2012年01月10日

彼女は俺のママより上手 フレンズ6-11その1

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は7位、「にほんブログ村」は8位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


シーズン6 第11話
The One With The Apothecary Table (対決! モニカ対ジャニーン)
原題は「薬剤師のテーブルの話」


前回のエピソードの終わりで、ジャニーンは自分からジョーイにキスをし、今回のエピソードではすっかりラブラブ状態になっています。
セントラルパークで、ジャニーンがジョーイにキスをして出て行った後、
ジョーイ: Have you kissed her yet? It's awesome! I could do it forever! Y'know what? She, she kisses better than my mom cooks! (ジャニーンとキスしたことある? すごいんだぜ! 永久にキスできちゃうよ! ほら、彼女のキスは上手なんだぜ、俺のママの料理よりも!)
モニカ: I am so glad you said "cooks." (良かったわぁ、あなたが「料理」って言って。)
レイチェル: I know. (そうね。)
チャンドラー: (entering) Oh hey Rachel, sweetheart? You have got to tell the post office that you've moved, okay? We are still getting all your bills and stuff. (Hands her all of her bills and stuff.) ([入ってきて] やあ、レイチェル、ハニー。君が引っ越したって郵便局に言わないといけないよ、だろ? 俺たちはいまだに君の請求書とかそういうものを全部受け取ってるんだ。[レイチェルに、請求書などを手渡す])
レイチェル: Oh-oh, Pottery Barn! (Grabs the aforementioned catalog and holds the rest back out to Chandler.) You can throw the rest away. (あぁ、ポタリー・バーンだわ! [前述のカタログを掴んで、残りはチャンドラーに差し出す] 残りは捨てちゃっていいわ。)
チャンドラー: I'm not your garbage man. I'm your mailman. (俺は君のゴミ屋さんじゃないぞ。俺は君の郵便屋さんだ。)

ジャニーンとラブラブのジョーイは、ジャニーンと何度もキスをした後、モニカたちに「ジャニーンとキスしたことある? もうすごいんだぜ!」と言っています。
awesome の元々の意味は、「畏怖の念を抱かせる、荘厳(そうごん)な」。
それが現代口語では、「すごい、素晴らしい」というような意味で使われます。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
awesome [adjective] :
1. extremely impressive, serious, or difficult, so that you feel great admiration, worry, or fear
2. (slang) very good

つまり、1. は、「極度に印象的、深刻、または難しくて、大いなる感嘆、心配、恐怖を感じること」。2. は、「(俗語) 非常に良い」。

I could do it forever! は、I could kiss her forever! ということで、could は「しようと思えばできる」というニュアンス。
ですから、「彼女にキスしてようと思ったら、永遠にキスできる、それくらい、彼女とのキスは素敵なんだよ」みたいなことですね。

She kisses better than my mom cooks! について。
彼女のキスの良さ(どのくらい good か)ということを、better という比較級を使って表現していますが、その「良さ」の比較の対象になっているのが、my mom cooks です。
彼女がキスするのは、俺のママが料理するのより、better だと言っているわけです。
つまり、動詞(動作の内容)が異なる比較なわけですが、それを聞いて、モニカが、「あなたが cooks と言ってくれて良かったわ」と言うのが面白いですね。

She kisses better than my mom. のように、最後が動詞なしで終わっていたとしたら、my mom の次に省略されている動詞は kisses になってしまうので、「ママのキスより、ジャニーンのキスの方がいい」と言ったことになってしまいます。
つまり、「キスの良さ」の話において、ママのキスとジャニーンのキスを比較していることになり、恋人のキスと母親のキスを比較するつもり?!みたいに、ドン引きしてしまいそうになりますね。
ですから、ジョーイが my mom の後に、cooks という動詞をつけたことに対して、比較の対象を「ママが料理するより、ママの料理より」と言ってくれてホッとしたわ、というのが、モニカたちの正直な気持ちだったということです。

これまでのエピソードを振り返ってみても、フレンズ1-6 では「ママなら俺の尻を見分けられる」という発言がありましたし、フレンズ1-11 では、チャンドラーのママ、ノーラ・ビングをセクシーだと言ったロスに対して、「じゃあ、俺のママはセクシーじゃないっていうのか?」と激怒してみたりと、ジョーイのママに対する思い入れはかなりのものであることがわかります。
そういうことを考えると、ジョーイがジャニーンとのロマンティックなキスを、「ママのキス」と比較してもおかしくないかも…という思いがあるために、モニカはこんなことを言ったのでしょうね。
「あー、良かった。ママのキスより…って言うのかと思っちゃった」みたいな感じです。

セントラルパークにチャンドラーが入ってきて、レイチェルに「引っ越したことを郵便局に言わないとだめだよ」と言っています。
チャンドラーとモニカが同居することにしたために、レイチェルはモニカの部屋からフィービーの部屋に引っ越したわけですが、その転居届を郵便局に出していないために、まだレイチェル宛の郵便物がこんなに届いちゃうんだ、ということですね。

