2012年05月18日

ネイチャーがコールする フレンズ6-18その4

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レイチェル: (entering from the bathroom) Hey, Mon? I'm gonna check my messages. ([トイレから部屋に入ってきて] ねぇ、モニカ。(留守電の)メッセージをチェックするわね。)
チャンドラー: You just thought of that in there? (あそこ[トイレ]でそのことを考えたの?)
モニカ: Sure, you know, nature called. She wants to see who else did. (もちろんよ、ほら、ネイチャー[生理的要求]がコールしたでしょ[便意を催したでしょ]。(だから)レイチェルは(ネイチャーの)他に誰がコールした[電話した]かを知りたいのよ。)
(Rachel dials her number.)
レイチェルは自分の番号をダイヤルする。
レイチェル: (on phone) Hello? (Shocked that someone answered.) Uh, Rachel. (To the gang.) Great, someone is in our apartment. Call the cops! ([電話で] もしもし? [誰かが電話に出たことにショックを受けて] あー、レイチェルです。 [フレンズたちに] 最高[最低]だわ、誰かが私たちの部屋にいる。警察に電話して!)
モニカ: You're on the phone! (あなたが電話中よ[電話してるのは、あなたでしょ]!)

トイレから出てきたレイチェルが、「(自分の家に電話をかけて)留守電をチェックするわね」と言うので、「トイレで留守電チェックしなきゃ、って考えてたの? そのことを思いついた場所はトイレなの?」みたいにチャンドラーが言っています。
トイレから出て来るやいなや、即座にそう言ったので、「トイレから帰ってきて開口一番がそれ? トイレと留守電って何か関係あるわけ?」みたいに、ちょっと茶化してみたわけですね。

それに対して、モニカが、call を使ったセリフを言っていますが、これは、call という単語を使ったジョーク、というか、ダジャレですね。

まず、nature called. ですが、この nature は「生理的要求」という意味。

研究社 新英和中辞典では、以下の例が挙げられています。

answer a call of nature 生理的要求 (大小便など)を満たす
Nature calls. 便意を催す
ease [relieve] nature 用便をする


また、英辞郎では、

Nature calls. Nature is calling me. 催してきた。/トイレに行きたい。

という例文が出ています。

その2つにはっきり書いてあるように、Nature calls. は「便意を催す、トイレに行きたくなる」という意味なのですね。

過去記事、nature's way of doing フレンズ6-15その4 で、nature's way of doing というフレーズが登場した時に、the call of nature も合わせて説明したのですが、nature にはそのように「身体が、生理的要求が」そう言っている、それを求めている、という感覚があります。

the call of nature は、LAAD では、
the call of nature : (informal) a need to urinate (= pass liquid from your body)
つまり、「(インフォーマル) 小便をしたいという(生理的)要求」。

つまり、the call of nature を一言で言うと「尿意」ということになります。

Nature calls. や、the call of nature の call は「呼ぶ(こと)」「呼び起こす」「喚起する」というような感覚でしょう。
自然の生理的要求が呼ぶ、求める、というニュアンスだろうと思います。

そんな風に、Nature calls. というのが「(トイレに行きたいという)便意・尿意を催す」という意味なので、モニカのセリフの前半は、「生理的要求が呼んだ、尿意を催した」と言っていることになります。

後半の、She wants to see who else did. について。
did は動詞の反復を避けるための did で、前半の文で使われていた動詞、called を意味します。
つまり、She wants to see who else called. と言っていることになりますね。
この文章の call は、今、電話の話をしていることからもわかるように、「電話する」という動詞。
「他に誰が電話してきたかを知りたい」という意味になります。
「誰が電話したか」ではなくて、「他に誰が電話したか」というニュアンスで、who else が使われているのは、すでにその前に、nature が call したからですね。
「nature 以外の誰が」という意味で、else を使っているわけです。

