2012年03月27日

もしもの世界を押韻で語る フレンズ6-15その3

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は7位、「にほんブログ村」は8位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


前回の続きです。
自分の顧客に「株の才覚がある」と言われたのに、そういう仕事に就かなかった理由を問われたフィービーは、その理由を説明します。
フィービー: Because at that time, you see, I thought everything that rhymed was true. So I thought y'know that if I'd work with stocks, I'd have to live in a box, and only eat lox and have a pet fox. (だってその時は、ほら、韻を踏むもの全てが真実だと思っていたから。だから私は思ったの、もし私が株(ストックス)の仕事をしたら、箱(ボックス)に住んで、スモークサーモン(ロックス)だけを食べて、ペットのキツネ(フォックス)を買わないといけないだろう、って。)
ロス: Hey, do you guys think if all those things happened, we'd still hang out? (ねぇ、今言ったこと全部がもし起こったら、僕たちはまだ(こうやって)一緒に過ごしてるかな?)

理由を問われたフィービーは、Because を使ってその理由を説明しています。
長いセリフが続きますが、それを聞いた後のチャンドラーが、「は? なんじゃそりゃ?」と言いたそうに、眉をひそめて怪訝な顔でフィービーを見ていますので、いつもの「フィービーっぽい、よくわからない理由」だと言うこともわかります。
フィービー自身が言っているように、フィービーの語る言葉が韻を踏んでいます。
「あの当時は、韻を踏む(rhyme)もの全てが真実だと思っていた」と言って、その後、stocks, box, lox, fox という、最後が、-ks 「クス」の発音で終わる言葉を4つ使っていますね。
脚本的には、株(ストックス)繋がりで、クスのつく言葉を探して文章を作ってみた、という感じですが、その単語で「住むところ、食べるもの、飼っているペット」を言い表したのはお見事と言えるでしょう。
「衣食住」と完全に一致しているとは言い切れませんが、ほぼそれに当たるような事柄を全部、押韻させたところが、なかなかやるじゃん!という感じで、観客にとっては、大爆笑というよりは、ほぉ〜、なるほどぉ〜、うまくまとめたね、みたいに感心させるタイプのセリフになるように思います。

ちなみにこの中で日本人に知名度が低い(?)単語は、lox でしょうね。
lox は「鮭の燻製、スモーク・サーモン」。
LAAD では、
lox [noun] [uncountable] : salmon that has been treated with smoke in order to preserve it
つまり、「保存するために、煙で処理された鮭(サーモン)」。

辞書にあるように不可算名詞なので、eat lox のように不定冠詞 a をつけずに使われているわけですね。
a box, a pet fox がそれぞれ a がついているのと比べてみると、よりそれがはっきりするように思います。
鮭・サーモンを表す salmon という単語は、可算名詞 a salmon だと「鮭(という魚1匹)」を指し、無冠詞 salmon で使うと、「(食用としての)鮭(の肉)」という意味になります。
lox は「食用として燻製したサーモン」なので、食用の salmon としての意味しかない(魚という生物としての個体を表す意味がない)ので、常に不可算名詞扱い、ということなのでしょう。
フレンズ2-23その14 でも、lox という単語が出てきたのですが、その時も、pox という単語との押韻で使われていました。

ロスは「もし…なら、僕たちは〜だと思う?」とみんなに尋ねています。
if all those things happened の all those things は、フレンズのメンバーそれぞれが「もし自分があの時…したなら」と仮定した事柄のこと。
hang out はフレンズ頻出フレーズで、「(…と一緒に)時間を過ごす」。
大人の彼らが友人たちと一緒に遊んで時間を過ごす、という感覚です。
そういう仮定がすべて現実に起こったとして、僕たちは今でもこんな風に hang out してると思う?という問いかけですね。
どうなってるだろう?と顔を見合わせるフレンズを映して、オープニングシーンに突入します。

今回のオープニングクレジットは非常に珍しいパターンで、いつもの噴水の前にいるフレンズのメンバーは今回のテーマとなる「もしも…だったら」の世界の姿をしています。
劇太りのモニカを筆頭に、それぞれの違った姿が見られるのが楽しいですし、噴水以外のシーンも、「もしも」の姿の映像が次々と映ります。
今回のエピソードのタイトルは、The One That Could Have Been ですが、この、could have been も、「もしも(あの時)…だったら、〜だったこともありえただろう、〜だったという可能性もあっただろう」というニュアンスですね。
SFで言うと、枝分かれしたパラレルワールドでの、もう一つの現実、みたいな感じになるでしょう。
オープニング後は「もう1つのありえた世界」の話が始まります。
このエピソードは2話連続になっていますが、ドラえもんの「もしもボックス」を連想させるような、こういう「もしも」ネタはやはりファンには人気が高いようですね。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 18:02| Comment(1) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
非公開コメントを下さった方へ

貴重なご意見ありがとうございます。またお気遣いもありがとうございます。

いただいた解釈、私もそうかもしれない、と思えてきました。引き続き、もう少し調べ、考えてみます。
一緒に解釈を考えていただき、ありがとうございました。
Posted by 非公開コメントを下さった方へのお返事 at 2012年03月30日 19:29
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。