2012年04月10日

way more times フレンズ6-16その1

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シーズン6 第16話
The One That Could Have Been Part 2 (空想世界でつかまえて Part 2)
原題は「こうだったこともありえた話 パート2」


前回のエピソードに続き、今回も「もしもの世界」でのお話です。
「もしもの世界」では激太り状態のモニカ。
モニカは、今付き合っている彼氏のロジャー(職業は医者)にごちそうを作り、セクシーなことを言って誘おうとするのですが、病院から呼び出しがあり、ごちそうも食べずにロジャーは帰ってしまいました。
その残ったディナーを、モニカがチャンドラーと一緒に食べているところ。
彼氏ロジャーのことを茶化すチャンドラーに、「やめてよ、そんなの面白くないわ」と言った後、
モニカ: I'm sorry, okay? It just... tonight was supposed to be y'know, it was supposed to be a big deal. (ごめんなさい。ただ…今夜は、ほら、大切なものになるはずだったから。)
チャンドラー: What was tonight? (今夜は何だったの?)
モニカ: You don't want to know what tonight was. (今夜が何だったかなんてあなたは知らない方がいいわ。)
Chandler: Okay. (Pause.) What was tonight? (わかった。 [間があって] 今夜は何だったの?)
モニカ: Well, tonight was, was going to be my first time. (うーんと、今夜は、私の初めて(の夜)になる予定だったの。)
チャンドラー: With Roger? (Monica shyly looks away.) Not just with Roger?! (Monica shrugs.) Oh, my God! (ロジャーとの? [モニカは恥ずかしそうに視線をそらす] ロジャーとだけじゃなくて? [モニカは肩をすくめる] なんてこった!)
モニカ: All right, relax, Mr. I've-Had-Sex-Four-Times! (ねえ、大騒ぎしないでよ。「俺は4回エッチした」さん!)
チャンドラー: Four different women! I've had sex way more times! (4人の違う女性とだ! 俺はもっとずっとたくさんの回数エッチしたぞ!)
モニカ: How many? (何回?)
チャンドラー: Nine. (9回。)

モニカは、 it (tonight) was supposed to be a big deal. と説明しています。
be supposed to は「…することになっている、…するはずである」で、フレンズ頻出フレーズですね。
今回は過去形の was supposed to be の形なので、「…であるはずだった」という感覚になります。
a big deal は「大ごと、一大事、大事なこと、重大なこと」ですから、「(予定では)今夜は、大切な大事な重大なことになるはずだった、重大なものとなるはずだった(のに、実際にはそうならなかった)」というニュアンスになります。

a big deal になるはずだったのに…とだけ説明するモニカに、チャンドラーは、その内容を詳しく聞こうとして、What was tonight? 「今夜が何だったわけ?」と質問します。

モニカは、You don't want to know を使って、「あなたは今夜が何かなんて知りたくないわよ、知りたいとは思わないわ」みたいに言っています。
この You don't want to... は「あなたは…したくない」と表現していることになりますが、暗に「あなたには教えない、教えたくない」と言っている感覚になるでしょう。
「そんなことあなたには興味がないでしょ、きっと」みたいに言って、「それ以上は聞かないで」と答えを拒んでいるニュアンスになると思います。

フレンズによく出てくるのは、You want to... のパターンで、これも「あなたは…したいでしょ」というよりも、「あなたは…すべきだ」というニュアンスですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
want : SHOULD
ought or should
you (may/might) want to do something
You might want to install antivirus software.

