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ロスは今、自分が教えている大学の学生エリザベスと付き合っているのですが、そのエリザベスのパパがロスに会うため、セントラルパークにやって来ます。
エリザベス: This is my father, Paul Stevens. Dad, this is Ross Geller. (これが私の父、ポール・スティーブンズよ。パパ、こちらが、ロス・ゲラー。)
ロス: It-it's great to meet you, Paul. (お目にかかれて光栄です、ポール。)
ポール: I usually prefer Elizabeth's boyfriends to address me as Mr. Stevens. (私は通常、エリザベスの彼氏には、私をミスター・スティーブンズと呼んでもらう方を好むんだが。)
ロス: Of course, of course, Mr. Stevens. (もちろん、もちろんです、ミスター・スティーブンズ。)
ポール: So, Ross, what's your problem? (それで、ロス、君は何が問題なんだ?)
ロス: Eh-wh−Excuse me? (えー、あの、何ですって?)
ポール: Why can't you get a girlfriend your own age? (なぜ君は自分の年頃の彼女をゲットできないんだ[持たないんだ・選ばないんだ]?)
ロス: That's funny. Umm.... (Pause, then serious) It's not funny. (それは面白いですねぇ。あー [間があって、その後、真剣になり] 面白くはありませんね。)
ポール: I don't like you going out with my daughter, Ross. (君が私の娘とデートするのは好きじゃない[嬉しくない]んだが、ロス。)
ロス: Okay. I can, I can see that. Umm, but I think if you give me umm, one chance, I can, I can change your mind. (はい、わかります。あー、でも、僕が思うに、もし僕に一度チャンスを下さったら、あなたの心を変えることができます[変えてみせます]。)
ポール: Okay. (わかった。)
ロス: What? (何ですって?)
ポール: Okay. I'll give you one chance to change my mind. (Ross laughs in relief) You got one minute. (Ross suddenly gets worried.) (わかった、私の気持ちを変えるためのチャンスを一度、君に与えるよ。[ロスは安心したように笑う] 1分やろう。)
エリザベス: Daddy! (パパ!)
ポール: Fine! Two minutes. Go. (わかったよ。2分だ。さあ始めて。)
ロス: This is-you- (Ross starts laughing.) (これは…あなたが… [ロスは笑い始める])
ポール: (laughs then checking his watch) 1 minute 50 seconds. ([笑って、それから自分の腕時計を見て] 1分50秒だ。)
今回の フレンズ6-21 の日本語タイトルが「彼女のパパはブルース・ウィリス」となっていることからもわかるように、ロスの彼女エリザベスのパパを演じているのは、「ダイ・ハード」でジョン・マクレーン刑事を演じた、あの、ブルース・ウィリスです。
ブルース・ウィリスは、最近も「ダイハツ ミライース」のCMに出演したりして、見かける機会がますます増えましたね。
彼のような大物俳優のゲスト出演はフレンズではよくあることですが、今回のゲスト出演は、映画「隣のヒットマン」(原題: The Whole Nine Yards)で、チャンドラー役のマシュー・ペリーと共演したことがきっかけとなったようです。
IMDb : The Whole Nine Yards : Trivia
には以下のような情報が書いてあります。
As a result of a bet lost on the set, Bruce Willis agreed to do a guest appearance on Friends for free. He was already planning to do the guest spot, but the terms of the bet led to him giving his pay for the episode to charity.
