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映画の悲しいシーンを見ても泣くことができないチャンドラーを見て、ジョーイは、"You're dead inside!!" 「お前は心が死んでいる」と言います。
そこまで言われたチャンドラーは、泣ける本を読んでみたりもしています。
それで泣けたら、心が死んでるとか思われないで済むし、と言うチャンドラーに、
モニカ: Oh, that's so sweet! Look, Chandler, I don't care if you can't cry. I love you. (まぁ、かわいいこと言うのね! ねぇ、チャンドラー、あなたが泣けなくても私は気にしないわ。愛してる。)
チャンドラー: Oh, that makes me feel so warm in my hollow tin chest. (おぉ、その言葉は俺の空っぽのブリキの胸をすごく温かくしてくれるね。)
モニカ: Stop it! (やめてよ。)
チャンドラー: No, I mean, come on, seriously think about it. We get married, I'm up at the altar and I'm like this: (Makes a bored face.) (いや、だってさ、ほら、真剣に考えてみてくれよ。俺たちが結婚する。俺は(結婚式の)祭壇にいる、そして俺はこんな感じなんだよ。[退屈そうな顔をする])
モニカ: I won't care. Because I know that you will be feeling it all in here. (Points to her heart.) (私は気にしないわ。だって私にはわかってるもの、あなたがここでそのことを感じてるってことが。 [自分の胸を指す])
チャンドラー: Yeah? (そう?)
モニカ: Yeah! And if, and if we have a baby one day, and the doctor hands it to you in the delivery room and you don't cry, so what? And-and-and, and if we take him to college and come home and see his empty room for the first time, and you got nothing? It won't matter to me. (そうよ! そしてもし、もし、いつか私たちに子供ができて、分娩室でお医者さんがその子をあなたに手渡して、あなたが泣かないとしたら、それが何だっていうの? そして、そして、もしその子を大学に送って行って、家に帰って、初めて彼の空っぽの部屋を見て、あなたが何も感じなかったら? そんなの私にとっては大したことじゃないわ。)
心が死んでると言われたらいやだから、何とか泣こうと頑張ってみてるんだ、と言うチャンドラーに、モニカは、「たとえあなたが泣けなくても私は気にしない。愛してるわ」と彼女らしい優しい言葉をかけています。
ですが、チャンドラーはその言葉を喜んで素直には受け取らず、少々皮肉交じりの表現で返します。
that makes me feel so warm in my hollow tin chest は、「その今の(優しい)モニカの言葉は、俺の hollow tin chest の中をすごく温かく感じさせてくれる」という感覚。
hollow は「空洞の、中空の」、つまり、「中身が空っぽ」のニュアンス。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hollow : having an empty space inside
つまり、「内部に空っぽの空間・スペースがあること」。
また、tin は「スズ」「ブリキ」、chest は「胸」ですね。
tin can だと「缶詰の缶、空き缶」という意味になります。
このような hollow tin chest というフレーズのイメージは、映画「オズの魔法使」(原題:The Wizard of Oz)に登場する「ブリキ男」(Tin Man)から来ています。
ドロシーがブリキ男に出会った時の彼のセリフは以下のようなものでした。
ブリキ男: Perfect? Bang on my chest if you think I'm perfect. Go ahead, bang on it. Beautiful. What an echo. (完璧? もし君が僕を完璧だと思うのなら、僕の胸を叩いてくれよ。さあ、叩いて。 [空洞の音がして] 美しい。何て素敵なエコー(こだま)なんだ。)
It's empty. The tinsmith forgot to give me a heart. No heart. All hollow. (空っぽなんだ。ブリキ職人が僕に心をくれるのを忘れた[心を入れ忘れた]んだよ。心(ハート)がない。全くの空っぽ。)
If only had a heart, I'd be tender, I'd be gentle. (もし僕に心がありさえすれば、僕は優しくなれるのに。)
胸(chest)が all hollow (全くの空っぽ)な Tin Man (ブリキ男)であることが、彼自身のセリフからわかるので、それを踏まえてチャンドラーは、自分も彼と同じような心がない人間なんだよ、と自虐的に言っているわけですね。
君の優しい言葉が、俺のこの「ブリキ男みたいに心がない胸」を温かくしてくれるよ、と言ってみせて、「どうせ俺の心は空っぽだから、そんな言葉すら響かないんだ、俺に優しい言葉をかけるだけ無駄だよ」みたいに言ってみせている感覚でしょう。
どうせ俺は心がない人間ですよーだ!みたいに、ひねくれている感じです。
