2012年02月14日

君をメンテするのが好きなんだ フレンズ6-12その6

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high maintenance 「手がかかる、世話が焼ける」と言われたモニカは、みんなの前で恋人チャンドラーに、「モニカは、ハイ・メンテナンスじゃない」と言わせようとしますが、あらかじめモニカが教えたことを棒読みしているのがバレバレとなってしまいます。
それでも、自分は high maintenance じゃない!と必死に否定を続けるモニカ。
モニカ: Look, I am not high maintenance! I am not. Chandler! (ねぇ、私はハイ・メンテナンスじゃないわ!(手のかかる人間じゃないわ!) 私は違うのよ。チャンドラー!)
チャンドラー: (pauses as he struggles with what he has to say) You're a little high maintenance. ([自分が言わなければならないことと葛藤するように間を置いて] モニカは少し手がかかるよ。)
モニカ: Ahhh! You are on my list. (あー! あなたは私のリストに載ったわ。)
チャンドラー: Look, I'm sorry. But you're not-- You're not easygoing, but you, you're passionate. And that's good. And when you get upset about the little things, I think that I'm pretty good at making you feel better about that. And that's good too. So, they can say that you're high maintenance, but it's okay, because I like... maintaining you. (ねぇ、ごめんよ。でも、君は… 君はのんきで大らかじゃないけど、でも、君は情熱的だ。そして、それはいいことだよ。君が小さなことに大騒ぎしている時、そのことについて君の気分を良くしてあげることが俺はかなり得意なんだって思うんだ。それもいいことだよ。だから、君は手がかかるとみんなが言っても構わないんだ。それでいいんだよ。だって、俺は好きなんだから…君をメンテナンスするのがね。)

I am not high maintenance! 「私はハイ・メンテナンスじゃない! 私は手のかかる人間じゃない!」と必死に否定するモニカですが、チャンドラーは、You're a little high maintenance. 「君は、少し、ハイ・メンテナンスだ」と、正直な見解を述べています。
やっぱり、ハイ・メンテナンスな部分があることは否定できない、という感じですね。

怒ったモニカは、You are on my list. と言っています。
言葉通り、「あなたは私のリストに載った、あなたは私のリスト入りした」みたいなことですが、これは「私の悪口を言う人リスト、私の敵リスト」みたいな感覚ですね。
今の発言で、あなたを私の敵だとはっきり認定するわ!みたいなニュアンスでしょう。

モニカにポンポン言われると、たじたじとなり、意見をころっと変えたりすることも多いチャンドラーですが(笑)、今回は、彼氏らしく、この後も、自分の気持ちを素直に語っています。

easygoing は「のんきな、寛大な、大らかな」。
high maintenance の「正反対に位置する対義語」とまでは言えませんが、イメージ的には反対のニュアンスの言葉だと言えそうですね。
フレンズ6-12その3 で、high maintenance だと言われて怒るモニカが、「私が手がかかる人間ですって? じゃあ、リストを作って、それを一つ一つ検討しましょう!」みたいに言った後にも、フィービーは、easygoing という言葉を使って、以下のように言っていました。
フィービー: No, you're right. You're easygoing. You're just not as easygoing as Rachel. (いいえ、あなたは正しいわ。あなたは大らかよ。ただ、レイチェルほど大らかじゃない、っていうだけのことよ。)

この時のフィービーも、You're not high maintenance. を補足する意味で、 You're easygoing. と言っています。
もちろん、「モニカが大らか」というのは嘘くさいですが、「そうね、モニカは大らかだわ。ただ、レイチェルほど大らかじゃない、っていうだけで」と表現することで、「モニカが、自分はハイ・メンテナンスじゃない!って主張するのなら、いいわ、モニカは大らかってことにしときましょ」「モニカがそう言って欲しいのなら、easygoing だって言っといてあげるわよ」みたいな感じが出ている気がします。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
easygoing [adjective] : not easily upset, annoyed, or worried
つまり、「容易に、動揺したり、いらいらしたり、悩んだりしない」。

