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シーズン6 第12話
The One With The Joke (ジョーク泥棒はどっち?)
原題は「ジョークの話」
[Scene: Central Perk, Chandler, Phoebe, Rachel and Monica are there. Ross walks in with a magazine in his hand.]
セントラルパーク。チャンドラー、フィービー、レイチェル、モニカがそこにいる。ロスが雑誌を手に持って入ってくる。
ロス: Hey! You're not gonna believe this. I made up a joke and sent it in to Playboy. They printed it! (やあ! 君たちはこんなこと信じられないだろうね。僕はあるジョークを作って、それをプレイボーイに送った。それが印刷されたんだ[掲載されたんだ]!)
フィービー: I didn't know Playboy prints jokes. (プレイボーイがジョークを載せてるなんて知らなかったわ。)
ロス: Yeah, they print jokes, interviews, hard-hitting journalism. It's not just about the pictures. (ああ、プレイボーイは載せるんだよ、ジョークや、インタビューや、痛烈なジャーナリズムをね。写真ばっかりじゃないんだよ。)
モニカ: Didn't work on Mom, it's not gonna work on us. (ママに効果がなかったのよ。(そんな言い訳)私たちにも効かないわ。)
ロス: (showing them the page) Here, check it out. It's, it's the first one, too. ([フレンズたちにそのページを見せながら] ほら、見てみて。最初のやつだよ。)
ロス: Right there. (ちょうどそこだよ。)
(They all laugh indifferently, except Chandler, who's a little angry.)
みんながあまり感動しない様子で笑う、ただしチャンドラーを除いて。彼は少し怒っている。
チャンドラー: That is funny. It was also funny when I made it up. (それは面白いね。俺がそれを作った時も面白かったけどね。)
ロス: What? (何だって?)
チャンドラー: I made that joke up. (俺がそのジョークを考えたんだ。)
ロス: Uh, oh-oh, no, you didn't. I did. (おーおーおー。違うよ、チャンドラーが考えたんじゃない。僕が考えたんだ。)
チャンドラー: Oh, oh, oh! Yes, I did. I told it to Dan at work, and he said it was the funniest joke he'd ever heard. (おーおーおー! 俺が考えたんだ。職場でダンにそのジョークを言ったんだ。そして彼は、それまで聞いた中で最も面白いジョークだって言ったんだぞ。)
ロス: Hey, tell Dan thanks. (ねぇ、ダンに、ありがとって言っといて。)
ロスは入ってくるなり、You're not gonna believe this. と言っています。
this つまり、今から僕が言おうとしていることを、君たちは信じないだろう、という感覚ですね。
君らが信じられないような、びっくりするようなニュースを今から言うよ、という場合の前振りのセリフになります。
ジョークを作って・考えて、それをプレイボーイ誌に送った、というロスは、They printed it! と嬉しそうに言っています。
この they は、プレイボーイ誌の関係者・編集部の人を漠然と指しています。
プレイボーイ誌の人たちが、僕の作ったジョークを印刷したんだ、ということはつまり、僕のジョークが掲載されたんだ、ということになりますね。
その話を聞いたフィービーは、I didn't know Playboy prints jokes. と言って驚いています。
prints という「現在形」は、これまでも何度も説明してきたように、「習慣・習性」を表しています。
「プレイボーイ誌が常に・いつもジョークを掲載する」「プレイボーイ誌はジョークを掲載するような雑誌である」ということを知らなかったわぁ、みたいな驚きで、「へぇ、プレイボーイって、ジョークも載せたりするんだぁ」みたいなニュアンスです。
そのフィービーのセリフを受けて、ロスは得意げに、「そうさ、ジョークやインタビューなんかも載せるんだ」と説明していますが、ここでもまた主語が they になっているのもポイントでしょう。
ロスの頭の中では、プレイボーイ誌の編集部の複数の人たちが、あれやこれやと掲載項目を選んで載せているイメージが浮かんでいる、ということなのでしょう。
hard-hitting を直訳すると「強く打つ」みたいなことですから、「強力な、パンチのきいた、痛烈な」というような意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hard-hitting [adjective] : criticizing someone or something in a strong and effective way
例) a hard-hitting TV documentary
つまり、「誰かや何かを強く、そして効果的な方法で非難する」。例は、「痛烈なテレビ・ドキュメンタリー」。
モニカのセリフにある、work on は、「…に有効である、効果を発揮する」というような意味。
ママに対しては「効果がなかった」という過去形で、私たちに対しては「効果がないだろう」という未来形が使われており、時制で対比した形になっています。
「ジョークも載せるんだぁ」とフィービーが驚いたように、「プレイボーイ」と言えば、女性のセクシーな写真満載の雑誌として有名ですが(笑)、そういう写真以外にも、ジョークとか、硬派なジャーナリズムも扱ってるんだ、みたいに言ったロスに対して、「そういう言い訳を過去にママにも使ったことあったけど、通用しなかったでしょ。私たちにも同様にそんな手は通用しないわよ」と言っていることになります。
エッチな雑誌を買ったのがバレた時に、「真面目な記事も載ってるんだよ!」とその雑誌の硬派さを力説するのが少年たちのいつもの手だけど、そんなこと言ってもムダよ、みたいなことですね。
ロスは、掲載されている自分のジョークをみんなに見せます。
ト書きの laugh indifferently は「無関心に・冷淡に笑う」という意味。
実際のシーンを見ても、フレンズたちは、バカウケというほどの大爆笑はしておらず、ハハーン、みたいに口だけで笑っている感じです。
indifferent の英英辞典の語義を見てみると、
LAAD では、
indifferent [adjective] : not interested in someone or something, or not having any feelings or opinions about a person, thing, event etc.
