2012年04月12日

die+補語「〜として・の状態で死ぬ」 フレンズ6-16その2

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は4位、「にほんブログ村」は9位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


前回の続きです。
今夜、人生初めてのエッチをするはずだった、と言うモニカ。
驚くチャンドラーに、今日までエッチをしなかった理由をモニカは説明しています。
モニカ: I was just waiting for the perfect guy. (私はただ、理想の(完璧な)男性を待っていただけよ。)
チャンドラー: Well good, good for you. You really think that Roger is the perfect guy? (そうか、良かったね。モニカは本当にロジャーが理想の男性だと思うのか?)
モニカ: No. He's not a horrible guy. (いいえ、(でも)彼はひどい男じゃないもの。)
チャンドラー: Hey, that's what I tell girls about me. (ほら、それって俺が自分について女の子に言ってることだよ[俺も自分のことを女の子にそう言ってる]。)
モニカ: Chandler, I'm gonna die a virgin! (チャンドラー、私はバージンのまま死んでいくんだわ!)
チャンドラー: No, you are not! You are sweet and wonderful and this is gonna happen for you. (違うよ、そんなことないよ! 君は優しくて素敵なんだから、こういうことが君にも起こるよ。)
モニカ: Oh, really? When? Do you wanna do it with me? (あら、ほんと? いつ? あなた、私と(エッチ)したい?)
チャンドラー: Okay. (They both realize what he just said.) (いいよ。 [チャンドラーが言ったこと(の意味)に、二人は気付く]
モニカ: I was kidding. (私は冗談で言ったのよ。)
チャンドラー: So was I. (俺もだよ。)

the perfect guy は「完璧な男性」なので、「理想の男性」ということですね。
とすると、ロジャーがその「理想の男性」なわけ?とチャンドラーは尋ねています。
本当なら、Yes!! と答えたいところでしょうが、やはりモニカにとってもロジャーはそれほど魅力的な男性ではなかったらしく(笑)、はっきり、No. と否定した後、「でも彼は、a horrible guy ではないもの」と言っています。
horrible は「ひどい、ぞっとするほどいやな」というニュアンス。
名詞 horror 「恐怖、嫌悪、ぞっとするもの」から来た形容詞であることを考えると、その「ぞっとする感」は想像できますね。
ロジャーは理想の男性ではないけど、「ぞっとするようなひどい男」ではないから、毛嫌いする理由もないの、みたいな、消極的選択だったことがわかります。

次のチャンドラーのセリフ、Hey, that's what I tell girls about me. について。
that は、その直前にモニカが言った、(He's) not a horrible guy. を指すでしょう。
what I tell girls about me を直訳すると、「俺について、俺が女の子に言うこと」になるでしょうか。
つまり、「ひどい男じゃない」という発言を受けて、「あぁ、俺も自分のことを女の子に言う時に、「俺はひどい男じゃないぞ」と言ってるよ」と言っていることになると思います。
今モニカが言った言葉は、俺が自分のことを女の子に語る時に言っているフレーズとおんなじだぁ〜、と言っている感覚になるでしょう。
「あ、それ、俺のキャッチフレーズ(と同じだ)!」みたいな感覚にも繋がるようにも思います。

チャンドラーが自虐的なジョークを言っても、モニカの嘆きは収まる様子がなく、I'm gonna die a virgin! と叫んでいます。
die a virgin は「バージン・処女(のまま・の状態)で死ぬ」。
このように、die という動詞(自動詞)は、後ろに補語を取って、「(補語)の状態で死ぬ」という形を取ることができます。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、そのような補語の例として、以下のものが出ています。

die young/happy/poor etc.
例) Franklin died young, at only 32.

つまり、「若死にする(若くして死ぬ)、幸せに死ぬ、貧しく死ぬ」。
例文は、「フランクリンは若くして死んだ、わずか32歳で」。

die a hero/martyr/pauper etc.
例) Windrich died a hero in World War II.

つまり、「英雄として死ぬ、殉教者として死ぬ、貧困者として(貧乏なまま)死ぬ」。
例文は、「ウィンドリッチは、第二次世界大戦で英雄として死んだ」。

die young のように、補語に形容詞が来る場合と、die a hero のように補語に名詞が来る場合がある、ということですね。
そして、今回のモニカのセリフは、die a virgin と名詞が補語になっているパターンだということです。
「英雄として死ぬ」を英訳しようとする時に、日本人の感覚だと何となく、die 'as' a hero のように、as を入れたくなってしまう気がするのですが(私だけ?)、そういう前置詞は不要で、die の後ろに直接、死ぬ時の状態を補語として置けば、それで完璧な形になる、というところが、個人的には面白いなと思います。

