2012年10月17日

原本とコピーを離して保管 フレンズ7-3その2

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フィービーから「婚約祝いには何が欲しい?」と聞かれたモニカは、「フィービーのおばあちゃん特製チョコチップ・クッキーのレシピが欲しい」と言います。
門外不出だと言いながらも、「自分の子供に作ってやりたくて」と言われたことに心を打たれ、そのレシピをプレゼントすることに決めたフィービーでしたが…。
(Phoebe enters, walks up to Monica, and exhales exasperatedly.)
フィービーが部屋に入ってきて、歩いてモニカに近づいてくる。憤慨した様子で息を吐いて、
モニカ: What's wrong, Phoebe? (どうしたの、フィービー?)
フィービー: I just went to my old apartment to get you the-the cookie recipe and the stupid fire burned it up! (私、例のクッキーレシピをあなたにあげるために、前に住んでいたアパートメントに行ってきたんだけど、あのバカな火事でそれがすっかり焼けちゃってたの!)
モニカ: No!! Why didn't you make a copy and-and keep it in a fireproof box and keep it at least a hundred yards away from the original?!! (そんな! どうしてあなたは、コピーを取って、それを耐火製の箱に入れて、その箱をオリジナル(のレシピ)から最低100ヤードは離しておかなかったの?)
フィービー: (pauses as she figures out how to answer that) Because I'm normal! That was the one legacy my grandmother left me. And I know you wanted it as an engagement present. ([それにどう答えるかを考えて、しばらく沈黙して] だって私はノーマルだもの! あれは私のおばあちゃんが私に残した(たった)1つの遺産(形見)だったのに。そしてあなたがそれを婚約プレゼントとして欲しがってたこともわかってるのに。)
ロス: Oh, we have to get you an engagement present? (あぁ、僕たちは君らに婚約プレゼントを買ってあげないといけないの?)
チャンドラー: Don't worry about it, Pheebs. (気にしないでよ、フィービー。)
ロス: No one got me an engagement present. (誰も僕に婚約プレゼントをくれなかったのに。)
フィービー: Okay, here, I don't have the recipe, but here. I wish you health and happiness. (She hands Monica a cookie in a plastic baggie.) (いいわ、私はそのレシピは持っていないけれど、でも、これを。あなたの健康と幸せを祈ってる。[フィービーはモニカに、小さなビニル袋に入った1枚のクッキーを手渡す])
チャンドラー: An old cookie? (古いクッキー?)
モニカ: (To Chandler) This is what happens when you don't register for gifts! ([チャンドラーに] ギフト登録しないと、こういうことが起こるのよ!)

部屋に入ってきたフィービーは何かに憤慨している様子。
モニカが尋ねると、「(火事になった)前のアパートメントに行ったら、その火事でレシピが焼けちゃってた」と言います。
to get you the cookie recipe は、「例のクッキーレシピをあなたにあげるために」、the stupid fire burned it up! は、「あのバカな火事がそのレシピを、焼き尽くしてしまった、灰にしてしまった」という感覚。

婚約プレゼントとして、秘伝のクッキーレシピをもらうことを望んでいたモニカは、レシピの持ち主だったフィービー以上に、そのことにキレています。
その後の、長台詞(ながぜりふ)は、早口モニカの真骨頂という感じですね。
Why don't you...? であれば、「なぜ…しないの?」であることから、「…したらどう?」という提案・勧誘を表すフレーズになりますが、今回の Why didn't you...? は直訳通り、「なぜ…しなかったの?」という意味になり、今回のモニカのように、キツく相手を責め立てる感じで言うと、「本来なら…すべきだったのに、どうしてあなたはそれをしなかったの?!」と、相手の過去の行動を非難するフレーズになります。

その「どうしてあなたは…しなかったの?」の内容が、やたらと細かくて長いのが面白いですね。
make a copy は文字通り、「コピーを作る、コピーを取る」で、「どうしてコピーを取っておかなかったの?」というのは、まだ普通の話ですが、その後は、
keep it in a fireproof box 「それ(そのコピー)を耐火性の箱に入れて」
keep it at least a hundred yards away from the original 「それ(その箱)を、オリジナル(のレシピ)から少なくとも100ヤード離れたところに保管する」
ということを、どうしてあなたはしなかったの?!とフィービーを非難しているわけですね。
コピーを作った後、同時に火災に遭わないように、耐火性金庫などに入れて、オリジナルの原本と距離を離して保管しておくべきだったのに、ということです。

