2012年05月23日

汝より聖なり フレンズ6-18その6

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自分の生徒であるエリザベスとのデートは最高で、年の差も全く気にならなかった、とご機嫌のロスに、
モニカ: So it's okay to date a student? (それで、生徒とデートするのはオッケーなの?)
ロス: Well, not really. I mean, technically, it's-it's not against the rules or anything. But it is frowned upon, especially by that professor we ran into last night: "Judgy Von Holier-than-thou." (うーん、そうでもないんだ[オッケーってことでもないんだ]。つまり、理論的には規則違反とかではないんだよ。でも、ひんしゅくを買うだろうね、僕らが昨日の晩出くわしたあの教授、「ジャッジー・フォン・ホリアーザンザウ(”汝より聖なり”家の批判男)」からは特にね。)
モニカ: Well, Ross, you just be careful, okay? You don't want to get a reputation as y'know "Professor McNails-his-students." (そうねぇ、ロス、あなたも気を付けてね、いい? 「マクネイルズ・ヒズスチューデント(生徒をものにした)教授」って噂はあなたも欲しくないでしょ。)

生徒とデートしてもいいの?みたいに聞かれたので、ロスは「いいってわけでもないけど」と言いながら、デートしたらどうなるか、ということを説明しています。
Technically, it's not against the rules or anything. は、「厳密的・理論的には、ルールか何かに反しているわけではない」というニュアンス。
規則違反かどうか?と言われると、それには該当しない、という感覚ですね。

But it is frowned upon の、frown は、名詞では「(不賛成を表して)まゆをひそめること、しかめっつら」、動詞では「まゆをひそめる、顔をしかめる」という意味になります。
ですからその受動態なので、「まゆをひそめられる、顔をしかめられる」ということですね。
批判的、不賛成のニュアンスで、いやな顔をされる、ひんしゅくを買う、と同じような意味になります。

「まゆをひそめられる」と言った後、特にあの教授にそんな風に思われる、と、個人名(らしきもの)を挙げています。
昨日の晩、ロスとエリザベスがデート中に出くわした教授のことなのですが、特にその教授には、いやな顔をされるに違いない、と思っているわけです。

"Judgy Von Holier-than-thou" はその人の性格などを、名前風に表現したものですね。
judgy は「ジャッジー」という音からも何となく想像できますが、judge したがる judgmental な人、という感覚。
judgmental は、LAAD では、
judgmental : too quick and willing to criticize people
例) You're being too judgmental.

つまり、「あまりにもすぐに人を批判しようとする」。
例文は、「今の君はあまりにも批判的だよ」。

Von というのは、ドイツ語の前置詞で、英語でいう from や of の意味。
そのため、名前をフルネームで言う際に、姓の前に Von が使われている場合があります。

Wikipedia 日本語版: フォン (前置詞)
に詳しく書いてありますが、端的に言うと、「ドイツ語圏で、貴族などの姓の初めに冠する称号」ということです。

その後の、holier-than-thou は、「いかにも聖人ぶった」という意味。
研究社 新英和中辞典では、
holier-than-thou 【形】【A】 いかにも聖人ぶった、殊勝な (注:聖書「イザヤ書」から)
I don't like his holier-than-thou attitude. 彼の聖人ぶった態度が気に入らない。


英辞郎では、その形容詞の意味と並んで、
holier than thou=汝より聖なり
とも出ています。

holier は、holy 「神聖な」の比較級、thou は「2人称単数主格」で、「汝(なんじ)は、そなたは」という意味。宗教儀式や、シェークスピアなどにも登場する古語ですね。
ですから、まさに上の説明にあるような「汝より聖なり」 "(I am) holier than you (are)." という意味なのですね。

LAAD では、
holier-than-thou [adjective] (disapproving) : showing that you think you are morally better than other people (SYN: self-righteous)
例) a holier-than-thou attitude

つまり、「(非難のニュアンス) 自分が他の人々よりも、道徳的により良いと思っていることを示す。同義語 self-righteous 「独善的な」)
例は、「聖人ぶった態度」。

つまり、ロスは、「ジャッジー・フォン・ホリアーザンザウ」という名前にすることで、「批判的・フォン・聖人ぶった」、つまり、「”汝より聖なり”家出身の批判的(氏)」のような、名字=汝より聖なり、名前=批判的、という名前を、その教授にあだ名みたいにつけたわけですね。
「汝より聖なり」という言葉に、「私は下々の者とは違うのだ」というような貴族チックな部分も感じられるので、そういう貴族の姓の前によく用いられる Von もつけて、より「聖人ぶった」感を強調しているわけでしょう。

