2012年04月18日

彼女が瀕死の状態の時 フレンズ6-16その4

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「もしもの世界」ではバリーと結婚して主婦になっているレイチェル。
俳優のジョーイのファンであるレイチェルは、ジョーイのアパートに招かれ、お酒を飲みながらいい雰囲気になるのですが、キスした後、飲み過ぎで吐き気を催してしまいます。
翌朝、ジョーイの部屋で目覚めたレイチェルは、昨晩ジョーイとは寝なかったことを知るのですが、自己嫌悪に陥っています。
レイチェル: God, I'm just a horrible person. (なんてこと、私はひどい人間だわ。)
ジョーイ: Wh-why? (どうして?)
レイチェル: Because I'm married. That's right, I am a married woman! And I came to a TV star's apartment to have an affair! Uck! (だって私は結婚してるのよ。そうよ、私は既婚者なのよ! そして(既婚者でありながら)私は関係を持つためにテレビスターのアパートメントに来た! あー!)
ジョーイ: That's ridiculous! I'm not a "star." Just a regular famous actor. (そんなのばかげてるよ! 俺は”スター”じゃない。普通の有名な俳優ってだけさ。)
レイチェル: Yeah and I'm a horrible, horrible person. (そうね、そして私はひどい、ひどい人間よ。)
ジョーイ: Rachel, would you stop saying that?! Hey-hey, look. Remember on the show when-when Capri was dying? And she gave me-- (レイチェル、そんなこと言うのやめてくれよ。ねぇ、ほら。番組でカプリが死にそうになっていた時のこと覚えてる? そして彼女は俺にくれたんだ…)
レイチェル: The ring from the cave, yeah. (あの、洞窟の[洞窟で見つけた]指輪ね、ええ。)

レイチェルは自分のことを、a horrible person だと言っています。
前回と前々回の記事、フレンズ6-16その2、その3 でも、horrible は「ひどい」という意味で使われていました。
レイチェルは「私は結婚してる、私は既婚者(既婚女性)なのよ」と言った後、And I came to a TV star's apartment to have an affair! と言います。
And は前の「自分は既婚者である」ということを受けて、「そして私は既婚者でありながら」というニュアンスが感じられる気がします。
to have an affair は「性的関係を持つために」という目的を表します。
「私は既婚者なのにエッチするためにテレビスターのアパートにやってきた」ということを悔いて自己嫌悪に陥っているわけですね。
その発言を聞いたジョーイは、「そんなのばかげてるよ」と言って、「俺は a star じゃなくて、a regular famous actor なだけだ」と言っています。
star を「スターーァ」と大げさに発音しながら、ジョーイは両手の指をチョキにしてちょっと曲げていますね。
このしぐさは、これまでのフレンズにも何度も登場しましたが、" "= double quotation marks (クオーテーションマーク、引用符)を表しています。
まさに言葉を引用符やかぎかっこでくくったようなニュアンスで、「いわゆる…ってやつ」みたいな感覚になります。
このジョーイのセリフも、「レイチェルは俺のことをテレビスターだと言うけど、俺は世間一般で言われてるような「スター」なんてもんじゃない」と言っていることになるでしょう。
それでセリフが終わっていれば、ジョーイなりに謙遜したんだなぁ…ということになるのですが、その後にもセリフは続いていて、Just a regular famous actor. だと言っています。
Just a regular actor. なら「普通の俳優なだけだ、ただの普通の俳優だ」ですが、そこに famous が挟まれているのが面白いですね。
「俺はスターなんかじゃないよ」とか言いながら、「有名な俳優だ」とは言っているわけで、最初は謙遜しているようで、「有名だということは自分で認めてるんかいっ」とツッコミたくなるところです。
(まぁ、この「もしもの世界」では、レイチェルがジョーイを見た時、大喜びしていたわけですから、確かに famous と言ってもいいわけですが…)
謙遜のようで謙遜でないセリフがジョーイらしい、ということですね。

「俺はただの普通の有名な俳優さ」と言うジョーイに、レイチェルは続けて「そして私はひどい、ひどい人間よ」と言います。
「そう、あなたは俳優、そして私は最低の人間」と対比することで、自分のしたことへの嫌悪をより強めている感じですね。
ネガティブなことばかり言うので、ジョーイは「そんなこと言うのはやめろよ」と言い、「覚えてる?」と言いながら、ドラマのシーンを思い出させようとしています。

Capri was dying について。
dying は、動詞 die 「死ぬ」の -ing 形ですね。
die と dying は見たところ、全く別の単語に見えてしまいそうにも思うので、-ing 形を作るのに注意したい単語の一つと言えるでしょう。
そして、be dying は「死にかかっている、瀕死の状態である」という感覚になります。
be doing という現在進行形は、まずは最初に「…している(ところである)」という日本語訳で習いますが、この場合は、die という行為が進行中である、die する状態に向かっている、という感覚になるでしょう。
コナン・ドイル原作の「シャーロック・ホームズ」シリーズに、「瀕死の探偵」というタイトルのものがありますが、この原題は、The Dying Detective (The Adventure of the Dying Detective) です。
このように形容詞として名詞の前につけると、dying は「瀕死の」という意味になるわけですね。
a dying swan なら「瀕死の白鳥」になります。

「番組(ジョーイが出演している Days of Our Lives)で、カプリが死にそうになって、俺に渡そうとしたのを覚えてる…?」と言いかけると、レイチェルはすかさず、"The ring from the cave, yeah." と答えます。
ジョーイが Wow! と驚いているのは、エピソードの内容を事細かに覚えているファンのレイチェルに驚いているわけですね。
「ああ、あの指輪ね!」と瞬時に答えてしまえるところに、主婦レイチェルがソープオペラ(お昼のメロドラマ)にどっぷりハマっていることがわかるということです。
the ring from the cave を訳すと「洞窟からの指輪」ですから、おそらく「洞窟で見つけた指輪」みたいなものなのでしょう。
なぜに洞窟?と思いたくもなりますが、ちょっとリアルとはかけ離れた感じの内容が、ソープオペラっぽさを醸し出しているのかな、とも思います。


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posted by Rach at 16:04| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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