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16歳の誕生会でも、あなたは私の主役の座を奪ったわ!と怒るモニカに、
レイチェル: Monica, your sweet 16 was like a million years ago. (モニカ、あなたの愛しの16歳なんて、まるで100万年前のことよ。)
モニカ: And yet, here we are doing it again. (それなのに、ここでまた、私たちは同じことをしてるわ。)
レイチェル: Ugh, Monica, I don't want to steal your stupid thunder! (あー、モニカ、私はあなたのくだらない主役の座なんか奪いたくないわ!)
モニカ: Oh, please! Why else would you have made out with Ross?! (ああ、やめてよ! 他にどんな理由で、あなたがロスといちゃついたりするわけ?)
ロス: Got me. (He shows of his hands.) (わからないよねぇ。[ロスは自分の手を見せる])
レイチェル: All right, easy, mimey, the moment has passed. It ain't gonna happen. (いいわ、落ち着いて、パントマイム師さん、その瞬間(時機)は過ぎたのよ。もう(ロスが考えてることは)起こらないわ。)
モニカ: I just thought it would be nice if I could have just this one night! (私がこの夜だけがあってくれれば良かったのに、と思っていただけなのに。)
レイチェル: I swear, I never wanted any part of your night! No one was supposed to see us kissing! (誓うわ、私は決して、あなたの夜のどんな部分も欲しくはなかった(奪うつもりはなかった)! 誰も私たちがキスしているところを見ることにはなっていなかったのよ。)
モニカ: Oh, is that why you did it the secret hallway, where nobody ever goes? (まぁ、だからあなたたちは秘密の廊下でキスしたのね、そこは誰も行かないところだから?)
16歳の誕生日に、主役の私を差し置いて、自分が話題の中心になったくせに、と昔の話を持ち出すモニカ。
レイチェルは、16歳の頃なんて、like a million years ago 「100万年前みたい」なものだと言っています。
そんな随分と昔の話、という意味で 100万年と言っているわけですが、million という単語で大袈裟な数字を強調するのが、英語っぽいところだと思います。
and yet は「それでもなお、それなのに」という感覚。
ずっと昔のことと言いながら、また今も同じことをしてるじゃない、と言いたいのですね。
「私はあなたのサンダーを盗みたくない、あなたの主役の座なんか奪いたくない」とレイチェルは言っています。
your stupid thunder の stupid には「くだらない、ばかばかしい」みたいなニュアンスが感じられますね。
あなたは大騒ぎしてるけど、私には別にそんなことどうでもいい、あなたの thunder なんて興味はないし、そんなくっだらないものを奪おうとも思ってない、みたいなことですね。
why else は「その他になぜ、さもなければなぜ」のような感覚。
他にどんな理由があって、あなたが make out with Ross 「ロスとキスしたりして、いちゃつく」ようなことをするのよ、とモニカは言っているわけです。
自分の兄なのにひどい言いぐさですが(笑)、私の主役の座を奪うためにやった以外の理由なんて考えられないわ、と言いたいのですね。
Got me. は You got me. とも言いますが、何か人に質問されて答えがわからない場合に、I don't know the answer. 「その答えがわからない」という意味で使います。
ここでは、「僕にもわからないよ」と言いながら、手をひらひらさせることで、レイチェルに「僕の手が魅力的だからだよねぇ?」と訴えているのですね。
ロスがやたらと自分の手をアピールしてくるので、レイチェルはいい加減にして、という感じで怒っています。
easy は「落ち着いて」という感覚ですね。
easy, mimey, the moment has passed. は「落ち着いて、マイミー、その瞬間は過ぎたのよ」と言っていることになるでしょう。
mimey は呼び掛け語のように挿入されていますが、DVDの日本語音声(吹替)でも、「やめて、そのパントマイム」と訳されていたように、mime という単語の変形バージョンのようです。
mime はいわゆる「パントマイム」のマイムで、名詞では「身ぶり手ぶり」「パントマイム」「パントマイム役者、パントマイム師」、動詞では「パントマイムをする」という意味があります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
mime :
1. the use of actions or movements to express what you want to say without using words
2. an actor who performs without using words
つまり、1. は、」「言葉を使うことなしに、言いたいことを表現するための、動作や動きの使用」。2. は「言葉を使うことなしに演技する俳優」。
ことあるごとに、言葉で説明せずに、手をヒラヒラさせて何かを訴えようとするロスにあきれたレイチェルは、ロスを「パントマイム師」だと言っているのですね。