「私は誰ともエッチしないまま、死んでいくのね!」みたいに嘆くモニカを、チャンドラーは必死に慰めています。
「こういうことが君にも起こる」というのは、将来的には、誰かと恋愛して、そういう関係を結ぶようになる、という意味ですね。
せっかく慰めてくれているのに、モニカは「あら、そう。いつか、っていつよ!?」みたいに挑戦的な態度を取っています。
「他人事だと思って、無責任なこと言わないでよ」とでも言いたげに、「(じゃあ)あなたは私とエッチしたいと思ってる?」と、流れと勢いでそういう質問をチャンドラーにぶつけてしまうのですが、チャンドラーは反射的に、それもすごく軽い感じで、Okay. と答えます。
その返事にモニカは驚き、チャンドラーの方もしばらく経ってから、自分自身の発言に驚いているのが面白いですね。
現実の世界ではカップルになっている二人が、「もしもの世界」でもそんな風に「いい感じ」になりかけているので、観客からは軽い拍手と歓声も起こっています。
チャンドラーの何気ない発言に、凍りついたようになっている二人ですが、モニカは何とか冷静さを装い、I was kidding. 「私は冗談を言った、冗談で言ったのよ」と言っています。
So was I. は、I was kidding too. ということで、「俺の方がオッケーと言ったのも、もちろん冗談だよ」ということです。
お互いに言ってはいけないことを言ってしまった時のフォローとして、"I was kidding." "So was I." (「冗談よ」「俺もだよ」)と言ってアハハと笑ってごまかす、というのは、よくあるパターンだと言えるでしょう。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 16:32| Comment(4) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちわ!
いつもブログ更新ありがとうございます。

では冗談しか言わない自分に「was kidding」は自身を救う言葉になりそうです(笑

応援ぽち完了です!
よろしければブログもお願いいたします。
それでわ失礼します。
Posted by ヴィヴァーチェ at 2012年04月13日 11:22
Rachさん、
お久しぶりです。数年前ちょくちょくコメントさせていただいていたYutaです。

柄にもなくVanity FairをiPadで定期購読しているのですが(たった35ドルだったのです(汗))、米国版Vanity Fair5月号はドラマ特集でWith Friends Like Theseとドラマ『フレンズ』の担当プロデューサーや作家を集めての制作秘話を大々的に扱っていました。

是非ともRachさんにお知らせしなければとコメントさせていただきました。それに、プロフィール写真がゴージャスになったRachさんにはVanity Fairはお似合いです(笑)

(Vanity Fairのサイトの記事ではさわりだけしか読めないようです。)
http://www.vanityfair.com/hollywood/2012/05/friends-oral-history-top-of-the-rock

当初ジョーイは「おバカキャラ」ではなかったようですね(笑)それに、今でもフレンズがやっていたらどうなっているかというコーナーもあってとても楽しめそうな感じです。(まだ全部読み切っていません)

アマゾンではまだ購入できないようですが、新宿の紀伊国屋では置いてあったので、洋書のおいてある書店に行けば買えるかもしれません。
http://www.amazon.co.jp/Vanity-Fair-US-May-2012/dp/B007S41C44/ref=sr_1_1?s=english-books&ie=UTF8&qid=1334307645&sr=1-1


2年後の2014年はフレンズが終わってから10年が経つことになるのですね。それまでは少なくとも連載を続けてくださいね!!これからも楽しみにしてます!!
Posted by Yuta at 2012年04月13日 18:17
更新ご苦労様ですo(^▽^)o

フレンズを見過ぎて、lineまでけっこー覚えてしまったので、最近は新鮮さを求めてfriends bloopers(NG集ですね)を見るようになりました。

本編に負けず劣らず面白さ満載で、更にキャスティングが本当に最高だなと感じさせてくれます笑
チャンドラーがチャンドラーを演じてるのではないか、という感覚に陥りました笑

ぜひ、ご堪能くださいo(^▽^)o
Posted by Fred at 2012年04月14日 00:15
ヴィヴァーチェさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
言ってしまった言葉を「冗談だよ」とフォローすることで、救われることもありますよね(笑)。
応援ぽちもありがとうございました。ブログ、頑張って下さいね。


Yutaさんへ
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
また、Vanity Fair のフレンズ記事について、教えていただきありがとうございます。Vanity Fair サイトのフレンズたちの写真(シーズン2の頃のもの)、懐かしいですねぇ。みんな、若い!(笑)
(ちなみに、私のプロフィール写真への言及もありがとうございます。私の方は、ゴージャスなのは髪型ばかりで…笑)

アマゾンではまだ「予約受付中」なのですね。私も大阪の紀伊國屋で探してみようかなぁ…。フレンズが終わってからもうそんなに経つのに、未だにそうやって記事が組まれたりするところが、ファンとしては嬉しい限りです。私もそれを励みに、ブログ更新頑張ります!

貴重な情報、温かいお言葉、ありがとうございました。


Fredさんへ
温かいねぎらいのお言葉、ありがとうございます。
bloopers も面白いですよね。ネットでもいろいろ見られるようですし、フレンズのファイナル・シーズンのDVDなどにもそういうNG集が入っていました。
本編を何度も見ているからこそ、余計にそういうものが面白く感じられますよね。
Posted by Rach at 2012年04月16日 16:30
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。