2012年02月22日

それって抵抗しがたいだろうな フレンズ6-13その4

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[Scene: Monica and Chandler's, Monica is still very sick and is entering the living room from the bathroom wearing a robe. Chandler is reading a magazine.]
モニカとチャンドラーの部屋。モニカはまだ、ひどい風邪で、ローブを着てバスルームからリビングルームに入ってくる。チャンドラーは雑誌を読んでいる。
モニカ: Okay, so what do you, what do you want to do? Let's do something crazy! (オッケー、それで、あなたは何をする? 何をしたい? クレイジーなことしましょうよ!)
チャンドラー: I know, let's rest and drink lots of fluids. (Holds up a glass of orange juice.) (そうだな、休んで、たくさんの水分を取ろうよ。 [オレンジジュースのグラスを掲げる])
モニカ: Okay, I'll rest. But y'know if I'm going to bed, then you're coming with me. (わかったわ、私は休むわ。でも、ほら、私がベッドに行く時には、その時はあなたも私と一緒に来て。)
チャンドラー: See, that would be impossible to resist if you weren't all... drippy here. (Points to his nose.) (ほら、それって、たまらないんだろうな、もし君が…このあたりが垂れてなかったらね。 [自分の鼻を指差す])

ひどい風邪を引いているので、真っ赤な分厚いガウンを着ているモニカ。
バスルームから出てきたモニカは、Let's do something crazy! と言っています。
何かクレイジーなことをしましょう!というのは、「これから二人でイイコトしましょ」みたいに恋人チャンドラーを誘っているわけですね。
ですが、負けず嫌いのモニカが自分は健康であると誇示したいためにそう言っているのがわかるチャンドラーは、「休んで、たくさんの水分を取ろう」と言います。
病気の時は、ゆっくり寝て、水分補給をして…とアドバイスするのは、どこの国でも同じようですね。

rest することを勧められたので、モニカはとりあえず、I'll rest. と答えます。
その後、But y'know if I'm going to bed, then you're coming with me. と言っていますね。
休むから、これからベッドに行くけれど、その時はあなたも私と一緒に来てね、というニュアンスです。
「ベッドで寝てた方がいいよ」とアドバイスされたことを利用して、「じゃあ、あなたも私と一緒にベッドに入って」と、チャンドラーをまだエッチに誘おうとしているわけです。

その後のチャンドラーのセリフが面白いですね。
that would be... if you weren't... は、典型的な「仮定法過去」の文章。
that というのは、モニカが今言った、チャンドラーをベッドに誘うセリフですね。
resist は、「抵抗する、我慢する」なので、impossible to resist は「抵抗することができない、我慢できない」。
この場合は、「(魅力的なもの・こと)を我慢することができない」というニュアンスになります。

drippy は、drip 「したたる、ポタポタ落ちる」を形容詞にした形で、「したたっている、ポタポタ落ちている、垂れている」というニュアンス。

drip の語義を英英辞典で見てみると、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
drip [verb] : to fall in the shape of a small drop
つまり、「小さなしずく(滴)の形で落ちること」。

if you weren't all... drippy here. は仮定法で、現実・事実とは異なることを仮定しています。
「もし君がすっかり、このへん・この辺りが、drippy じゃなかったら」と言いながら、鼻を指差しているので、「今の君は、鼻(のあたり)が drippy (垂れている)状態である」と言っていることになります。

前半部分で、「今のモニカの誘うセリフ、たまんないんだろうなぁ」と言っているわけですが、後半部分で、「そんな風に、鼻が垂れてなかったらね」と条件付けしているわけですね。
鼻水のせいで、せっかくのセクシーなお誘いのセリフもセクシーに聞こえないよ、と言っていることになります。

ちなみに、drippy には、「涙がしたたり落ちる」という意味から、「お涙頂戴の、感傷的な」という意味があります。
LAAD では、
drippy [adjective] : very emotional in a silly way
例) The movie is nothing but a drippy melodrama.

つまり、「くだらない・ばかばかしい様子で、非常に感情的なこと」。
例文は、「その映画は、お涙頂戴のメロドラマに過ぎなかった」。

また、「(人が)めそめそする」という意味もあります。
Macmillan Dictionary では、
drippy [adjective] : (very informal) someone who is drippy is very weak or boring
つまり、「drippy な人とは、非常に弱い、またはうんざりさせる(人)」。

そのように、通常は、「めそめそする」「お涙頂戴の」という意味で使われる drippy ですが、drip という動詞を形容詞化したものなので、今回の「鼻が垂れている」のように、drip という動詞の意味から想像される、さまざまな使い方が可能だということです。
単語を覚える場合に、日本語訳を丸暗記していると、そういう「意味の広がり」に気付かずに、一義的な訳を当てはめてしまう可能性があります。

一般的に「鼻が垂れる、鼻水が出る」という場合は、I have a runny nose. と表現することが多いように思います。
今回のチャンドラーは、直接的に、if you didn't have a runny nose 「もし、君の鼻水が垂れてなかったら(今の誘い、たまんないのに)」とは表現せず、「ここのあたりが、drip している状態」みたいに「あえて遠回しに表現した」ということになるでしょう。
ですから、drippy は通常、「鼻が垂れる」という意味で使われるわけではないけれど、話の流れとチャンドラーのしぐさ、そして、言葉のイメージするものを考えると、鼻水のことを言っているのだとわかる、ということで、チャンドラーが drippy と表現したことにこのセリフの面白味がある、ということになるでしょうね。


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posted by Rach at 17:31| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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