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ジョーイのルームメイトであるダンサーのジャニーンがセントラルパークに入ってきて、
ジャニーン: I just got a call to be a dancer on a television special for New Year's Eve. It's called some sort of Dickin' Rockin' Dicky Eve. (たった今、大晦日(おおみそか)のテレビスペシャルのダンサーとして出るようにって電話があったの。「ディッキン・ロッキン・ディッキー・イブ」とかって名前の番組よ。)
モニカ: Hold it! Are you talking about Dick Clark's New Year's Rockin' Eve? (ちょっと待って! あなたが言ってるのは、「ディック・クラークのニューイヤーズ・ロッキン・イブ」のこと?)
ジャニーン: Yeah, that's what I said. (ええ、私はそう言ったわよ。)
モニカ: Oh, my God! We love that show! I mean Ross and I have been watching it since I, I can remember! (なんてこと! 私たち、その番組大好きなの! ロスと私は物心ついた時からその番組をずーっと見てるのよ!)
ロス: Yeah. (そうだよ。)
チャンドラー: Ah, you're still just a little fat girl inside, aren't you? (He kisses her on the cheek) (あー、君の中では君はまだ小さな太った女の子なんだね? [チャンドラーはモニカの頬にキスする])
ジャニーンはプロのダンサーなので、大晦日の有名番組へダンサーとして出演することになったようです。
ジャニーンが、その番組のタイトルを、Dickin' Rockin' Dicky Eve だと説明するのを聞いて、モニカは、「それって、Dick Clark's New Year's Rockin' Eve のこと?」と驚いた様子で聞き返していますね。
Yeah, that's what I said. は、「ええ、それ(今、モニカが言った名前)が私が言ったことよ」というような意味。
ジャニーンは実際の番組名とはやや違う名前を言ったにもかかわらず、「ええ、だから私はそう言ったけど」みたいに返している感じで、自分の間違いに気づいてないことがわかります。
アメリカでは有名な番組なのですが、オーストラリア出身のジャニーンはその番組名を知らなくて、なんとなく適当にそれらしい名前を言ってみた、というところですね。
その有名な番組については、後に詳しく説明しますので、まずは先にセリフの方を見てみます。
その番組にジャニーンが出ると聞いて、モニカは興奮気味に、Ross and I have been watching it since I, I can remember! と早口でまくし立てています。
have been watching... since という「継続を表す現在完了進行形」を使って、「〜して以来、ずーっと…を見ている」というニュアンスを出しています。
since I can remember は「物心ついてから」。
記憶が残っているような小さな頃からずーっとその番組を見ていた、だから、ジャニーンがその番組に出ると聞いて、大興奮しているわけです。
盛り上がっている自分の恋人モニカを見て、チャンドラーは、「君の中ではまだ君は小さな太った少女なんだね」みたいなことを言って、愛しそうにモニカの頬にキスしています。
言われた方のモニカは、a fat girl と言われて嬉しいはずもなく、「へ?」みたいな顔をしているのも面白いですね。
子供の頃から大好きだった番組に盛り上がっているモニカに、「君はまだ子供みたいだね、君の中にはまだあの頃の少女の君がいるんだね」と愛しげに言うのは恋人のセリフによくあるパターンですが、当時のモニカがものすごく太っていたことから、a fat girl のようにわざわざ fat という形容詞を入れているところが、からかいを混ぜたチャンドラーっぽいセリフだなと思いました。
モニカにしてみれば、「その fat って一言が余計なんだけど」みたいなところでしょう。
さて、ここで、その大晦日の特別番組について説明します。
Dick Clark's New Year's Rockin' Eve は ABC (フレンズと同じ局)の大晦日の番組。
まずはその司会者のディック・クラークについて、以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: ディック・クラーク
Wikipedia 英語版: Dick Clark
まずは日本語版ウィキペディアを見てみると、興味深い以下の記述があります。
また、大晦日にABCで放送される年越し番組「Dick Clark's New Year's Rockin' Eve」の司会も勤めている(ただし1999年はミレニアム特番で放送なし、(以下略)
今回のフレンズのエピソードの放映日は、1999年12月16日。
ですから、ここで話題になっているディック・クラークの大晦日特番はもちろん 1999年の大晦日に放送予定のものなわけですが、1999年の Dick Clark's New Year's Rockin' Eve は、「ミレニアム特番」のために、実際には放映されなかった、ということになります。
英語版ウィキペディアを見てみると、その「ミレニアム特番」というのは、ABC 2000 Today という番組のようですね。
Wikipedia 英語版: ABC 2000 Today
1999年12月31日午前5時から、翌日2000年1月1日午前4時までの、実に23時間(正確には23時間10分らしい)にもわたる特別番組だったようです。
この時の司会者は、Peter Jennings が担当したようですが、ウィキペディアの Correspondents and guests には以下の記載があります。
Dick Clark did the countdown in Times Square, as always since his Dick Clark's New Year's Rockin' Eve shows first aired in 1972, and was credited as a correspondent. Dick Clark's New Year's Rockin Eve was not aired as a result of the broadcast. Jack Ford was stationed in Times Square throughout the broadcast and did the countdown in Times Square with Clark.
