2012年10月24日

おばあちゃんが見上げてる フレンズ7-3その5

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フィービーのおばあちゃんのチョコチップ・クッキーのレシピを、婚約祝にもらおうと思っていたモニカでしたが、そのレシピは火事で焼けてしまいました。
そこで、シェフであるモニカは、試作品をたくさん作って、何とかそのレシピを解明しようとするのですが、失敗続きでうまくいきません。
フィービー: Y'know, I bet it would actually make my grandmother really happy to know that we're trying to figure out her recipe. I bet she's l-l-lookin' up at us and smiling right now. (ねぇ、私たちがおばあちゃんのレシピを解明しようとしてるってことを知ったら、おばあちゃんは本当に喜ぶと思うわ。きっと、おばあちゃんは私たちを見上げて、ちょうど今笑ってると思うの。)
ロス: Looking up? (見上げてる?)
フィービー: Oh yeah - No, she was really nice to me, but she's in hell for sure. (ええ、そうよ。違うの、おばあちゃんは本当に私に優しかったの。でも、間違いなく地獄にいるわ。)
モニカ: Well, I've tried everything. I give up. I guess I'm not gonna be the mom who makes the world's best chocochip cookies. I do make the best duck confit with broccoli raab. Kids love that, right? (あぁ、私はあらゆることをやってみたわ。もうあきらめる。世界で一番のチョコチップクッキーを作るママにはなれないわ。最高の「鴨のコンフィのブロッコリー・ラーブ添え」は作るけど。子供ってそういうの大好きよねぇ?)

I bet は「きっと〜だと思う」という感覚。
フィービーは、I bet を何度も使って、「レシピの持ち主であったおばあちゃんは、きっと〜よ」と語っています。
it would actually make my grandmother... の文はかなり長いですが、構造をシンプルにすると、to know that 「that 以下だと知ること」が、実際に、おばあちゃんを幸せにするだろう、ということになります。
レシピが火事で焼けてしまったことで、シェフであるモニカは、試作品をたくさん作り、フィービーやロスがそれを試食して感想を述べる、ということを何度も繰り返しているわけですが、そうやって「実際のレシピがどんなものであったか」を私たちが突き止めようとしていることを知ったら、きっとおばあちゃんは幸せな気持ちになるでしょうね、と言っているわけですね。

その後の、she's lookin' up at us and smiling right now. という発言に、ロスは引っかかったようで、Looking up? 「見上げてる、って?」と聞き返しています。
普通は、亡くなった人のことを語る場合、「きっとおばあちゃんは、”空の上から”私たちのことを見てくれてるわよ、下の私たちを見てるわよ」のように、死者は「上」にいて、「上から私たちを見下ろしている」 look down at us と表現するはずです。
それを、「おばあちゃんが私たちを”見上げている”」とフィービーが言ったので、「じゃあ、君のおばあちゃんは、天国じゃなくて地獄にいるわけ?」という意味で、ロスは問い返したのですね。

フィービーは、ロスの意図を悟って、「ええそうよ(地獄にいるわ)。(そんなにひどい人だったのかと思うかもしれないけどそれは)違うの、私にとってはすっごくいいおばあちゃんだったんだけどね」と言いながらも、「でも、間違いなく、おばあちゃんは地獄にいるわ」と、はっきり言い切ってしまうのが、フィービーっぽいところです。
孫の私にはいい人だったけど、他人にはいろいろと恨まれるような人だったの、と言っている感じです。

このやり取りが面白いのは、最初ははっきりとは地獄(hell)という単語を使わず、ただ「見上げている」と表現したところ。
「見上げてる…ってことは、地獄にいるの?」という連想をさせて笑いを取る、という面白さです。
私たちが英語で見ている場合でも、この looking up の部分に引っかかって、ロスと同じように、Did you say, "looking up"? 「見上げてる、って言った?」みたいに、ツッコミを入れられるようになると「いい感じ」かな、と思います。
こそっと潜ませているジョークのフレーズに気づけるかどうか、というところがポイントですね。

モニカは、I've tried everything. 「あらゆることを、何もかもやってみた」と言って、I give up. 「もうだめ。降参。あきらめる」と言います。
私は「世界一のチョコチップ・クッキーを作るママになれないと思うわ」と絶望的な顔で言っていますね。
I do make the best... の do は動詞 make を強調していて、「世界一のクッキーは作らない(作れない)けど、世界一の…は(確かに)作る(作れる)」と言っている感覚になります。
そのメニューの内容はと言うと、duck confit with broccoli raab 。
duck 「アヒル、鴨」、broccoli 「ブロッコリー」という単語から、レストランのメニューにあるような、オシャレな料理であることはわかりますね。

先に raab の方から見ていきます。
この単語、ネットスクリプトでは、broccoli rabe、DVD英語字幕では、broccoli raab と表記されていました。
このように、いろいろな呼び名があるようですが、その野菜は一般的には、rapini と呼ばれているようです。
Wikipedia 英語版 : Rapini
そのウィキペディアの説明にも、also known as 「別名」として、broccoli rabé、raab という名前が出ています。
写真を見ていただくとわかる通り、緑の野菜です。

confit は「コンフィ」と発音されているように、フランス語が語源の言葉で、
Merriam-Webster Dictionary では、以下のように出ています。
confit
1 : meat (as goose, duck, or pork) that has been cooked and preserved in its own fat

つまり、「ガチョウ、アヒル、豚などの肉を、その油(脂肪)の中で(に漬けて)調理し、保存したもの」。

Wikipedia 日本語版: コンフィ では、その「コンフィ」という調理法について、日本語で詳しく説明されています。

ネットで、「ダックコンフィ」、「鴨 コンフィ」などで検索すると、レシピや画像もたくさんヒットします。
Wikipedia 英語版: Duck confit に出ている、2番目の写真が、Duck confit with salad という名前で、緑の野菜を敷いた上に、duck confit を載せています。
その野菜が、ウィキペディアに載っていた、broccoli raab の写真によく似ていますので、モニカの言っている料理は、まさにこういうイメージなのだろうと思います。

やはり、名前から想像された通りの、レストランのメインディッシュで出てくるような鴨料理、というところですね。
そういう自分の得意料理を挙げた後に、モニカは、Kids love that, right? と泣きそうな顔で言っています。
文字通りの意味は、「子供って、そういう料理が大好きよね?」と言っていることになりますが、泣きそうな顔で言っていることからもわかる通り、自分を慰めるため、自分にそう言い聞かせている、という感じであることがわかります。
そんな凝りすぎた料理、(大きくなってからならともかく)小さい子供が喜んで食べるわけない、と自分でもわかっているのですが、そうやって、自分は(シェフで)料理上手なママなのよ、と言うことで、なんとか、クッキーの件をあきらめようとしている、「子供が大好きな、世界一おいしいお菓子を作れるママになりたい」という希望が絶たれた悲しみから逃れようとしている、ということになるでしょうね。


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posted by Rach at 14:05| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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