2011年12月16日

少しでも慰めになるとしたら フレンズ6-9その5

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フレンズたちは、レイチェルが間違って牛肉を入れてしまったデザートを食べています。
「マズい」ということは言わないようにしているものの、別の場所で食べると言って次々と席を立つみんなを見て、レイチェルは自分の作ったデザートに問題があると気づき始めたようで…
レイチェル: Okay, now what was that all about? Is it, does it not taste good? Let me try it. (いいわ、今のは一体何なの? そのデザートがおいしくないの? ちょっと私にも試させて。)
[Rachel reaches for Ross's plate]
レイチェルは、ロスの皿に手を伸ばす。
ロス: Wha? No no! Ah! (Ross scarfs all of his trifle down in about a second. He looks like he's going to throw up.) (Lying) All gone! So good! Maybe Chandler has some left. (何? だめだめ! あー! [ロスは約1秒で、自分のトライフルをがつがつ食べてしまう。ロスは吐きそうになっている] [嘘をついて] 全部なくなったよ! すごくおいしい! 多分、チャンドラーがまだいくらか残してるんじゃないかな。)
[Rachel leaves to the balcony.]
レイチェルは(チャンドラーがいる)バルコニーに向かう。
ロス: It tastes like feet! (足みたいな味がする!)
ジョーイ: I like it! (俺は好きだよ!)
ロス: Are you kidding? (冗談だろ?)
ジョーイ: What's not to like? Custard? Good. Jam? Good. Meat? Gooooood. (好きじゃないものって何? カスタードは? グッド。ジャムは? グッド。肉は? グーッド!)
[Rachel and Chandler re-emerge from the balcony.]
レイチェルとチャンドラーがバルコニーから再び現れる。
レイチェル: ...So a bird just grabbed it, and then... and then tried to fly away with it and, and then just dropped it on the street? (それで、一羽の鳥がそれをつかんで、それから… それから、それを持って飛び去ろうとして、そして通りにそれを落としちゃったの?)
[Chandler makes a fake "I know I couldn't believe it either" gesture.]
チャンドラーは、「俺もそんなこと信じられなかったけど」というニセのジェスチャーをする。
チャンドラー: (lying) Yes, but if it's any consolation, before the bird dropped it, he seemed to enjoy it. ([嘘をついて] そうだよ、でも、もし少しでも慰めになるとしたら、鳥がそれを落とす前、その鳥はトライフルを楽しんでるように見えたよ。)

レイチェルが作ったデザート(トライフル)の皿を持って、みんなが次々と席を立つのを見て、レイチェルは、「私にも試食させて、私にも試しに食べさせて」と言って、ロスの皿のトライフルを味見しようとします。
ト書きの scarf はいわゆる「スカーフ、襟巻き」と同じ綴りですが、ここでの動詞の scarf は「…をガツガツ食べる」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
scarf also scarf down/up [verb, transitive] (informal) : to eat something very quickly
つまり、「何かを非常に素早く食べること」。

チャンドラーのところにはまだ残りがあるかも、と言われたので、レイチェルはチャンドラーのいるバルコニーへと向かいます。
レイチェルが去った後、ロスは「足みたいな味だ」と何ともひどい形容をしていますが(笑)、平然とした顔でむしゃむしゃトライフルを食べていたジョーイは、I like it! と言っています。

驚くロスに、「好きじゃないものって何?」と言いながら、トライフルの中身を一つずつ、これはどう?あれはどう?と挙げていき、全部に、Good? と返事しているのがなんともジョーイらしくて面白いですね。
デザートと牛肉料理が混ざったために、何とも妙な味になってしまっているのに、個々の素材が俺の好きなものばっかりなんだから、俺が気に入らないはずはないだろ、みたいな理由なわけです。

その後、レイチェルとチャンドラーがバルコニーから部屋の中に入ってきます。
レイチェルは、チャンドラーと話しながら入ってきたのですが、そのレイチェルのセリフを聞いていると、チャンドラーが「鳥がトライフルを奪っていったんだ」みたいな話をしたことがわかります。
So a bird just grabbed it と言った直後に、観客の笑い声(ラフトラック)が入っていますね。
チャンドラーが自分がトライフルを食べなかった理由の言い訳に鳥の作り話をした、ということが観客にもその時点でわかったので、そこでみんな笑っているということです。
英語のセリフで聞いていて、同じ位置で笑えたら「いい感じ」かなと思います。

「鳥がつかんで…」と言うので、そのまま鳥がつかんで持ち去った、のかと思いきや、その後、まだ話の続きがあって、「つかんで、そのまま飛び去ろうとしたら、鳥はトライフルを通りに落としてしまった」という結末になっています。
つまり、チャンドラーは、それ以上食べたくなかったトライフルの残りを、バルコニーから下の通りに投げ落としたようですが、それをレイチェルに見つかったため、「鳥が持ち去ろうとして、誤って下に落とした」ということにしたのがわかります。
とっさの言い訳にしては、なかなか話がよくできていますね(笑)。

