2012年06月18日

それは俺が買ってやったんだ フレンズ6-20その4

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たまたまチャンドラーだけがジョーイの部屋にいる時に、ジョーイ宛てに電話がかかってきて、オーディションの時間が前倒しになった、という伝言を受けます。
その伝言をホワイトボードに書いている最中に、モニカが呼びに来たため、メッセージを書き終わることなく、チャンドラーはジョーイの部屋を出て行ってしまいます。
そのしばらく後のシーン。
ジョーイとチャンドラーがフーズボールをしていると、
(The phone rings and Joey answers it.)
電話が鳴り、ジョーイがそれに出る。
ジョーイ: (on phone) Hello? (Listens) What are you talking about? The audition's not ‘til 5:00! (Chandler suddenly remembers and looks at the unfinished message then tries to sneak over and finish it as Joey listens.) Well, nobody told me! (Listens) Who'd you talk to? (Listens and turns around to see Chandler trying to finish the message.) Never mind. (Hangs up.) ([電話で] もしもし? [電話を聞く] 何言ってんだよ? そのオーディションは5時までないぞ! [チャンドラーは突然思い出し、(ホワイトボードの)未完成のメッセージに目をやり、それからこっそりボードのところに行き、ジョーイが電話を聞いている時に、メッセージを完成させようとする] ああ、誰も俺に言わなかったぞ! [電話を聞いて] 君は誰に話したんだ? [電話を聞いて、振り返り、メッセージを完成させようとしているチャンドラーを見る] もういいよ。 [電話を切る])
チャンドラー: You mean you didn't get it from this? (このメッセージがわからなかった、ってことかな?)
ジョーイ: The allergy guy got the part! Thanks! (例のアレルギー男が役をゲットしたよ。ありがとな!)
チャンドラー: Well, maybe we can fix it y'know? Maybe we can send him some-some big-big flowers and scare him! (ほら、多分、俺たち何とかできるよ、だろ? 多分、そのアレルギー男に大きな大きな花を贈って、彼を怖がらせたりできるぞ!)
ジョーイ: How could you do this to me, Chandler?! This part could've turned my whole career around! (どうやったら俺にこんなことができるんだよ、チャンドラー? この役は俺のキャリアすべてを変えられたかもしれなかったのに!)
チャンドラー: I messed up, okay? I'm sorry. I really messed up. (俺が台無しにしちゃったんだよな? ごめんよ。俺が本当にめちゃくちゃにしちまった。)
ジョーイ: Hey, you don't even live here anymore! What are you doing answering my phone? I have a machine! (おい、お前はもうここに住んでさえいないんだぞ! 俺の電話に出たりして、何やってんだよ? 俺には留守電があるんだ!)
チャンドラー: Which I bought for ya. Taught ya how to use it. You thought it was a copier. Look, if there was anything I could do, I would do it. Okay? But everybody's allowed one mistake, right? (その留守電は、俺がお前のために買ってやったんだ。(俺が)お前に使い方を教えたんだ。お前は留守電をコピー機だと思ってただろ。なぁ、もし俺に何かできることがあるとしたら、俺はそれをするよ、な? でも、どんな人間も一つくらいの過ちは許されるだろ。)

ジョーイが電話に出て、What are you talking about? 「何言ってんだよ?」と驚きの声を上げています。
The audition's not ‘til 5:00! は、「その・例のオーディションは5時までない」という意味ですね。
ネットスクリプトでは、The audition's not ‘til 5:00! と書かれているのですが、DVDの英語字幕は、The audition's at 5. となっていて、その文だと意味は、「そのオーディションは5時にある」となります。
このパターンは、フレンズ6-20その2 で解説した、
The callback isn't until tomorrow at five. 「次のオーディションは明日の5時までない」(ネットスクリプト)
The callback is tomorrow at 5:00. 「次のオーディションは明日の5時にある」(DVD英語字幕)
と同じものですね。
その際にも説明しましたが、今回のジョーイのセリフも、「5時にある」ではなくて、「5時までない(はずだ)」と強く言いたいわけですね。
そのセリフから、電話の相手が「(ジョーイが5時までは行われないと思っている)オーディションがすでに済んでしまった」というような内容を言っているだろうことが想像できるわけです。
The audition's at 5. 「そのオーディションは5時だよ(5時にあるはずだろ)」でも、会話としては成立しますが、not until を使う方が、「5時より前にオーディションが行なわれたはずがない!」感を強く出せるということです。
5時という言葉を聞いて、チャンドラーはハッとした顔で、ホワイトボードを見上げますが、そこにはミミズのような文字が記されているだけで(笑)、全く伝言の機能を果たしていません。
モニカが呼びに来たので、メッセージを書き終わることなく部屋を出てしまったことに、今チャンドラーは気付いてしまったわけです。
ト書きにあるように、ジョーイが電話している間に、こそこそとボードのところに行き、メッセージを完成させようとするのですが、その間もジョーイは、電話で「誰も(そんなこと)俺に言ってない!」「君は(それを)誰に言ったんだ?」と怒っています。
その後、ジョーイがチャンドラーの方を見たことで、電話の相手が「ちゃんと伝えましたよ。ジョーイが留守だから伝言を受ける、って言ってて。電話に出たのは男性でした」みたいな情報をジョーイに伝えただろうことがわかります。
そんな風に自分の電話に出る男性は、元同居人のチャンドラーしかいない、と気づいたわけですね。
Never mind. は「気にしないで。もういいよ」という感じで、「一体誰に伝言したんだよ?」と相手を質問責めにしていたけれど、答えがわかったからもうこれ以上はいいや、俺が言ったことは忘れて、というニュアンスになります。

