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心臓発作を起こしたフィービーに、不適切なジョークを言ってしまったチャンドラー。
気まずそうなチャンドラーをモニカは病室の外に連れ出し、部屋の中はフィービーとロスだけになります。
フィービー: (To Ross) So what's going on with you? ([ロスに] それで、あなたはどんな感じなの?)
ロス: Well, umm, I've been doing a lot more of my kara-tay. (えーっと、カラーテ(空手)に前よりもっと励んでる。)
フィービー: Still going through that dry spell with Carol? (キャロルとの例の日照り(続き)状態はまだ続いてるの?)
ロス: Yeah. (ああ。)
フィービー: How long has it been since you had sex? (あなたがエッチしてからどのくらいになるの?)
ロス: Well, last weekend... (うーんと、先週末…)
フィービー: Oh, that's not so bad. (まぁ、それならそんなに悪くないじゃない。)
ロス: ... will be two months.... (…で2ヵ月になるかな…)
フィービー: Oh.... (あぁ…。)
ロス: ... since I stopped trying. (…トライするのをやめてから…。)
What's going on? は「何が起こってるの?」というニュアンスで、 So what's going on with you? は「あなたに何が起こってるの?」→「あなたはどんな感じ? (最近)どうしてる?」と、相手の近況や様子を尋ねる挨拶になります。
I've been doing は現在完了進行形で「ずっと…をしている」。
kara-tay とは、karate 「空手」のことですが、ロスはなぜかそれを「カラーテイ」と発音するので、ネットスクリプトではわざと kara-tay という綴りで書かれています(DVDの英語字幕は、karate と表記)。
本来の英単語としての発音は、「カラーティ」のように語尾の te は軽く「ティ」と発音するようですが、それを「テイ」と大げさに発音するのがロスの特徴のようで、このエピソードの冒頭シーンでも、その発音をチャンドラーにからかわれたりもしていました。
go through は「体験する、経験する」「耐える、切り抜ける」。
dry spell は「日照り続き、乾期」。
研究社 新英和中辞典にも、
dry=<天候など>雨の降らない, 日照り続きの
a long dry spell 長期の日照り続き
という用例が出ています。
spell という名詞には、「綴り、スペル」「呪文、まじない」という意味もありますが、この場合の spell は「ひと続き」という意味で、同じく、研究社 新英和中辞典では、
spell=(天候などの)一時, ひと続き
a spell of fine [hot] weather 晴天[暑気]続き
と説明されています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
spell [noun] : a period of a particular type of activity, weather etc., usually a short period
a cold/wet/dry spell
例) We had another cold spell last month.
つまり、「特定のタイプの活動、天気などの期間、たいていは短い期間」。
例文は、「先月、また日照り(乾期)があった」。
使用例にあるように、a cold spell なら「寒さ続き、寒い時期」、a wet spell なら「雨期、雨の多い時期」ですね。
フィービーのセリフを直訳すると、「キャロルとのあの・例の乾期(日照り状態)をまだ経験しているところ? 乾期にまだ耐えてるところ?」みたいになるでしょうか。
直接的には言っていませんが、「夫婦間の営みがない状態」を a dry spell と表現しているのは、日本人にもわかる感覚かなと思います。
How long has it been since...? は期間を尋ねる現在完了形。
「…して以来、どのくらいの期間になりますか?」ということですね。
ここでは、a dry spell などという遠回しな表現ではなく、since you had sex とダイレクトに尋ねています。
その質問に対して、ロスが、「先週末」と答えたので、フィービーは「先週末からエッチしてない、つまり、先週末にエッチしたのなら、別に日照り続きでもないじゃん」と思ったのでしょう、that's not so bad 「それって・それなら、そんなに悪くない」と返します。
ですが、ロスの話には続きがあって、last weekend will be two months 「先週末で2ヵ月になるだろう」と言っています。
「先週末でもう2ヵ月エッチなし、って話か…」とわかって、フィービーは残念そうな声を出すのですが、ロスの話にはさらに続きがあって(笑)、since I stopped trying 「トライするのをやめてから」だと説明を付け加えています。
try という動詞は「試しにやってみる」ということですが、I tried, but... 「僕はやってみたんだ、だけど…」のように、「頑張ってやってみたけど、だめだった」という文脈が続くことが多いですよね。
ですから、ロスのセリフの try も、「キャロルとエッチしようと頑張ってトライしてみた」という感覚で、「トライしたけどダメだった」というニュアンスが感じられるわけです。
その時に実際にエッチが行われたなら、since I had sex with her と表現するはずで、そこをあえて、since I stopped trying と言うことで、「2ヵ月ほど前にキャロルとエッチしようとしてみたけれどダメだった、そのトライから先週末で2ヵ月になる」と言っていることになるわけですね。
「どのくらいエッチしてないの?」
「先週末」(→なーんだ、そんなに悪くないじゃん)
「(先週末)で2ヵ月になる」(→そうかぁ、2ヵ月かぁ…)
「トライするのをやめてから」(→2ヵ月前はトライしただけで、その時も実際にはしてないの?)
のように、オチが2回来る仕掛けになっているのですね。
2ヵ月前にキャロルとエッチしようとして失敗したことがこのセリフからわかるので、実際にキャロルと最後にエッチしたのは、もっとずっと前になるだろうこともわかります。
先週末、という単語で答えは始まっていましたが、実はかなりの間ごぶさたなんだということが、セリフを聞けば聞くほどわかってくる、という仕組みです。
英語のセリフを聞いて、その2段オチに気付けるようになると、「いい感じ」かなと思います。
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このオチはとっても気に入ってて、特にロスが正常な関係に戻そうとする努力をみるとなぜか笑えます笑
ロスが自分をあまり惨めに見せないために、ちょこちょこ入れる小さな嘘がここでも輝いてますね笑
温かいコメントありがとうございます。
今回のエピソードのロスの努力ぶりは、本人が必死であればあるほど、視聴者は笑ってしまうんですよねぇ。こういうエピソードでは、ロスのキャラがより際立つ気がしますよね。