2012年10月13日

あなたが今言ったこと全てが欲しい フレンズ7-2その6

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モニカの両親は、モニカの結婚資金をビーチハウス購入に使ってしまっていました。
チャンドラーが自分にもいくらかの貯金があるから、とその金額を示すと、「それを使えば、計画していた結婚式ができる」とモニカは大喜び。
ですが、チャンドラーは、「1回のパーティーに自分の貯金の全額を使うつもりなんかない」と一歩も譲りません。
ですが、しばらく経った後、チャンドラーは「君を幸せにするためなら何でもすると誓ったから」と言って、貯金をはたいて豪華な結婚式をすることを決心します。
「お金がないのなら、子供は2人して、気に入った方一人だけを大学に行かせればいいんだし」みたいに冗談めかして将来のことを語るチャンドラーに、
モニカ: How many kids were we gonna have? (私たちは何人の子供を持つことになってたの?)
チャンドラー: Uh, four. A boy, twin girls and another boy. (あぁ、4人だ。1人が男の子で、、双子の女の子に、もう一人男の子。)
モニカ: What else did you think about? (何か他に考えたの?)
チャンドラー: Well, stuff like where we'd live, y'know? Like a small place outside the city, where our kids could learn to ride their bikes and stuff. Y'know, we could have a cat that had a bell on its collar and we could hear it every time it ran through the little kitty door. Of course, we'd have an apartment over the garage where Joey could grow old. (そうだな、俺たちがどこに住むか、とか。例えば、市外の小さな場所で、そこでは子供たちが自転車に乗る練習とかができるんだ。猫も飼えるよ、首輪に鈴をつけて、その音が聞こえるんだ、ネコが小さなネコちゃんドアを走り抜けるたびにね。もちろん、ガレージの上にアパートメントがあるんだよ、そこでジョーイが年を取っていけるように。)
モニカ: (laughs) Y'know what? I-I don't want a big, fancy wedding. ([笑って] ねえ。私は大きくて豪華な結婚式は欲しくないわ。)
チャンドラー: Sure you do. (きっと君は欲しいよ。)
モニカ: No, I want everything that you've just said. I want a marriage. (いいえ、私はあなたが今言ったことの全てが欲しいの。私は(結婚式じゃなくて)結婚が欲しいのよ。)

How many kids were we gonna have? の were gonna have (was going to have) という形は、「(何人の子供を)持つことになっていたの?」という感覚。
結婚式に全額使うとなると、人生設計を変えて、子供は2人にすればいいんだよ、と言った流れから、「じゃあ、当初の計画では、何人子供を持つ予定だったわけ?」と尋ねているのですね。

チャンドラーは、4人と答え、その内訳を、A boy, twin girls and another boy. と答えています。
最後が a boy ではなくて、another boy 「もう一人」というのが、生きたセリフっぽいですね。
日本人が日本語で同じようなことを説明しようとする場合も、確かに「あと、もう一人は男の子」と言う気はします。
ただ、another=もう一人の、もう一つの、という訳語で頭にインプットされていたとしても、このセリフのこの場所で、another という単語がすっと出てくるかと言うと、ちょっと難しいような気もするのですね。

将来の子供の内訳まで考えていたと知って、モニカは「他にも何か考えてたの?」とさらに尋ねます。
stuff like where we'd live は、「俺たちが住むであろう場所とかのこと」という感覚。
where our kids の where は関係副詞で、その前の「市外の小さな場所」を、where 以下でさらに詳しく説明しているニュアンスになります。
「そこでは、その場所では」子供たちが自転車に乗ることを学ぶことができる、つまり、市外でそんなに車の通りも多くないだろうから、道で自転車に乗る練習ができる、みたいなことなのかなぁ、と。

we could have a cat は「猫を飼える、飼おうと思えば飼うことができる、もしそういう状況になれば飼える」という感覚。
could have a cat と言う言い回しを聞くと、フレンズファンだったら、Heckles さんの「飼おうと思えば飼えるさ」を思い出す人も多いかもしれませんね(笑)。
やろうと思えばできる フレンズ3-6その13 で、フレンズ1-16 のセリフ、
レイチェル: You don't even have cats. (ネコなんか飼ってないじゃないですか。)
ヘッケル: I could have cats. (ネコくらい飼えるさ。)
などの、Heckles さんの I could... シリーズをご紹介しています。

チャンドラーがモニカに語る将来の描写では、常に could が使われていますが、「もし、結婚資金を将来の生活のために残しておけたら、こういうことも可能になる、こういう生活ができる」という感覚から、「もし〜なら、…できる」のニュアンスで could が使われていることになります。

that had a bell の that は関係代名詞で、that 以下で、その前の先行詞 cat を説明しています。
have a bell on its collar は「首輪の上に鈴を付けている」。
we could hear it every time は「〜するたびに、それ(鈴、鈴の音)が聞こえる」。
it ran through の it は、ネコを指す代名詞。
its collar が its になっていたのもそれと同じですね。
普通、ペットのことを語る場合、その性別に合わせて、he/she を使い分けるのが常ですが、この場合はあくまで想像なので、ネコの性別がわからないから it を使っているということになるでしょう。
チャンドラーに、「メス猫を飼うつもりだ」というような明確なビジョン(?)があるのなら、無意識のうちに she/her などの女性代名詞を使っていたところでしょうが、そこまでの具体的なイメージは今はまだ持っていないということですね。

