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[Scene: Joey's apartment, Ross is telling Monica and Joey about his date with Elizabeth.]
ジョーイのアパートメント。ロスはモニカとジョーイに、(自分の生徒)エリザベスとのデートについて話している。
ロス: We had such a great time! I mean, she's-she's incredible! I thought the-the age difference might be a problem, but it wasn't. It wasn't at all. Elizabeth is very mature for her age. (Joey makes the international sign for big boobies.) (To Monica) A concept lost on some people. (僕たちはほんとに素敵な時間を過ごしたんだよ。つまり、彼女は素晴らしいんだ! 年の差が問題になるかも、って思ってたんだけど、でも、問題じゃなかった。全く問題じゃなかったよ。エリザベスは年のわりにはすごく成熟してるんだ。[ジョーイは巨乳を示す万国共通の身ぶり(サイン)をする] [モニカに] ある人々には通じない概念の一つだね。)
ニューヨーク大学(NYU)で特別講師として講義を行なっているロスは、自分のファンだと言う生徒エリザベスとデートをします。
そのデート中に、同僚の教授に目撃されたりもするのですが、ロスは彼女のことを嬉しそうにフレンズたちに語っています。
「楽しい時を過ごした、彼女は最高だ!」と絶賛した後、the age difference すなわち、年の差が問題になるかなと思っていたけど、全然そんなことなかった、とも言っています。
Elizabeth is very mature for her age. の for は「〜にしては、〜の割(わり)には」。
He's young for his age. 「彼は年の割には若い」などが、このような for の典型例ですね。
エリザベスは学生で20歳だけど、その年齢の割には、すごく成熟してるんだ、と言っているわけです。
mature という言葉に反応(笑)したらしいジョーイは、手で、あるサイン、しぐさをしてみせています。
ト書きには、makes the international sign for big boobies と書いてありますね。
boobies は、フレンズでは、boobs と表現される方が多いように思いますが、「女性の胸、おっぱい」のこと。なので、big boobies [big boobs] はいわゆる「巨乳」です。
sign は「サイン、合図」ですが、このように「身ぶり、手まね」も意味します。
つまり、ト書きの意味は、「巨乳を表す国際的(万国共通の)身ぶりをする」ということですね。
万国共通のサインだと認定されているわけでもないでしょうが、確かに誰が見てもそれだとわかるサインではあります(笑)。
「年の割に成熟してる、って、胸とかがこんな感じってこと?」みたいに、言葉ではなく身ぶり手ぶりでロスに確認している感覚です。
あきれたロスは、ジョーイには答えず、モニカの方を向いて、A concept lost on some people. と言っています。
be lost on somebody は「(主語が)人に通じない」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
be lost on somebody : if something is lost on someone, they do not understand or do not want to accept it.
例1) The Joke was lost on Chris.
例2) All my warnings were completely lost on Beth.
つまり、「もし何かが誰かに be lost on だとしたら、その誰かが理解していない、またはそれを受け入れたくないということ」。
例文1は、「そのジョークはクリスに通じなかった」。例文2は、「私の警告はすべて、全くベスに受け入れられなかった」。
be lost on を無理やり直訳すると、「(人)の上で失われる」みたいな感覚になり、その人の上では、存在しないかのように意味のないものとなる、何の影響も与えない、みたいな感覚に繋がるのかな、と思います。
このように通常は、be lost on の形で使われるわけですが、今回のセリフは、A concept lost on some people. で、be動詞がない形になっていますね。
be動詞が省略されている、と考えることもできますが、どちらかと言うと、「ある人たちには理解されない概念(だね)」という感じの「名詞+後置修飾(過去分詞形の形容詞句)」のように私は捉えました。
mature 「成熟している」という言葉の概念には「精神的に大人である」という意味があるのに、そういう概念を理解しない人もいるようだ、成熟=ナイスバディという発想しかできない人もいるんだね、みたいな感覚で、「(mature は)ある人には理解されない概念の1つだ」と言っているように私は感じた、ということです。
(今日のおまけ)
金環日食、見ましたよ!
私は大阪在住で、金環日食の時間帯(7:29頃)は、雲もかなり広がっていたのですが、雲の隙間から金環日食を見ることができました!
