2012年10月15日

男3人がかりで船を入れる フレンズ7-3その1

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は5位、「にほんブログ村」は9位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


シーズン7 第3話
The One With Phoebe's Cookies (秘伝のクッキー・レシピ)
原題は「フィービーのクッキーの話」


チャンドラーとモニカの部屋に、ジョーイが入ってきます。
ジョーイ: (entering) Ahoy! ([入ってきて] アホイ[よお]!)
チャンドラー: Hey! How's the boat?! (よお! 船はどう?)
ジョーイ: Great! I'm really getting into this sailing stuff. (最高! 俺はほんとにこのセーリングってやつにハマってるんだ。)
モニカ: Oh, so you finally took it out of the marina, huh? (あぁ、それじゃあ、ついに船をマリーナから出したのね?)
ジョーイ: Why would I do that? It took three guys to get the thing in there! (どうして俺がそんなことをするんだよ? そいつをそこに入れるのに男3人がかりだったんだぞ!)
フィービー: If you don't sail your boat, what do you do on it? (自分の船を走らせないなら、船の上で何をしてるの?)
ジョーイ: Oh, it's great! It's a great place to just kinda, sit, hang around, drink a few beers, eat some chips. (He says that as he sits, hangs around, drinks a beer, and eats a chip.) (あぁ、最高なんだよ! 最高の場所なんだ、ほら、ちょっと、座って、のんびりして、ビールを2、3本飲んで、チップスを食べるのにね。[ジョーイがそれを言う時、ジョーイは、座って、のんびりして、ビールを2、3本飲んで、チップスを食べている])
チャンドラー: Well, it's good that you finally have a place to do that. (ふーん、良かったな、ついにそういうことをする場所が持てて。)

ジョーイは、部屋に入ってくる時、Ahoy! と挨拶しています。
ahoy というのは、船に乗っている人がよく使う挨拶。
研究社 新英和中辞典では、
ahoy 【間】
次の成句で.
Ahoy there!
《戯言》 おーい君! 《遠くにいる人間への呼び掛け》
Ship ahoy!
〔海〕 おーい! 《遠方の他の船を呼ぶ声》

と出ています。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
ahoy [interjection] (old-fashioned) : used by sailors to get someone's attention or greet them
つまり、「(間投詞、古風な言葉) 誰かの注意を引いたり、誰かに挨拶するために、船乗りによって使われる」。

その他のドラマでも、この挨拶を聞いたことがあります。
シットコム「フルハウス」の 1-5 「海は恋の予感」(原題:Sea Cruise)。
ダニーの提案で、男3人で夜釣りをしようとするシーンで、
ダニー: Ahoy, mateys. There she be. Neptune's Bride. The finest lady to sail the seven seas. (おーい、みんな。彼女だ。ネプチューン・ブライド号。7つの海を渡る貴婦人だよ。)
というセリフが出てきました。
これも、船の男っぽく、船乗りが使う言葉を真似して雰囲気を出しているわけですね。
ちなみに、船の代名詞はいつも「彼女」という女性名詞が使われます。
私の好きなスタートレックに出てくるような「宇宙船」も(やはりあれも船(spaceship)なので)、代名詞は she が使われていました。

フルハウスのダニーのセリフの、mateys という呼び掛け語も、船乗りがよく使う言葉で、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のセリフにも出てきます。
それについては、過去記事、所有格のme (possessive me) フレンズ6-4その2 で解説しています。

アホイの説明がアホ(い)ほど長くなってしまいましたが(笑)、ジョーイがそんな風に、船乗りっぽく挨拶したので、チャンドラーも即座に、「そういや、例の船はどんな感じ?」と尋ねているわけですね。
Ahoy があるからこそ、How's the boat? という質問が唐突でなくなる、という仕組みです。

I'm really getting into は「俺はほんとに〜にハマってる」という感覚。
フレンズでは、I'm into のように、into だけで使うことも多いですね。
into でも「入り込む」という感じは十分に出ますが、get into のように句動詞の形の方が「入り込むという動き」が余計に感じられる気はします。

「セーリング、船を走らせること」にハマっちゃってさ、みたいに言うので、モニカは、「それじゃあやっと、船をマリーナから出せたのね?」と尋ねます。
がジョーイは、「何で俺がそんなことをしたりするんだよ?」みたいに言っていますね。

It took three guys to... を直訳すると、「…するのに3人の男を必要とした、3人の男手が必要だった」みたいな感じ。
この take は「…するのに(時間・金・労力)がかかる、を必要とする」という意味ですね。
もう少し日本語らしくすると、「…するのに、男3人がかりだった」という感じになるでしょう。

船を楽しんでるみたいに言っているのに、船はマリーナに入ったままって、一体何をしてるわけ?とフィービーは尋ねています。
ジョーイは、最高なんだよ!と言って、It's a great place to... 「…するのに最高の場所なんだ」と言っていますね。
その後、sit, hang around... という内容が続きますが、直後に出てくるト書きを読むと笑ってしまいますね。
船の上では、「座って、のんびりして、ビール飲んで、チップス食べて」ってのができて最高なんだよ、と言いながら、それを言っているジョーイは今、「座って、のんびりして、ビール飲んで、チップス食べて」いるわけです。
ト書きでは、これでもか!というくらいに、ジョーイが言った言葉をそのまんまト書きにして、「全く同じことを今ここでもしているんだけど…」ということを描写しています。
こんなことができて最高!と言っていることを、実は毎日この部屋でやってるじゃんか!と誰もがツッコミを入れたくなるのに、それに気付かぬは本人ばかりなり…という面白さですね。
その後のチャンドラーのセリフが、これまた楽しいです。
「そんなこと、いつもここで、まさに今ここでもやってるじゃん」とツッコむのではなく、「そういうことができる場所が、”ついに・やっと(finally)”できて、良かったねぇ」と皮肉っぽく言っているのが、チャンドラーらしいですね。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 10:48| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。