2012年09月18日

私の主役の座を奪ったのよ フレンズ7-1その3

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これから、ザ・プラザに行って、シャンパンでお祝いすることになっているモニカたち。
ロスとレイチェルは、廊下でチャンドラーとモニカの結婚について話しながら、自分たちが付き合っていた頃のことを思い返しています。
I really liked your hands. 「あなたの手がとっても好きだったわ」とか、We never had a bonus night. 「(別れた二人が一晩だけよりを戻す)ボーナスナイトをしてないわね」とか、思わせぶりなことを言うレイチェル。
「そういうことはすべきじゃないよ」と言いながら、レイチェルが好きだと言った自分の手をヒラヒラさせたりして、ロスもまんざらでもない様子。
そんなシーンのしばらく後、「みんなを呼んでくるわ」と廊下へのドアを開けたモニカは、そこでロスとレイチェルがキスしているのを目撃してしまいます。
ロス: Okay, Monica. Mon. Okay, uh what-what you just saw-- (ねぇ、モニカ。いいかい、君がたった今見たのは…)
モニカ: (interrupting) Can I ask you just a little question, huh? Why tonight? ([(ロスの発言を遮って] ちょっとした質問をしてもいいかしら? どうして今夜なの?)
レイチェル: What? (何?)
モニカ: See, I've been waiting my whole life to be engaged, and unlike some people, I'm only planning on doing this once. So, uh y'know, maybe this is selfish and I'm sorry about it, but I was kinda hoping tonight could just be about that. (ねぇ、私はこれまでの人生ずっと、婚約するのを待ってたのよ。そして、他の人とは違って、私はこれ(婚約)をするのは一度だけと計画してるの。だから、ほら、多分、これはわがままで、そのことについては申し訳ないと思ってるけど、でも、私は願っていたのよ、今夜がそのこと(私の婚約)についてだけであってくれたら、って。)
レイチェル: Oh, honey, but it is just about that. (あぁ、ハニー、でもただそのこと(モニカの婚約)についてだけよ。)
ロス: It is! It is! (そうだよ、そうだよ!)
モニカ: No, it's not! No! No! Now it's about you and Ross getting back together! (いいえ、違うわ! 違う、違う! 今や、あなたとロスが復縁した(よりを戻した)ことについてよ!)
レイチェル: What?! (何ですって?)
モニカ: See, yeah, umm, you kinda stole my thunder! (ほら、そうよ、あなたは私のサンダーを盗んだ[私の主役の座を奪った]みたいな感じね!)
ロス: Okay! Ho-ho! We did not steal your thunder, because we are not getting back together. (ちょっと! ちょっと! 僕たちは君の主役の座を奪ったりしなかった。だって僕たちはよりを戻そうとしてないんだから。)
レイチェル: Yeah, no, and you know what? Nobody even saw! (ええ、違うわ、それにほら。誰も見てさえいないわ!)
ロス: Yeah! (そうだよ!)
モニカ: That's true. (それはそうね。)

ドアを開けた途端、廊下でロスとレイチェルがキスしているのを目撃したモニカは、驚いて部屋に戻ります。
キスを見られたロスとレイチェルは、モニカを追いかけて部屋に入ってきて、「モニカが今見たのは…」と言い訳しようとしていますね。
そのロスの言い訳を聞くことなく遮って、モニカは、「ちょっと質問してもいい?」の後、Why tonight? と聞いています。
Why tonight? は、まさに直訳通りの「どうして今夜(なの)?」というニュアンスですね。
Why 以下が文章ではなく、tonight という単語になっています。
あえて文章にするならば、Why is it tonight? とでもなるでしょうが、口語ではこういう言い方をよく耳にしますね。
例えば、Why me? なら「なぜ、私なの?」という感覚。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、why somebody? の項目で、そのニュアンスが載っています。
why somebody? : used to ask why something has been done, given etc. to someone and not to a different person
例) Why me? Can't someone else drive you?

つまり、「なぜ、別の人ではなく、誰かに対して、あることがなされる、与えられるかを尋ねるために用いられる」。
例文は、「どうして俺なの? 他の人は君を車で送ることができないの?」

この例文も、「他の人もいるだろうに、どうして俺が君を車で送んなきゃいけないんだよ」みたいな気持ちが感じられますね。
こういう Why me? と同じで、Why tonight? も、「仮にロスとレイチェルがキスするにしても、別の日、別の夜でもいいのに、どうしてよりにもよって今夜なわけ?」というニュアンスが入っているわけですね。

I've been waiting my whole life to be engaged は継続を表す現在完了進行形。
my whole life は「私の人生ずっと」という感覚ですから、be engaged 「婚約する(という状態)」になるのを、これまでの人生ずっと待っていた、という意味になります。

unlike some people は「ある人たちとは違って」。
I'm only planning on doing this once. の plan on doing は「〜をする計画である」、only ... once は「1度だけ」、つまり、「私はこれ(婚約すること)を(人生で)一度だけと計画・予定している」ということになります。
「ある人たちとは違って、私は一度しか計画してない」というのは、何度も結婚・離婚をしている兄ロスに対する皮肉ですね。
ロスのように何度も婚約する人だったら、「今回がダメならまた今度」と思えるかもしれないけど、私は婚約は人生に一度きりだと決めていて、婚約した日、というのは今日しかないのよ、という感覚です。

