2012年02月10日

気持ちを揺さぶろうとするな フレンズ6-12その5

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プレイボーイ誌に掲載されたジョークはどちらのものか?で、まだモメているロスとチャンドラー。
そこで、モニカを呼んで、決着をつけてもらおうとします。
公正になれるのはモニカだけだ、と言われたモニカは、
モニカ: I can't be fair. You're my boyfriend. (公正にはなれないわ。あなたは私の恋人よ。)
ロス: Yeah, but I'm your brother. We're family. That's the most important thing in the world. (そうだね、でも、僕は君の兄だ。僕たちは家族だ。それは世界で一番大切なものだぞ。)
チャンドラー: (to Ross) Don't try to sway her. (To Monica) (Softly) I'm your only chance to have a baby. Okay, let's go. ([ロスに] モニカを惑わそうとしないでくれ。[モニカに、ソフトな声で] 俺は、子供を持つための、君の唯一のチャンスだぞ。よし、始めよう。)
ロス: Okay. We'll each tell you how we came up with the joke and then you decide which one of us is telling the truth. Me. (よし。僕たちはそれぞれ、モニカにどんな風にジョークを思いついたかを言う、その後で君は、僕たちのどちらが本当のことを言っているかを決めるんだ。僕だけど。)

どちらが作ったジョークかでモメている二人は、モニカなら公正な立場で判断できる、と期待しています。
チャンドラーは私の恋人なんだから、どうしてもそちらをひいきしてしまう、だから、公平になんかなれないわ、みたいにモニカは言っていますね。
それを聞いた兄のロスは、「僕は兄で、僕らは家族だ。家族って世界で一番大切なものだろ」と家族愛をここぞとばかりに強調します。

家族愛を持ち出したロスに、チャンドラーは、Don't try to sway her. と言っています。
sway は、「ゆする、ゆすぶる、揺り動かす」。
物理的に「ものを前後や左右にゆすぶる」という意味以外にも、「心・決心などを動かす、揺り動かす、左右する」という意味にもなります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
sway :
2. [transitive] to influence someone who has not yet decided about something so that they change their opinion
例) Will these arguments sway voters?

つまり、「何かについてまだ決めていない人に、意見を変えるように影響を与えること」。
例文は、「この論拠は、投票者(有権者)の心を揺り動かすだろうか?(決定に影響を与えるだろうか?)」

つまり、モニカ自身が、「チャンドラーは恋人だから、公正な立場になんてなれない」と言っているのに、「でも、家族って一番大切なものじゃないのか?」とロスがその気持ちを揺り動かそうとしているのを見て、「ほとんど決めかかっているのに、それを揺さぶろうとするな」と言っているわけですね。

チャンドラーはチャンドラーで、モニカが自分を選んでくれるように、別のアピールをしています。
I'm your only chance to have a baby. を直訳すると「俺は、赤ちゃんを持つための、君の唯一のチャンスだ」、つまり、「君が赤ちゃんを産むための、俺は唯一のチャンスなんだぞ」と言っていることになります。
人生で唯一のチャンス(笑)みたいな言い方は、いくら彼氏でもちょっと言い過ぎかと思いますが、確かにこれまでなかなか理想の彼氏に出会えなかったのは事実ですし、理想の恋人と感じた眼科医のリチャードは、父親ほど年齢が違うため、彼はモニカとの間に子供を持つことを拒んでいました。
モニカは子供が早く欲しくてたまらない、という女性なので、そのモニカの夢をかなえてあげられるのは、俺だけなんだよ、その俺をがっかりさせるつもりはないよねぇ?みたいに、赤ちゃんネタを使っているわけです。
家族の絆を強調したロスに、Don't try to sway her. と言いながら、自分も「新しい家族」を提供してあげられるのは俺だよ、みたいに、モニカの心に揺さぶりをかけているのが、チャンドラーらしいところです。

それぞれが、how 「どのようにして」そのジョークを思いついたかをモニカに話して、その後、モニカが、二人のうちのどちらが真実を語っているかを決める、という段取りになります。
you decide which one of us is telling the truth. と言った直後に、ロスは、Me. と言っていますね。
それは、前の文章、「僕らのうちのどちらが真実を言っているか」を受けて、That's me. 「それは僕だ」と言っていることになります。
別にモニカに決めてもらわなくても、それは僕だって、最初からわかりきってるけどね、みたいに、先に勝利宣言をしてしまっている感じですね。


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posted by Rach at 17:33| Comment(11) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
このシーンは、よくあるロスのちょこっと憎たらしい感じが出てるシーンであって、自分はむかつくのに笑ってっしまいますw

ただずっと気になってるのはキャラ設定でチャンドラーは結婚が怖くて、モニカの結婚や赤ちゃんに対する気持ちにネガティブ(確かシーズン4参照)なはずなのに、よくもまあぬけぬけと俺が唯一のチャンスだなんて言えたもんだと思いますw
まぁ、結婚前には改善したから、少しづつ前に進んでるんですかね^^;
Posted by fred at 2012年02月14日 14:04
このシーンは、よくあるロスのちょこっと憎たらしい感じが存分に出てて、むかつくのに見てて笑ってしまいますw

