2012年11月05日

輪をくぐり抜けてジャンプする フレンズ7-4その4

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ジョーイは以前、ソープオペラ(昼メロ)の「愛の病院日誌」(Days of Our Lives)にドクター・ドレイク・ラモレーとして出演していたのですが、スタッフとトラブルがあって、降板させられてしまいました。
ですが、今度は、ラモレーの双子の弟ストライカー役のオファーがあった、と喜んでいます。
そして、Days of Our Lives のスタッフの事務所を訪れるジョーイ。
ジョーイ: Been a while, huh? Wow, it's funny, these halls look smaller than they used to. (久しぶりだよな? わぁ、面白いよね。この廊下が前より小さく見えるよ。)
テリー: It's a different building. (違うビルだよ。)
ジョーイ: So! Stryker Remoray, huh? When do you want me to start? (それで、と! ストライカー・ラモレーね? 俺にいつ始めてほしい?)
テリー: Why don't we start right now! (今すぐ始めようじゃないか!)
ジョーイ: Okay. (オッケー。)
テリー: Here are the audition scenes. (Holds out the script.) (これがオーディションのシーンだ。[脚本を差し出す])
ジョーイ: (looking between the pages and him) Audition? I thought you were gonna offer me the part. ([そのページと彼を交互に見て] オーディション? 君は俺にその役をオファーするつもりだと思ってたのに。)
テリー: Why would you think that? (どうしてそんな風に思ったりするんだよ?)
ジョーイ: Well, I was Dr. Drake Remoray, Stryker's twin brother. Who looks more like me than me, right? (うーん、俺はドクター・ドレイク・ラモレーだった。ストライカーの双子の兄のね。俺より俺に似ているのって誰だよ? だろ?)
テリー: Everybody has to audition. (誰でもオーディションを受けないといけないんだよ。)
ジョーイ: Y'know, Terry, I-I don't really need to do this. I got my own cable TV series, (Pause) with a robot. (ほら、テリー、俺はこれをするのを(この役を演じるのを)そんなに必要とはしてないんだ。自分自身のケーブルテレビのシリーズを持ってるから。[間があって] ロボットとね。)
テリー: I'm sorry, Joey. That's... that's the way it is. (ごめんよ、ジョーイ。そういうもんなんだよ。)
ジョーイ: Well, I guess you think you're pretty special, huh? Sittin' up here in your fancy, small-halled building, makin' stars jump through hoops for ya, huh? Well, y'know what? (Throws the script away) This is one star whose hoop-- This is the star that the hoop-- this hoop-- I was Dr. Drake Remoray! (うーん、君は自分をかなり特別だと思ってるみたいだね、だろ? この豪華な、狭い廊下のビルのここに座りながら、自分のために、スターに輪をくぐらせて、ね? ねぇ、[脚本を投げ捨てて] これは一人のスターなんだ、そのスターの輪が… これはスターなんだ、輪が… この輪が…俺はドクター・ドレイク・ラモレーだったんだ!)

Been a while. は「久しぶりだね」という感覚。
文の形にすると、It's been a while since... 「…してから随分長い時が経った」ということですね。
It's been a while since we saw each other. なら「前に会ってから随分経つ」という意味になります。

it's funny, these halls look smaller... は、「この廊下が小さく見えるなんて面白いねぇ」というニュアンス。
smaller than they used to は「かつてそうであったよりも小さい」ということ。
ジョーイとしては、「すごく久しぶりに訪れたから、何だか廊下が前より小さく見えちゃうよ、それって面白いよね」と言っているわけですが、それに対してテリーが、「違うビルなんだけど」みたいに言うのに笑ってしまいますね。
違って見えて当然じゃん、別のビルなんだから、ということで、事務所が移転して、別のビルに移ったことにも気付かないジョーイのオトボケぶりがここでわかるわけですね。
普通は、来る途中で、前の住所と違うな、と気づくやろっ!とツッコミたいところです。

ジョーイは、So! Stryker Remoray, huh? と言っていますが、この So! というのは、「ビルが違うんだけど、気付かなかったのか?」みたいに言われてしまった気まずい空気を変えるために、「さて!」「それで…と!」みたいに、話題を変えようとしている感覚になります。

