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[Scene: Monica and Phoebe's, continued from earlier. Monica and Chandler are still discussing the previous question.]
モニカとフィービーの部屋、少し前のシーンからの続き。モニカとチャンドラーはまだ先ほどの問題(自分たち二人がエッチするかしないか)について議論中。
チャンドラー: We can't do this. (私たち、こんなことできないわ。)
モニカ: No! (They both laugh.) Oyster? ((そうよ)できないわ! [二人とも笑う] オイスター(いる)?)
チャンドラー: Yeah! (Takes it.) If-if-if we did do this, there would be a lot of pressure on me, y'know? Because you've been waiting a very long time and I wouldn't want to disappoint you. (ああ! [オイスターを取る] もし、もし、もし、俺たちがこんなことをするとしたら、俺にものすごいプレッシャーがかかるだろうね。だって君はものすごく長い時間待ってたし、俺は君を失望させたくないからね。)
モニカ: Yeah but see I have nothing to compare it to. So even if you're horrible, how would I know? (ええ、でもほら、私には比較の対象になるものがないから。だからたとえあなたがひどかったとしても、どうやってそれがわかるっていうの?)
チャンドラー: I do like that. (それっていいねえ。)
モニカ: It's harder for me! I have those four other women to compete with! (私にとっての方がもっと大変よ! 私には争うべき、そういう他の4人の女性がいるんだもの!)
チャンドラー: Well, if it helps, there were only three. So it would just be for tonight, right? (うーんと、もし気が楽になるのなら、(他の女性っていうのは)3人いただけなんだ。それで、今夜だけだよね?)
モニカ: Absolutely! It would just be one friend (Points at Chandler) helping out another friend. (Points at herself.) (もちろん! ただ、一人の友達が [チャンドラーを指差す] もう一人の友達[モニカ自身を指差す]を助けるってだけのことよ。 )
チャンドラー: Stop it! We're not doing this! Let's do it! (やめろよ! 俺たちこんなことしないぞ! よし、やろう!)
モニカ: Noo!! Okay!! (だめよ! オッケー!)
「私とエッチしたい?」「いいよ」「冗談で言ったのよ」「俺もだよ」という前回のやり取りの後、二人はまだ「エッチするかしないか」という問題について引き続き話し合っています。
We can't do this. に対するモニカの、No! は、No, we can't (do this, of course). みたいな感覚ですね。
チャンドラーの言ったことを「いいえ違うわ」と否定するノーではなく、チャンドラーの否定文に同意する感覚になります。
モニカが「オイスターでも食べる?」と食べ物をすすめてみたりしているのも、きまずい空気を変えたいため、という感じですね。
(2017.6.13 追記)
このオイスターについて、コメント欄にて「モニカがチャンドラーを誘っている」というご意見を頂戴しました。
ブログ記事では省略してしまったのですが、このエピソードの最初にオイスターのことを話すシーンもありましたので、「オイスターをすすめることで、モニカがチャンドラーを誘っている」ことになります。
下のコメント欄に追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)
お互いに「できないよね」と言いながらも、その話題をやめないところに二人の気持ちがすでに出ているわけですが(笑)、チャンドラーは、if we did... there would be... という仮定法を使って、「もし…したら…だろう」と言っています。
「友達同士なのにエッチなんかできない」という大前提の元で話しているので、「二人がエッチすることは、現実的にはあり得ない」という感覚から、if we did という「仮定法過去」が使われているのですね。
「もし…したら、〜だろうね」という、あり得る軽い仮定なら、if we do... there will be... になるでしょうが、ここで仮定法過去を使っていることで、チャンドラーは「そういうことが起こり得るとは思ってないけど、もし仮にそういうことになったと仮定すると」と、実現の可能性がかなり低いことを前提に話している感じが出るわけです。
there would be a lot of pressure on me を直訳すると、「たくさんのプレッシャーが俺の上にあるだろう」になるでしょうか。
つまり、「ものすごいプレッシャーが俺にのしかかる」みたいなことですね。
その理由として、「君はものすごく長い間、初体験を待っていたんだし、俺は君を失望させたくないから」と言っています。
理想の人を長い間待っていた、その期待を裏切ることになるのは避けたい、ということですね。
モニカの気持ちを気遣うチャンドラーの言葉に対して、モニカは「そんなことにはならない」ということを説明しています。
I have nothing to compare it to. は「それを比較する(対象となる)ものが私にはない」。
compare A to B は「AをBと比較する」。
上のセリフは、compare it to B の B に当たる部分が前に出た形で、it (チャンドラーとのエッチ)と比較すべきものがない(nothing)と言っていることになります。
to の後ろに付くべき部分が前に移動したので、to は文の最後に残ります。
What are you talking about? の about などと同様に、こういう文尾に残る前置詞は、ノンネイティブは忘れがちになることが多いので注意したいところです。
モニカは「私は未経験だから、比較する対象がない。だからもしあなたがひどかったとしても、どうやって(あなたがひどいってことが)わかるっていうの?」みたいに言っています。
これが初体験になるから、それがいいものか悪いものかわからない、ということですね。
I do like that. の do は強調の do で、つまり、I like that. 「それっていいよね、その意見・考えは好きだ・気に入った」をさらに強調した形になります。