そんなことを一気にまくしたてられたフィービーは、一度にたくさんのことを言われて戸惑っている様子。
いろいろ頭を巡らせているのが表情からもわかります。
やっと口を開いたフィービーのセリフ、Because I'm normal! 「だって私はノーマルだもん。だって私は普通の人間だもん」というのも楽しいですね。
火災の可能性を考えて、そこまで万全な対策を取ることを考えるモニカは異常(abnormal)だ、と暗に言っていることになるでしょう。

私のおばあちゃんが私に残した(left)、(たった)1つの形見なのに、モニカが婚約プレゼントとしてそれを欲しがっていたことも知ってるのに…と言って、フィービーはその大事なレシピが焼けてしまったことを残念がっています。

そばでその話を聞いていたロスは、「僕たちはチャンドラーとモニカに婚約プレゼントをあげないといけないの?」と尋ねています。
その後に、「誰も僕に婚約プレゼントをくれなかったのに」と言っていることからもわかるように、「僕には誰もくれなかったのに、チャンドラーたちにはあげるのか? そんなの不公平だ」と思っていることがわかりますね。

フィービーは、「あなたの健康と幸せを祈る」というお祝いの言葉と共に、ビニル袋に入ったものを差し出します。
中に入っていたのは、クッキーだったので、「(それって)(ずっと前に作った)古いクッキー?」とチャンドラーは不審そうな顔で尋ねます。
その後の、モニカのセリフは、register for gifts の部分がポイントですね。
これは、過去記事、お祝いギフトを登録する フレンズ6-1その5 でも説明した、gift registry system (ギフト登録制度)というシステムのこと。
registry や、bridal resistry などとも呼ばれます。
これは、「結婚や出産などのお祝いをもらう立場にいる人が、あらかじめ大型店舗に自分の欲しい商品を登録しておいて、贈り物を贈る側の人が、そのリストの中から商品を選んでプレゼントする」というシステムで、「フレンズ」のプレゼントにまつわる話では、ジョークがらみでよく登場する言葉です。

このシステムは、希望商品を先に登録しておくことで、「自分が欲しいと思っているものをもらえる、相手が喜ぶものをプレゼントできる」という双方に利点がある(win-win な)ところが魅力です。
モニカが「ギフト登録しておけばこんなことにならなかったのに」みたいに言っているのは、「レシピが焼けちゃったせいで、こんな欲しくもない、古びたクッキー1枚をプレゼントとしてもらうことになっちゃったわ」とボヤいているのですね。


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posted by Rach at 15:36| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさんこんにちは。いつも解説ありがとうございます。
このbridal registryって懐かしいです。昔アメリカに行って初めて友達の式に呼ばれた時、Macy'sでやりましたが、遅く行ったせいかリストの大半が埋まり高そうなものと安そうなものしか残っておらず、結局安いものを2つ選んだのですが、送り主を表示するので、合理的だけど日本人感覚では何となくやりにくいシステムだなと思いました。次の機会は中国系の人の式だったので、3名で一緒にお金にして渡しました。(そちらのほうが気が楽)
20年前のことですが、今はどんな感じなのでしょうね?
Posted by koroyakun at 2012年10月19日 13:45
koroyakunさんへ
コメントありがとうございます。
アメリカでの実体験に基づく貴重なお話、いつもとても参考になります。ありがとうございます。

「合理的だけど日本人感覚では何となくやりにくいシステム」というのは、おっしゃる通りですね。
私も、例えば出産祝いなどでいただいた服やオモチャなどは、「これは誰々さんがくれた」と結構覚えているので、やはりお金よりも品物の方が印象深いようには思うのですが、それは「その人がこれがいいだろうと選んでくれた」という意識があるから、「あの人らしい」と思ったり、「こんな品物を選んでくれるなんて意外」みたいなことと絡んで、余計に忘れにくいわけですよね。

bridal registry の場合は、品物を送ったとは言っても、どちらかと言うと、「欲しいものを買うためにお金をカンパした」感覚に近い気がするので、もらった方は「この品物を誰からもらったか」をそれほど鮮明に記憶していないかも、と思ったりします。お祝い品は重なることも多いですし、欲しいもの・必要なものをまんべんなくいただけるのはやはりありがたいので(笑)、合理的で便利なシステムなのは間違いないですが、日本ではこれはあまり流行らないだろうな、とは思いました。お金で渡す方が絶対に楽ですよね。:-)

フレンズでは、この bridal registry ネタのセリフがかなり多かったですが、他のドラマではそれほど見かけない気もします。フレンズもちょっと前のドラマなので、今のアメリカではどんな感じなのでしょうね? 今でも当たり前のように行われているのか、私も興味あります。

有益な情報、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2012年10月19日 15:54
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