ボードにメッセージを書き足そうとしているのがバレてしまったチャンドラーは、怖い顔をしているジョーイを見て、You mean you didn't get it from this? と言っています。
You mean は「ジョーイは…って言いたいのかな?」みたいなニュアンス。
get it from this は、「ホワイトボードに書かれたこのメッセージから、それをゲットする、理解する」という感覚。
ボードに書かれているこの文字から、そのオーディションの時間が変更になったというメッセージは読み取れなかったってことかな?みたいな意味ですね。
ヘニョヘニョの文字で、到底解読できるものではないのですが、自分としてはメッセージを書いたつもりだったんだ(少なくとも書こうとはしてたんだ)と言いたいわけでしょう。

「例のアレルギー男」、つまり、花粉症のCMに出ているあの男が、役をゲットしちまった、とジョーイは言っています。
Thanks! は「ありがと」ですが、前後の文脈や表情、口調から、それを皮肉っぽく使っていることがわかりますね。
「俺じゃなくて、そいつが役をゲットすることになったのは、お前のおかげだよ、ありがとな」みたいな皮肉です。

fix は「修理する」などの意味で使いますが、ここでは「状況を回復する、元に戻す、解決する」のような感覚。
そのCMの彼が役をゲットしてしまったことを、何とか修復することができるさ、彼に大きな花を贈って、彼を怖がらせれば、などとも言っています。
これも、過去記事、花に追われる花粉症のCM フレンズ6-20その2 で説明したように、その彼はCMの中で、大きな花に追い回されている役を演じているので、でかい花を贈れば、彼もビビって逃げ出しちゃうよ、と、なんとかジョークでこの場を和ませようとしているわけですね。

そんな冗談もジョーイには通じません。
「今回の役は俺のキャリアすべてを変えられたかもしれないのに」と思っているほど、ジョーイはこの役に賭けていたからですね。
俺がめちゃめちゃにしちまった、と反省するチャンドラーですが、ジョーイの怒りは収まらず、この後もチャンドラーを責めるセリフが続きます。
You don't even live here anymore. は「お前はもはや、ここに住んでさえいない」。
ルームメイトだった時ならまだしも、お前はもはや俺の同居人ですらないんだよ、という感覚。

What are you doing answering my phone? は、「俺の電話に出たりして、何やってんだよ?」という意味。
doing と answering のように、-ing 形が2つ連続していますが、このような、What are you doing ...ing? の形には「…したりして何やってんだよ?」というニュアンスがあります。
過去のフレンズにもこの構文は何度か登場しました。
What are you doing? という問いそのものに、純粋に「相手が今やっていることは何か?」を尋ねる以外に、「一体何やってんだよ?」という非難や驚きを表すニュアンスがありますね。
その後に、...ing? を続けることで、「一体、何やってんだよ、…したりして」みたいな感覚となり、「…したりして何やってんだよ?」という意味になるわけです。
「俺の電話に出たりして、何やってくれてるんだよ」「どうして俺の電話に出たりするんだよ?」という気持ちですね。
今回は、ジョーイの「相手を非難する気持ち」が押し出されているので、「何やってくれてるんだよ」みたいに挑む感じがありますが、そのような非難以外にも、「…したりして何やってんの?」→「なぜ…してるの?」という「ここでこれをしている理由」を問うフレーズにもなります。
I have a machine! は、「俺は留守電を持ってる、俺の電話には留守電がついてる」ということ。

そのようにジョーイは3つの文でチャンドラーを批判していますが、要は、「もはや同居人ではないお前がどうして電話に出るんだよ、(電話に出る必要なんかないんだ) 留守電もあるんだから!」と言っているわけですね。

留守電の話題が出たので、チャンドラーはそれを受ける形で、which を使ってセリフを続けています。
Which I bought for ya. の which は、直前のジョーイのセリフに出てきた、a machine 「留守番電話」のこと。
You have a machine, which I bought for you. 「お前は留守電を持っている、その留守電は俺がお前に買ってやった」と言っていることになります。
I bought the machine for you. 「俺がお前にその留守電を買ってやった」ということですが、関係代名詞 which を使って、Which I bought for ya. と続けることで、「そのお前が言っている留守電は、俺がお前に買ってやったんだけど」という「説明を付け足している感」が出ます。
チャンドラーとしては、「留守電、留守電って言うけど、そもそもその留守電は、”俺がお前に買ってやった”もんなんだぞ、その恩を忘れてるみたいだけどさ」という気持ちを込めているのですね。
「俺には留守電がある」「ああ、俺がお前に買ってやったやつね」みたいな感じです。
Taught ya how to use it. は、I taught you how to use it. で、「それ(留守電)の使い方を俺がお前に教えた」。
その後、「お前はその留守電を copier だと思ってただろ」とも言っています。
copier は「コピーする人、コピーするもの」ということで、「コピー機」。

If there was anything I could do, I would do it. は仮定法過去が使われていますね。
「もしこの俺に何かできることがあるとすれば、それを(何でも)するよ」という感覚で、実際には、オーディションに行けなくて、他の人が役をゲットしてしまった以上、俺にはこれ以上どうすることもできないんだ、やれることがあるなら何でもするけど、やれることもない今、俺をそんなに責め立てないでくれよ、という気持ちです。

Everybody's allowed one mistake. は「すべての人は1つの過ちを許されている」という一般論。
誰にだって過ちは一度くらいあるもんだ、今回のたった一度の過ちをどうか許してくれよ、ということですね。


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posted by Rach at 17:23| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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