2012年02月27日

ゲットする、を、取り除く、に変える フレンズ6-13その6

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最初はロスのことを「デートの相手としては考えられない」と言っていたジルでしたが、それに反論したい元カノのレイチェルが、ロスの長所を挙げていくうち、「それじゃあ、ロスをデートに誘ってみる」と言い出してしまいました。
二人の様子が気になってしょうがないレイチェルは、モニカたちの部屋から、向かいのロスのアパートを覗いています。
(We see that Ross is returning to his apartment with Jill.)
ロスがジルと一緒にアパートに帰ってくるのが見える。
レイチェル: (gasps) Oh, he brought her back to his apartment. ([息を呑んで] まぁ、ロスは彼女を自分のアパートに連れて帰ったわ[連れ込んだわ]。)
モニカ: (entering with Chandler) Who? (She looks out the window at Ross's apartment) Is that your sister? ([チャンドラーと一緒に(リビングに)入ってきて] 誰? [モニカは窓からロスの部屋を見る] あれはあなたの妹?)
レイチェル: Ugh, she is a slut! (あー、あの子はほんとにふしだらね!)
モニカ: God, Ross is on a date with your sister. How weird is that? (まぁ、ロスはあなたの妹とデートしてるのね。それってすごく変な感じよね?)
レイチェル: Oh, my God, look-look, he's taking off her clothes! (あぁなんてこと。見て見て、ロスは彼女の服を脱がしてる!)
チャンドラー: He's taking off her coat. (ロスは、ジルのコートを脱がしてるだけだよ。)
(We see that Ross is taking off Jill's coat.)
ロスがジルのコートを脱がしているのが見える。
レイチェル: Oh, this is just terrible. (あぁ、これって、ただただ最悪だわ。)
モニカ: Oh, no, it's not, no it's not. It's a first date. I'm sure that nothing is gonna.... (as she is talking we see Ross close his drapes.) (あぁ、そんなことないわ。最悪じゃないわよ。最初のデートよ。私は確信してる、何も起こらないって…。 [モニカが話している時に、ロスがカーテンを閉めるのが見える])
レイチェル: Oh. (Squeaks again.) (あ! [キーキー声を出す])
チャンドラー: Ho-oh, he's gonna get some! (Rachel looks at him.) Of the glare... from the streetlight out of his apartment. Y'know so umm, he's closed the drapes there so he can have a nice, pleasant conversation with your little sister. (Pause) Well, I'm off to bed! (Goes to bed.) (ほほぉー、ロスは何かをゲットしようとしてるぞ! [レイチェルがチャンドラーを見る] 街路灯(街の明かり)のまぶしい光を、部屋に入らないようにしてるんだ。ほら、それで、うーんと、ロスは自分の部屋のカーテンを閉めたんだ、君の妹と、ナイスで快適な会話ができるようにね。[沈黙] えーっと、俺はベッドに行くよ。 [ベッドに行く])

brought her back to his apartment は、「彼女を彼のアパートメントに連れ帰る」ということですが、レイチェル的には、「女を自分の家に連れ込んだ」という感覚で言っているようです。
外でデートした後、家にまで連れてきたのね、という感じでしょう。
slut は「ふしだらな女、尻軽女」。
アカデミックな辞書である、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には、この単語、載っていませんでした。(英和辞典には普通に載っているのに、さすがと言うか何と言うか…笑)
Macmillan Dictionary では、
slut [noun] (offensive) : an insulting word for a woman whose sexual behaviour is considered immoral
つまり、「(侮辱的な言葉) その人の性的な行動が、不道徳・ふしだらだと見なされる女性への侮辱的な言葉」。

レイチェルは、二人の様子を見ながら、「ロスがジルの服を脱がしてる!」と大騒ぎしています。
でも、その後のチャンドラーのセリフから、服と言っても、コート・上着を脱ぐのを手伝ってあげているだけなのがわかるのが面白いですね。

焦るレイチェルに、「最初のデートだから何も起こらないって…」と慰めようとするモニカですが、そう言っている間に、ロスがカーテンを閉めるのが見え、レイチェルは、あ!と叫んでいます。

元カレと妹がこの後どうなるか気が気でないレイチェルの気持ちに気付かないように、チャンドラーは、He's gonna get some! と嬉しそうな声で言っています。
get some は「何かを得る、ゲットする」という感覚ですが、これはチャンドラーのにやにや具合からもわかるように、ロスはこれから「何かいいこと」するんだな、と言いたいわけですね。
some! だけで文を終えることで、「言わなくてもわかる、あれ」のようにわざと言ってみせているのでしょう。

そういうことをニヤニヤしながら言った後、レイチェルが自分を見たので、元カノを前にして、言ってはいけないことを言ってしまった、と気づいたのでしょう、チャンドラーは慌てて、その後に文章を続けることで、自分の言おうとしていたことはこういう内容のことなんだ、と必死に言い直そうとしています。

次のセリフが、Of で始まっているのは、その前の文章の続きを言っている感覚ですね。
つまり、チャンドラーは、He's gonna get some of the glare from the streetlight out of his apartment. と言おうとしていた、というふりをしているわけです。
長い文章ですが、この文章の基本構造は、He's gonna get A out of B. になります。
つまり、「B から A を取り出す、取り除く」という感覚ですね。

glare は、フレンズのト書きでは、Rachel glares at him. 「レイチェルは彼をにらむ」のように、「にらむ、にらみつける」という動詞で使われることが多いですが、「ギラギラ光る、輝く」という意味もあり、ここでは the がついていることからもわかるように、名詞「まぶしい光、ギラギラする光」の意味で使われています。

「B から」の部分は、「ロスのアパートから」、「A を(取り除く)」は、「街路灯・街の明かりから来るまぶしい光を(取り除く)」になります。
つまり、街のギラギラしたまぶしい光が自分のアパートに入らないようにする、という感じですね。
そうすることで、部屋がまぶしくなくなって、まぶしい明かりを気にせず、ジルと落ち着いて会話ができるからね、みたいに、チャンドラーは理由も付け加えています。
どう聞いても無理のある説明だと自分でもわかるチャンドラーは、気まずい空気に耐えられず、「もう俺、ベッドに行くね」と言って、去って行ったわけですね。

get は非常によく使われる基本動詞で、他の単語と結びつくことで様々なニュアンスを出すことができる単語です。
チャンドラーのこのセリフは、get some 「何か(いいこと・いいもの)をゲットする、手に入れる」という意味の get を、後に、out of を付け加えることで、「…から〜を取り出す、取り除く」という「別の意味の動詞」であるように思わせたところに面白さがあると言えるでしょう。
後に別の言葉を続けることで、強引にそういう意味に持っていこうとした「無理やり感」が感じられるセリフということになるでしょうね。


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posted by Rach at 18:09| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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