2012年07月13日

プロテクションを持ってきた? フレンズ6-22その3

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エリザベスはロスを、森の中にある自分の祖母のキャビンに連れてきます。
付き合っている二人は、二人きりだということで、さっそくいちゃいちゃし始めるのですが、ロスが突然、動きを止めます。
エリザベス Are you okay? What's wrong? (大丈夫? どうかしたの?)
ロス: Ehh, I was just, I was just thinking about your father. (えーっと、僕はちょっと、僕はちょっと君のお父さんのことを考えてたんだ。)
エリザベス: Well, whatever works for ya.... (そうねぇ、あなたに効き目があることなら何でも…)
ロス: No. No-no uh, he just, he just really freaked me out before. (違う、違うよ。ただ君のお父さんが前に僕をすっごくびびらせたんだよ。)
エリザベス: Oh. Well, so we have to hide our relationship from one more person. Big deal. Besides, we've had fun hiding it. (ああ、それなら、私たちは、あともう一人から、私たちの関係を隠さないといけないわね。大したことないわよ。それに、関係を隠すことで楽しんできたし。)
ロス: Yeah. (そうだね。)
(They start making out again.)
二人はまた、いちゃいちゃし始める。
エリザベス: (quietly) Hey, umm, you brought protection, right? ([静かな声で] ねぇ、あの、プロテクション(守るもの・防御するもの)を持ってきたわよね?)
ロス: (loudly) Why?! Are there like bears or something?! (Looks around and then sees that Elizabeth is shaking her head no and realizes what Elizabeth meant.) Ohh. Oh, protection. Yeah-no, yeah-no, that-that-that I forgot. ([大きな声で] どうして? 熊とかそんなのがいるの? [辺りを見回して、それからエリザベスがノーと首を振っているのを見て、エリザベスの言った意味に気づく] あぁ、あぁ、プロテクション(コンドーム)ね。ああ、いや、それを僕は忘れてたよ。)
エリザベス: I'll just run to the store and get some. (私がちょっと走ってお店に行って、それを買ってくるわ。)
ロス: Oh no! Hey-hey, I'm the guy! I'll get it. (あぁ、ダメだよ! ねぇ、僕は男だ! 僕が買うよ。)

いちゃいちゃしていたのに、急に動きを止めたロスに対して、エリザベスは「どうしたの?」と尋ねています。
ロスは「ちょっと君のお父さんのことを考えていたんだ」と説明していますね。
それを聞いたエリザベスの、Well, whatever works for ya.... という戸惑ったような顔のセリフが面白いです。

work for は「〜に効き目がある、有効である」という感覚。
Whatever works for you.... とはつまり、「あなたに効き目があることなら何でも…」と言っていることになります。
この場合の「効き目がある」とは、「エッチな気持ちがより高まる」というようなことですね。
いちゃいちゃしている最中に、「ある人のことを思い出した」と言ったので、「その人のことを想像することで、余計にエッチに対する気持ちが盛り上がって燃えちゃう、って言うんなら、どんな人、どんなことを想像してもいいけれど…」みたいに言っていることになります。
ずっと憧れ続けていた女性とか、ものすごくセクシーでグラマーな女性を想像して…というのなら、その話もわからなくはないですが(笑)、何しろ、ブルース・ウィリス演じる、あのお父さんの話ですから、「あのお父さんを想像して、よりエッチな気持ちになるならそれでもいいわよ」みたいに娘のエリザベスが言っているのに笑えてしまうわけですね。

エリザベスが勘違いしているのを知って、ロスは必死に否定して、「君のお父さんが前に僕をびびらせたんだ」と説明します。
「娘と付き合うな。さもないと、大学に教え子と付き合っていることをバラすぞ」と脅迫じみたことを言われたことを言っているのですね。