つまり、「(映画の)撮影現場で負けた賭けの結果、ブルース・ウィリスは、無償でフレンズへのゲスト出演をすることに同意した。ブルースはすでにゲスト出演を計画していたが、賭けの条件のために、ブルースがエピソードに対する支払いをチャリティーとして差し出すことになった」。
つまり、この映画の撮影中にはすでに、ブルースがフレンズにゲスト出演する予定は決まっていたようですが、マシューとの賭けに負けたブルースが、その支払いの代わりに、フレンズに無償で出演することになった、ということのようです。
ブルースは、このフレンズへのゲスト出演で、エミー賞ゲスト男優賞コメディ部門を受賞(win an Emmy Award in the Outstanding Guest Actor category)していますが、確かに、その受賞もうなずけるようなコミカルな彼の演技は見ものです。
ブルース・ウィルスと言えばやはり「ダイ・ハード」ですが、過去記事、なかなか死なぬダイハード フレンズ4-21その2 では、ジョーイとチャンドラーが、「ダイ・ハード」のビデオを借りるぞー!と盛り上がるセリフが出てきましたし、この先のフレンズ7-6 でも、フレンズ男性陣がダイ・ハードのビデオを見るシーンが出てきます。
そんな風に「男子が大好きな映画」の代名詞ともなっている「ダイ・ハード」の主演俳優が、一般人の役として、今回さらっと登場しているのが面白いですね。
あの映画、何回も見てるのに、「マクレーン刑事に似てるなぁ」とか思わないのかよっ!とツッコミたいところです(笑)。
エリザベスは、自分の父と恋人ロスをそれぞれに紹介しています。
ロスは、「お目にかかれて光栄です」の後に、パパのファーストネーム、ポールで呼びかけていますね。
その後のポールのセリフから、娘の恋人にファーストネームで呼ばれたことに不満を持っていることがわかります。
I usually prefer は、「私は通常・通例、…の方を好む」。
何を好むかと言うと、「娘の恋人にはミスター・スティーブンズと呼んで・呼びかけてもらうこと」をより好むと言っていることになります。
このように動詞 address は、address someone as... の形で、「人を…と呼ぶ」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
address : to use a particular title or name when speaking or writing to someone
address somebody as something
例) You should address him as "Mr. President."
つまり、「誰かに話しかけたり、文章を書いたりしている時に、ある称号・肩書きや名前を使うこと」。
例文は、「彼を「ミスター・プレジデント」と呼ぶべきだ」。
ロスは、自分がエリザベスよりかなり年上であることから、そのパパに対して「世代が少し下な程度」のような気さくな感じを出すために、そうやってファーストネームで呼びかけてみたのでしょう。
それが、パパの癇に障(さわ)ってしまったわけですね。
ロスも慌てて、Mr. Stevens と訂正しています。
ポールはいきなりロスに、「君の問題は何だ? 君は何が問題なんだ?」と尋ねています。
ロスが「え?」みたいに聞き返したように、そのポールのセリフには、「君には何か問題があるようだが、それは何かな?」→「君ってどっかおかしいんじゃないか?」のようなニュアンスが感じられます。
質問の意図がわからず口ごもるロスに、ポールは、Why can't you get a girlfriend your own age? と言います。
your own age は「君の年頃」なので、a girlfriend your own age は「君の年頃の彼女」、つまり、ロスと同年代の彼女、恋人ということになります。
「同じ年頃の彼女」と言いたい場合には、a girlfriend of your own age のように、of が必要な気がするのですが、of なしの形でも使えるようですね。
研究社 新英和中辞典には、以下のように出ています。
age 【名詞】
[叙述形容詞的に用いて] …の年齢で[の] (注:of one's age の of を略した形)
He's just my age. 彼は私と同じ年です。
when I was your age 私が君の年齢のときに(は)
a girl your age 君の年ごろの少女
用例の、a girl your age 「君の年ごろの少女」がまさに、ロスのセリフの a girlfriend your own age と同じ感覚で、「君の年ごろの彼女」という意味になるわけです。
過去記事、レイア姫の金のビキニの話 フレンズ3-1その8 では、
フィービー: Yeah, oh, Princess Leia and the gold bikini? Every guy our age loved that. (えぇ、レイア姫と金のビキニでしょ? 同世代の男はみんなあれが大好きだったのよ。)
というセリフもありました。
これも、every guy our age 「同世代の[同い年の]男性はすべて」ということですね。