つまり、「ディック・クラークは(そのミレニアム特番「ABC 2000 Today」で)、自分の番組 "Dick Clark's New Year's Rockin' Eve" が1972年に初放映されて以来の例年と同様に、タイムズ・スクエアでカウントダウンを行った。彼は特派員としてクレジットされた。
Dick Clark's New Year's Rockin Eve は、放送の結果としては放映されなかった。ジャック・フォードは放送の間中ずっとタイムズ・スクエアにいて、(ディック・)クラークと一緒に、タイムズ・スクエアでのカウントダウンを行った。」
要は、ミレニアム特番のために、毎年恒例のディックの大晦日番組はなかった(番組としては放映されなかった)けれど、タイムズ・スクエアでのカウントダウンはいつものように彼が行った、ということのようですね。
彼のカウントダウンを聞かないと年を越せない、みたいな感覚がある、ということでしょう。
この番組にジャニーンが出演するんだ!と大喜びしているけれど、実際にはその年だけ、その番組が放映されなかった、というのは、なかなか面白いなぁと思います。
この番組は、シーズン1の大晦日エピソード、フレンズ1-10 でも言及されていました。
とにかく、フレンズで大晦日、年越しの話になると、必ず話題に出てくる有名番組なので(やっぱり、同じ局の番組ですから、当然と言えば当然ですが…笑)、今回、ちょっと詳しめに語ってみました。
タイムズスクエアのカウントダウンと言うと、ただいま公開中の映画「ニューイヤーズ・イブ」(New Year's Eve)が、まさにその「NYタイムズスクエアの年越しのカウントダウン」をテーマにした作品ですよね。
映画『ニューイヤーズ・イブ』 公式サイト
子供が冬休みに突入したため、映画を見るチャンスがないのですが、今朝とりあえず近くの映画館に行って、映画パンフレットだけはゲットしてきました(笑)。
パンフには、有名な「ボール・ドロップ」や、「年越しのキス」などの話も解説されています。
この映画の監督は「プリティ・ウーマン」も監督したゲイリー・マーシャル。
それはもう超豪華キャストが集結!という映画ですが、キャストを見ていて「お!」と思ったのが、「プリティ・ウーマン」でもいい味を出していた支配人役のヘクター・エリゾンドも出ている、ということ。彼はマーシャル作品には欠かせない俳優さんのようです。
パンフによると、この映画は、2010年12月31日(ということは1年前の大晦日!)にタイムズスクエアで撮影されたそうです。
フレンズでは、これまで何度も大晦日・年越しのエピソードがありましたが、その大晦日のカウントダウン自体はちらっとテレビに映る程度だったので、この映画を見ればその「本物」が見られるんだなぁ、と思うと、わくわくしちゃいますね。
次回の解説「その3」では、シーズン1のフレンズ1-10 のセリフなどもいくつか引用しながら、もう少しカウントダウンの話の続きをしたいと思っています。
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