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フィービーのおばあちゃん秘伝のチョコチップ・クッキーのレシピを解明しようとするものの、うまく行かないモニカたち。
ロス: Aww, Pheeb, come on, isn't there any relative that would have the recipe? What about, what about your sister? (あー、フィービー、ねぇ、そのレシピを持ってそうな親戚はいないの? 君のお姉さんはどう?)
フィービー: Oh no-no, no, I made a promise to myself that the next time I would talk to Ursula is over my dead body. And that's not happening ‘til October 15th, 2032. (あー、だめだめだめ。私は自分に約束したの、次に(姉の)アースラと話すのは、私が死んでからだって[私が生きている間には絶対にない、って]。そしてそれは 2032年の10月15日まで起こらないのよ。)
ロス: That's the day you're gonna die? See, darnit, I've got shuffleboard that day. (それが、フィービーが死ぬことになる日なの? ほら、残念だね、僕はその日はシャッフルボードがあるんだ。)
フィービー: That's what you think. (あなたはそう思ってるみたいだけど。)
ロスはフィービーに、「フィービー以外に、親戚とかでそのレシピを持ってる人はいないの?」と尋ねています。
そして、ロスは、フィービーの双子の姉(アースラ)のことを言っていますね。
これまでのエピソードで何度も語られてきたように、一卵性双生児でありながら、フィービーとアースラは非常に仲が悪いのです。
フィービーは、I made a promise to myself that 「私は自分自身に(that 以下)と約束したの」と言った後、the next time I would talk to Ursula is over my dead body. と言います。
これは、私がアースラと話す次の時(機会)は、over my dead body である、というような感覚。
over my dead body は「自分の目の黒いうちは誰が何と言っても絶対に…させない、私の生きている限りは絶対に…させない」という意味。
over 「…を越えて」ですから、直訳すると「私の死体を乗り越えて」ということです。
つまりは、「私が死んでから、もしくはそのことに反対している私を倒してから」という感覚でしょう。
日本語でも「俺の屍(しかばね)を越えてゆけ」みたいな表現がありますよね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
over my dead body: (spoken) used to say that you are determined not to allow something to happen
例) You'll marry him over my dead body!
つまり、「何かが起こることを許さない、と固く決心していることを言うのに用いられる」
例文は、「絶対にお前を彼とは結婚させない」。
「俺が生きている間は、絶対にお前を彼と結婚させない!」という意味ですね。
Macmillan Dictionary では、
over my dead body : (spoken) used for telling someone angrily that you will never allow something to happen
例) 'Half the money should be mine.' 'Over my dead body!'
つまり、「何かが起こることを決して許さない、と誰かに怒って言うために用いられる」。
例文は、「金の半分は俺のもののはずだ」「絶対にだめだ(そんなことは許さない)」。
over my dead body というフレーズは、過去のエピソードにも出てきました。
フレンズ2-24その4 で、俳優であるジョーイが、男性とキスする役をゲットしたいがために、練習相手としてロスの方を見た時、
ロス: Over my dead body. (絶対にいやだ。[僕を倒してからにしてくれ。])
今度は矛先がチャンドラーに。
チャンドラー: And I'll be using his dead body as a shield. (そして俺はロスの死体を盾として使うぞ。)
このやりとりは、いかにも「フレンズ」的で、私も拙著の「イディオムとジョークの関係」という項目で説明に使ったほどなのですが、over my dead body というイディオムの、dead body 「死体」という文字通りの意味をジョークに使っているわけですね。
今回のフィービーのセリフの場合は、「私が次にアースラと話すのは、私の死体を越えてから」みたいな感じですから、「生きている間はもうアースラと話さないと自分に約束したの」と言っていることになります。
over my dead body は「私が生きてるうちは絶対に起こらない、絶対にそんなことを起こさせない」みたいな意味で、never を大げさに表現している感覚ですが、その後、「それは 2032年10月15日まで起こらない」と言っているのが、オカルトっぽいことの好きなフィービーらしいセリフになっています。
「生きているうちには決して起こらない」→「それが起こるとすれば、それは私の死後で、それは2032年10月15日になる」みたいなことを言っているわけです。
つまり、フィービーは自分が死ぬ日を、2032年10月15日だと今の時点で断言しているわけですね。
