2012年02月08日

ほら、これが最初のチップだよ フレンズ6-12その4

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売れない俳優のジョーイは、仕事がなくて金欠状態。
それを聞いたガンターは、セントラルパーク(コーヒーハウス)のウェイターとして、ジョーイを雇うことにします。
ジョーイがウェイターとして働いているのを知って、
チャンドラー: I think it's great that you work here. You're going to make a lot of money, and here's your first tip. Don't eat yellow snow. (He laughs, then picks up a pen, glares at Ross, and writes in his journal) Ah ha ha, 2:15, coffeehouse. (お前がここで働くのはいいことだと思うよ。たくさん金を稼ぐことになる。で、これがお前の最初のチップだ。黄色い雪は食べるな。 [チャンドラーは笑い、それからペンを取り、ロスをにらんで、日記を書く] あはは、2時15分、コーヒーハウス。)
レイチェル: Well, you know what? This is great. Finally, I have someone I can pass on my wisdom to. Let me tell you about a couple of things I learned while working at the coffeehouse. First of all, the customer is always right. (Joey nods.) A smile goes a long way. (Joey smiles) And if anyone is ever rude to you? Sneeze muffin. (ねえ。これって最高よ。ついに私にも、私の知識を与えられる人ができたわ。このコーヒーハウスで働いていた間に私が学んだいくつかのことをあなたに話させて。まず最初に、客はいつも正しい。[ジョーイはうなずく] 笑顔は大いに役立つ。[ジョーイは微笑む] そして、もし誰かがあなたに失礼なら? くしゃみ・マフィンよ。)

ジョーイがコーヒーハウスで働くのはいいことだよ、とチャンドラーは言います。
金を稼ぐことになるし、と言った後、here's your first tip. と言っていますね。
Here's... は、何かを手渡す時のお決まりフレーズで、「はい、これが…だよ」と言いながら手渡す感覚。
「金が稼げる」と言った後に、「はい、これがお前の最初のチップだよ」と言っているわけですから、チャンドラーが、ウェイターをやっているジョーイに、サービスの対価として、チップ(お金)を渡そうとしているのかと思いきや、チャンドラーはお金を出すことはせずに、ただ、"Don't eat yellow snow." という言葉を言うだけです。

これは、tip という言葉をかけたダジャレ、おやじギャグみたいなものですね。
チップは、日本語にもなっている「チップ」、つまり、ウェイターなどに渡す「心付け」という意味がありますが、ここでチャンドラーが言ったのは、「こつ、秘訣、ヒント」「情報、助言」という意味。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) での、それぞれの語義は以下の通り。
tip [noun] :
2. MONEY a small amount of additional money that you give to someone, such as a waiter or a taxi driver.
3. ADVICE a helpful piece of advice

つまり、2. は、「誰か、例えば、ウェイターやタクシー運転手に与える少額の追加のお金」。
3. は、「役に立つアドバイス」。

「お前に初めてのチップをあげるよ」と言っているように思わせておいて、「お前に、ちょっとした助言をあげるよ」という意味で、「黄色い雪は食べるな」と言っているわけです。
そう言った後、自分の発言に大ウケしている様子のチャンドラー。
「黄色い雪を食べるな」という言葉の内容については、その後、何も説明はありませんが、これは想像すると何となくわかってしまいますね。
真っ白できれいな雪は、かき氷みたいで思わず食べたくなることもあるけど、黄色い雪は、誰かがおしっこした後だから、食べちゃだめだ、みたいなアドバイスだったということです。

自分のジョークに大笑いのチャンドラーは、メモを取りだし、「2時15分、コーヒーハウス」とメモしています。
これは、ロスに自分のジョークを盗まれたと主張するチャンドラーが、「これからはジョークを言った時間と場所を記録しておく」と宣言するシーンが少し前にあったのですが、それを実行に移しているわけですね。

チャンドラーが、ウェイターの仕事には全く関係ないアドバイスをくれた後(笑)、レイチェルは同じように、ジョーイがここで働くことはグレイトだと言っています。
その理由は、「ついに、私の知識を渡す相手ができたから」みたいなことですね。
以下の文章で、レイチェルが言う、wisdom とは、「私がこのコーヒーハウスで働いていた時に学んだこと」であることがわかります。

レイチェルがジョーイに教えたことの第一は、「客は常に正しい」。
その次には、A smile goes a long way. と言っています。
go a long way を直訳すると、「長い道を行く、遠くまで行く」ということから、「長持ちする」「大いに役に立つ」というような意味になります。

LAAD では、
go a long way toward doing something : to help greatly in achieving something
つまり、「何かを達成するのに大いに助けになる」。

