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シーズン6 第24話
The One With The Proposal - Part 1 (チャンドラーのプロポーズ大作戦! Part 1)
原題は「プロポーズの話 パート1」
[Scene: Monica, Chandler, and Phoebe's, Chandler is showing Ross, Rachel, Joey, and Phoebe his engagement ring again.]
モニカ、チャンドラー、フィービーの家。チャンドラーはロス、レイチェル、ジョーイ、フィービーに(自分が買った)婚約指輪をもう一度見せているところ。
ロス: God, that is the most beautiful engagement ring ever! (わぁ、それってこれまでで最も美しい指輪だね。)
レイチェル: Yeah? Well, you should know, you've bought like a billion of ‘em. (そうよね? ほら、あなたはわかるはずだもの、これまでに何億個も婚約指輪を買ってきたもんね。)
ロス: Yeah, you didn't get one. (ああ、君は婚約指輪をもらったことないけどね。)
チャンドラー: Okay, well, tonight's the big night. (よし、今夜は重要な夜だぞ。)
フィービー: Yeah! (そうね!)
ジョーイ: Okay listen, how are you gonna ask her? (なぁ、どうやって彼女に申し込む[結婚してくれって言う]つもりなんだ?)
チャンドラー: It is going to be perfect. I am taking her to her favorite restaurant. I'm going to get her a bottle of the champagne that she really loves; therefore knows how expensive it is. Then when the glasses are full, instead of proposing a toast, I'm just gonna propose. (パーフェクトなものになるんだよ。俺はモニカのお気に入りのレストランに連れて行くつもりだ。俺はシャンパンのボトルを注文するんだ、彼女が大好きなシャンパンのね、それゆえに、彼女はそれがどんなに高価であるかを知ってるってわけさ。それから(2つの)グラスが(シャンパンが注がれて)満たされた時、乾杯をする代わりに、ただプロポーズするつもりなんだ。)
チャンドラーがモニカのために買った婚約指輪を見て、ロスは「これまでで最も美しい指輪だね」と絶賛しています。
それを聞いたレイチェルは、「ロスは何億個も指輪を買ってきたから、わかるはずよね」みたいなことを言います。
billion は 10億で、ここでは「膨大な数」の誇張表現として使われています。
ロスはさすがに何億もの指輪を買ってきたわけではないですが、「ロスはこれまでに3回結婚した」という、いつもフレンズたちが持ち出すネタを、ここでも使ったわけですね。
「何回も結婚してるから、何回も指輪を買ってる、そういう経験の豊富なロスだから、指輪の良し悪しはよくわかるわよね」みたいに言ってからかっているのです。
それに対するロスの返しも面白いです。
one は、an engagement ring のことですね。
このような one については、研究社 新英和中辞典では、以下のように説明されています。
one (代名詞)=[既出の可算名詞の反復を避けて] (その)一つ、それ
例) I don't have a pen. Can you lend me one? ペンがありません. お貸しくださいませんか .
語法 (one)
同一のものを受ける時は it を用いる: He has a car and likes to drive it. I want one. (彼は車を持っていてそれを運転することが好きだ。私も車が欲しい。)
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
one [pronoun] : used to talk about a person or thing of a type that has already been mentioned or is known about
例) If you don't have a camera, buy one.
