたわけでもないけれど、彼女を部屋から連れ出して廊下で時間稼ぎするという任務をとりあえずは頑張ってみた、トライしてみた、だからジョーイも僕を非難したりはしないよね」という意味で、このセリフを言った気がします。
レイチェルに一方的に失礼なことを言われたので、それ以上、間(ま)が持たなくなって、会話を切り上げて中に入ろうとしたわけですが、その前に自分に対する言い訳みたいな感じで、「結果は上々とは言えないながらも、自分の仕事はとりあえず済んだことを自分に対して言い聞かせている」ようなニュアンスが感じられるように思います。
あえて trying でセリフを終えているために、レイチェルは自分が想像している意味で受け取るし、ロスは自分の意図をレイチェルに気づかれることなくそう言える、というダブルミーニングになりうるわけでしょうね。
(追記はここまで)


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posted by Rach at 15:10| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちわ。たまたまサイトを見つけてお邪魔しました。 I used to LOVE Friends, so this is really interesting to me. Keep up the good work!!
Posted by Pedo Koneko at 2011年12月14日 09:22
Pedo Konekoさんへ
Thank you for visiting my blog & for your encouraging comment.
I'll try to keep it up as much as possible. :-)
Posted by Rach at 2011年12月16日 17:03
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