それを聞いてもエリザベスは動じず、we have to hide our relationship from one more person と言います。
hide our relationship from... は「私たちの関係を…から隠す」ですね。
…から見えないように、…に知られないように隠す、ということです。
誰から隠すかというと、one more person、つまり、「あともう一人」。
ロスの勤務する大学では、「先生は生徒と交際してはいけない」という規則があるため、ロスとエリザベスは自分たちの関係を大学関係者に秘密にしています。
それにプラスする形で、関係を知られないようにと隠す対象を、あともう一人、増やせばいいだけよ、と言っているのですね。
今まで隠してきた人以外に、あともう一人、パパにも知られないようにすればいいだけのことよ、という感覚です。

Big deal. を直訳すると「おおごと、大したこと」ですが、ここでは反語的に使われています。
No big deal. 「(そんなの)大したことじゃない」というのを、皮肉っぽく、Big deal. と言っているのですね。
Besides 「それに加えて、さらに」と言って、we've had fun hiding it とも言っています。
この現在完了形は「私たちはこれまで hide it するのを楽しんできた」という感覚。
隠す人にパパを加えるだけだし、人から関係を隠すのって、楽しかったしね、みたいなことですね。
だから、全然問題ないわ、むしろ楽しいくらいだわ、という感じでしょう。

二人はまたいちゃいちゃし始めますが、今度はエリザベスが静かな声で、you brought protection, right? とロスに尋ねています。
それを聞いたロスは、大声で、「どうして(プロテクションが必要なの?) ここには熊か何かでもいるの?」みたいに叫んでいますね。
その後、エリザベスの表情を見て、ロスは自分が勘違いしていたことを悟り、「あぁ、そっちのプロテクションの方かぁ…」みたいに納得します。

プロテクションは、ほぼ日本語にもなっていますが、「プロテクトするもの、守るもの、防御・保護するもの」というのが大きな意味ですね。
ロスは、protect という言葉から、「危険や攻撃から守るもの」というイメージを連想したようです。
ここが森の中であることから、「野生動物が襲ってくるという危険」を思い描き、「そういう動物から身を守るような道具、防具が必要だった?」という意味で「ここには熊とかそういう危険な動物がいるの?」と叫んだわけです。
その後、ロスがエリザベスを見ると、「いいえ、そうじゃないわ」と首を振っているので、ようやくロスは、protection の意味を察したようですね。

エリザベスが言った protection とは、(上の訳でも、そのものズバリを書いてしまいましたが)「避妊具、コンドーム」のこと。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
protection [uncountable] : something you use to avoid getting a disease or stop a woman from getting pregnant when you have sex, especially a condom
つまり、「病気にかかるのを避けるため、またはエッチする時に女性が妊娠するのを防ぐために使うもの、特にコンドーム」。

LAAD のようなアカデミックな辞書にちゃんと載っていたのはちょっぴり驚きですが、まさにその語義の通りで、「病気や妊娠を予防するもの、病気や妊娠から守るもの」という意味での、protection なのですね。
ロングマンにもはっきり書かれているように、condom のことを protection とも言うわけです。
やはり、エリザベスは女の子なので、ダイレクトすぎる言葉を使うのを躊躇したのでしょう。
ロスは逆に、「防御するもの」という遠回しな言葉を使われたので、別の防御を連想してしまった、というジョークですね。

実際問題としては、二人でいちゃついている時に protection と言えば、「エッチ系のプロテクション」の方を連想するのが普通だと思うのですが、森の中のキャビンだと言うことと、ロスがジョーイほどのプレイボーイではないということ(笑)などから、こういう笑いも成立するわけでしょうね。
ベタと言えば、かなりベタな感じのジョークではありますが、ロスならこういうリアクションもあり得るかな、と思わせるシーンではあります。

「コンドームのことを忘れてた。(だから持って来てない)」というロスに、エリザベスは「私がちょっと行って買ってくる」と言っています。
ロスは、「僕は男なんだから、僕が買いに行くよ」みたいに男らしいところを見せていますね。
ここでは、I'll just run... や I'll get it. のように、I'll (I will) が使われていますが、このように、「今、そうしようと決めた」ことを言う場合には、I'm going to ではなく、I'll を使います。
ドアホンや電話が鳴った時に言う、I'll get it. 「僕が出るよ」と同じ感覚ですね。


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posted by Rach at 17:13| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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