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婚約が決まった日に、ロスとレイチェルがキスをして、私のお株が奪われたと怒っていたモニカ。
レイチェルはその時の発言、
モニカ: No-no, I-I really don't want to talk about it! I don't. I don't. (To Rachel) Especially with you. (いいえ、私は本当にそのことについて話したくないの! 話したくない! [レイチェルに対して] 特にあなたとは。)
がずっと気になっている様子。
また、さっきはエッチしようとしてできなかったことで落ち込んでいたチャンドラーでしたが、今は寝室で、いいムードになってきているところ。
そこに、レイチェルが訪ねてきます。
レイチェル: Monica, what did you mean before when you said you didn't want to talk to anyone, especially me? (モニカ、さっきのはどういう意味だったの? 「誰とも話したくない、特に私(レイチェル)とは」って言った時のことよ。)
チャンドラー: What a great apology! (To Monica) And you accept it! Okay, bye-bye! (何て素晴らしい謝罪なんだ! [モニカに] で、君は謝罪を受け入れる! オッケー、バイバイ!)
レイチェル: No-no, seriously-seriously, what was the "especially me" part about? (いいえ、真剣によ(真剣に尋ねてるのよ)、「特に私」っていう部分はどういうこと?)
モニカ: Well, let's just say it's not the first time you've stolen my thunder. (そうね、あなたが私のお株を奪ったのはそれが初めてじゃない、とだけ言っておきましょ。)
レイチェル: What?! (何ですって?)
ロス: (To Rachel) Hey, here's a thought.... ([レイチェルに] ねぇ、考えがあるんだけど…)
(Rachel ignores him and follows Monica into the kitchen.)
レイチェルはロスを無視して、モニカに続いてキッチンに行く。
レイチェル: Monica, what are you talking about? (モニカ、あなた何言ってるの?)
モニカ: My Sweet Sixteen! Remember, you went to third base with my cousin Charlie. (私の愛しの[素敵な]16歳よ! 覚えてる? あなたは私のいとこのチャーリーと3塁まで行ったのよ。)
チャンドラー: (entering) Ahh, third base. ([入ってきて] あぁ、3塁ね。)
モニカ: It's all everybody at the party could talk about! (それ(あなたとチャーリーの件)だけが、その(私の16歳の誕生日)パーティーでのみんなの話題だったわ。)
レイチェル: Monica, y'know what? The only reason I did that was because your party was so boring! (モニカ、知ってる? 私がそれをしたのは、あなたのパーティーがすっごく退屈だったからよ!)
モニカ: (gasps) We had a caricaturist! ([息を呑んで] 似顔絵師がいたわ!)
レイチェル: Oh!! (まあ!)
レイチェルは、"Especially with you." と言われたことがずっと引っかかっているようで、what did you mean 「どういう意味だったの? どういう意味であなたはそう言ったの?」と尋ねています。
明らかに抗議のニュアンスでやって来たことがわかりますが、今、調子が出かかっている(笑)チャンドラーは、さっさとレイチェルに退散して欲しくて、「何て great な謝罪なんだ!」と大げさに言っています。
「おぉ、レイチェルはわざわざ謝罪に来てくれたんだね。モニカもその謝罪を受け入れるから、じゃあね、バイバイ!」みたいに、手早く話を切り上げようとしているのが面白いですね。
accept 「受け入れる」は、謝罪(apology)との組み合わせでよく使われる動詞です。
Apology accepted. は、謝罪した相手に対して、「(あなたの)謝罪は受け入れました」と言う時の決まり文句ですね。
チャンドラーがそうやって冗談で話をうやむやにしようとするので、レイチェルは、seriously 「真剣に、真面目な話なんだけど」と言いながら、What was the "especially me" part about? と言って、再度、especially me の部分について問うています。
What was the "especially me" part about? は、The "especially me" part was about 〜. 「その”特に私”の部分は、〜について(〜に関するもの)であった」 の〜の部分を what で尋ねる形の疑問文。
「その”特に私”って部分は、一体何のことを言ってたわけ?、何に関して”特に私”なわけ?」みたいな感覚になるでしょう。
モニカはそれに対して具体的な答えは言わずに、let's just say... というセリフを言っています。
これは、「あなたが私のお株を奪ったのはこれが最初じゃない、とだけ言っておきましょう」というニュアンス。
日本語でも、あえて詳しく説明することはせずに、「〜とだけ言っておきましょう」みたいに言うことがありますから、わかりやすいですね。