普段から霊感が強く、そういう話をよくするフィービーなので、このセリフも彼女のキャラらしい発言になるわけです。
フィービーのセリフの意図を理解して、ロスは That's the day you're gonna die? 「それが、フィービーが死ぬことになる日なの?」と問い返しています。
See, darnit は「ほら、残念だね」という感覚。
映画や海外ドラマなどで、「くそっ!」「ちくしょう!」みたいな言葉で、よく、"Damn it!" ("Dammit." と表記されることもある)が使われますね。(「24」のジャック・バウアーもよく使います…笑)
が、動詞 damn は「呪う、罵る(ののしる)」という意味で、卑俗・下品な言葉とされているので、damn の代わりにその婉曲形として、darn が使われることがよくあります。
今回のロスのセリフも、まさにそれですね。
darnit は、darn it 、つまり、damn it の婉曲表現だということです。
ロスも darnit をさらっと言っていますから、「くそっ!」と言うほど激しい感じではなくて、「おや、それは残念」という程度の軽い感覚になるでしょう。
I've got shuffleboard that day. の have got は、have の感覚で、「(フィービーが死ぬという2032年の)その日に、僕は、シャッフルボードがあるんだ」と言っていることになります。
シャッフルボード(またはシャフルボード)については、以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版 : シャフルボード
シャフルボード(英語: shuffleboard)は、細長いコートの上でディスク(円盤)を押し出し、「ダイアグラム」と呼ばれる得点盤上に到達させてその得点を競うニュースポーツ。
Wikipedia 英語版 : Shuffleboard の説明は以下の通り。
Shuffleboard ... is a game in which players use broom-shaped paddles to push weighted pucks, sending them gliding down a narrow and elongated court, with the purpose of having them come to rest within a marked scoring area.
つまり、「シャッフルボードは、プレイヤーが、ほうきの形をしたパドルを使って、重さのあるパックを押し、狭くて細長いコートを滑らしながらパックを送るゲーム。印のつけられた得点エリア内に留まるようにするのを目的とする」。
英語版ウィキペディアの写真では、白髪の方がゲームをプレイしている画像が載っています。
ロスがこの競技名を挙げたのは、「高齢者に人気のスポーツ」というイメージからなのでしょうね。
日本だとこういう場合は、「ゲートボール」が出てくる気がします。
ロスは、フィービーのオカルトっぽい話は理解できないタイプの人なので、フィービーが自分の死ぬ日を正確に予言したことについて、ジョークで返したわけですね。
「私はその日に死ぬのよ」と知っているかのように言うので、「残念だな、フィービーが死ぬ日に、僕は先約が入ってる。(高齢になった)友人たちと、シャッフルボードをする予定なんだよ」とからかったわけです。
そんなの言ったもの勝ちじゃん、僕だって「その日は予定がある」とか言えちゃうよ、みたいなことですね。
それで会話が終わりかと思いきや、フィービーは、"That's what you think." と不吉なことを言っています。
直訳すると、「それ(あなたが今言ったこと)は、あなたが思う・考えること」。
つまり、「あなたがそう思ってるだけで、実際には違うわよ」と言っていることになります。
日本語にすると、「あなたはそう思ってるみたいだけどね」「あなたがそう思ってるだけよ」みたいな感覚になるでしょう。
その後、ロスはギョッとした顔をしていますね。
フィービーは、「実際には、ロスは2032年にシャッフルボードをしない」と言っていることになり、それはただ、「その日にそのゲームをしない」と言っているだけとも取れますが、もっと深読みすると、「あなたはその時、もうこの世にいない」と言っているようにも聞こえます。
フィービーの発言をジョークだと捉え、それに悪乗りした形のロスでしたが、図らずも、「あなたはその時、もう死んでる」みたいに言われてしまった、というオチですね。
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シーズン7にやって来ました(^^)
Over my dead bodyはチャンドラーのジョークのお陰で頭にしっかり残っていますね。この表現だけでNoの意味が含まれているんですね。you will marry him over my dead body でdon't marry himの意味になるのが少し意外でなかなか使うのが難しいです。
フィービーとロスはお互い信念が真逆なので言い争いのシーンは面白いですよね。進化論について口論してたシーンを思い出しました(^^)
こんにちは。コメントありがとうございます。
ようこそシーズン7 にお越し下さいました(^^)
フレンズ2-24 での Over my dead body. を使ったジョークは、本当に「フレンズらしい」ものでしたよね。no, not などの否定語なしで、そういう意味を表現するところも、非常に興味深いです。
フレンズ2-3 の進化論についての二人のやりとりも面白かったですよね。むきになるロスと、それを軽くあしらったりするフィービーのキャラが、ほんと絶妙だと思います。
過去のセリフが思い出されたり、昔のやりとりを彷彿とさせたり、というところは、キャラ立ちがしっかりしているシリーズ物ならではの楽しみ方だと言えそうですね。