その前後の、様々な形の部分日食も観測することができて、とても良い思い出になりました。
皆さまのところはいかがだったでしょうか?
そう言えば、1990年リリースのドリカム3枚目のアルバム「WONDER 3」に収録されている「時間旅行」に、「2012年の金環食」という歌詞が出てくることから、金環食関連のニュースのBGMで、何度も耳にします。
これって、私が大学生の頃の曲なんですよねぇ〜、すっごく懐かしいです。
その「太陽の指輪(リング)」を今日、この目で見られたのだと思うと、感無量ですね。
「日食」という非日常の単語は、今回のような特別な機会以外はあまり聞かない気がしますが、実はフレンズのセリフに登場したことがあるんですよね。
今日の「金環日食」記念に、そのセリフをご紹介しておきます。
過去記事、フレンズ3-13その20 で、フィービーのデート相手であるロバートが、短パンをはきながら脚を広げているために、隙間から彼の大切な部分が見えてしまっています。
その光景に動揺している、チャンドラーとロスの会話。
チャンドラー: What do we do? What do we do? (俺たちはどうすればいい? 俺たちはどうすればいい?)
ロス: Well, I suppose we just try to not look directly at it. (そうだな、それをただ、直接見ないようにしたらいいんじゃないかな。)
チャンドラー: Like an eclipse. (日食(を見る時)みたいに。)
(Ross nods his head.)
ロスは頷く。
ロバートの「大事な部分」を直接見ないようにしよう、という話を、「日食の際、目を傷めないように直接見るのは避ける」話に例えているのですね。
何だか内容的にも今日の「日食観測」に合っている気がしてタイムリーなので、改めてご紹介してみました。
日食の話題に触れついでに、eclipse という単語についてもいくつか解説します。
eclipse は「(日食・月食などの)食」という意味で、どちらの食かをはっきり言いたい場合は、日食であれば、solar eclipse、月食であれば、lunar eclipse と言います。
また、そのように「満ちていたものが欠けていく」という感覚から、「(栄誉・名声・影響力の)失墜」という意味もあります。
その意味については、LAAD では以下のように説明されています。
eclipse : [uncountable] (formal) a situation in which someone or something loses their power or fame, because someone or something else has become more powerful or famous
例) the eclipse of Europe's prestige after World War I
be in eclipse / go into eclipse : (formal) to be or become less famous or powerful than before
つまり、「誰かや何かが力や名声を失うという状況、他の誰かや何かがより強力に、有名になってしまったという理由で」。
例文は、「第一次世界大戦後のヨーロッパの名声・威信の失墜」。
be in eclipse, go into eclipse は、「以前よりも有名・強力ではないこと[ではなくなること]」。
その語義説明からは、「他のものの台頭で、以前ほどの力や名声がなくなること」というニュアンスが感じられますね。
日食・月食などのいわゆる「食」というのはやはり「食べる」ということから来たのでしょう。
「日蝕、月蝕」のように、「蝕」、つまり、「蝕む(むしばむ)」(=虫が食う)という字を使うことがあるのも、同じ理由でしょうね。
メルヘンチックに言うと、「お月さまが、おひさまを食べちゃう」みたいなことですが、「太陽という主役を、月という脇役が食ってしまった」みたいなニュアンスの「食う」だと考えると、「他者の台頭による、強者の失墜」のニュアンスも感じることができますね。
ちなみに、広辞苑では後者の「食う」については以下のように説明されています。
食う
10. 他の領分を侵す。くい入る。 「相手の縄張りを食う」
11. スポーツなどで強い相手を負かす。また、演技などで共演者などを圧倒する。「優勝候補のA校を食う」「子役に食われる」
日本語では、失墜に近いニュアンスで「落日(らくじつ)」とは言いますが、「日食」という言葉は使いません。でも、「(誰それ)に食われてしまう」とは言うわけです。
eclipse からちょっと話を広げてみましたが、そのように、日本語と同じ感覚、違う感覚、をそれぞれ感じてそれを楽しめることが、他言語を学ぶ楽しみの一つなんだろうと思いました。
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