モメている二人を見ていたロスは、間に入るように、here's a thought... と言って、嬉しそうな顔で何か提案しようとしていますが、レイチェルに無視されて、自分の手を見ています。
レイチェルに「あなたの手が好きよ」と言われた時の「ボーナス・ナイト」の話を、ここでまた持ち出そうとしたのに、レイチェルはそれどころではなかった、という感じです。
レイチェルに問い詰められて、「私のお株を奪ったのは今回が初めてじゃない」と言った理由をモニカは説明しています。
「16歳の時、あなたは私のいとこのチャーリーと3塁まで行ったわ」というのは、モニカの16歳のお誕生日会で、モニカのいとこのチャーリーと、レイチェルが、エッチ寸前まで行った、みたいな意味ですね。
そういう言い回しが慣用句として存在するわけでもないようですが(笑)、あとちょっとで得点できる、ゴールまであともうちょっとのところまで行った、みたいな感覚は、日本人にもわかりやすいと思います。
It's all everybody at the party could talk about! について。
it はここでモニカが話題にしていること、レイチェルとチャーリーがあと寸前というところまで行ったこと、を指します。
パーティーの出席者みんなが話題にできることすべてはそれだった、ということですから、出席者はそのことばかり話していた、それが話題の中心だった、と言っていることになります。
パーティーの主役である私を差し置いて、あなたが話題の中心になったのよ、「あなたが過去にも私のお株を奪ったことがある」と言ったのはそのことよ!と怒っているのですね。
The only reason I did that was because... は、「私がそれをした(チャーリーとエッチ寸前まで行った)ことの唯一の理由は、…だったから」。
あなたの誕生日会があまりにも退屈だったから、退屈しのぎにそんなことしただけよ、みたいな言い方ですね。
caricaturist は英和辞典には「風刺画家、戯画家」などと出ています。
caricature は名詞で「風刺画、戯画」、またそういうものを描くという動詞にもなります。
「カリカチュア」という言葉で日本語でも使われたりしますね。
LAAD では、
caricature [noun] [countable] : ENG. LANG. ARTS a funny drawing of someone that makes them look silly or stupid
例) caricatures of politicians in the newspaper
つまり、「愚かに、またはまぬけに見えるような、ある人物の面白い絵」。
例は、「新聞での政治家の風刺画」。
そんな風に、新聞に載っているような風刺画ということですが、ああいう感じで、その人の特徴をことさらに強調したような似顔絵もカリカチュアと言いますね。
Wikipedia 英語版: Caricature でも、そういうカリカチュアの画像を見ることができます。
このウィキペディアの、Modern use of caricature に、以下の興味深い説明がありました。
Beside the political and public-figure satire, most contemporary caricatures are used as gifts or souvenirs, often drawn by street vendors.
Caricature artists are sometimes hired for parties, where they will draw caricatures of the guests for their entertainment.
つまり、
「政治的、または公人の風刺(皮肉)以外に、現代のカリカチュアの多くは、ギフトまたはお土産として使われる、しばしば、露店(屋台)商人によって」。
「カリカチュア・アーティストはパーティーで雇われることがある、そこで彼らは娯楽のために、ゲストのカリカチュアを描くことになる」。
まさにこれがモニカが言っていることですね。
日本でも、ショッピングセンターや遊園地などで、「似顔絵、描きます」というコーナーを時折見かけます。
さらには、モニカが言っているように、誕生日などのパーティーに呼ばれて、そこで出席者の似顔絵を描いて、みんなを楽しませる、ということもあるようです。
モニカは、「パーティーが退屈だって言うけど、似顔絵師だって来てたのに!」みたいに言っているわけですね。
似顔絵を描いてもらえたら、楽しそうにも思いますが、16歳というお年頃の女の子のパーティーの企画としては似つかないような気もしますよね。
「退屈だなんて…こんなこともしてたじゃない」と名前を挙げたのが caricaturist だった、というのが、「面白い企画って、それ?!」みたいなジョークになっているのでしょうね。
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ウィキペディアでは
Sweet sixteens may be extremely formal, casual, or semi-formal; they can range from modest parties at home with close family and friends to large affairs with a hired DJ, makeup and hair stylists, yachts and hotel ballrooms.
といっていますので。中にはレイチェルのときのような変わった趣向もあるのでしょうね。
Sweet sixteen に関する情報、ありがとうございます。
そのウィキペディアの説明、大変興味深いですね。フォーマルなものからカジュアルなものまで、家で友人たちと、から、大掛かりなものまで、というレンジの広さが、そういう習慣が広く根付いていることの表れとも言えるのでしょう。
情報、ありがとうございました。