2012年08月29日

教授とココナッツ電話を作ってた フレンズ6-25その3

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モニカにプロポーズのことを悟らせないために、「結婚制度に否定的な男」をモニカの前で演じ続けるチャンドラー。
リチャードに「君と結婚したい」と告白された後に、そういうチャンドラーの姿を見たことで、モニカはすっかり失望してしまい、ジョーイにそのことをグチります。
モニカがジョーイに「リチャードにプロポーズされた」ことを告げたので、ジョーイは「チャンドラーは本当は結婚したがってるんだ」と必死に本当のことを説明しようとするのですが、モニカはそれを信じる様子がありません。

ジョーイが未だに船長(キャプテン)スタイルのまま、電話の受話器を握っているところに、チャンドラーが帰ってきます。
ジョーイ: Where the hell have you been?! (お前は一体今までどこにいたんだよ?!)
チャンドラー: I was making a coconut phone with the professor. (俺は教授と一緒にココナッツ電話を作ってたんだよ。)
ジョーイ: Richard told Monica he wants to marry her! (リチャードがモニカに、結婚したい、って言ったんだぞ!)
チャンドラー: What?! (何だって?)
ジョーイ: Yeah! Yeah, I've been trying to find ya to tell to stop messing with her. And maybe I would have if these (lifts a leg) damn boat shoes wouldn't keep flying off! (そうさ、そうなんだよ。彼女を混乱させるのをやめろってお前に言うために、俺はずっとお前を捜そうとしてたんだ。そして多分、お前を見つけただろうな、もし、この [脚を持ち上げる] バカなボートシューズが脱げまくることがなかったらな!)
チャンドラー: My-Oh, my God! (あぁ、なんてこった!)
ジョーイ: I know! They suck!! (そうだろ! このシューズは最低だよ!)

受話器を持っていたジョーイは、チャンドラーの顔を見るなり、「お前、どこ行ってたんだよ?」と怒ったように言っています。
「君は(今)どこにいますか?」という疑問文だと、Where are you? になりますが、それを現在完了形にした Where have you been? は「君は今まで(ここに姿を現すまで)どこにいたの?」と、それまでいた場所を尋ねる疑問文になります。
the hell という強意語がついているので、「全く、お前は、一体全体、今までどこにいたんだよ?」という怒りのニュアンスが出るのですね。

ジョーイがカリカリしているのは、その前にモニカから「リチャードにプロポーズされた」という衝撃発言を聞いたためなのですが、そんなことになっているとは夢にも思っていないチャンドラーは、キャプテンのかっこうをしているジョーイを見て、キャプテンがらみのジョークを言っているようです。

I was making a coconut phone with the professor. は直訳通り、「俺はプロフェッサー(教授)と一緒にココナッツ電話を作っていたんだ」ということ。
「一体どこで何してたんだよ?」みたいに怒っているので、そんなに怒ることないじゃんか、みたいに軽いジョークで返している感覚になります。

船の船長みたいなかっこうをしているジョーイに対して、「教授とココナッツ電話を作っていた」と言っていることになりますが、いつものフレンズのパターンから考えると、そんな設定が当てはまるようなドラマや映画が存在するような気がしてきますよね?
このセリフだけからでも、船長や教授が登場する作品で、ココナッツ電話を作るという話から、「ココナッツはあるけれど、通常の電話は存在しない」…つまり、無人島の話?みたいな見当がつけられる気がします。

で、試しに Google の検索ボックスに、coconut phone と入力してみると、Google サジェスト機能で、
coconut phone with the professor
coconut phone gilligan's island
などの候補が提示されました。

island という言葉からも関連性がある気がする、gilligan's island というフレーズ、これは実は、過去の記事で解説したことのある、海外ドラマのタイトルなんですよね。
過去記事、映画スターのジンジャーって誰? フレンズ3-14その7 で、ジンジャーという人物名が出てきて、それは有名なドラマ「ギリガンズ・アイランド」の登場人物だとわかった、ということを解説しています。

そのドラマについての情報は以下。

Wikipedia 英語版: Gilligan's Island
IMDb : Gilligan's Island (1964–1967) TV Series

IMDb の説明にもあるように、
Seven men and women are stranded on an uncharted island following a torrential storm.
「7人の男女が、激しい嵐の直後に、地図にない島に(船が座礁し)取り残されてしまう」
というお話のようです。
設定だけだと、LOST みたいですが、こちらのギリガンズ・アイランドは、カテゴリーで言うとシットコムに属するので、コメディーなんですね。

グーグル・サジェスト機能で、gilligan's island が表示されたからと言って、これが元ネタだとは言い切れないかも…と思いながら、内容を確認していると、登場人物の中に、
Professor Roy Hinkley
という人がいるのを発見!
「教授とココナッツ電話を作っていた」というその「教授」が実際にこの作品に登場するので、元ネタはやはりこの作品であったことはほぼ間違いないと、この時点で確信しました。

そして、ウィキペディアのその教授のことを説明している以下のページにジャンプしてみると…
The Professor (Gilligan's Island)
以下の「決定的証拠」を見つけました!