つまり、「…すべき」という意味で、例文は「君はアンチウイルスのソフトウェアをインストールすべきだ」。

you want to が「君は…すべきである」という意味であるならば、今回の you don't want to は「君はすべきではない」という意味になる、と考えられるでしょう。
「どうせあなたはそんなこと知りたくないわよ」と「相手の意向を話者が一方的に決めつけるような感覚」が、「あなたは…を知るべきじゃない」という感覚に繋がるわけでしょうね。

You don't want to know... つまり、You shouldn't know と言われたので、いったんは、Okay. 「わかった」と言って引き下がるのですが、しばらくの沈黙の後、また、What was tonight? と尋ねてくるチャンドラーも面白いです。
「今夜は重大なものになる予定だったの」とまで言われて、その後の説明がなしでは、確かにチャンドラーでなくても追及したくなるところではあります。
モニカ自身も、そのことを追及して欲しいような、でもそれを言うのは恥ずかしいような、そういう複雑な気持ちから、断片的な情報を小出しにしている、という感じもしますね。

2度も聞かれたので、覚悟を決めたらしいモニカは、 tonight was going to be my first time と説明しています。
「今夜は私の初めて(の時)[1回目、初回]になる予定だった」ということですね。
「今夜が初めて、初めての夜」となると、日本人でも「初めてのエッチ」を指すことは想像できる気がします。
モニカの発言に対して、「ロジャーと初めての夜になるはずだったの?」と聞き返したチャンドラーですが、モニカは恥ずかしそうに視線をそらしています。
それですべてを悟ったチャンドラーは、Not just with Roger? と驚いた顔で再度聞き返します。
「ロジャーと初めて、ってだけじゃないのか?」みたいな感じで、「ロジャーとだけじゃなくて、人生初めてってこと?」と問い返していることになります。

驚くチャンドラーに、モニカも負けじと、「(そんなに驚いてみせてるけど)落ち着いてよ。”ミスター・俺は4回エッチした”さん!」と返しています。
かつて、何かの話の流れで、I've had sex four times. とチャンドラーが言ったことがあったのでしょう、それを持ち出して、「私が未経験なのを驚いたように言うけど、あなただって4回だけじゃない!」みたいに言い返しているのですね。
それを聞いたチャンドラーは、いやそうな顔をして、「(回数が4回なんじゃなくて)、4人の違う女性とエッチした、って言ったんだ!」と言います。
I've had sex way more times! の way は「道、方法」の名詞 way ではなく、副詞の way です。
この副詞の way は、前置詞や他の副詞を強める働きがあり、「ずっと、うんと、はるかに」という意味になります。
フレンズでは、way too 「あまりに…すぎる」という形で出てくることが多いですが、今回は way more で「ずっともっとたくさん」というニュアンスになります。

LAAD では、
way [adverb] (informal) : by a large degree

LAAD では、その副詞 way を使ったフレーズの例として、way above/below/over etc. や、way too much/long/early etc. などの例が挙げられていますが、今回と同様に比較級が続いた、以下の形も挙がっています。

way heavier/smarter/bigger etc.
例) Tickets were way more expensive than I thought.

例文の意味は、「チケットは私が思っていたよりも、もっとずっと高かった」。
想像をはるかに超えた、想定外の高額だった、みたいな感じですね。

ちなみに、エッチ体験・経験を語っているわけなので、やはり時制は現在完了形の「経験」が使われているところも(当然と言えば当然ですが)意識しておきたいところです。
way more times と強調の way までつけて、「4回とは比べものにならないほど、よりもっとたくさんの回数」みたいに言ったので、モニカは「(具体的には)何回?」と尋ねます。
それに対して、Nine. と答えるチャンドラーに笑ってしまいますね。
それで、'way' more times と言えるのかぁ?とツッコミを入れたいところです。


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posted by Rach at 16:45| Comment(3) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
言われてみると,"You want to ..." というのは,結構あるような気がしますね.こういうのは,日本人(私だけかもしれませんが)にはなかなか言えません.何か「あんたに私の何がわかるのよ?」とでも言い返されてしまう気がしてしまいます.こういう表現がさらっと出てくるようになりたいものです.
Posted by さへき at 2012年04月11日 00:03
Rachさんはじめまして。
もののけ姫が大好きです(笑)

一月ほどまえからブログを拝見させていただいております。このブログを見つける前からフレンズのスクリプトをプリントアウトしてDVD学習していたのですが、自分ですべて調べると時間がかかりすぎて困っていました。そんなときRachさんのブログと出会いまして、勉強効率、学習効果ともにがグンッ!と上がりました(●^o^●)
スタートレックの話はわかりませんが(爆)すばらしいブログですw