mime ではなくて、mimey になっているのは、easy の -y と押韻するような形で、mime も mimey にしてリズム感を出している感覚でしょう。
モニカは、I just thought... と言って、「ただ…であってくれればそれだけで良かったのに」みたいなことを言っています。
私が望んだのはただ、人生でたった一度の婚約のこの夜が私のものとしてあってくれればそれだけで良かったのに、みたいなことですね。
それを聞いたレイチェルも、「誓って言うわ。あなたの夜のどんな部分も欲しいと思ったことなんて絶対にない」と言っています。
No one was supposed to see us kissing! は「誰も私とロスがキスしているところを見ることにはなっていなかった、誰も見るはずではなかった」みたいなことですね。
話題をさらいたくて人前でキスしたんじゃない、キスしたけど人に見られるとは思わなかったのよ、モニカに見られたのは予想外、想定外のことだったのよ、と訴えているわけです。
それに対してモニカは、皮肉を言っています。
Oh, is that why you did it は、「あぁ、だからあなたはそれをしたのね、それがあなたがそうした理由ね」みたいな感覚。
秘密の廊下でキスした理由はそれなんだぁ、みたいなことです。
the secret hallway と言った後、where という関係副詞を使って、the secret hallway という場所をさらに詳しく説明しています。
「秘密の廊下、そこは誰も行かないところである」というニュアンスになります。
これは明らかな皮肉で、「廊下なんて誰もが自由に行き来する、人目に付きやすいところじゃない。そんなところでキスしておいて、人に見られるとは思わなかった、だなんてよく言うわ。人に見られるとわかっててそこでこれ見よがしにキスしたに決まってるわ!」とモニカは言いたいわけですね。
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ここの
Why else would you have made out with Ross?!
で使われている、wouldですが、これは丁寧な言い方のwouldでしょうか? つまりモニカは主役の座を奪われたことでとても怒っているからレイチェルに対していつもよりも敬語で話している?実際にロスとレイチェルはキスをしていたのだから仮定の訳ではないし。
そのあとの発言でもモニカはずっと敬語で話している、と考えていいのでしょうか?
よろしくお願いします。
ご質問ありがとうございます。お返事遅くなり申し訳ありません。
would には確かに「丁寧」のニュアンスもありますが、今回の場合は異なります。
いろいろある助動詞の中でも would のニュアンスが日本人には一番難しいと思っているので、説明も難しいのですが、、、。
この would は、would have made out with のように<would have+過去分詞>の形になっています。通常は<would have+過去分詞>は「(もし…であれば)〜だった・しただろうに」と訳されることが多いですが、今回の場合は「〜するとは、〜するなんて」というニュアンスになると思います。
ジーニアス英和辞典では
a) (話し手の驚き・意外を表して)(主に wh 疑問文で)〜するとは
b) (話し手のいらだちを表して)〜するなんて
のような意味が出ています。
Macmillan Dictionary では、
would : SPOKEN
used when criticizing someone by saying that a particular action is typical of someone
つまり「特定の行動がその人の典型であると言うことで、相手を批判する時に使われる」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
would : (disapproving) used when you are talking about something annoying that someone has done
((非難めいた表現) ある人がした、いらいらするようなことについて話す時に使われる」。
このような「批判、非難、いらだち」のニュアンスがあり、それを和訳に出すのは難しいのですが、「〜する、〜した」ではなく「〜したりなんかするの?」と訳したら、そのようなニュアンスが出せるのかなと思います。
モニカは、レイチェルが自分の主役の座を奪うためにロスとキスをしていた、と思い込んでいます。それ以外の理由で二人がキスをしていた可能性は、モニカの頭の中ではゼロ、つまり仮定の話になります。Why else の後に would が使われているのはそのためでしょう。
確かに助動詞の過去形って奥深いですよね。
私もジーニアス持っているので見てみました、で、あんなに最後まで見てなかったです(汗)やはりRachさんは凄いです!
ただ、最初に仮定の話ではないし、と思ったのですが、mqさんの解釈だと仮定の話でも
いいんですか?? う〜ん、本当に難しい・・・
コメントありがとうございます。お返事が遅くなり、また、まとめレスになり申し訳ありません。
私は前回のコメントで「〜するとは、〜するなんて」という「いらだち」のニュアンスについて書いたのですが、その用法は実際にその主語がその行動をしたことに対して使うものだと考えられるので、このセリフのニュアンスとは異なるものだった気がします。
コメントを拝見して、mqさんのおっしゃる「仮定」を指していると今は私も思います。
やっちんさんにはせっかくご丁寧なお返事をいただいたのに、解釈が変わることになり申し訳ありません。
貴重なご意見ありがとうございました。