2012年11月12日

ナプキンに標語が書いてある フレンズ7-5その1

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は6位、「にほんブログ村」は8位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


シーズン7 第5話
The One With The Engagement Picture (素敵な婚約写真?)
原題は「婚約写真の話」


レイチェル: Hey, look-look. Phoebe's talking to uh, Cute Coffeehouse Guy. (ねぇ、見て見て。フィービーが話してるわ、ほら、セクシーなコーヒーハウス・ガイと。)
ロス: Oh, you guys call him "Cute Coffeehouse Guy"? We call him "Hums While He Pees." (あぁ、君らは彼を「セクシーなコーヒーハウス・ガイ」と呼んでるの? 僕らは彼を「おしっこしながら鼻歌(ハミング)くん」と呼んでる。)
チャンドラー: Yes, and we call Ross "Lingers in the Bathroom." (そう。で、俺らはロスを「トイレで長居くん」と呼んでる。)
フィービー: (returning) Hey, you guys, "Hums While He Pees" just asked me out! ([戻ってきて] ねえ、みんな。「おしっこしながら鼻歌くん」がたった今、私をデートに誘ったの!)
レイチェル: Hey, I thought that guy was married. (ねぇ、彼は結婚してると[既婚者だと]思ったけど。)
フィービー: He is. But he's getting divorced. Ross! Maybe you know him. (結婚してるわ。でも離婚しようとしてるの。ロス! 多分、あなたは彼を知ってるわね。)
ロス: It's not a club. (クラブじゃない。)
レイチェル: Phoebe, if this guy's going through a divorce, is it such a good idea to start going out with him? (フィービー、もしこの男性が離婚しようとしてるところなら、彼とデートし始めることはそんなに良い考えかしら?)
ロス: Hey, divorced men are not bad men! (おい、離婚した男は悪い男じゃないぞ!)
チャンドラー: They have that on the napkins at the club. (彼らは今の言葉を、そのクラブのナプキンに書いてる[彼らのクラブのナプキンには、その言葉が書いてある]。)

レイチェルはフィービーがある男性としゃべっているのを見て、「フィービーが、Cute Coffeehouse Guy としゃべってるわ」と言っています。
大文字表記は固有名詞というか、ニックネーム、あだ名のニュアンスですね。
cute は日本語の「キュート」のような「かわいい」という意味よりは、「異性として魅力がある」という感覚。

レイチェルがその男性をそう呼んだことに対して、「君らは彼をそんな名前で呼んでるの? 僕らは彼を Hums While He Pees と呼んでるけど」と言っています。
hum はハミング(humming)のハムで、「ハミングする、鼻歌を歌う」。
pee は「おしっこをする」ですね。
「トイレに行く」というような言い回しよりも、まさに「おしっこをする」というダイレクトなニュアンスで、本来は幼児語ですが、フレンズたちはよく I have to pee. 「おしっこしてくる」みたいに言います。
親しい間柄なので、そんな直接的な単語を使っているだけ、ということに留意しておきましょう。

チャンドラーはその話の後に続いて、「ロスのことは Lingers in the Bathroom と呼んでる」と言っています。
linger は「居残る、長居する」なので、トイレに長居するやつ、トイレに長くこもってるやつ、みたいなあだ名ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
linger : also linger on
to stay somewhere a little longer, especially because you do not want to leave

つまり、「どこかにもう少し長くとどまること、特に立ち去りたくないという理由で」。

もちろん、フレンズたちはロスのことは普通に「ロス」と呼んでいるわけですが、「トイレにちなんだ名前をつけるとすると、ロスの場合はこんな感じだな」とジョークっぽい名前を付けてみたわけですね。

そんな話をしているところに、当のフィービーがやってきて、「おしっこしながら鼻歌くん」が私をデートに誘ったの!、と報告しています。
ロスがチャンドラーに、ニッと笑ってみせて、「ほらね、フィービーもそう呼んでるだろ」みたいな顔をしています。
デートに誘われて喜んでいる当人が、誘ってくれた彼のことを、そんな身も蓋もないあだ名で呼んでいる、という面白さになるでしょう。