それを、チャンドラー自身の口から語らせずに、「じゃあ、これこれこういうことなわけね?」とレイチェルがその状況を繰り返すのをセリフとして聞かせるのが、笑いとしてはさらに効果的な気がします。

チャンドラーらしい作り話も楽しいですが、その後の妙なフォローもチャンドラーらしくて面白いですね。
consolation は「慰め」「慰めとなるもの」なので、if it's any consolation (to...) は、「(…にとって)少しでも慰め・気休めになるなら」。

LAAD では、
consolation [noun] : someone or something that makes you feel better when you are sad or disappointed
例) If it's any consolation, you played better than you did last time.

つまり、「人が悲しんでいる、または失望している時に、その人の気分がより良くなるようにする人または物」。
例文は、「少しでも気休めになるのなら、君は前回よりも、うまくプレーしていたよ」。

つまり、チャンドラーのセリフは、「せっかくのデザートなのに、鳥が奪って通りに落としちゃったのは何とも残念だけど、落とす前に鳥はそれをおいしそうに食べてたよ。それを聞いて君の気が少しでも休まるといいんだけどね」みたいなことですね。


(Rach からのお知らせ)
前回の記事、フレンズ6-9その4 に追記しました。
"Can't blame a guy for trying." というセリフの解釈についての追加説明になりますので、興味のある方は併せてご覧下さい。


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posted by Rach at 16:49| Comment(4) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
非公開コメントでご質問して下さった方へ
ご質問ありがとうございます。

ご質問に対するお返事につきましては、もうしばらくお待ち下さいませ。
近日中に、恐らくこの記事のコメント欄にてお返事させていただくことになると思います。
どうかよろしくお願いいたします。

Posted by 非公開コメントを下さった方へのお返事 at 2011年12月19日 17:52
非公開コメントでご質問して下さった方へ

お返事遅くなりました。
私なりの見解を書いているうちに、文章が長くなってしまったので、以下のタイトルで、一つのブログ記事として投稿させていただきました。

主語複数形+目的語単数形の配分単数
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471863.html

興味深い題材でもあり、また、同じような疑問を感じておられる英語学習者の方も多いと思うので、ブログの記事にして多くの方と意見をシェアできた方が良いだろうと判断させていただきました。どうかご了承下さいませ。
また、その記事内でわかりにくい箇所などございましたら、非公開コメントでも結構ですので、ご遠慮なくおっしゃって下さいね。
Posted by 非公開コメントを下さった方へのお返事 at 2011年12月21日 16:35
英語の読解とは関係ない話なんですが、このエピソードを見て感じたことがあったので書かせてもらいました。

「アメリカ人は気遣いをしない。」、「アメリカ人はどんな場面でも自分の意見をずけずけと言う。」、「アメリカ人はおべっかを使わない。」、「アメリカでは謝ることは隷属や敗北を意味する。」みたいな話を聞くことがありますよね?一方、今回のエピソードに限らず、フレンズの登場人物はだれも、すごく気遣いをして、なかなか言いたいことが言えず、とても遠回しな言い方をする、お世辞を使い、悪いことをしたらちゃんと謝る人ですよね。

私は昔17歳の時にホームステイでコロラド州に行ったのですが、行く前に読んだ本に以下のようなことが書いてありました。「アメリカでは嫌いな食べものは、嫌いだとかおいしくないなどとはっきり言いましょう。アメリカ人はだれだってそうしています。日本人みたいにおいしくないのにおせじでおいしいという人はいません。」、「アメリカの社会には遠回しな言い方は存在しないので、遠回しに言うと意志を伝えることはできません。これはアメリカが多民族社会だからです。」、「アメリカ人は自分が悪いことをしても謝りません。謝ってはいけません。多額の賠償を求められて後で大変なことになります。アメリカでは謝ることは隷属や敗北を意味することなのです。これは戦争をする民族が造った国だからです。」というようなことがたくさんのうんちくを交えてアカデミックにすら書いてあって、説得力があり、すっかりだまされて、大変な気構えをして行った記憶があります。