ただ、ずっと気になってるのは、キャラ設定として、チャンドラーはモニカの結婚や赤ちゃんに対する願望に引いてたのに(確かシーズン4参照)よくもまあ、こんなときにぬけぬけと俺が唯一のチャンスだ、なんて言えたもんだとw
やっぱり、少しづつ前に進んでるんですかね^^;
Posted by fred at 2012年02月14日 14:07
fredさんへ
コメントありがとうございます。
連続でコメントを入れて下さったのは、最初に入れていただいたコメントが、画面上すぐに反映しなかったから…でしょうか? だとしたら、申し訳ありません。時々、そういうことが起こってしまうのです。

ロスの「ちょこっと憎たらしい感じ」、出てますよね(笑)。
おっしゃるように、チャンドラーも普段はそういう「恋愛関係」に後ろ向きなのに、ここでは勝ち誇ったようにベイビーの話を出していますね。じゃあ、本気でそのこと考えてるの?とか追及すると、また黙ってしまいそうですが(笑)、ジョークはどちらのものか?という勝負に「そこまでして勝ちたいんかい?!」的な面白さがあるのでしょうね。
Posted by Rach at 2012年02月14日 16:05
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
Posted by 履歴書の例文 at 2012年02月22日 17:54
コメントありがとうございます。
Posted by Rach at 2012年02月22日 18:06
こんにちは。
Twitterではいつもお世話になっております。
今回どうしても分からない事があるので質問させて頂きます。
このシーンでチャンドラーがジョークが出来た説明をしてロスも同じくですがその後モニカがこのジョークは最低よ、医者も猿も女性も馬鹿にしてるわと日本語字幕がでますが英語字幕で見ても何所にもHer or Sheという表現が見当たりません。
宜しければ解説の程よろしくお願いいたします。
Posted by tsubasa at 2017年11月28日 12:58
tsubasaさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。

ご質問のセリフですが、その部分のモニカのセリフは以下のようになっていました。
モニカ: You are both idiots. The joke is not funny. And it's offensive to women. And doctors. And monkeys! (二人ともバカよ! そのジョークは面白くないわ。そして女性への冒涜よ。医者にも。猿にも!)

DVD日本語訳は
字幕:あんなジョークは 女性と医者と猿を侮辱してる
音声:そんなジョーク、面白くないし、第一、女への冒涜よ。医者と、猿にも!
となっていましたが、offensive to women という部分が「女性を侮辱・冒涜している」と訳されていることになります。
Posted by Rach at 2017年11月28日 14:11
早速のコメント返信ありがとうございます。
確かに記載の通りモニカはそう言っていますが
そうなると今度はチャンドラーの英語字幕の中に
やはり女性というワードが見当たらないのでどうもしっくりこないんです・・。
スティーブというの主治医がドクターモンピー
だからそこが女性なのかなと思ったりもしたんですが。

ところでブログを応援したい場合登録などは必要なのでしょうか?
Posted by tsubasa at 2017年11月28日 20:17
tsubasaさんへ
お返事ありがとうございます。

「猿が医者だったから処方箋が書けない」というのがオチらしいことはわかりますが、実際にそのジョークがどんなものであるかという全体像はエピソードの中では語られていません。
ですから、モニカの発言で「女性への冒涜」という言葉が出ても、「劇中でジョークの内容が詳しく説明されていないため、どうしてそのジョークが冒涜なのかは視聴者にはわからない」ということになります。実際、モニカの発言の前には、女性うんぬんの話は出てきません。
モニカにけなされて「自分が作ったジョークだ!」と主張していた二人が急に押し付け合いをする、というオチにつなげるために、けなす材料として「こんなの女性への冒涜よ」と女性であるモニカに言わせる脚本にしているわけですね。

モニカの「女性への冒涜で、医者や猿にとっても冒涜よ」という発言で「それって一体どんなジョークだよ?!」と観客に思わせることも笑いの一つだと思いますし、その発言で「面白くない上に、人を傷つけるようなセンスのないジョーク」だということを強調することにもなり、「自作だと言うのが逆に恥ずかしい」という流れになるということですね。

それから、ブログの応援の件、ありがとうございます。
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ブログの応援の件まで気にしていただき、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2017年11月30日 18:23
なるほど。
ものすごく分かりやすくご説明ありがとうございました。
確かにオチはジョーイにも説明しているので
やっと疑問が解けました。
大変感謝しております。

ブログの件ですが分かりました。
なるべく訪問した際はクリックするように意識します。
応援しています。
Posted by tsubasa at 2017年11月30日 18:32
tsubasaさんへ
早速のご丁寧なお返事ありがとうございます。
「ものすごく分かりやすく」と言っていただけて光栄です。

それから応援についての嬉しいお言葉もありがとうございます。応援のお気持ちにお応えできるような記事が書けるようにこれからも頑張ります!
Posted by Rach at 2017年11月30日 19:02
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