2012年11月09日

私なら彼女に近づかない フレンズ7-4その6

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お互いの過去の秘密の暴露合戦を続けていた、ロス、チャンドラー、モニカたちですが、そんな不毛な暴露合戦にも疲れてきたようで…。
チャンドラー: Y'know when I said that because we're getting married that we should share everything and not have any secrets? (俺たちは結婚するんだから、何でもシェアして、秘密を少しも持たないようにすべきだと俺が言った時のこと、覚えてる?)
モニカ: Yeah? (ええ。)
チャンドラー: Yeah, that was stupid. Let's not do that. (ああ、あんなのはばかげてる。そんなことはしないようにしよう。)
モニカ: Ohh, absolutely. (ええ、もちろん。)
ロス: And! We should keep all the stuff we told each other secret from everybody else. (じゃあ! 僕たちは、僕らがお互いに言ったすべてのことを他のみんなからは秘密にしておくべきだね。)
モニカ: Yeah, definitely! (ええ、もちろん!)
ロス: Okay, (gets up) if you'll excuse me, I-I'm gonna go hang out with some people who don't know the Space Mountain story. (よし、[立ち上がる] 失礼させてもらえるなら、僕はこれから、スペース・マウンテンの話を知らない人たちと一緒に過ごしに行くよ。)
モニカ: Then I'd steer clear of Phoebe. (そういうことなら、私ならフィービーに近づかないわ。)
ロス: Man! (Monica mouths, "I'm sorry.") (なんてこった! [モニカは声には出さずに口で「ごめん」と言う])
チャンドラー: Yeah, and not that you would, but I wouldn't hang out with... all the guys in my office. (ああ、そして、ロスがそうするだろう、ってわけじゃないけど、俺ならあいつらと一緒にいないな…俺の会社の全ての男とはね。)
(Ross storms out.)
ロスは怒って飛び出す。

チャンドラーはモニカに、「俺たち結婚するんだから秘密は持たないようにしよう、って言ったこと、覚えてる?」と言った後、「やっぱりそんなことはやめよう」と言い、モニカもそれに賛成します。
We should keep all the stuff... の文章は少し長いですが、keep all the stuff secret from 「すべてのことを(人)から秘密にしておく」が基本的な構造ですね。
all the stuff we told each other は「俺たちがお互いに話したすべてのこと」ということで、we told each other が、前の all the stuff に係っていることになります。

今まで言ったことは、他の人には内緒にしとこう!と話がまとまったところで、ロスは立ち上がり、「スペース・マウンテンの話(タコスを食べ過ぎておもらしした話)を知らない人と一緒に過ごすために出かけるね」と言って、出て行こうとします。

その後の、モニカのセリフは、I'd、つまり、I would という形がポイントです。
まず、steer clear of は「〜を避ける、に近づかない」という意味。
steer は車のステアリングのステアで、「舵(かじ)を操る、操舵する」という動詞。
そこから、「進路を〜に向ける」という意味にもなります。
音的にも、文字的にも似ていますが、steer の代わりに stay を使った、stay clear of でも同じ意味になります。
フレンズ2-22その12 では、
Stay clear of the salmon mousse. (サーモンムースに手を出さない方がいいですよ。)
という形で使われていました。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
steer/stay/keep clear (of something) : to avoid someone or something because of possible danger or trouble
つまり、「あり得る危険やトラブルのために、誰かや何かを避けること」。

つまり、steer clear of Phoebe とは「フィービーを避ける、フィービーに近づかない」という意味ですが、I'd を使うことで、「(もしそういうことなら)私ならフィービーに近づかない」と言っていることになります。
「スペース・マウンテンの話を知らない人と遊ぶんだ」と言ったロスに、「私ならフィービーに近づかないようにするわ」と言ったということはつまり、フィービーがその話を知っている、と言いたいのですね。
「フィービーに会ったら、その話を知ってる人と会うことになっちゃうわよ」と言っているわけです。
意味としては、「その話を知らない人と会いたいなら、フィービーには会うな」ということですが、「会うな」と命令するのではなく、「私ならフィービーには会わないようにするけどな」みたいに遠回しに言っているのがポイント、ということです。

「フィービーにその話をしゃべっちゃったのか!」というように、ロスは Man! 「なんてこった!」みたいに叫んでいますが、チャンドラーがさらに追い打ちをかけます。
Yeah, and not that you would は「そうだね、そして、ロスがそうするだろうってことじゃないけど」みたいな感覚。
It's not that... 「…というわけではないけれど」というニュアンスですね。
まさかロスがそうするとは思わないけどさ、俺なら〜しないだろうな、と言って、all the guys in my office、つまり、「俺の会社の男性全員」とは遊ばない、みたいに言っています。

ロスが俺の会社のやつに会うとは思えないけどさ、一応言っとくと、俺なら「俺の会社の男性全員に会わないようにするね」と言ってみせて、ここでもまた、「俺の会社の男性全員に、お前のスペース・マウンテン話をしゃべっちゃった」と言っているわけですね。

このような、I'd 「私なら〜する」、I wouldn't 「俺なら〜しない」という表現は、ドラマのセリフでよく登場します。
こういう would や could などの助動詞は、細かいニュアンスを込めることができるので、こういう助動詞に慣れることが、英語上達の秘訣ですね。
とりあえず文の大意が分かるレベルから、微妙なニュアンスまで理解できるかどうかの違いは、こういう助動詞がわかるか否か、にかかっていると言っても過言ではありません。
日本語でも、語尾をいろいろと使い分けることで微妙なニュアンスを出すのと同じで、ネイティブレベルの英語を使いこなせているかどうかの判断は、こういう助動詞を使いこなせているかどうかで判断できるとも言えます。

上のセリフも、would のニュアンスに気付かずにいると、
ロス 「その話を知らない人に会ってくる」
モニカ 「私はフィービーを避ける」
チャンドラー 「俺は会社の男に会わない」
となって、どうしてロスの話をしているのに、モニカやチャンドラーがそれぞれ自分の行動を語っているんだろう??ということになってしまいますね。
「その話を知らない人に会いたいんだったら、フィービーやチャンドラーの同僚は避けた方がいい」という「アドバイス」として、「もし私がロスの立場だったらこうする」という I'd で表現しているのが、非常に生きた英語っぽい気がしますし、また、ノンネイティブではなかなかこういう表現がパッと出てこないよね、と思う部分でもあります。
文法から英語を学ぼうとすると、こういう would のニュアンスはなかなかつかめません。
生きたセリフを題材にして学ぶ利点は、ここにあるのかな、と思っています。


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posted by Rach at 14:09| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ここの guys は女性も含んでいるかもしれないと思いました。あと steer clear of と言う表現は とてもフレンズ的だなと思いました。さらに、keep やstayではなく steer なのは Space Mountain とかけているのでしょうか?
Posted by kurt at 2012年11月13日 15:21
kurtさんへ
コメントありがとうございます。

そうですね、おっしゃる通り、guys と複数形になった場合は、男性に限らず女性も含むので、「男性たち」と限定したのは間違いだったと思います。
別にわざわざ男性限定で秘密を話したのではなくて、職場のやつら全員に話しちゃったよ、とチャンドラーは言いたいわけでしょうね。実際、ロスがその秘密を知られたくないのは女性の方でしょうから、「男性だけに」と限定すると、却ってロスに有利なことになってしまうと言いますか(笑)。

keep や stay でもいいのに、今回は steer が使われているのは、「進路を向ける」という「乗り物つながり」の単語だから…なのかもしれませんね。

貴重なご指摘ありがとうございました。
Posted by Rach at 2012年11月14日 15:31
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