ブログ内全部をまだ見れていないのでどこかですでに書かれていたら申し訳ないのですが、RachさんがTOEIC前に使用していた参考書はなんでしょうか??
はじめましての挨拶と、それがお聞きしたくコメントいたしました。
Posted by ヤックル at 2012年04月12日 04:35
さへきさんへ
コメントありがとうございます。
フレンズでは、こういうニュアンスの You want to というのは結構出てきた気がします。

過去記事では、

フレンズ2-22その11
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470615.html
モニカ: You wanna push the caps until you hear them click. (カチッって音が聞こえるまで(マジック・ペンの)キャップを押してね。)

フレンズ3-9その1
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471025.html
モニカ: Okay, Rachel, you wanna put the marshmallows in concentric circles. (ねぇ、レイチェル、マシュマロを同心円上に並べてね。)

直訳すると「あなたは…したいでしょ」みたいな「決めつけ感」を感じるので、どこか高圧的で押しつけがましいニュアンスがあるように思います。上に挙げた例はどちらもモニカのセリフですが、フレンズでは「仕切るのが好きなキャラ」だと認識されているモニカらしいセリフと言えるのかもしれません。
その元々の意味を考えると、ネイティブ同士でも気心の知れた相手か、目下の人にしか使えないフレーズかもしれませんね。ノンネイティブの我々は、そのニュアンスを知った上で、自分が使うのは避けるべき、なのかもしれません(私自身も、あまり確信はないのですが…)。
こういうニュアンスのフレーズは、実際に使っている現場を見ることでしか感覚を掴めない、という気がしますよね。


ヤックルさんへ
はじめまして。コメントありがとうございます。
私はどちらかと言うと、「ナウシカ」の方が好きです(笑)。

ブログを読んで下さっているとのこと、ありがとうございます。拙ブログで勉強効率、学習効果が上がったと言っていただけて、大変光栄で嬉しいです。
トレックネタは、マニアックすぎて、トレッキーしかわからないものも多数ありますので、その辺は適当に飛ばし読みして下さい(笑)。

さて、ご質問の「TOEIC前に使用していた参考書」について。
TOEICはやはり、あの独特の問題形式に慣れることが何より大切なので、参考書というよりは、実践的な問題集を本番と同じようにやってみる、という方式を取っていました。
やはり基本は、「TOEIC公式問題集」だと思うのですが、それ以外に私が使っていたのは、

ジャパンタイムズの
TOEIC(R)テスト リスニングBOX
TOEIC(R)テスト リーディングBOX
TOEIC(R)テスト 新・最強トリプル模試3

などですね。
実際の試験の傾向がよく反映されている、非常に良質な問題集だと思います。
(過去記事、
第145回TOEIC結果
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471412.html
でそれらの問題集の名前を挙げさせていただいています)

私が満点を取ったのは2009年4月で、私自身はそこで TOEIC を卒業してしまったため、現在のTOEIC対策について、あまり積極的な意見を述べることはできないのですが、私の卒業後の参考書・問題集では、

朝日新聞出版の「特急シリーズ」

の評価が非常に高いようです。
毎回TOEICを受験され、TOEICを研究し尽くしておられる満点講師の方々が書かれた本なので、傾向と対策に最適の本だろうと思います。

私自身は「フレンズ」などのドラマで生きた英語に触れつつ、その英語力が伸びたことを測る指標としてTOEICの高得点を目指す、ことを両輪にして、英語学習をやってきました。
それぞれのベクトルが少し違うために、その2つをバランスよく続けてこられたことが、結果として良かったのかなと思っています。
その中で、「まずはTOEICの点数アップが目標」ということであれば、上に挙げたような、「TOEICの本番に近い良質の問題」をたくさんこなし、その傾向に慣れることが、TOEIC高得点獲得の一番の近道なのは間違いないと思います。頑張って下さいね!
Posted by Rach at 2012年04月12日 18:36
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