つまり、「すでに言及された、または知られているタイプの人やものについて語る時に使われる」。
例文は、「もし君がカメラを持っていないなら、カメラを買いなさい」。
it と表現すると、誰かが前に述べた「そのもの」を指すことになり、one だと「同じ種類のもの」を指す感覚になるわけですね。
ロスのセリフも、「君は婚約指輪というものをゲットしたことがない」と言っていることになります。
僕が何度も結婚したことをネタにしてるようだけど、そういう君は(僕と結婚したけれど、酒の勢いでの結婚だったから)婚約指輪はもらえなかったよね、みたいなことですね。
チャンドラーは、今日は the big night 「重要な夜、大切な夜」だと意気込んでいます。
ジョーイは、how 「どのようにして、どうやって」 ask her 、つまり、ask her to marry you するのかを尋ねています。
チャンドラーは「パーフェクトなんだよ」と言って、自分の完璧な計画を語って聞かせます。
未来の予定として、I am taking や、I'm going to が使われていますね。
I am taking は「近い将来の決まった予定」を表す現在進行形です。
モニカお気に入りのレストランにすでに予約を入れているので、「決まった確実な予定」であることから、現在進行形がフィットするのでしょうね。
その後は、「その流れで自分はこうするつもりだ」という「つもりの予定」みたいなものを述べているので、I'm going to/I'm gonna が使われているということになるでしょうか。
I'm going to get her a bottle of the champagne... therefore knows how expensive it is. という文の表現がなかなか面白いです。
therefore は「それゆえに、従って」という副詞。
LAAD では、
therefore [adverb] (formal) : as a result of something that has just been mentioned
つまり、「ちょうど言及されたばかりのことの結果として」。
哲学者デカルトの言葉、「われ思う、ゆえにわれあり」の英訳、"I think, therefore I am." にも登場する単語ですね。
前から順番に意味を取っていくと、
俺はシャンパンのボトルを1本注文するつもりだ→(どんなシャンパンかと言うと)モニカが本当に大好きな(シャンパン)→それゆえに→そのシャンパンがどんなに高価かをモニカは知っている
という流れになります。
knows のように、-s がついているのは、いわゆる「3単現の s」で、主語はその前の文章と同じ she(=Monica) だということですね。
つまり、チャンドラーは、「モニカが大好きなシャンパンを注文するんだよ、自分の好きなシャンパンだから、それがどんなに高いシャンパンかをモニカは知ってるんだ」と言っていることになり、それを注文することで、モニカは「まぁ、チャンドラーはこんなに高いシャンパンを頼んでくれたの?」と感激するのは間違いない、と言っていることになります。
ポイントは、「そのシャンパンが高い」ことではなく、「モニカがそのシャンパンが高額だと知っている」という部分なのですね。
そのシャンパンの価値をモニカは知ってるから、俺がプロポーズのために最高級のシャンパンを用意したことを、彼女はきっと喜んでくれるだろう、ということです。
when the glasses are full は、「その(二人の)グラスが満杯になる時」ですから、グラスにそのシャンパンが注がれた時、ということ。
さあ乾杯しよう、というその時に、propose a toast する代わりに、ただ、propose する、とチャンドラーは説明します。
動詞 propose は「提案する」というのが基本的な意味ですが、propose a toast は「乾杯する、乾杯の音頭をとる、乾杯を発議する」という意味の決まり文句になります。
そして、日本語にもなっている「プロポーズ」という言葉通り、「結婚を申し込む」という意味もありますね。
乾杯で、propose a toast する代わりに、toast (乾杯)じゃない方の propose をするんだ、というような、propose という動詞を使ったダブルミーニングのようなセリフになっているわけです。
逆に日本語では「プロポーズ」というと、結婚のプロポーズの意味で使われることがほとんどなので、ダブルミーニングに訳すのは難しいですね。
propose a toast というお決まりフレーズを知っているからこそ、「おぉ、しゃれてるね」と思えるセリフだということです。
ちなみに、日本語では「プロポーズ」は名詞扱いですが、英語の propose は「提案する、結婚を申し込む」などの動詞になります。
「プロポーズ、結婚の申し込み」という名詞は、proposal なので、今回の原題も、The One With The Proposal 「プロポーズ(結婚の申し込み)の話」になっているわけですね。
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風邪引いちゃってちょっとペースダウンしていましたが、少しづつ進んでます。
ところで、ここの
therefore knows how expensive it is. Then when the glasses are full,・・・
について教えてください。
解説の中でtherefore (she) knows となっていたのですが、省略する時は主語、述語ともに省略すると思っていたのですがここはsheだけが省略されているのがよく判りません。確か石井先生の本にも主語だけを省略はない、とあったように記憶しているのですが・・・これはありですか?
よろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
風邪を引かれたとのこと、どうかお大事になさって下さいね。そんな中でもフレンズ学習を進めておられること、素晴らしいことだと思います。
さて、ご質問のセリフについて。
そのセリフ全体は、I'm going to get her a bottle of the champagne that she really loves; therefore knows how expensive it is. となっていますね。
この部分、DVDの英語字幕では、かなりはしょられてしまっているのですが、
I'll get her favorite champagne. She'll know how expensive it is.