若すぎる女の子を彼女にしていることをポールに指摘されて、ロスは「その冗談、面白いですね」のように、笑い話で流そうとするのですが、父ポールの顔が真剣なので「いえ、それは笑いごとではありませんね」のようにロスも真顔になっています。
「君が娘と付き合う・デートするのは嬉しくない」とはっきり言われたので、ロスは「僕にチャンスを下されば、あなたの心を変えてみせます」と宣言します。
Okay. とあっさりそれを受け入れたポールに拍子抜けしたようなロスでしたが、ポールは「チャンスをやろう」と言って、You got one minute. と言います。
ネットスクリプトでは、You got one minute. 字幕では、You've got one minutes. と書いてありますが、この got/have got は、have の意味ですね。
「君は1分持っている、君には(時間が)1分ある」→「君に1分間の時間をやろう」と言っていることになります。
娘のエリザベスが「そんなのひどいわ!」と言わんばかりに、Daddy! と叫んだので、ポールは、「わかった。(じゃあ)2分だ。Go. 」と言います。
チャンスをくれると言っても、1分や2分でどうしろっていうんだ、というところですが、Go. と言いながら、「さあ、始めて」みたいに、ロスに「どうぞ」のような指差しサインを出すのが何ともコミカルです。
ロスが、にやけながら口ごもっていると、ポールはちらっと腕時計を見て、「1分50秒」と言っています。
君が何もできないで無言でいる間に、もう10秒過ぎちゃったぞ、と言っているわけです。
ロスを受け入れるつもりが全くないのがその様子からもよくわかりますね。
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Bruce Willisさすがに存在感ありますね。当時ははジャッカルとかやっていてころで少しやせて、雰囲気が変わるころですよね。私にとっては思い出の俳優で、最初LAに80年代半ばに行ったころに、おもしろそうだったので唯一毎週見てたのが「Moonlighting(ブルームーン探偵社)」で、若いBruceが主役で体当たり演技をやってました。そのあとDie Hardでスターになって驚きました。
ここの表現でやっぱりaddress はなかなか自分で使う時には出てこない言い方ですね。callで済ませてしまいます。いろいろと勉強になります。今後ともよろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
確かに、ディスク6がまだ残っていて、それも今回のシーズンは第25話まであるのでいつもより少し長めなのですが(笑)、それでもやはり気持ち的には「もうすぐシーズン7」という感覚でおります。:-)
今回のゲスト出演のブルースはやはり貫禄ありますよね。大物ゲストの登場シーンでは、観客も拍手喝采するのですが、今回は特に歓声が大きかったような気がしました。私はやはりマクレーン刑事のイメージが強いのですが、今回はもう少し紳士的な雰囲気を醸し出していて、その違いも面白いなと感じました。
彼が「ブルームーン探偵社」に出ていたのは有名な話ですよね(私はタイトルを知っているだけで、実際に見たことはなかったのですが…)。ダイ・ハードは何度もシリーズ化されて、日本でも有名ですから、今でも日本のCMに起用されたりもするわけですね。やはり、日本でも有名な大物俳優がゲスト出演してくれると、解説している者としても嬉しいです。
おっしゃるように、普通だと call を使ってしまうでしょうね。address というと「住所」か「演説」がまずは浮かんでしまいそうです。とにかくエピソードを順番に見て行って、出て来たセリフをチェックしていく…というやり方を取っていると、普段、自分が知っている単語のニュアンスとは違ったものに思いがけなく出会えます。それがこの学習法の醍醐味と言える気がします。
こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。
さて、フレンズのお話ですが。 やっと、ブルース・ウィリスが登場するエピソードに入りました。 ブルームーン探偵社をテレビ放送していた時の彼の役柄を思い出すと、ダイハードに出演し、よくもあんなタフガイに変身できるものだと感心していました。 今で言うと、ラブ・アクチュアリーのアンドリュー・リンカーンがウォーキングデッドで活躍しているような感じでしょうか。
さて、Rachさんに質問なのですが。 ロスの台詞で、ロス: That's funny. Umm.... (Pause, then serious) It's not funny. (それは面白いですねぇ。あー [間があって、その後、真剣になり] 面白くはありませんね。) というのがあります。 Thatは前文のポール: Why can't you get a girlfriend your own age? (なぜ君は自分の年頃の彼女をゲットできないんだ[持たないんだ・選ばないんだ]?)を指すと思うのですが、次のIt's not funny. のitは何を指すのでしょうか? そのジョークではなく、このようなピリピリした状況をitで表しているということでしょうか?