つまり、「誰かや何かに興味がない、または人やものや出来事について何の感情も、意見も持っていない」。
まさに英英の語義のような感じで、「ふーん」みたいな無関心さが感じられる笑いだということです。
みんなが一応笑ってあげている、という感じの中、チャンドラーだけが一人、怒った顔をしています。
「俺がそのジョークを考えた時も面白かった」という言い回しから、チャンドラーは「これはロスが作ったんじゃなくて、俺が作ったジョークだ」と主張していることがわかります。
自分のジョークだと主張するチャンドラーは、そのジョークを最初に披露した時の状況を語っています。
職場で(おそらく)同僚のダンにそのジョークを話した時に、それまで聞いた中で最も面白いジョークだって、ダンは言ってくれたんだ、と説明しています。
ロスはそれを聞いても動じる風もなく、ポケットに手を入れて余裕な感じで、「ダンに、ありがと、って言っといて」と言っていますね。
チャンドラーは、「俺が言ったそのジョークを聞いて、ダンは確かにそう言ってくれたんだ!」と主張することで、自分のオリジナル作品であることを訴えているわけですが、ロスは「”僕の”ジョークを、史上最強に面白い、と言って褒めてくれてありがとう、礼を言ってたとダンに伝えといて」みたいに言ってみせて、チャンドラーが何と言おうと、これは僕のジョークだということを一歩も譲らないロスの気持ちがよく出ていますね。
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「You're not gonna believe this.」
これ、確かボクの好きなSeason5でも同じような表現あったのを思い出しました。
レイチェルがラルフローレンの面接に行ったとき、万年筆の
インクが口元に付いて、それを面接官の方が教えてあげようとしたのに
レイチェルは面接官がキスをしてきたと勘違いしてぶち切れ。
部屋に帰ってくるなり
「You are not going to believe ...」って言ってました。
こういう風に使うのかぁと勉強させられました。
Season6でもロスが言ってたんですね。気付かなかったです。
そのほかで私が今回注目したのは、I made a joke ではなくてI made up a jokeとupがつくところで、ここに会話のニュアンスを感じますね。「作り上げた」という感覚なのでupが入ってるのでしょうか。
コメントありがとうございます。
そうですね、シーズン5にも、そのセリフ、出てきましたね。
前回、そして今回のセリフの状況を考えると、相手が驚くようなことを言う前振りのセリフとして、典型的なパターンであることがよくわかる気がします。
フレンズ3-17 では、みんなが大喜びするだろうニュースを持って部屋に入って来た時に、レイチェルが、You guys are gonna love me! と言っていたことがありました。
これは「信じないだろうね」という否定形ではなく、「私を大好きになるでしょうね」という肯定形ですが、今からみんなが嬉しいと思うニュースを言うわよ、という「前振り」フレーズとして、共通する感覚があるように思います。
koroyakunさんへ
コメントありがとうございます。
上のような内容のことを言いたい場合に、SV を、They print にする、という発想は、なかなか日本人には出てこない気がしたので、ちょっとこだわってみました(笑)。
made up は日本語の「作り上げた」と同じような感覚で、何かを作って完成させた、というニュアンスが感じられる気がします。そういう言葉を自然に使えるようになると、言葉もより豊かになる気がしますよね。