たくさんの郵便物を渡されたレイチェルは、その中のポタリー・バーンのカタログだけを受け取り、残りはチャンドラーに突き返しています。

ちなみに、ポタリー・バーン(Pottery Barn)は、家具・インテリアショップ。
公式サイトはこちら。
Home Furnishings, Home Decor, Outdoor Furniture & Modern Furniture : Pottery Barn
ウィキペディアはこちら。
Wikipedia 英語版: Pottery Barn

上のウィキペディアの Appearances in popular culture でも、今回のフレンズエピソードのことが言及されています。

「残りはあなたが捨てていいわ、捨ててくれちゃっていいわ」みたいに言われたチャンドラーは、郵便物を届けさせられた上に、要らないものの処分まで任されてしまったことにカチンと来たようで、「俺は君のゴミ屋さんじゃないよ」と言っています。

ちょっと男っぽく強気な感じで、「俺は君のゴミ処理人じゃない、そんなことを俺に頼むのはやめてくれ!」みたいに言ってみたわけですが、その後、「(ゴミ屋じゃなくて)俺は君の郵便屋だよ」と弱気に付け足すのが、チャンドラーらしいです。
「ゴミ処理なんかごめんだよ!」とキツく言った後に、「でも、郵便物は届けてあげたから、君のメイルマンにはなってるわけだけど」とか、「まぁ、これからも、うちに来た郵便物は君に届けてやってもいいけどさ」みたいに、自分の強気な発言にレイチェルがムッとしないように、フォローしている感じですね。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 15:14| Comment(5) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは、初めまして。
ブログ拝見させて頂きました。
突然のコメントで済みません。
私どもはSugoi Media Australiaというものです。
英語学習者(中学校英語レベルを卒業し、より向上したい方)の為の新しい学習システムの紹介に取り組んでいます。
私どもが紹介するシステムのフリートライアルに御参加頂き、そのレビューをブログに載せて頂ける方を探しています。
是非一度、私どものホームページにある学習システムに関する説明を御覧頂き、少しでも興味を持って頂けたのであれば、下記のメールアドレス宛、もしくはホームページ上でご連絡頂ければ幸いです。
お問い合わせは英語でも日本語でも可能です。宜しくお願い致します。
Sugoi Media Australia
http://www.sugoipr.com/easy_esl_7.html
Joshua Blinco <joshua@sugoipr.com>
Asami Miura <asami@sugoipr.com>
Posted by Sugoi Media Australia at 2012年01月10日 19:44
Rachさんこんにちは。
年末年始なんとなくバタバタしていて、しばらく拝見できていませんでした。でも、まだあまり遠くに行っていなくて6−11に入ったばかりで助かりました。本年も引き続きよろしくお願いいたします。本題に関係ないことで恐縮ですがプロフィール写真をアップデートしたのでしたのですね。いっそう美しくなられたRachさんを拝見しながらまた勉強させてもらえれば、と思っております。
Posted by koroyakun at 2012年01月10日 23:18
Rachさんはじめまして。
いつもこっそり拝見していますが、今回勇気を出してコメントさせて頂く事にしました。
フレンズで勉強し始めて約1ヶ月ほどになります。
Rachさんの勉強方法を参考にさせていただいています。
私が持っているのは北米版のフレンズなので、
1、英語字幕なしで観る
2、英語字幕ありで観る
3、こちらのブログを参考にしながら、分からない部分を調べる
4、英語字幕なしで何度も観る
という方法で行なっています。
さて、質問なのですが、Rachさん程になると、1の段階でどのくらい理解できるようになるのでしょうか?
ラジオなどと違い動きがあるため、字幕なしでも雰囲気で理解できたつもりにはなりますが、やはり言ってる内容などは半分ほどしか理解できないですし、ましてや笑いどころで笑えた試しがありません。
英語字幕ありだと理解できますが、耳を全く働かせずにとにかく必死に文字を追う、という感じになってしまいます。
日常会話レベルの会話なのにこんなにも理解できないものか、と呆れる毎日です。
Rachさんはそういった問題がありましたか?また、どうやって克服されたのか教えていただけると幸いです。
毎日拝見してるのですがもし既出の話題でしたら申し訳ありません。
Posted by Yuu at 2012年01月11日 21:45
こんにちは。
マザコンま全世界共通なのでしょうか。
9歳の娘はよく大げさに表現をして、
Awesome!と言っています。
Posted by Ascentive at 2012年01月12日 17:40
Sugoi Media Australiaさんへ
貴システムのご紹介、ありがとうございます。


koroyakunさんへ
コメントありがとうございます。
また、プロフィール写真についての素敵なお言葉、ありがとうございます。
年を重ねるごとに、そのような言葉がいっそう身にしみます(笑)。
それを励みに今年も頑張りたいと思います。こちらこそ、本年もよろしくお願いいたします。