That とitの使い方が混乱してしまいました。 Rachさんご教授ください。
ご無沙汰しております。コメントありがとうございます。
私はお陰様で元気に過ごしております。今年は桜の満開、早かったですよね。私も今年は例年より早くお花見をしました(^^)
私はダイ・ハードのタフガイのイメージしかないのですが、ブルース・ウィリスというと「ブルームーン探偵社」を思い出される方、多いですね。テレビ放映当時、番組のことは知っていたので、リアルタイムで少しでも見ておけば良かったなと思います。
アンドリュー・リンカーンの例え、とてもわかりやすいです。ウォーキング・デッドでは主役で活躍されてますよね。「ラブ・アクチュアリー」では、マーク(アンドリュー・リンカーン)がジュリエット(キーラ・ナイトレイ)にメッセージを見せるシーンが、私、大好きなんですよ♪
それではいただいたご質問につきまして。
That's funny. Umm.... (Pause, then serious) It's not funny.
ですが、後半の not の部分が強く発音されていて、Netflix ではそこが強調されていることを示すため、表記がイタリックになっています。
that はおっしゃる通り、その前のポールの発言を指していて、「今のあなたのその発言、面白いですねぇ、、」とロスが笑い話でごまかそうと思ったところ、ポールが真剣な顔をしているので、「いや、笑い話じゃないですよね」と少し前の自分の発言を訂正した感じなのだろうと思います。
後半で It's が使われているのは「funny ではなく、not funny である」という部分にポイントがあるからかな、という気がします。
「ポールの発言が funny である」(その自分の失言に気づいて)「funny と言ったのは間違いで、実際には not funny である」という風に、funny を not funny と訂正することがその文の役割であり、「何が」という部分は特に重要ではない、だが、Not funny. だけでは文にならないので、文の体裁を整えるために、特にどれを指すことのない it を主語に使った感覚だろうと。
It's me. It's you. で使われるような主語 It's のニュアンスでしょうね。
日本語に訳すと、「今、おっしゃったこと、面白いですねぇ〜」(相手が”笑いごとではない”という顔をしているので)「いえ(全然)面白くないです」という感じでしょうか。「主語を”それは”と訳さない方が良い it」ということになると思います。
貴重なご質問ありがとうございました(^^)
「ラブ・アクチュアリー」で、マーク(アンドリュー・リンカーン)がジュリエット(キーラ・ナイトレイ)に紙芝居メッセージを見せるシーンは、男性から見ても、印象的でした。 このあと、一人になったマークが「Enough, enough now.」というところは、切ないですね。 脱線しますが、この時のキーラ・ナイトレイは、ホント綺麗かったです。
続編のレッド・ノーズ・デイ・アクチュアリーのトレーラがyoutubeで見られますが、ここでも、マークがまたも紙芝居メッセージを見せています。 どう見ても、マークではなくウォーキングデッドのリック・グライムズですわ(笑) ヒゲぼうぼうで、ワイルドです。
さて、Rachさんからのご回答、ほんとうに有り難うございます。 噛み砕いて、ご説明頂いて、よく理解できました。 コメディーなので、Itにも意味を含ませて、笑わせようとしているのかと思いましたが、これは、形式的なものだったのですね。 スッキリ致しました。
それでは、Rachさん、まだまだ寒暖差の激しい時期ですので、お体ご自愛ください。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
マークの "Enough, enough now." は本当に切なかったですね。そしてキーラ・ナイトレイも実に美しかったですよねぇ〜。
教えて下さった trailer 観ました! おっしゃる通り、ここでも紙芝居風メッセージは健在なんですね。やはり本編でのあのシーンが印象深かった方が多い、ということなんでしょうね。
それから私の回答の件、そのように言っていただけて嬉しいです。that / it のニュアンスはノンネイティブには難しい部分ですから、こうしてご質問をいただけて改めて考えることができ、良かったなと思います。
どうかせんごくさんもお身体ご自愛下さいませ。
温かいお返事ありがとうございました(^^)