チャンドラーは、「確かにそりゃあモニカは、easygoing だとは言えない」と認めつつ、you're passionate. だと付け加えています。
いろいろなことをあっさり流せない性格だけど、それは君が情熱的な人だからだ、と付け加え、それは良いことだ、と言っています。
ロングマンの語義にあるように、チャンドラーも、get upset about the little things と upset という単語を使っているのにも注目したいところです。

I think that I'm pretty good at making you feel better about that. を直訳すると、「君が小さなことに大騒ぎすることについての君の気分をより良くしてあげることが、僕はかなり得意だと自分で思ってる」みたいなことですね。
つまり、君がちょっとしたことで騒ぎ立てた時に、君の気分を良くしてあげるのが俺は得意なんだ、君をなだめたり、君の気分を落ち着かせてあげたりするのが俺は得意なんだよ、と言い、それもまた良いことだ、と言っています。

君は情熱的、それって最高。君が大騒ぎした時、気持ちを和らげてあげるのが俺は得意、それも最高、みたいな感覚です。

みんなが君のことを、ハイ・メンテナンスと言ってもいいし、全然構わない、だって俺は…と言いながら、チャンドラーは、I like maintaining you. と言います。
maintain は、high maintenance の maintenance の動詞形。
maintain は、人を目的語に取った場合には、「(人)を養う、扶養する」という意味で使われます。
maintain one's family なら「家族を養う」という意味になります。
が、ここでは、モニカを養う、というニュアンスではなく、「維持する」「よい状態にしておく」みたいな感覚で使っていると考えるべきでしょうね。

LAAD では、
maintain : TAKE CARE OF SOMETHING
to take care of something so that it stays in good condition

つまり、「それが良い状態に保たれるように何かを世話すること」。

「モニカは手がかかる、世話やメンテが大変」みたいな意味で、みんなはモニカを、ハイ・メンテナンスだと言うけれど、そのモニカの恋人である俺は、モニカをメンテするのが好きなんだから、それでいいんだよ、みたいなセリフになります。
世話の焼けるモニカをお世話するのが好きなんだ、それが俺の彼氏としての喜びなんだ、みたいな、ボーイフレンドらしい微笑ましいセリフですね。


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posted by Rach at 15:29| Comment(4) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
すごい、わかりやすい解説です。
You are on my list.なんて、解説がなければ意味がわかりませんでした。
私は、英会話クラスに入っているので早速この表現を使ってやろうと思っています。
では。
Posted by 自称英語中級者 at 2012年02月16日 00:48
自称英語中級者さんへ
はじめまして。コメントありがとうございます。
「わかりやすい解説」と言っていただけて光栄です。

ドラマで学んだフレーズを、英会話クラスで試しに使ってみる、というのは効果的ですね。そのフレーズが使われていたドラマの状況も一緒にインプットされていると、「いい感じ」に会話に盛り込めるようになると思います。
ただ、「フレンズ」は親しい友人同士の会話のため、失礼な発言が出ることもあります(笑)。そのあたりに注意しつつ、うまく会話に取り入れていただけると幸いです。
Posted by Rach at 2012年02月16日 16:54
更新御苦労さまです。

記事では書いてないですけど、この試合w(モニカ、レイチ、フィーブス)の勝者はフィービーでしたねw

この回は記事の少し前のチャンドラーがセリフを忘れたから、さっきのを繰り返していいかと聞いたとことか、モニカとレイチェルがドアを閉めた後の会話で個性出まくりのとことかツボでしたw

当初はhigh maintenanceがどういう単語か分かってなかったのですが(もちろんスペルも)、やっぱりその後のeasygoingから意味を読みました。

Posted by fred at 2012年02月23日 15:59
fredさんへ
コメントありがとうございます。
私が記事にしなかった部分にも、面白いセリフがたくさんありましたよね。

おっしゃるように、わからない単語が出てきた場合でも、文脈の流れや、対比的に使われている単語から、意味が想像できることは多いです。そういう感じで単語を覚えられるのが、ストーリーのあるドラマで学ぶ利点なのだと思います。
Posted by Rach at 2012年02月24日 16:59
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