Many of his inventions (including a method for recharging the batteries in the ubiquitous radio) utilized coconuts and bamboo, both of which were in plentiful supply.

訳させていただきますと、
「彼の発明の多くは、ココナッツと竹を利用した。そういうココナッツや竹は、豊富な供給があった。」
つまり、島にココナッツや竹が豊富にあるので、それを利用していろんな発明品を作った、ということですね。

また、以下の興味深い記述もあります。

A running joke about the Professor was his ability to build anything from coconuts and bamboo, yet he was somehow unable to create a raft or other means to leave the island. This was parodied in the sitcom Roseanne, ... (以下略)

つまり、
「プロフェッサーに関して繰り返し出てくるジョーク(ランニング・ジョーク)は、ココナッツと竹から何でも作るという能力だったが、どういうわけか彼は、いかだや、島を出るための他の方法などを生み出すことはできなかった。このことはシットコム「ロザンナ」でパロディーにされて… (以下略)」

つまり、このウィキペディアの説明は、「ココナッツと竹から何でも作ることができるなら、どうして教授はいかだのような「島を脱出するための道具」を作らなかったの?」という、ドラマによくある矛盾をつくようなツッコミですね。
「そんなものを作っちゃったら、話が終わってしまうから」(笑)が理由でしょうが、ウィキペディアでは、その矛盾をパロディにした他のシットコムやパロディ映画があるという説明が続いていますので、「教授はココナッツや竹からあらゆる発明を作り出す」ということは、パロディにしても笑いが取れるほど有名な設定だと言えるでしょう。
アメリカ人なら、coconut, professor だけで、「ギリガンズ・アイランド」というドラマがすぐに頭に浮かぶ、ということですね。

船長のかっこうをしているジョーイを見て、無人島のシットコムの設定を使ったジョークを言ったチャンドラーですが、ジョーイは単刀直入に、「リチャードがモニカに結婚したいと言った」と説明します。

驚くチャンドラーに、「モニカを mess with するのをやめるように言うために、お前をずっと捜そうとしてたんだぞ」とジョーイは言います。
mess with は「干渉する、手を出す」などと訳されることが多いですが、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には、mess with として、4つの意味が出ており、以下のものが今回のニュアンスに近いと思います。

3. mess with somebody/something : to try to deceive or confuse someone
つまり、「誰かを騙そう、または混乱させよう[惑わせよう]とすること」。

プロポーズのことをモニカに悟られないように、いろいろ惑わせるようなことを言ってたけど、そんなことやってる場合じゃないぞ、って言おうと思ってお前を捜してた、みたいなことですね。
ずっと捜そうとしていた、と言って、その結果を、I would have if these... wouldn't と表現しています。
I would have if these... wouldn't は仮定法ですね。
I would have は、I would have found you 「お前を見つけていただろう」ということ。
if these... wouldn't は「これらの…が〜しなければ」という仮定で、そういうことがなければお前を見つけてたのに、…が〜したせいで見つけられなかった、と言っていることになります。

で、ジョーイは何のせいにしているかと言うと、脚を上げてチャンドラーに見せた these damn boat shoes 、つまり、「このバカな・最低なボートシューズ」。
見たところ、ビーチサンダルのようなものですね。
fly off は「飛ぶ」+「分離」なので、「飛んで行く、飛び去る」みたいなことですが、シューズが fly off し続ける、ということはつまり、走るたびに飛んでっちゃう、脱げちゃう、ということでしょう。
走るのに不向きなサンダルのせいで、お前を捜しに行けなかったんだ、ということですね。

ジョーイの話を聞いて、チャンドラーは、Oh, my God! と言っています。
これはもちろん、「リチャードがモニカにプロポーズした。お前は下手な芝居を打ってる場合じゃなかったのに」みたいな話に対しての言葉ですが、ジョーイは、I know! 「そうだろ」と言いながら、They suck!! と言っています。
この they は、these (damn) boat shoes のことですね。
ジョーイはチャンドラーの「なんてこった」を、「このバカシューズめ」みたいに言ったジョーイの発言に同意したものと受け取って、「そうだろ、お前があきれるように、このシューズは最低なんだよ」と言っているわけです。
チャンドラー一世一代のプロポーズが危機に瀕している時に、まだシューズの話をしているジョーイが、いかにもという感じですね。


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posted by Rach at 17:51| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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