そんな風に皮肉っぽく返してきたので、「そんな自虐的なことばっかり言わないでよ」と Stop it! と言うモニカですが、チャンドラーは「別にジョークで茶化そうとしてるわけじゃなくて、モニカもちょっと真剣に考えてみてよ」みたいなことを言います。
結婚して、祭壇に立っている俺はこんな感じなんだ、と説明した後、感情が何ら表情に出ていない、という全くの無表情を作ってみせるチャンドラー。
そういう感動の日に、こんな顔をしているかもしれない人間なんだよ、それでもモニカは構わない、って言うつもり?ということですね。
そういう例を出されても、モニカは「もしそんなことになっても、私は気にしないわ」と答えます。
表情には出なくても、ここで気持ちを感じてるもの、と言って、胸を指すモニカ。
さらにモニカは、今後の人生に起こるであろう、別のイベントも次々と例に挙げていきます。
まずは、赤ちゃんが生まれる時の話。
「赤ちゃんが生まれて、分娩室でお医者さんがあなたにその赤ちゃんを手渡して、それでもあなたは泣かない、でも、それがどうしたって言うの?」みたいなことをモニカは語っています。
次は、ずいぶんと時が経ってからの話ですが、子供が大学に行く頃の様子をイメージして話していますね。
ちなみに、ここで、赤ちゃん時と大学時の代名詞の違いについて見てみましょう。
生まれた時の赤ちゃんの代名詞には、it が使われています。
このように、性別がわからない場合の赤ちゃんは、it という代名詞で表されるのが普通ですね。そういう場合は、it と呼んでも、別に失礼ではない、決して「モノ」扱いしているわけではない、という感覚です。
ただ、大学生になった時のイメージでは、その it と表現されていた子供は、him や his などの代名詞で表現されています。
モニカの頭の中には、大学生となり、りりしくなった「息子」のイメージが浮かんでいた、ということでしょう。
大学生となった子供のことを語る場合には、まだ今は生まれていない子供で、実際にはどちらの性別になるかわからないとしても、そこで it という代名詞を使うことはあり得ない、ということでしょう。
あくまでイメージであり、仮定の話ですから、そういう場合はとっさに、男か女かどちらかの人称代名詞を使えばいい、ということですし、そういうモニカのセリフから、「第一子は男の子になると想像している」というモニカの潜在意識が垣間見られる、とも言える気がします。
we take him to college は「彼(子供)を大学に連れて行く」という感覚でしょうが、これは、その息子が、親元を離れて、大学の寮、もしくは大学のそばに住むことになるというイメージから来ているのかなと思います。
大学が始まる時に、彼をそこに送り届けて(大学まで見送って)、そして家に帰った後、彼の部屋が空っぽなのを初めて見た時に…という仮定ですね。
いつも息子がいたその部屋がガランとなっているのを見たらどんなに寂しいかしら…ということをイメージしているわけですが、そこでも you got nothing つまり、チャンドラーは何も感じることがない、それに対して何の反応もない状態だったら…?と仮定して、それでも私にとってはそんなことは重要ではない、大したことじゃない、と言い切ります。
これ以降、もう少し二人の会話が続くのですが、それは次回といたします。
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以前というか、一年前に英検準1級を受けるのにアドバイスをいただいたものです。
その時はやっぱり無理だなと思いしばらく受けるのをやめてました。
が、今回、一年発起して、合格したらハワイに行こう!と決めて取り組みました。
長文が苦手でどうしても点数が取れませんでした。その時にRachさんが準1なら準1の問題をとことんやるのがいいとおっしゃってくださいました。
長文の問題を解くときに、わからない単語は辞書で調べて、すんなり文章が理解できるまで読んだし、音読もやりました。
その回あって見事合格しました!長文は20点中18点も取れました。
面接は面接官の方もいい方でしたので、すんなりいけた感じでした。
1次試験が受かった時は嬉しかったです。本当に面接よりも筆記試験が苦手だったので。。
そして念願のカウアイ島へ行ってきました!景色が本当に素晴らしく、鳥肌がたちました。
今度は1級目指して頑張ります。
Rachさんの勉強方法を参考にさせていただきます。
ありがとうございました。
Keico
コメントありがとうございます。
以前のコメントでは、「読解の力をつけるには、過去問の文章を研究して、文章の構造をしっかり把握する」ということをおすすめさせていただきましたよね。
私自身が、いつもそういうやり方で取り組んでいるために、そのようなアドバイスをさせていただいたのですが、それがお役に立てたのであれば、とても嬉しいです!
「合格したら、ハワイに行こう!」と、気持ちを盛り上げることができたことも良かったのでしょうね。いったんは無理だと思ってあきらめたことに挑戦され、見事に目標を達成されたこと、本当に素晴らしいと思います。そういう成功体験は、今後もご自身を励ましてくれるものになる…そんな気がします。
1級に挑戦される場合でも、やはり勉強法は準1級の場合に通じるものが多いと思います。難しい単語も増え、文章もより難解になるでしょうが、やはりそういうタイプの文章に慣れること、これに尽きると思います。また、英検の記事などでわからない部分などありましたら、お気軽にご質問下さいね。
TIMEやNewsweekを読めるようになりたいと思います。
今は全く読めませんが。。。
その位になったら1級が楽に感じられるのでしょう。
頑張ります。
こちらこそ、ご丁寧なお返事ありがとうございます。
やはり、試験対策としては、その試験に出てきそうな文章に慣れる、というのが一番の方法になるでしょうね。論文形式のいかつい文章は、接続詞などに注意して論理展開を意識しながら読む訓練をして、後は、そういう文章で頻出の単語やフレーズに慣れること、が大切だと思います。
是非頑張って下さいね。応援しています!