となっていました。この英語字幕の意味だと、「俺はモニカに、彼女がお気に入りのシャンペンを頼むつもりだ。モニカはそれがどんなに高価か知るだろう」になるでしょうか。
話の流れとしては、「俺はモニカお気に入りのシャンペンを頼むつもりで、彼女のお気に入りだからこそ、彼女はそれがどんなに高いシャンペンか(俺が説明しなくても)わかっちゃうんだよね」という感じですね。
そういう内容のことを、実際のチャンドラーのセリフでは、副詞 therefore 「それゆえに、従って」を使って、「大好きだからこそ、わかる」ということを表現していることになります。
それで、ご質問のポイントである「省略」について。
「省略する時は主語、述語ともに省略する」「主語だけを省略はない(という石井先生の本の記述)」のようにコメントで書かれていますが、それがどういう場合の省略についての話なのか、私にはよくわからないんですよね、、、。
通常、「省略」というのは、「前に出てきた言葉の繰り返しを避けるために、言わなくてもわかる部分を省略する」ものであって、主語と述語(動詞)が同じであれば、両方省略することはあるかもしれませんが、今回のように、she (really) loves; (therefore) knows のように動詞が異なる場合には、動詞を省略することはありません(省略すると意味が成立しないため)。she は繰り返しになるので省略可能で、knows という3単現の -s に、主語が she であることの「名残り」のようなものが残っていることになります。
「わかりきっている単語を何度も繰り返すのを避ける」のが「省略」という機能なので、無条件で「省略する時は主語、述語ともに省略する」ような文法的法則は存在しないはずです。石井先生の本でそんな記述があった、とのことなら、問題集の問題の中で、たまたまそういう状況があって、そういう説明をされただけ、という「その問題特有の説明」だったのではないか、という気がします。私には石井先生の本にそういう説明があった記憶がないので、これ以上なんとも言えないのですが、、、。
「省略」については、どちらかと言うと、「主語が省略されることはあっても、動詞が省略されることはまずない」という感覚の方が近いように思います。同じ動詞が繰り返される場合は省略もあり得ますが、動詞は文章の一番キモになる部分ですので、「強く発音されるし、省略されることもまずない」と考えていた方がよいと思います(^^)
いま改めて石井先生の本のどこに書いてあったのか?と探してみたんですが、見つけられなかった・・・なのでこの例文、と提示出来ないのが申し訳ないのですが、でもRachさんの解説の「主語と述語(動詞)が同じであれば、両方省略することはあるかもしれません・・・」以下を読むとても判りやすかったので納得できました。
石井先生の本、大変だったけれど1回通しで終わりました。本当に今のTOEICとは形式は違うけれど、文法の基礎を固めるにはとてもいい本ですね。もうどれだけ判っていないのか!を思い知りましたが、解説がとても丁寧で、自分で説明できるレベルになれるまで何度も繰り返そうと思っています。その時に改めて今回の省略、考えてみます。
(きっとRachさんの仰る通りです!だって納得いくから!)ありがとうございました。
こちらこそご丁寧なお返事ありがとうございました。
「どこかでそう書いてあるのを読んだ気がするんだけど、、」ってこと、よくありますよね^^ 石井先生の本の2巡目に取り組まれる際に、「ここに書いてあった!」と発見された時には、またお知らせいただければ、「その問題については、これこれこういうことです」のようなご説明ができるのでは? と思ったりしています。
「省略」は特に口語で頻出するので、その省略された部分を補いながらイメージすることが大切になってきますよね。「省略しても意味が通じる、問題ない」部分を省略することになりますが、そういうものを意識して学ぶことで、シンプルでナチュラルな英語が自分でも使えるようになるのかな、と思っています。
私の説明に「納得いく」とおっしゃっていただけて良かったです。
ご丁寧なお返事ありがとうございました!(^^)
ありがとうございます。先生の本、読みなおしてみた時に、今回教えて頂いたことと照らしてみますね。また判らなかったら、その時はお知らせしますので教えてください。復習、頑張ります♪
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
はい、また、石井先生のご本を再読されて、該当箇所を見つけられた時には、是非ご連絡下さい(^^)
復習、頑張って下さいね♪