お客様に笑顔で応対したら、効果が高いわよ、みたいなことになります。

「お客様は常に正しい。そして、笑顔を忘れずに」という、標語みたいなアドバイスをした後、「もし誰かがあなたに失礼なら? 失礼なことをしたら?」と付け加えるのもまた、レイチェルらしいところ。
その答えは、Sneeze muffin.
sneeze は、名詞で「くしゃみ」、動詞では「くしゃみをする」という意味があります。
辞書を見ると、動詞としては、「自動詞」扱いになっています。

この「スニーズ・マフィン」は、おそらく、「(客に出す前に、それに向けて)くしゃみをしたマフィン」という意味でしょう。
「むかつくお客がいたら、マフィンにくしゃみしろ」という意味のアドバイスとして、sneeze を動詞の命令形として使いたいのであれば、Sneeze on/at their muffin. みたいになるように思います。
フレンズ2-5 では、チャンドラーの悪乗りに気分を害しているらしいウェイターに、
チャンドラー: You're gonna sneeze on my fish, aren't you? (俺の魚にくしゃみするつもりだろ?)
と言っているセリフもありましたね。

今回の場合は、名詞 sneeze を、形容詞的に名詞 muffin の前につけて、「くしゃみ・マフィン」みたいなイメージで言っているように私は思いました。


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posted by Rach at 16:29| Comment(5) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして、

土井と申します。

フレンズのDVD 全巻そろえました。
途中までしか見ていませんが。。。。。。

こちらを参考にこれからがんばりたいと思います。

よろしくお願いいたします。
Posted by 土井 久 at 2012年02月08日 20:13
don't eat yellow snow.
ってそういう意味だったんですね・・・
死ぬほど悩んだ自分が恥ずかしいw

そして気になるのはこれまでレイチェルがいくつくらいsneeze muffinを提供してきたのか・・・・
season3で父親にも、親じゃやなかったらとっくにやってると言ってたぐらいですからね。
Posted by fred at 2012年02月10日 14:55
土井 久さんへ
はじめまして。コメントありがとうございます。
フレンズのDVDを全巻そろえられたとのこと、ファイナルシーズンまで解説が書けるように、これからも頑張りたいと思います。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。


fredさんへ
コメントありがとうございます。
こういうセリフって、意味を思いつかない時はとことん思いつかないものですよね。
私も、全然見当違いの見解を書いていて、コメント欄で指摘していただいたことが何度もあります。

この yellow snow に関しては、それを思わせるようなセリフのやり取りが過去エピソードにあったので、多分、そうだろうな、と気づいたわけです。そのやり取りというのは、
フレンズ2-9その15
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470295.html

ジョーイ: I know you're not going in there, but you think it's okay if I go in and use his bathroom? (フィービーがパパの家に入っていけないのはわかってるんだけど、俺が行ってトイレを借りるっていうのはダメかな?)
二人ににらまれて
ジョーイ: That' fine, never mind. Cool, snow! Kind of like a blank canvas. (いいよ、忘れて。[外を見て] おっ?きれいだな、雪って! 真っ白なキャンバスみたいだ。)

この後、白いキャンバスに絵を描いたと想像されるわけですが(笑)、それが今回の yellow snow のイメージに繋がった、ということです。

それから、sneeze muffin については、確かに同じような話が、フレンズ3-7 にありましたね。
チップの少ない客への仕返し フレンズ3-7その19
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470964.html

こうして比較してみると、やはり、「フレンズのお決まりのパターン」みたいなものがあって、それに慣れてくると、笑いのツボもわかってくる、みたいなことなんだろうなと思います。
Posted by Rach at 2012年02月10日 19:14
"Don't eat yellow snow" ってのは,わりとありきたりのジョークのようです.フランク・ザッパという人などは,そのままのタイトルの曲も歌っています.
最初見たときに,チャンドラーはなぜこんなオリジナリティのないジョークをわざわざノートに書くんだろうと思ったのですが,書き込んだのはチップとコツをかけたことなんだと,今回このブログを拝見して気づきました.
Posted by さへき at 2012年02月10日 22:09
さへきさんへ
情報ありがとうございます。
確かに、1974年リリースの Frank Zappa のアルバム「Apostrophe (')」に、Don't Eat the Yellow Snow という曲があって、シングルにもなっているようですね。
彼が言いだしっぺなのか、古くから伝わる(?)ジョークなのかはわかりませんが、いずれにしろ、チャンドラーが言うにしてはちょっとありきたりなジョークなのでしょうね。

チャンドラー的には、tip をうまくかけたことにご満悦だったのでしょうが、その tip の内容となるジョークがオリジナリティのないもので、聞いている方はちょっと拍子抜けしてしまう、みたいなところもポイントなのかもしれませんね。
Posted by Rach at 2012年02月14日 15:57
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