自分が嫌いな教授にそんなあだ名をつけてご満悦な様子のロスに、妹モニカは軽く注意しています。
You don't want to は「あなたは…したくない」で、「そうしたくないだろうから、そうならないように気を付けて」という感覚ですね。
これまでのフレンズでも、You want to = You should 「あなたは…したい」→「あなたは…すべき」というニュアンスになることを何度か説明しましたが、今回の否定形 You don't want to は、You should not、つまり、「あなたはそんな噂をゲットすべきではない、そんな噂が流れないようにしなくてはいけない」ということになるでしょう。
「あなたも人にあだ名なんかつけてないで、自分も変なあだ名の噂が流れないようにしてよ」という忠告になります。

そして、モニカがロスのあだ名として言った名前が、Professor McNails-his-students 。
マクネイルの Mc- は、「〜の息子(son of)」という意味で、スコットランド系、アイルランド系の姓によく使われます。
このあだ名のポイントは、nail ですね。
nail は「つめ、くぎ」で、動詞では「〜を…にくぎ付けにする」「…をつかまえる、取り押さえる」という意味があります。
そこから、「〜をものにする」という意味にもなります。

英辞郎では
nail=【他動-9】〈米俗〉〜をうまくやる、確実に物にする、〜で成功する
のように出ています。

LAAD では、
nail : (informal) to do something exactly right, or to be exactly correct
例) She nailed a superb jump.


つまり、「(インフォーマル) 何かを正確に正しく行うこと、または、正確に正しいこと」。
例文は、「彼女は見事なジャンプを成功させた[ものにした]」。

Macmillan Dictionary では、
nail : (mainly American, informal) to do something in a perfect way, expecially in sport

つまり、「(主にアメリカ英語、インフォーマル) 何かを完璧な方法で行なうこと、特にスポーツで」。

過去記事、nail ものにする、うまくやる フレンズ4-4その7 では、管理人のトリーガーと一緒に見事にダンスを成功させた後、
ジョーイ: That was amazing! I mean, we totally nailed it! It was beautiful. (さっきのは素晴らしかったよ! つまり、俺たちは完全にものにしたんだ! 美しかった。)
というセリフもありましたね。

今回のセリフでは、nail his students のように「生徒」が動詞 nail の目的語になっています。
ロスとその教え子エリザベスの関係を考えると、「生徒をものにした先生」というニュアンスで、「プロフェッサー・マクネイルズ…」という名前を付けたことが想像できますね。
ロスはまだ、エリザベスとデートを1回しただけではありますが、ロスが彼女に夢中のようなので、生徒に手を出した先生、みたいな噂が立たないように気をつけてよ、と言っていることになるでしょう。

ただ、「ものにした」という訳語を当てる場合、辞書に載っている意味では、「(スポーツなどで)何かをものにした」ということであって、日本語で言うところの「女性をものにした」ということにも通じるのかどうかは正直よくわかりません。
ロングマンやマクミランのような英英辞典には、そういう「エッチ系」の意味は載っていないのですが、スラングを多く扱っている Urban Dictionary では、have sex 系の意味がいくつも載っていました。
「いつものフレンズのノリ」で行くと、やはりモニカが言いたいのも、「生徒とやった」みたいな「エッチ系のニュアンス」なのでしょうね。

あまり深入りしすぎるのは危険と思いつつも(笑)、ちょっと考察してみますと…。
そもそも、「くぎ付けにする」ということから、「(相手を)動けなくする、取り押さえる」という意味にもなって、「(確実に)ものにする」(完全に自分の支配下に置いた感覚)に繋がるのだろうと思います。
「エッチする」という意味になる流れとしては、「相手を動けなくする」感覚が、男性が女性を押さえ込むような動作を連想させるからかなぁ?と個人的には思っていたのですが、Urban Dictionary の語義の中には、もっと具体的な行為を説明したものとして、penetrate 「貫く、貫通する」という動詞で説明してあるものもあります。
その場合だと、「くぎが何かを貫く、貫通する」ニュアンスが、エッチにおける具体的な行為を連想させていることになるでしょう。

また、そういう「行動・行為」からの連想ではなく、「うまくやった、ものにした」という何かに成功した感覚から、人を目的語にすると、「その人を征服した」という意味で「(女性を)ものにした」という意味になる、とも考えられるかもしれません。

いずれにしても、「生徒と不適切な関係になった先生」みたいなあだ名で噂を立てられないように気を付けてね、とモニカは警告しているわけですね。


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posted by Rach at 16:26| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
もののけ姫大好き、ヤックルですwこの挨拶もういりませんねw

お世話になってます。
このブログでフレンズを勉強して、いいペースで過ごせています。
応援してますので、頑張ってください。

Posted by ヤックル at 2012年05月24日 16:35
ヤックルさんへ
コメントありがとうございます。
もう、「ヤックルさん=もののけ姫大好き」としっかり頭に刷り込まれていますので、大丈夫です(笑)。

拙ブログで勉強していただいて、いいペースで過ごせていると言っていただけて、とても嬉しいです。
応援ありがとうございます。これからも頑張ります!
Posted by Rach at 2012年05月25日 17:44
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