チャンドラーは、もちろん、と言って、ガレージ(車庫)の上にアパートメントを持つ、と言っています。
また、where という関係副詞を使って、「そこでジョーイが grow old することができる」と説明していますね。
grow old は「大人になる、年を取る」ということですが、ジョーイはもう立派な大人なので(笑)、そこで「年を取っていける、年齢を重ねていける」みたいな意味になるでしょう。
ジョーイが安心して、老人になっていけるように、車庫の上にジョーイの住まいを用意するつもりだよ、ということです。
俺たち夫婦が、ジョーイの面倒を見てやらなきゃな、みたいに思っているわけですね。

そんな楽しい想像をチャンドラーはモニカに聞かせるのですが、それを聞いたモニカは、「私は大きくて豪華な結婚式は欲しくないわ」と言います。
私が言っていたような、豪勢な結婚式はしなくていい、ということですね。
Sure you do. は、Sure you want a big, fancy wedding. を省略した形。
「欲しくない」と言ったモニカに対して、「確かに、欲しいに決まってる」とモニカの発言を否定した感覚になります。

モニカは、No とはっきり否定して、I want everything that you've just said. と言います。
you've just said は「あなたがたった今言った」という意味の現在完了形。
「あなたが今言ったことすべてが欲しい」ということで、あなたが話して聞かせてくれたような結婚生活を私もしてみたい、と言っていることになります。
その後のモニカのセリフには感動してしまいますね。
I want a marriage. は「私は結婚が欲しい」。
それまでモニカは、wedding 「結婚式」をどんなに素敵にするか、ということにばかりこだわっていたわけですが、本当に私が欲しかったのはそういう「結婚式」じゃなくて、「結婚」そのものなのよ、ということです。
豪華な結婚式ができなくなってもいいから、あなたが計画しているそういう結婚生活を私もしてみたいわ、と言っているわけで、結婚式という晴れの舞台のことで頭がいっぱいだったモニカが、本来の「結婚」の意義や意味に気づいた瞬間と言えるかもしれませんね。


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posted by Rach at 08:41| Comment(6) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
更新御苦労さまです。

子供の内訳に関してですけど、もしかしたら生まれる順で言ってるんではないんですかね?
自分も最初はわざとなぜ男の子を別にして言うのか悩んでたんですが、それならしっくりくる感じがしました^^
Posted by fred at 2012年10月16日 21:22
fredさんへ
温かいねぎらいのお言葉、ありがとうございます。

おっしゃる通り、「生まれる順」ですよね。私の記事の書き方がわかりにくかったのですが、私も「生まれた順で言っているんだな」とは思ったのです。

「男の子、双子の女の子、男の子」という「順番」ということですが、それを頭にイメージして、英語で言おうとした場合に、「単数、複数に気を付けなきゃ」という思いから(笑)、A boy, twin girls までは同じように出てくると思うのですが、その後(もし自分だと) a boy と言ってしまいそうな気がしたので、a boy じゃなくて、another boy という「”あともう一人は”男の子」という表現が、生きたセリフっぽいなぁ、確かに日本語でも「あともう一人は」とか言うよなぁ…と思って、上のような記事を書いた…ということでした。
わかりにくい書き方ですみませんでした。

「二男二女」という「内訳」を言うのではなく、「順番通りに挙げて行った」ところに、このセリフのポイントがある、ということですよね。

貴重なご意見、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2012年10月17日 17:30
こんばんは。
このシーンはこれまでの結婚式に対する壮大な理想を語っていたモニカとcommitmentを避けていたチャンドラーを知っているから感動出来ますね。

ところで最近のフィービーの破天荒さが鼻につくようになってきました(笑)前はもうちょっと天然で奔放でミステリアスな雰囲気が魅力的だったんですが、最近のフィービーは天然を利用して失礼なことを平気で言ったりしたりするキャラになってしまってる気がします(^^;;
Don't you think that?
Posted by かもお at 2013年05月02日 01:12
かもおさんへ
コメントありがとうございます。

この二人のやりとりもいいですよね。二人がとっても大人に見えた瞬間でした。

フィービーのキャラ描写に関しては、I couldn't agree with you more. 「これ以上あなたに同意することはできない」→「(これ以上ないほど)完全同意」です^^

ストーリーの流れ上、失言させて、話をかき回すキャラが必要なので、それを主にフィービーが担っているわけでしょうが、これ以降のシーズン7でも、「それは言っちゃいかんやろ」的なセリフがまた出てきます。フレンズ内では、ロスとレイチェル、チャンドラーとモニカ、という「(元を含む)恋愛カップル」が存在するので、どうしてもそこから外れたジョーイとフィービーは、ボケるか、(秘密を)バラすか、という傍観者的立場になってしまう、ということなのでしょうね。
Posted by Rach at 2013年05月02日 15:39
Rachさん

ここのシーン、ホント感動的でしたね〜
チャンドラーもモニカもとってもいいカップルで、モニカがとても女らしく見えました。このシーンのセリフが字幕なしでも大体聞き取れたことも余計にそう思えたのかも。フレンズ積み重ねてこういうのが増えていくと嬉しいなぁ!
ここ観ていてもう一回結婚したくなっちゃった(爆)
Posted by やっちん at 2015年04月15日 20:36
やっちんさんへ
コメントありがとうございます。
このシーンは、実に感動的でしたよね〜。チャンドラーとモニカのカップルは、見ていて微笑ましいですよね。「観ていて、もう一回結婚したくなっちゃう」気持ち、よくわかります^^

おっしゃるように、字幕なしでも聞き取れたりすると、感動もひとしおですよね。これからもそんな感じで、楽しみながら続けていただければ私もとても嬉しいです(^^)
Posted by Rach at 2015年04月17日 18:15
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