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プレイボーイ誌を3人で見ていた女性陣。付き合うならどの子がいいか?という話から、モニカは、「私たちの中で付き合うとしたら、誰がいい?」と質問します。
レイチェルは「わからないわ」と言うのですが、フィービーは「レイチェル」と即答してしまい、それからモニカのご機嫌が悪くなってしまいます。
フィービーとレイチェルの部屋にやってきたモニカは、「フィービーが、モニカではなくレイチェルを選んだ」時の話を持ち出して、「あれは面白かったわね」というので、それにフィービーが同意すると…。
モニカ: (angrily) It wasn't funny at all! Why would you do that? Why, why didn't you pick me? ([怒りながら] 全然面白くなかったわ! どうしてあんなことするの? どうして私を選んでくれなかったの?)
フィービー: Fine. The reason that I was leaning a little bit more toward Rachel than you is just, you know, you're just... kinda high maintenance. Okay, let's go to lunch! (わかったわ。私が(私の気持ちが)、モニカよりもレイチェルに、ほんのちょっぴり傾いていた理由はね、ただ、ほら、あなたが…ちょっと、手がかかる人だからよ。オッケー、ランチに行きましょう!)
モニカ: That is completely untrue. You think I'm high maintenance? Okay, prove it. I want you to make a list, and we're going to go through it point by point! (そんなの、全くでたらめだわ。私が手がかかる人間ですって? いいわ、証明して。あなたにリストを作って欲しいわ。そして、私たちがそれを一つ一つ検討していくのよ。)
恋人にするならどっち?という質問に、モニカではなくレイチェルを選んだフィービー。
負けず嫌いのモニカは、ずっとそのことを根に持っています(笑)。
わざわざ自分からその話題を持ち出して、「どうして私を選ばなかったの?」と怒っています。
Why don't you...? のように、don't を使った文は、「…したらどうですか?」のように、提案や勧誘でよく使われるフレーズですね。
今回は、Why didn't you...? なので、実際に(過去において)…しなかった、その理由はなぜか?を尋ねている文章、つまり、「どうしてあなたは…しなかったの?」と理由を問う文章になります。
モニカが怒っているのは明らかなので、フィービーは、これ以上モニカを怒らせないように彼女なりに気を遣って話そうとしているようです。
lean は「上体を曲げる、体を乗り出す」「傾く、傾斜する」という動詞で、物理的に傾くことを指す言葉ですが、精神的に「(気持ちや関心が)…に傾く」という意味にもなります。
傾く方向を指す言葉として、toward 「…に向かって」という前置詞が使われているのですね。
フィービーのセリフの基本構造は、The reason that I was leaning toward Rachel is... 「私の心がレイチェルに傾いていた理由は…」ということになりますが、それをもう少しマイルドに聞こえるように、レイチェルとモニカを比較する中で、a little bit more toward Rachel than you 「あなた(モニカ)よりも、”ほんのちょっとだけ”レイチェルの方に(傾いていた)」と表現しています。
ほんとにごくわずかの差なのよ、そんなに怒るような話じゃないのよ、みたいなことが言いたいわけですね。
そのように「いささかほんのちょっぴり」と表現することで、モニカの怒りを鎮めようとしたフィービーでしたが、その後に述べた理由が、you're just... kinda high maintenance. という内容だったので、モニカはさらにそれについても激怒することになってしまいます。
maintenance は、「メンテナンス」という日本語表記があり、さらには「メンテ」と略語にもなっており、意味は、「持続、維持」「整備、保全、保守」などですが、発音は「メンテナンス」というより、「メインテナンス、メインタナンス」という感じになります。
英辞郎には、
high-maintenance=【形】手がかかる、世話が焼ける、自己主張の強い、わがままな
と出ています。
Macmillan Dictionary では、
high-maintenance : [adjective, humorous] : used for describing someone or something that always needs a lot of help or attention
つまり、「(ユーモラスな表現) 常に多くの助けや世話を必要とする人やものを描写するために用いられる」。
humorous と書いてあるように、手のかかる人、世話が焼ける人を、「メンテナンスの必要性が高い」みたいな言い回しで表現しているわけですね。
「かまってちゃん」みたいなタイプの人のことをそう表現する、という感覚でしょう。
high maintenance だと言われて、モニカは猛烈に抗議しています。
That's not true. 「それは真実じゃない」でもいいわけですが、それよりもさらに強い感じの、That is completely untrue. (あえて言葉通り日本語化すると)「そんなの、完全に、非・真実よ」みたいな感覚になるでしょうか。
「全く事実とは異なる」という感じの強い否定ですね。
その後、Prove it. 「それを証明して」と言ったモニカは、リストを作って、リストの内容を逐一、一つ一つ、みんなで検証していきましょう、と提案しています。
「手がかかる人」と言われたので、「どんなふうに、どの辺が手がかかるのかを、リストに挙げてもらって、それが真実かどうかを一つ一つみんなでチェックするのよ」と言ったわけですが、そんな風に「リストを作って、逐一チェックするわよ!」と周りの人を巻き込まずにはいられないところが、「手がかかり、世話の焼ける人」(high maintenance)であることを思いっ切り証明しているわけですよね。
気付かぬは本人ばかりなり…的な面白さが感じられるセリフだと思いました。
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こんにちは。いつもコメントありがとうございます。
そうですね、今回の 6-12 は、キャンキャン怒っているシーンが多いので、そういう場合は早口ですね。モニカは普段から早口なので、なおさら聞き取りが大変です(笑)。
high の反対は、やはり、low みたいですね。
Macmillan Dictionary では、
low-maintenance : [adjective] not needing much effort or money
例) a low-maintenance garden
と出ています。
つまり、「多くの尽力や金を必要としない」。例は、「メンテのあまり必要ない庭」。
上の記事内で挙げた high-maintenance のマクミランの語義のように、humorous 「ユーモラス」という言葉や「人を指す」という説明もないので、人に対して、She's low-maintenance. みたいに表現できるのかどうかはわからないのですが、意味は通じる気はしますね。
high-maintenance はユーモラスで面白い表現ですが、モニカが怒ったようにやはり褒め言葉ではないので、本人の耳に届かないところで、こっそり使わないといけない言葉(笑)なのでしょうね。