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パパに勘当されたと言って、姉レイチェルを訪ねてきた妹のジル。
これから自立する、と決意したはずのジルでしたが、たくさんの荷物を抱えて、セントラルパークに入ってきます。
ジル: (entering, carrying a bunch of shopping bags) I just had the hardest day. Some of these are so heavy. (Sets them down.) ([(セントラルパークに)入ってくる、たくさんの買い物袋を持って] すっごく大変な一日だったわ。この袋、すっごく重たいのがあって。[袋を下に置く])
ロス: Jill, how did you pay for all this? I thought your dad took away your credit card. (ジル、この全部(の買い物)、どうやって支払ったんだ? 君のパパが君のクレジットカードを取り上げたと思ってたけど。)
ジル: Oh, please, I memorized those numbers when I was 15. But look at all the cool make-it-on-my-own stuff I got! (Holds up a red sweater) This is my "Please, hire me" sweater. (Holds up a pair of black pants) And these are my "Don't you want to rent me this apartment?" pants. (もう、やめてよ。私は15歳の時に、その番号を暗記しちゃったのよ。でも、見て、私がゲットした、このクールな「私は自立するの!」の品々を! [赤いセーターを掲げる] これは私の「どうか、私を雇って」セーター。[黒いパンツを掲げて] そしてこれは私の「このアパートメントを私に貸したくない?」パンツよ。)
ロス: I don't think charging new clothes to your dad qualifies as making it on your own. (新しい服を君のパパに支払わせるってことは、自立するとは見なされないと思うけど。)
ジル: Oh, Mr. Scientist has to get all technical! (まぁ、科学者くんは何でもかんでも専門っぽく言わないと[専門的にならないと]いけないのね。)
フィービー: Seriously, I don't think Rachel's gonna think it's a good idea. (真面目な話、それは良いアイデアとは言えないとレイチェルが思うと思うわ。)
ジル: So who made her queen of the world? (じゃあ、誰がレイチェルを世界の女王様にしたの?)
フィービー: I would love that job! (私なら、その仕事、大好きよ![私がその仕事をしたい!])
今日は大変な一日だった、と言いながら、ジルはたくさんの買い物袋を持って入ってきます。
このシーンを見ると、フレンズ1-1 (パイロット)で、レイチェルが同じようにたくさんの買い物袋を持って入ってきたシーンを思い出しますね。
デジャブを感じるような同じ設定にすることで、「お買い物が大好きな似た者姉妹」であることを視聴者に印象づけているわけでしょう。
驚いたロスは、How did you pay for all this? と尋ねています。
その後のセリフからもわかるように、「パパに勘当されて、もう資金援助をしてもらえなくなり、カードも取り上げられたはずなのに、”どうやって”そんなたくさんの買い物の支払いをしたんだ?」という質問ですね。
I thought your dad took away... という過去形は、「僕は…だと思ってたけど(実際は違ったのか?)」みたいなニュアンスが感じられます。
実際、そんなたくさんのショッピングをしてきたんだから、カードは没収されなかったの?みたいな気持ちが入っている感じですね。
その後のジルのセリフが、甘やかされたお嬢さんっぽいセリフなので笑ってしまいます。
直訳すると、「私はこれらの(クレジットカードの何桁かの)番号を、15歳の時に記憶した」ということで、15歳の時からずっと、その番号を記憶してるから、カードが手元になくっても、番号わかっちゃうもん、と言っていることになります。
番号を覚えちゃってるから、カードそのものは必要ない…って、そういう問題か?! カードを没収された意味わかってる?みたいにツッコミを入れたくなるところ。
その後、Look at all the cool make-it-on-my-own stuff I got! と言っていますが、make-it-on-my-own は、stuff 「もの、品物」を修飾するために make it on my own というフレーズをハイフンで結んで形容詞化したものですね。
その後のセリフは、ハイフンではなく、引用符で文をくくる形で、名詞を修飾するために形容詞化した形になっています。
どれも、日本語で表現する場合は、ハイフン、または、引用符で区切られた部分を「かぎかっこ」でくくったようなイメージになるでしょう。
ただ、買ってきたセーターやパンツに、「これは、”私を雇って!”セーターで、こっちは、”私にアパート貸さない?”パンツよ」と適当に自立っぽいセリフをくっつけただけのネーミングですが、まぁ、これらの服を着て、これからそういう活動を頑張るわ、というちょっとした決意表明みたいな感じのネーミングのつもりなのでしょう。