Yuuさんへ
はじめまして。コメントありがとうございます。
また、毎日読んで下さっているとのこと、重ねてありがとうございます。

さて、ご質問の「1 の段階でどのくらい理解できるようになるか」について。
その「どのくらい」という程度を、正確に表現するのはなかなか難しいのですが、今の私の場合、「知らない単語が出てくるセリフ」や「奥の深い(笑)チャンドラーのジョーク」だとわからないことは未だにあります。アメリカ人なら当然知っているような知識が欠如しているためにわからない場合(サブカルネタ)などもありますね。
ただ、いわゆる「日常会話」と言われるレベルの会話については、ほぼわかると言って問題ないと思います。他の映画やドラマを見ていても、特殊な用語が出てくる場合は別にして、「話の筋を理解して楽しめる」レベルで理解できていると言ってよいと思います。

私がこのDVD学習法を始めた頃は、やはり、Yuuさんが感じられたのと同じようなことを日々感じていました。もう「びっくりするくらいわからない」って感じでしたね。こういうセリフを母国語のように理解して笑う、というのは、どういう頭の仕組みなのか?みたいに思っていました。

それを克服するにはどうするか?というと、これはやはり、「少しずつわかる部分を増やしていく」という方法しかないように思います。まずは短いフレーズからでいいので、聞き取れて理解できる部分を増やしていく。聞いた音を、英語字幕やスクリプトで確認して、「この言葉はこういう音になるのか」という「気づき」を自分の中に蓄積していくしかないと思っています。

それには、同じエピソードを何度も何度も見るよりも、1つのエピソードを一通り見終わった後は、次のエピソードに進む方が効果的だと思います。同じ言葉やフレーズは、同じ人の同じ発音を繰り返し聞くよりも、違う場面で違う人が言う音を聞く方がより効果的に覚えられる気がします。そういうフレーズのニュアンスについても、「これは日本語でこういう意味だ」のように「一対一対応で丸暗記」するのではなく、いろんな人がいろんな状況で使うのを見る中で、「こういう感じで使うものなんだ」という雰囲気を掴むことができると思うのです。必要な段階をこなして、次のエピソードへ進んで行く中で、「会話に何度も登場する便利な頻出フレーズ」に何度も出会う結果となります。何度も出会うから自然と覚えてしまう、という覚え方が、言葉を学ぶ上では理想的だと思います。

英語字幕を出すと、文字を追う、つまり、「リスニングをしているのではなく、英語字幕をリーディングしている」感じになってしまう、というのもよくわかります。が、最初はそれでいいのです。聞き取りが不十分なノンネイティブの場合は、まずはしっかり「文字」で確認する作業が必要になってくると思うからです。そうすることで、構文を把握し、理解する能力もついてきます。そういう能力がつけば、音だけで構造を理解できるようになりますし、またそういう英文構成力が自分がアウトプットする際にも役立ってくれます。

「すぐにペラペラに」というような教材や本が未だにあちこちに存在していますが、「英語が簡単に習得できるなら、日本の英語産業はこんなに発達していない」というのが私の口癖だったりします。そういう「すぐにペラペラ」系の教材たちが有効であれば、日本は今頃、英語の達人で溢れ返っているはずです(笑)。
やはり、そういう小さな「わかること」の積み重ねの上にしか、英語力の向上はあり得ない、ということだけは断言できます。

「シットコムで笑う」ということは非常にレベルの高い話です。「楽しんで笑う」ためには、深い理解度とたくさんの知識が必要になってくるからです。TOEIC 高得点者の方でも映画やドラマの英語は難しい、とおっしゃる方がたくさんおられますが、それは紛れもない事実です。私は「ドラマでの英語学習」と「TOEIC で高得点を目指す」ことを同時進行でやってきた人間だから、その「違い」がよくわかるからです。ですから、ドラマや映画という、ネイティブが娯楽として楽しんでいる「容赦のない英語教材」を使って英語学習をする場合は、「わからない」とヘコむのではなく、まずは少しずつでもわかる部分を増やしていくことで喜びを感じる、という方向に意識を変えていただけたらと思っています。

リスニングにつきましては、もうお読みいただいたかもしれませんが、
リスニングの脳内処理
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471687.html
という記事が、今の私がリスニングについて思うところを一番的確に述べている記事になると思います。そちらも併せて読んでいただけると幸いです。
私の説明でわからない点などございましたら、お気軽にご質問下さいね。


Ascentiveさんへ
コメントありがとうございます。
マザコン…、うーん、「全世界共通」なんでしょうね(笑)。日本人男性は(子供も含めて)、人前でマザコンだと思われそうな発言はしない、という傾向があるようには思いますが。

フレンズの男性陣がママに対する思いを口にすることがありますが、ジョーイの発言が一番「マザコン」っぽい感じですね。そのジョーイのママが「肝っ玉母ちゃん」みたいな感じの人なので、余計にジョーイの発言を微笑ましく感じてしまったりもします。

Awesome! って、ドラマや映画でよく聞きますよね。日本語でも英語でも言葉は移り変わっていくものだし、よく使われている、つまり言葉としてなじんでいるということは、その言葉が的確なニュアンスを表現してくれている、ということの証明でもあるでしょうね。
Posted by Rach at 2012年01月13日 09:51
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。