しかし実際に行ったら全然そんなことはありませんでした。むしろ日本人以上に気遣いの大変な国だなと思ったことが多々ありました。パーティに行って、生まれてこれまでこんなにおいしいものは食べたことがないと最高級の褒め言葉を言っていた人が、後であんなまずいものは2度と食いたくないと言ったのを聞いたこともあります。どうみてもオシャレじゃない人や美人じゃない人を、すごくオシャレで美人だと褒めるのも普通です。女性が初めて着てきた服を見たら、それがどんなに似合っていなくても、すぐ褒めます。先に行く人がドアを開けてくれたり(かなりの距離があっても開けて待っている)、荷物を棚に上げるのを手伝ってくれたり、顔色が悪ければ心配してくれたり、そういう細かい気遣いは日本人よりずっとできます。会う気もないのに、今度一緒にどこどこに行こうみたいな社交辞令も日本以上にあります。あまりにも前置きが長い上に、始まった本題も遠回しに言うので、「いいから、はっきり言えよ。」と言いたくなることもよくありました。

日本で言われている、自己主張が激しく、気遣いをしない、決して謝らない、みたいな話は、日本人が全くアメリカ社会のことを知らない時代に創作しまった伝説なんだろうなと思います。私の両親なんかは今でもそのような伝説を信じているので、正月に実家に帰った時なんかに、たまたまアメリカ(というか日本以外のすべての外国)の話になると、そのような伝説を、両親が自慢げに披露することがあるのですが、老人の仲間入りをした年齢の両親に対して、なにか説き伏せるようなことをするのも嫌なので、「そうなんだ、へえー。なるほど。」みたいな感じで聞いているのですが、なんともはがゆい気持ちになります。フレンズ見てから言え!と言いたくなります。

そういえば昔小学校の教科書にアラブ人は自分の失敗でお皿を割っても決して謝らずに、「この皿は割れる運命にあった。」と言うとはっきり書いてあったのを思い出します。「この皿は割れる運命にあった。」で検索してみたら、伝説を語っているサイトが数えきれないくらいヒットしました。
http://6257.teacup.com/kg/bbs/154
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1055026970
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=142830
http://takashichan.seesaa.net/article/306462827.html
http://www.takemoto-shozo.com/edu-2.htm
http://www.i-osamu.sakura.ne.jp/htm/zatugaku/zatugaku-3.htm
教科書に書くくらいだから事実の断片は存在しているのでしょうけど、たぶんに誤解に満ちた話なのではないかと推察します。特定のエピソードのみにあてはまった実話で、決して日常のどんな場面でもあてはまるわけではないのかもしれませんし、慣用句のような表現で言葉の表面の意味とはかけ離れた使われ方なのかもしれませんし、いずれにしても教科書に気楽に載せて、教育的な成果の期待できるものだとは思えません。

ホームステイ中は語学学校に通っていたのですが、その当時の語学学校はアラブ人と日本人がものすごく多かったです。ある時日本人が乗っていた中古の日本車をカタール人に貸したところ、事故で大破させたことがありました。幸い借りたカタール人は軽傷でした。そのカタール人は「この車は大破する運命にあった。」とは言わず、謝ってBMWの新車を買って返したのです。

同じアラブ人でも石油の出ない国の貧しい人なら違った結果になったとは思いますが、○○人はこう考えるとか○○人はこうするというような決めつけは、日本人はこれが大好きなわけですが、とても危険だなと感じます。私はホストファミリーに迎えられた初日の食事で、読んだ本の影響から、あれもこれもおいしくないとはっきり言ってしまったことがあって、今回のエピソードを見て少し思い出してしまいました。それはとてつもなくばつの悪い始まり方でした。

英語の勉強とは何の関係もない話を長々としてしまいました。興味なければ読み飛ばしてください。失礼しました。




Posted by 神田 at 2013年01月25日 01:20
神田さんへ
貴重な体験話、ありがとうございます。

日本で聞かれるアメリカ人の一般論として、「意見をはっきり言う」ということをよく耳にしますよね。ですから私も、フレンズなどを見始めて、みんな結構言いたいことも言えず、さらにつらい状況に追い込まれたりしているのを見て、そういう「よくあるアメリカ人のイメージ」を改めた人間の一人です。

文化の違い、国民性の違い、などと言いますが、フレンズを見ているとむしろ、同じ部分の方がよく目につく気がします。やっぱり相手を傷つけるようなことは言いたくないし、嫌われるようなことも言いたくない、というのはどこの国でも同じなんだなぁ、と。

フレンズはシットコムというコメディーなので、デフォルメされている部分も多々あるでしょうが、それでも根底に流れるものはやはりお国柄が大いに反映されているのだと思います。私は実際にアメリカで暮らしたことはないですが、ドラマや映画を見ている中で、ただ人の話を聞いて勝手なイメージを持っているよりはもう少し現実に近い姿を理解できているような気はしています。

アラブ人の方の話も、興味深いですね。とにかく人はカテゴリーで判断しがちですが、誰かの判断はその中の一部を見てだけの判断かもしれない、ということを頭に置いて、人対人で相手を見ていける人間になりたいな、とつくづく思いました。

貴重なお話、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2013年01月28日 15:33
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