2012年04月06日

ブレイク中だったなら良かったのに フレンズ6-15その6

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「もしもの世界」では、ジョーイは Days of Our Lives のドクター・ラモレーを演じ続けているという設定になっています。
そして、バリーと結婚しているレイチェルは、そのソープオペラの人気俳優ジョーイの大ファンで、ジョーイがモニカの友人と知って、撮影セットを案内してもらったりするのですが…。
[Scene: Central Perk, Monica is there as Rachel enters.]
セントラルパーク、モニカがそこにいて、レイチェルが入ってくる。
レイチェル: Oh Mon, listen, I have to ask! Okay, Joey Tribbiani invited me back to his apartment. Now does he do this with a lot of girls? (あぁ、モニカ、聞いて、質問があるの! えーっと、ジョーイ・トリビアーニが彼のアパートに私を誘ったのよ。それで彼は他のたくさんの女の子とこういうことをするの?)
モニカ: Yeah, a lot. A lot, a lot! (ええ、たくさん(の女の子)とね、たくさん、たくさんよ!)
レイチェル: Ohh! And I'm one of them!! Wow! Oh, I just cannot believe this! I mean, Joey Tribbiani! (まぁー! それで私はそのうちの一人なのね! まあ! ただこんなこと信じられないわ! だって、ジョーイ・トリビアーニよ!)
モニカ: Well, y'know it's none of my business, but aren't you married? (うーんと、ほら、私には関係ないことだけど、でも、あなたは結婚してるんじゃないの?)
レイチェル: Yeah. Oh, I wish we could just not be married for a little bit! Y'know, I just wish we could be, like, on a break! (そうね。あぁ、私と夫とが、ほんのしばらくの間、結婚してないってことが可能ならいいのに! ほら、私たちが、ほら、ブレイク中だったらいいのに、って。)

レイチェルは「ジョーイにアパートに誘われた」ことをモニカに告げて、Now does he do this with a lot of girls? と尋ねています。
does he do...? という「現在形」は、これまで何度も出てきた「習慣・習性」を表す現在形ですね。
「彼は日常的に・習慣的に、たくさんの女の子とこういうことをする?[自分のアパートに誘うことをする?]」というニュアンスになります。
彼ってたくさんの女性を、自分のアパートに誘ったりするタイプの人?みたいな感じですね。

モニカは「そうよー、ジョーイはプレイボーイだから、たっくさんの女の子とそういうことをしてるわよー」という感じで、a lot を繰り返しています。
あなただけを誘ってるんじゃなくて、ありとあらゆる女の子を誘ってるんだから、気を付けた方がいいわ、という友人としての警告ですね。

そのモニカの答えを聞いて、レイチェルは、Ohh! と驚いた声を出していますが、それを聞くと「まぁ、私だけじゃなく、他にも女の子をいっぱい誘ってるなんてショック…」とでも続くのかと思いきや、And I'm one of them! 「そして、私はその(アパートに誘われた)女の子たちの一人なのね!」と喜んでいる様子。
意外な反応にモニカが驚いた顔をしているのも面白いですね。

Oh, I just cannot believe this! I mean, Joey Tribbiani! は、「まぁ、こんなこと信じられないわ。だって、あの(有名なソープオペラ俳優の)ジョーイ・トリビアーニなのよ!」という感覚。
私はあの有名な彼に誘われた女の子のうちの一人なんだわ!と感激しているセリフです。

あのジョーイに誘われちゃった!と大喜びしている主婦のレイチェルに、モニカは友人として苦言を呈しています。
none of one's business は「…の知ったことではない」ですね。
business は「関係・干渉する権利・筋合い」で、(That's) none of your business! は「それは君の知ったことではない、君には関係ない!」という決まり文句ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
your/somebody's business : (spoken) private information that concerns only a particular person and no one else
例) My personal life is none of your business.