こういう変なネーミングをするところも、お姉さんのレイチェルにそっくりですね。
フレンズ1-1 で、レイチェルが、今回のジルと同じように、紙袋を抱えて入ってきた後、
レイチェル: They're my new "I don't need a job, I don't need my parents, I've got great boots" boots. (それは私の新しい、「仕事なんかいらない、両親もいらない、素敵なブーツを手に入れたんだもの」ブーツよ。)
と言っていました。
自分の気に入ったアイテムを買い、それにそういう前向き?な名前を付けることで、現実逃避しているような雰囲気も感じられます。
この服を着て、これから自立ってやつを頑張るの!みたいに言うジルに対して、ロスは冷静な分析をしています。
I don't think charging new clothes to your dad qualifies as making it on your own. について。
charge ... to someone は「(買い物や費用などを)人の勘定につける、人に負担させる」。
qualify as は「…としての資格を得る」。
ここまでも何度か出てきた make it on your own は、make it 「うまくやり遂げる」+ on your own 「独力で(without help)」なので、「一人で何とかやっていく、自立する」というニュアンス。
ですから、上のロスのセリフを直訳すると、「新しい服を君のパパに支払わせる(支払いを負担させる)ことは、自立するという資格を得る(自立すると見なされる)とは僕は思えない」という感覚になります。
自立、自立、って言ってるけど、自立のための服を、結局パパが支払うことになるカード払いで買ってるようでは、自立とは言えないんじゃないのかなぁ、という軽い非難ですね。
その批判を聞いて少しは反省するかと思いきや、ジルは、Oh, Mr. Scientist has to get all technical! と返します。
Mr. Scientist は、「ミスター・サイエンティスト、科学者くん」みたいに、科学者であるロス(ロスは古生物学者なので)をちょっとからかったように呼ぶセリフ。
get all technical は、「すっかりテクニカルになる」みたいな感覚で、科学者っていう人種は、どんなささいなことでも、技術的、専門的に分析しようとするんだから、みたいに、「科学者っぽく専門用語で語ろうとしないでよ」と言っているような感じかな、と思います。
ロスは別に、科学者っぽいことを言っているわけではなく、誰もが思うであろう感想「親に金を払わせて、それで自立って言える?」と言っているだけなのですが、「もーぅ、専門家はすぐに専門家っぽい言葉でケムに巻こうとして…」みたいにジルは言っているということでしょう。
ロスの意見を、「科学者っぽい意見をしないで」と受け入れないジルを見て、フィービーも、「真剣な話、真面目な話、レイテェルがそのこと(ジルが買い物してきたこと)を、a good idea だと思うとは思えない」と言っています。
そんなことをしたと知ったら、レイチェルは激怒するわよ、と警告しているわけですね。
So who made her queen of the world? を直訳すると、「それじゃあ、誰が彼女(レイチェル)を世界の女王さまにしたの?」。
つまり、「レイチェルが怒るとかって脅すけど、レイチェルは世界の女王様なわけ? レイチェルが善悪の全てを判断して、私のやることなすことに口を出すわけ?」と怒っていることになります。
レイチェルが世界女王なわけじゃあるまいし、私は姉のご機嫌取りをする必要なんかないわ、レイチェルが何て言おうと、私は私のやりたいようにやるの!と言っている感じになるでしょう。
ジルに対するフィービーの返しが、フィービーらしいオトボケぶりで楽しいですね。
ジルのセリフは、「誰がレイチェルを世界女王にしたって言うの?」→「レイチェルが世界女王なわけじゃあるまいし、彼女のことなんか気にしない」というニュアンスで言っているのに、Who made...? という質問「誰が…したのか?」のように見える部分を、文字通り受け取って、「誰がしたのかって? 誰もレイチェルを女王に任命していないのなら、私がその役目・仕事をやりたい」と言っていることになるでしょう。
日本語で言うと、「誰がレイチェルを女王にしたって言うの?」「レイチェルを女王にする仕事? 私、それ、やりたいわ!」のように、ちょっとズレた感じでジルのセリフに反応していることになり、そのズレ具合が、いかにもフィービーという感じですね。
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勉強になった、と言っていただけて光栄です。
ありがとうございます。
一つだけ気になる点を。
悩んだのですが、technicalの説明は、ここの場合は専門的とか技術的などより理屈っぽいとか頭が固いという意味の方があってると思います。
ジルが「qualify」という単語に反応を示し、技術的な単語と感じる気もするんですが、「自立って名前がついてるからいいじゃない」的な感じで言ってると思うので。
まぁ、どちらにしても、絶対屁理屈ですけどね!!ww
今でもまだ分かってないところが一つあるんですが、
最後のI would love that jobって、女王任命の方なのか、
女王自身になりたいのかどっちなんでしょう?