「いつ始めて欲しい?」「今すぐ始めようじゃないか」となるのですが、テリーは「これがオーディションのシーンだ」と言って、1冊の脚本を差し出します。
ジョーイは「え?」という感じの驚いた顔で、脚本とテリーの顔を交互に見ています。
I thought you were gonna... は「君は…するつもりだと思ってたのに」。
「思ってた」という過去形が使われていることで、実際にはそうじゃなかったのか、役をオファーしてくれたわけじゃなかったのか、と言っていることになります。
「どうしてそんな風に思ったりするんだ?」と聞かれたジョーイは、自分はストライカーの兄ドレイクを演じていた。俺より似てるやつって誰だよ、俺しかいないだろ?みたいに答えます。
今回の役はジョーイが前に演じていたドレイクの双子の弟なので、ドレイクとそっくりなはず、俺より俺にそっくりな人間なんかいないだろ、俺で決まりだろ、と言いたいのですね。

Everybody has to audition. は「誰もがオーディションを受けなければならない」。
「オーディション」という日本語にもなっていますし、-tion という語尾から名詞のイメージが強いですが、audition はこのように自動詞「オーディションを受ける」という意味でも使えます。「オーディションを行なう」という意味にもなります。

俺以外にいるはずないのに、わざわざオーディションをするなんて…と気分を害したジョーイは、「俺は別にこんなことしなくてもいいんだ。自分自身のケーブルテレビの番組を持ってるんだ、それもロボットとのね」と自慢するように言っています。

That's the way it is. は「そういうもんなんだ。それが現実なんだ」というニュアンス。
そう言われて、ジョーイはカチンときてしまい、怒ったようにまくしたてています。
君は自分を何か特別な人間だとでも思ってる? みたいに言って、sittin' up... making... と続けています。
この -ing 形は、分詞構文のニュアンスですね。
豪華なビルの中にあるこの部屋に座りながら、スターを jump through hoops for ya させてちゃってさ…みたいな感覚になります。
fancy は「派手な、しゃれた」「高級な、豪華な」というニュアンスになるでしょう。
fancy と言いながらも、small-halled 「廊下の小さな」みたいな言葉を入れているのが、ジョーイなりの小さな抵抗ですね(笑)。
make stars jump through hoops for ya を直訳すると、「自分のためにスターに輪をくぐってジャンプさせる、ジャンプして輪をくぐり抜けさせる」。
その情景を眼に浮かべるとわかるように、これはサーカスで、猛獣使いが動物に命じて、輪をくぐらせるイメージですね。
猛獣使いがムチなどを使って動物に命令するように、テリーも俳優を動物みたいに自分の思うままに動かしてる、と言いたいわけですね。

英辞郎では、
jump through a hoop
【1】(サーカスなどで動物が)ジャンプして輪をくぐり抜ける
【2】どんな命令にも従う、試練を経る、苦労する、たとえ火の中水の中どんなことでもする


LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
jump through hoops : to do a series of things that are difficult or annoying in order to achieve something
例) They'll have to jump through a lot of hoops to prove we can trust them.

つまり、「何かを成し遂げるために、難しかったり、うっとうしかったりする一連のことをすること」。
例文は、「私たちが彼らを信用できると証明するために、彼らはたくさんの試練を経なければならないだろう」。

こんなビルでふんぞりかえって、スターにあれこれ命じて威張ってる、みたいなことを言った後、ジョーイは脚本を投げ捨てて、hoop がどうのこうのと言っています。
hoop のところで言葉に詰まっては、何度も言い換えていますが、これは、hoop という単語を使って、「俺はそんな風に人に命じられて輪をくぐるようなスターじゃないんだ」みたいなことを言い返したいけれど、うまく言葉が作れない、みたいな感じですね。
言葉が出てこなくて結局は、「俺はドクター・ドレイク・ラモレーだったんだ!」と言うしかないところに、hoop を使った上手い言い回しを使って反論できない、ジョーイらしさが出ているなと思いました。


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posted by Rach at 14:27| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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