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ロスは、自分の作ったジョークがプレイボーイ誌に掲載された、とみんなに自慢するのですが、チャンドラーは「それは俺が作ったジョークだ」と主張して譲りません。
ジョーイにそのジョークを説明しながら、ロスとチャンドラーはジョークに大ウケするのですが…
チャンドラー: (stops laughing, to Ross) You are not allowed to laugh at my joke. ([笑うのをやめて、ロスに] お前は俺のジョークで笑っちゃだめだ。)
ロス: Your joke? Well, I think the Hef would disagree. Which is why he sent me a check for one hundred ah-dollars. (お前のジョークだって? そうだなぁ、ザ・ヘフは同意しないと思うよ。だから彼は僕に、100ドルの小切手を送ってくれたんだ。)
チャンドラー: So you stole my joke and you stole my money? (それじゃあ、お前は俺のジョークを盗んだ上に、俺の金まで盗んだんだな?)
ロス: Well, I was gonna stick it in the ATM. But now I think I'll show the sexy teller that I am a published writer. (うーん、(最初は)その小切手を ATM にぽんと入れとくつもりだったんだけど、でも今は、銀行のセクシーな窓口の子に、僕は(雑誌に)掲載されたライターだって教えようと思うんだ。)
ジョークに大笑いするロスに対して、チャンドラーは、「俺の作ったジョークで笑うことは許されない、笑っちゃだめだ」と言っています。
Your joke? 「お前の(作った)ジョークだって?」と不満そうに言ったロスは、その後、I think the Hef would disagree. と言います。
この the Hef というのは、「プレイボーイ」誌の発刊者である、ヒュー・ヘフナーのこと。
Wikipedia 日本語版: ヒュー・ヘフナー
Wikipedia 英語版: Hugh Hefner
日本語版ウィキペディアにも、愛称は「ヘフ」 と書いてある通り、the Hef と言えば、誰もがあのヒュー・ヘフナーだとわかる、という有名人なわけです。
ウィキペディアの「私生活」には、彼の華やかな女性遍歴が書いてありますが、つい最近の2011年にも、クリスタル・ハリスというプレイメイト(Playmate:プレイボーイ誌に掲載されるモデルのこと)の25歳の女性と婚約するも(彼はその時、85歳!)、結婚式直前に婚約破棄となった、というニュースが、ゴシップニュースで話題になっていました。
そのハリスさんの情報はこちら。
IMDb : Crystal Harris (I)
プレイボーイ誌に載ったジョークは俺のものだ、とチャンドラーが主張するので、「ジョークの権利を主張するチャンドラーの意見に、プレイボーイ誌の発刊者であるヒュー・ヘフナーは同意しないと思うな」とロスは言っているわけですね。
その後にも、Which is why... という文章を続けていますが、which は前の文章を指していて、That's why... 「それが…の理由である、そんなわけで…だ」と同じようなニュアンスになります。
「ヒュー・ヘフナーは、チャンドラーの意見に同意しない、だから彼は(チャンドラーではなく)僕に100ドルの小切手を送ってくれたんだ」と言っていることになります。
ネットスクリプトで、one hundred ah-dollars と表記されているように、実際のロスの発音は、「ワン・ハンドレッド、ア、ダラーズ」みたいに言っています。
ちょっと気取って節(ふし)をつけている感じですね。
それを聞いたチャンドラーは、steal 「盗む」の過去形 stole を使って、「お前は俺のジョークを盗んだ上に、俺の金まで盗んだ」と怒っています。
「僕がお金をもらったんだから、僕が作ったジョークだと証明されたようなもんだ」というロスの主張に対して、「ジョークもその金も、ほんとは俺のものなのに!」とロスを非難しているのです。
その後のロスのセリフについて。
I was gonna.... But now I think I'll... という形になっていますね。
I was going to、つまり、「…するつもりだった」けど、今は、「…しようと思ってる」という時制の違いの感覚を意識したいところです。
I was gonna 「…するつもりだった」と言った時点で、「そうするつもりだったけど、今は違う」というニュアンスがすでに出ています。
それを裏付ける形で、「今は、こうしようと思ってる」という今の考えが明らかにされているわけですね。
show は「示す、見せる」という感覚ですが、ここでは「見せることで何かを示す、教える、明らかにする」というニュアンスになるでしょう。
この「プレイボーイ誌が僕に送ってきた小切手」を見せることで、the sexy teller に、I am a published writer であるということを教えようと思うんだ、と言っていることになります。
ATM は、automated teller machine 「現金自動預払機」ですね。
その teller は元々、「(銀行の)金銭出納係、窓口係」という意味で、ロスのセリフでは、後半でその「窓口係」の意味で teller が使われているわけです。
a published writer を直訳すると、「出版されたライター、書き手」みたいな意味になりますが、つまりは、書いたものが(雑誌の記事として)出版された人、という感覚ですね。
ロスのセリフでは、stick it in the ATM という表現が出てきますが、この動詞 stick について見てみましょう。
stick は「刺す、突き刺す」という動詞で、この場合は「(ものを)ぽんと突っ込む」というニュアンスで使われています。
研究社 新英和中辞典では、以下のように出ています。
stick
〔+目+【副(句)】〕 《口語》〈ものを〉(ある場所に)ぽんと[無造作に]突っ込む、入れ込む
stick papers in a drawer 書類を引き出しにしまう。
Stick it back under the bed when you've finished. 終わったらそれをベッドの下に戻しておきなさい。
その語義説明にある「無造作に」という表現が、この動詞のニュアンスを良く表しているように思います。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stick : PUT (informal) to put something somewhere, especially quickly and without thinking carefully
つまり、「何かをどこかに置く・入れること、特に、素早く、そして注意深く考えることなしに」。
LAAD の語義にあるように、やはり、without thinking carefully がこの動詞のポイントだと言えるでしょう。
日本語でも「引き出しに突っ込んどく」みたいに言ったりすることがありますが、その場合もやはり、「ぽんと突っ込む」「無造作に突っ込む」というぞんざいなニュアンスが感じられますよね。
ロスのセリフの場合も、「あまり深く考えずに、とりあえず、ATM に入れとくか…みたいに思ってた」けど、それを思い直して、その小切手をセクシーな窓口の女の子に見せびらかして自慢の種に使おうかな、と今は思ってるんだ、みたいなことですね。
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