チャンドラー自身、あまりモテないキャラで、そういうことには自信がない、だから「君を失望させたくない」と自ら言っているわけですが、「比較対象がいないから、良い悪いがわからないわよ、私なら」みたいなモニカの意見を「それって(俺にとっても)すごくいい、比較されないで済むんなら」と喜んでいる感覚です。
It's harder for me! の比較級 harder は「より大変・困難・難しい」という感じ。
さきほどは、I have nothing to... でしたが、今度は、I have those four other women to... という形になっていますね。
前の文は「…すべきものがない」だったのが、今度は「…すべきものが他に4人もいる」という感覚になります。
compete with は「…と張り合う、競争する」。
compete の名詞形は competition 「競争」「試合、コンペ」「競争相手」ですね。
「私には競争すべき・張り合うべき、そういう他の4人の女性がいる」と言っているわけですが、これは少し前にチャンドラーが、過去の経験を聞かれて、Four different women! 「4人の違う女性(とした)!」と言ったことを踏まえて、「その、あなたが言っていた別の4人の女性」と表現しているわけですね。
私は比較対象がない、逆にあなたには比較対象が4人もいるわけだから、プレッシャーを感じるとしたら私の方よ、と言っていることになります。
if it helps の help は「助けになる、役に立つ」という自動詞なので、it if helps は「もし何かの役に立つのなら、何かの助けになるとしたら」というニュアンス。
そう言って、「(4人じゃなくて)(過去にいたのは)3人だけだったんだ」と言います。
「4人じゃなくて、3人に減ったら、ちょっとは気が楽になる?」みたいなことですね。
「今夜だけだよね?」と確認するチャンドラーに、モニカも「一人の友達がもう一人の友達を助けるってだけのことよ」と言います。
ちなみに、one friend helping out another friend は動名詞で、one friend が helping という動名詞の意味上の主語になります。
フレンズでは何度も登場していますが、このように口語では、動名詞の主語は所有格(one friend's)ではなくて、目的格(one friend)になることが多いですね。
ですから、直訳すると、「それはただ、”一人の友達がもう一人の友達を助けること”になるだけである」という感じになるでしょう。
その後の、チャンドラーとモニカのセリフは、どちらも同じパターンになっています。
ひとまずは「こんなことできない」と否定しておいて、すぐさま「やろう、オッケー」と正反対のことを瞬時に言う、という構成になっています。
一応、口では「やめよう」と言っておいて、その直後、特に何の葛藤も見せずにあっさり(笑)「よしやろう」と言うのに笑える、ということですね。
上の会話の流れをずっと見ていると、「だめだよな、無理だよな」と口では言いながらも、お互いに「でもこういう風に考えたら問題ないんじゃない?」みたいに、二人で前向きな解決策を考えている(笑)様子がよくわかりますよね。
「何だかんだ言いながら、する方向に話を持って行ってるじゃん」みたいな二人の様子を、英語のセリフから感じられるようになれば「いい感じ」かなと思います。
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多分、オイスターをモニカが渡したのは、オイスターの形から考えて、モニカがチャンドラーを誘っているということだと思います。
ぜひ、札幌でもセミナー開催してください。
こんにちは! コメントありがとうございます。
モニカがオイスターを勧めているのは、久保田さんのおっしゃる通り「モニカがチャンドラーを誘っている」ということでした。貴重なご指摘に感謝です!
実はこのエピソードの最初の方に、オイスターにまつわるやりとりがありました。ブログの解説記事では飛ばしてしまったのですが、ここで改めてそのシーンを説明させていただきますね。
3:29
[Scene: Monica and Phoebe's, Monica is pouring wine for her boyfriend, Dr. Roger.]
モニカとフィービーの家。モニカは自分の彼氏ドクター・ロジャーにワインをついでいるところ。
モニカ: I hope you're hungry. We're starting with oysters. Y'know what they say about oysters, don't you? (お腹がすいてるといいんだけど。まずはオイスターから食べましょう。みんながオイスターについて何て言ってるか知ってるわよね?)
ドクター・ロジャー: They have parasites? (寄生虫がいる?)
モニカ: No! Umm well, some people say that oysters are an aphrodisiac. (違うわ! その、、オイスターは催淫薬(媚薬・ほれ薬)だって言う人もいるのよ。)
ドクター・ロジャー: What people? (どんな人がそう言ってるの?)
モニカ: People! People say it! Come here! (She grabs him and kisses him.) (人よ! 人がそう言ってるの! 来て! [モニカは彼を掴んで彼にキスする])
ドクター・ロジャー: So, oysters, huh? (で、オイスター、なんだね[これがオイスター効果なわけだね]。)
このシーンではモニカは自ら「オイスターって催淫薬なんだって」「オイスターって、エッチな気持ちにさせる食べ物らしいわ」みたいに言っていますから、オードブルにオイスターを出してその彼を誘っているのは明らかですね。
彼の方は「people って、誰がそんなこと言ってるの?」みたいに返していますので、オイスターにそういう効果があると誰もがイメージするわけではないのかもしれませんが、エキスが含まれている→精力がつく、みたいな連想は湧く気はします。
また「オイスターの形」というのも、そういう連想に繋がりそうな感じは確かにありますので^^ オイスターという食べ物を使うことで、それを勧めている時のモニカの下心がよくわかるシーンになっていると言えるのでしょうね。
上に説明したシーンを受けて、今回の記事のオイスターのセリフに繋がっていたわけなので、最初の部分を省略してしまっては、このシーンの面白さが伝わらなかったですね。
コメントでご指摘いただけたことで、記事を補完することができました。ありがとうございました。
それから「ぜひ、札幌でもセミナー開催してください」と言っていただけて、とても光栄で嬉しいです。ありがとうございます。
これまでは地元関西と東京での開催でしたが、それ以外の場所でも開催させていただけたら、本当に嬉しく思います。
次に繋がるよう、予定されているセミナーを精一杯頑張りますね。
また、札幌にお邪魔させていただいた時には、どうかよろしくお願いいたします。
貴重なご意見、温かいメッセージ、ありがとうございました<(_ _)>