コメントありがとうございます。
確かに technical は、日本語訳をどうしようかと迷ったところです。ジルとしては、「ロスは学者っぽく、小難しいことを言う人だ」というイメージがあるので、「学者ってやつは、いつも専門用語でケムに巻こうとして」みたいに言ったのかなぁ、と私は思ったわけです。
ロスが言っていることは、「親に金を払わせて、それが自立だって?」という、誰もが考える一般的な意見ですが、その言い回しにどことなく「学者っぽい堅苦しさ」を感じてのセリフだったのかなぁ、と。
I would love that job. についてですが、私は「女王任命という仕事」だと解釈しました。
ジル: So who made her queen of the world?
フィービー: I would love that job!
というやり取りなので、who に対しての、I would だと考えたわけです。
「誰がそれをしたの?」「私ならその仕事大好き! (誰かがやるべき仕事なら)私がその仕事やりたい!」というニュアンスだろうと思いました。
また、Rachさんに教えて頂きたい箇所が出てきてしまいました。 それは、ジルが父親のカードで買い物をし、それをレイチェルがジルに説教するシーンです。 I’m just gonna take it all away, ‘cause that way you’ll just really learn the lesson. Okay? のcause that way の使い方です。 読めば意味がわかるのですが、文法的にピンと来ないのです。 Causeの後は節がくるのが多いですが、これが英語らしい英語だとも思うのですが、スッキリしません。 ‘cause it’s that way you’ll just really learn the lesson. のようにit’sなどが省略されているのでしょうか? これなら、全部返品するということが、あなたがそれを学ぶ方法だから、と理解できるのですが。
そうそう、一昨日、福井県沖で地震がありましたね。 そちらも少し揺れたのではないでしょうか? 最近、気になる現象が多いので、お気をつけくださいね。
こちらこそご無沙汰しております。コメントありがとうございます。
本当に最近の気候は、五月という感じではありませんよね。真夏になったらどうなるのかと、今から戦々恐々です。
それでは早速ご質問について。
その that way ですが、これは「そうすれば」と訳すとぴったりくると思います。
ですから、そのご質問のセリフを訳してみると、
I'm just gonna take it all away, ‘cause that way you'll just really learn the lesson. Okay? (私はただそれを全部取り上げるわ[没収するわ]。だって、そうすれば本当に経験から(教訓を)学ぶと[いい薬になると]思うから。いいわね?)
that way というのは「そのように、そんな風に」という副詞ですが、このように文頭に持ってくることで、「もしそのようにしたら(以下のようになる)」というニュアンスを出すことができます。
非常にシンプルで、かつ感覚的な表現な気がしますが、ちゃんと英英辞典に載っていて、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では以下のように説明されています。
that/this way : used when telling the results of an action or situation that was just mentioned
例)I hope he transfers to another school. That way, I wouldn't have to see him anymore.
つまり、「たった今、言及された行動や状況の結果を言っている時に使われる」。例文は「彼が別の学校に転校したらいいなと思う。そうすれば、僕はもう彼を見なくて済むだろうから」。
「言及された行動や状況の結果」なので、つまりは「それが原因でこういう結果になる」ということですから、日本語にすると「そうすれば(こうなる)」ということになるわけですね。
これより過去のエピソードでも、このような that way が出てきました。
フレンズ1-18その5
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470125.html
ロス: Wanna hand over your money now? That way, we don't have to go through the formality of playing. (今、自分のお金を渡せば? そうすれば、僕らはゲームをプレーするという形式的行為を経なくて[行わなくて]済むだろ。)
こちらの 1-18 の方が、because が入っていない分、シンプルでわかりやすいですね。
それから地震の件、温かいお言葉ありがとうございます。ちょっと距離はありますが、やはり地震が起こると、体に感じる揺れなどはあったりします。大きな地震が起こらないことをただただ祈るのみですね。どうかせんごくさんもお気をつけ下さいね。
ご質問の that way は、ブログ解説の和訳には「そうすれば」と書いていても、それ以上つっこんだ解説はしていなかったようです。今回ご質問いただけたことで、改めて詳しく説明することができて良かったです。
貴重なご質問ありがとうございました!(^^)
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
私の解説で理解できたと言っていただけて良かったです(^^)
シーズン1改は超スローペースなので、フレンズ1-18 を解説するのはまだまだ先になりそうですが、その時には今回のコメントを参考に、じっくり説明したいと思っています。
どうか楽しみながら続けて下さいね。私も頑張ります♪