つまり、「ある特定の人にのみ関係し、他の人には何も関係がない個人的な情報」。
例文は、「私の私生活は、あなたには関係ないことだ」。

今回のセリフでは my が使われていますので、「私が干渉すべき権利・筋合いはないけれど、私には関係ないことだけど」という意味になります。
「他人の私がごちゃごちゃ言うことじゃないってわかってるけど」という前振りで、ちょっと個人的な問題に首を突っ込むようで悪いけど、ちょっとプライベイトに立ち入るようで悪いけど、みたいな気持ちが込められています。
そのような前置きを付けることで、None of your business! 「あなたには関係ないでしょ!」と言われるのを予防しておこうという気持ちが見えます。

Are you married? なら「あなたは結婚していますか?」という感覚ですが、Aren't you married? は「あなたは結婚しているんじゃなかったっけ?」みたいなニュアンスの否定疑問文。
ジョーイにアパートに誘われたって大喜びしてるけど、あなたは既婚者じゃなかった? 既婚者だわよねぇ?みたいな感覚です。

そんなことを言われて多少は良心の呵責があるのかと思いきや、全く罪悪感のかけらも見せず、「ええ、確かに結婚はしてるけど」みたいに、Yeah. と答えるレイチェルもすごいですね。
その後、I wish we could... という「事実とは異なる願望を述べる仮定法」を使って、we すなわち、私と夫(レイチェルとバリー)が…じゃなかったら or 〜だったらいいのに、と願望を述べています。
最初の文は、「ほんの少しの間だけ結婚してない状態ならいいのに」。
ジョーイに誘われたその時だけ、自分が既婚者じゃなかったらいいのに、みたいなことですね。
その後、「少しの間だけ結婚してない状態」を別の言葉で言い表していますが、それが「私たち夫婦が、ほら、on a break 状態ならいいのに」。

on a break は「ブレイク中」みたいなことですが、この on a break は、フレンズにおけるキーワードですね。
レイチェルがファッション業界で働き始めるようになってから、ロスとレイチェルの二人はすれ違い状態になり、ブレイクをとる フレンズ3-15その14 で、レイチェルは、"maybe we should just take a break!" 「多分、私たちはただ、ブレイク(break)をとるべきだと思うの」という言葉を口にします。
その break という言葉にショックを受けたロスは動揺し、その後、自分に好意を持っていたコピー屋のクロエと寝てしまうのですが、後のそのことで口論になった時に、お互いの break の認識が異なっていたことが判明するのですね。
レイチェルの方は(自分の中でもはっきりしないながらも)「一時的に離れる」という感覚で break という言葉を出した、それに対してロスは break を「決定的な別れ」だと捉えていたことが、breakupとon a break フレンズ3-16その16 のセリフを見るとわかります。
その後も何かにつけて皮肉っぽく、「他の女と寝た」ことをレイチェルが持ち出すたびに、"We were on a break!" 「僕たちはブレイク中だったんだ!」と叫ぶのが、フレンズのお約束みたいになっているので、その on a break というキーワードを「もしもの世界」のレイチェルが使ったことで、ファンは大喜び、みたいな感じになっているわけです。
「もしも」エピソードならではのお遊びみたいなものですね。

現実世界でのレイチェルは、on a break 中に他の女と寝るなんてありえない、裏切り行為だ、と思っているわけですが、「もしもの世界」のレイチェルは、夫バリーと何らかの形でブレイク中、例えば、大ゲンカで家庭内離婚状態だとか、一時的に別居中だとか、そういう be on a break であれば、ジョーイのアパートに誘われて、その流れで寝てしまうことになっても、許されるのに…と思っているらしいことがこのセリフからわかるわけです。

フレンズファンにとってのキーワード、on a break を使って、もしもの世界のレイチェルは、ロスと同じ意見を言っているのを見せることで、ファンを楽しませる仕組みになっているのですね。
観客も、このレイチェルの on a break 発言を聞いて歓声を挙げていますが、「レイチェルがそれを言うかぁ?」みたいな驚きが「もしもの世界」のお話をより面白くしているという感じで、シリーズものならではのファンサービスだと言えるでしょう。


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posted by Rach at 16:35| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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