ですから、call をどちらも「コールする」と訳すと、「生理的要求(ネイチャー)がコールした。(だから)レイチェルは、ネイチャーの他に誰がコールしたかを知りたい」となり、どちらも同じ call という動詞を使っていることがより鮮明になるでしょうか。
そして、意味としては、「尿意を催した。(だから)レイチェルは他に誰が電話したかを知りたい(から留守電をチェックした)」と言っていることになります。
「尿意を催す」という意味の、Nature calls. と、「電話する」の call とで、call つながりのダジャレを言ったわけですね。
何となく、チャンドラーが言いそうなジョークにも思いますが(笑)、脚本的に言うと、そのジョークを言わせたいためだけに、トイレを出て早々に「留守電チェックするわね」とレイチェルに言わせた、ということになるでしょう。
なぞかけ風に言うと、「トイレとかけまして、電話と解く。その心は、どちらも、call するでしょう」みたいな感じでしょうか??(動詞の一致だけなので、いまいち、ピンと来ない例えではありますが…笑)
誰かが電話をする前に、とりあえずお約束のように電話ネタのジョークを一発挟んでおくところが、いかにもコメディーという感じで楽しいです。

そして、レイチェルは自分の家に電話をかけるのですが、留守電メッセージが聞こえるはずが、生身の人間が電話に出たらしく驚いています。

ちなみに、ト書きの To the gang の gang は、日本語の「ギャング」という響きから、「犯罪者一味」を想像してしまいそうですが、このト書きの gang は「フレンズたち」のこと。
レイチェルは、自分の留守中に部屋にいる電話の相手のことを「泥棒」のように思っているでしょうが、To the gang はその「ギャング(たち)」を指しているわけではない、ということです。
フレンズのネットスクリプトには、フレンズたちを指して、gang と書いてあることも多いので、ご承知の方も多いかもしれませんが、今回は「ギャングらしきもの」も登場している場面なので、念のため、再確認のつもりで説明させていただきました。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
gang : (informal) a group of friends, especially young people
例) She went out with Sarah and the gang.

つまり、「(インフォーマル) 友達のグループ、特に若い人々の」。
例文は、「彼女は、サラとその仲間たちと一緒に出掛けた」。

そういう gang の意味については、過去記事、ギャング フレンズ3-5その7 でも解説しています。

びっくりしたレイチェルは、フレンズたちに、Great, someone is in our apartment. と言っていますね。
この great は、怒ったように憤慨したように言う感覚の great で、本当は「最低、最悪!」と言いたいところをわざと、「もーぉ、これって”さいこう”だわ」みたいに不満そうに言ってみせている感覚。
文字として見ると「最高」という意味だけれど、言っている本人の口調を聞くと「最低」のニュアンスで言っているとわかる、という類のものです。

知らない人が自分の家にいる!とパニクったレイチェルは、Call the cops! と叫んでいます。
Call the police! とも言いますが、これは「警察を呼んで! 警察に電話して!」という決まり文句。
電話しながら、「電話して!」と言っているレイチェルに、モニカが「今、電話中なのは、あなたよ。あなたが電話を使ってるんじゃない」みたいに冷静なツッコミを入れているのも面白いですね。


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posted by Rach at 17:05| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは、もののけ姫大好きヤックルです。二回目くらいのコメントですw

実はいま、カナダにいます(●^o^●)いぇーいw
先週から一年間カナダのスポーツ学校に通うことになりましたw

現地ではフレンズを見る時間は少なくなりますが、このブログから使える表現を日々覚えて実践していきたいと思っていますw

nature call 使ってみようかなw

Posted by ヤックル at 2012年05月21日 03:25
ヤックルさんへ
コメントありがとうございます。「もののけ姫大好き」のキャッチフレーズ、インパクトあったのでよく覚えています(笑)。

今、カナダにおられるのですね! 素敵です。
おっしゃるように、「使える表現を実践できる」いいチャンスですよね。是非、いろいろ学んで使ってみて下さい。やはり、言葉というのは、「使うからこそ覚えられる」ものだと思うので…。

Nature calls. は上の説明のように辞書には載っていますが、私は他の作品で使っているのを聞いたことがないんですよね。意味は通じると思いますが、まさに日本語の「催してきた」みたいな意味なので、かなり親しい間柄以外は、急にそういうことを言われても、相手は驚いてしまう…かもしれません(よくわかりませんが)。
今回のセリフも、その call つながりのダジャレを言いたいがためのフレーズ、という感じがしますしねぇ。

Nature calls. については、そのような理由であまり推奨はしませんが(笑)、他に使えそうなフレーズは(失礼な言葉を除いて)、じゃんじゃん使ってみて下さいね。
Posted by Rach at 2012年05月21日 16:43
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