モニカはさらに続けて、わがままかもしれないけど、tonight could just be about that と願っていたのよ、と言っています。
that は「婚約(すること、している状態)」を指すでしょう。
tonight is about that を直訳すると、「今夜はそのことについてである」という感じになりますが、つまりは、「今夜が、ただ私の婚約に関することだけであってくれたらと願っていた」というニュアンスになるでしょう。
私にとって一生に一度の大事な夜だったから、他の話題がのぼることなく、私たちの婚約だけが話題の中心であってくれと願っていた、ということでしょうね。

「私たちの婚約についてだけであってくれと願っていた」と言うモニカに、レイチェルとロスは口を揃えて、「実際に、今夜の話題はモニカたちの婚約のことだけになってる」と言います。
が、モニカはそれを否定して、Now it's about... 「今や…についてである」と言っています。
今夜の話題はもはや、あなた(レイチェル)とロスがよりを戻したことになっているわ、ということですね。

そして、モニカは、 you kinda stole my thunder! と言っています。
今回のエピソードの英語タイトル(原題)は、The One with Monica's Thunder なのですが、それはこのセリフが元になっているわけですね。

研究社 新英和中辞典では、
steal a person's thunder=人の考え[方法]を横取りする、人のお株を奪う、人を出し抜く
と出ています。

LAAD では、
steal somebody's thunder : to get the success and praise someone else should have gotten, by doing what they had intended to do
つまり、「誰か他の人が得るべきだった成功や賞賛を得る(取る)こと、その人がやろうと意図していたことをすることによって」。

実はこのフレーズは、すでに過去記事、人の雷鳴を盗む フレンズ5-3その2 に出てきました。
出産間近のフィービーが苦痛に耐えている横で、ジョーイはさらに痛そうな顔をしているので、
フィービー: Umm, sympathy pains. I thought it was really sweet at first, but now I think he's just trying to steal my thunder. (あぁ、シンパシー・ペインよ。最初は本当に優しいって思ってたの。でも今は、彼はただ、私の主役の座を奪おうとしているだけだ、って思うわ。)
というセリフでした。

フレンズ5-3 の場合は、妊婦のフィービーがみんなにいたわってもらうべきなのに、ジョーイがあまりに痛がるからみんながジョーイの方を心配してしまう、とボヤいているセリフになります。
そして今回のモニカのセリフも、「今夜は私が婚約した日ってことで、その話題が中心となるはずなのに、ロスとレイチェルが復縁したりしたら、みんなの注意がそっちに向いちゃうわ!」と怒っているのですね。

「モニカの主役の座なんか奪ってない」「そうよ、第一、モニカの他には誰も私たちのキスを目撃してないじゃない」と言われて、とりあえず納得するモニカですが、この後、フィービーがその会話を聞いてしまい、やはり「ロス&レイチェルが復縁?!」というビッグニュースに主役の座を横取りされてしまうことになります。
一瞬安心したものの、やはりそのままでは済まないところが、コメディーっぽいと言えるでしょうね。


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posted by Rach at 17:14| Comment(4) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
I'm only planning on doing this once.

自分で英訳というか英語で表現する時に、以前からonlyの位置って曖昧なんです。一度だけって自分で言うなら、onceの直前においてしまいそうですが、何かルールというか収まりの良い考え方はあるんでしょうか。
Posted by uk at 2012年09月18日 19:45
ukさんへ
コメントありがとうございます。

ご指摘の通り、「onlyの位置って曖昧」ですよね。
この場合も「一度だけ」と言いたいのなら、
I'm planning on doing this only once.
のように修飾する語の近くに置く方がわかりやすいですよね。

自分で使う場合は、やはり「修飾する語の近くに置く」を鉄則にしていた方が安全な気がしますが、今回のような位置にある only については、研究社 新英和中辞典の以下の説明が参考になる気がします。

only【副】=[時を表わす副詞(句)を修飾して] つい…、たった…
He came only yesterday. 彼はほんの昨日来たばかりだ。

変換
同じ意味はまた次の語順でも表わされる: He only came yesterday.

(引用は以上)

be only planning や only came と聞くと、「計画しているだけ」「来ただけ」のように、only が動詞にかかっているように見えますが、文の最後まで聞くと、その only は、once や yesterday のような文末の副詞にかかっていたということがわかる、みたいな感じになりますね。

なぜ only の場合はそういう語順が許されるのかは、私にもよくわからないのですが、先に only という「限定」の語句を出しておくことで、限定感をより強調している…みたいなことかもしれません。
only を先に言っておくことで、その only がかかるべき語句を相手に期待させる、と言いますか…。

今後は、only の位置に注意して、セリフを見て行きたいと思います。
興味深いご意見、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2012年09月20日 18:38
unlike some people
I'm only planning on doing this once.
の部分ですが、someと複数の人を指していて、そのあとモニカはレイチェルにひどく怒ってたことからロスに対する皮肉もあるでしょうが、婚約してたけど結婚式当日に逃げ出したレイチェルへの皮肉のほうが強いんじゃないでしょうか?
Posted by かもお at 2013年04月29日 06:28
かもおさんへ
コメントありがとうございます。
おっしゃる通りですね。some people みたいにわざわざ「複数形」にしているのは、「ロスとレイチェル」の二人に対する皮肉ですね。そしてモニカは、兄ロスよりも、同性のレイチェルの方に強い憤りを感じているはずなので、ロスよりもレイチェルへの皮肉の方が強い、というご指摘もまさにその通りだと思いました。

貴重なご意見ありがとうございました。
Posted by Rach at 2013年04月30日 15:32
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