彼がフィービーをデートに誘ったと聞いて、レイチェルは「彼は既婚者だと思ってたけど」と言っています。
I thought という過去形は「そう思っていた(けど実際は違うみたいね)」というニュアンス。
それに対してフィービーは、He is. つまり、He is married. 「彼は既婚者よ、彼は結婚してる」と答えるのですが、その後、he's getting divorced. と言っています。
get divorced が「離婚する」なので、それを現在進行形にしたこの形は、その「離婚する」という行為が進行中である(離婚協議中である、離婚しようしている)、か、ほぼ確定した未来の「離婚する予定である、離婚することになっている」かのどちらかととらえれば良いでしょう。
いずれにしても、「離婚する」ということに対して今動いている状態、進行している状態だという感覚ですね。

「彼は離婚しようとしてるの」と言ったフィービーは、ロス!と呼び掛けて、「多分、あなたは彼を知ってるわね」みたいに言っています。
ロスは固まった表情でしばらくそのまま止まっていますが、その後、微笑みながら、「クラブじゃない」と言っています。
離婚しようとしてる人は、きっとロスの友達ね、みたいに言ったフィービーに、「離婚する人がみんな僕の友達、知り合いじゃないよ。離婚クラブみたいなものがあるわけじゃないんだし」と返したわけですね。

ここでの go through は「経験する」あるいは「切り抜ける」というニュアンス。
この男性が、これから離婚を経験しようとしているところなら、離婚ということを乗り越え、切り抜けないといけないところなら、彼とデートを始めることって、そんなに良い考えって言えるかしら?みたいなことですね。
これから離婚でいろいろ大変だ、っていう男性とデートしたら、ややこしいことになるんじゃない? そんなのよろしくないんじゃない?ということです。

「これから離婚しようとしている男性とデートするなんて、良くないわ」みたいに言われたので、バツ3のロスは、「離婚した男が悪い男ってわけじゃない」と弁護しています。
離婚経験者のロスは、離婚した男を悪者みたいに言うな、と言ったわけですが、横から口を挟んできたチャンドラーは、They have that on the napkins at the club. と言っています。
they = divorced men で、the club は「離婚クラブ」みたいなものですね。
that は直前にロスが言った言葉、divorced men are not bad men を指します。
have that on the napkins at the club を直訳すると、「そのクラブでは、ナプキンの上にそれを持ってる」みたいなことですから、ナプキンの上にそういう言葉が書いてある、ということになります。

ロスは「離婚クラブがあるわけじゃない(から彼のことなんて知らない)」と言ったのですが、チャンドラーはそのクラブネタを使って、「その「離婚クラブ」で使ってるナプキンの上に、(今ロスが言った)「離婚した男は悪い男じゃない(離婚した男が悪い男ってわけじゃない)」という言葉が、キャッチコピーか標語のように書いてある」と言って、茶化したわけですね。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 11:18| Comment(9) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
フレンズの勉強法で質問です。
色々な方が質問していると思いますが、一つのエピソードを何回も何回も英語のまま理解出来る様になるまで見続けて、それから次を見た方がいいんでしょうか?
それとも、大まかに理解しながらどんどん先を見ながら、一つのエピソードを詳細に見て行くのが良いんでしょうか?
Posted by hiro at 2012年11月12日 17:41
やっぱり、lingerは面白い言葉ですね。日常生活にあまり出てこない言葉です。Lingerをする人は'lingerer'になりますね!より一層珍しい言葉です。

Lingerに似ている極めつけの珍しい言葉は'malinger'です。(勤務を逃れるために)仮病を使うという意味です。It can also become 'malingerer' which I have only heard a few times in my life!

下手な日本語ですみません!I hope you could understand what I was trying to say :)

I think your blog is useful not only for Japanese learning English, but also for English speakers to learn Japanese! Friends is still on TV every day here in the UK. It's somewhat of a timeless show and never gets dull or boring.
Posted by David M at 2012年11月12日 21:25
hiroさんへ
こんにちは。ご質問ありがとうございます。

「1つのエピソードを何回も何回も見る」か、「どんどん先を見る」かについては、「どんどん次のエピソードに進んで行く」ことをお勧めしています。
読者の方からよくいただく質問でもありますので、過去にお答えした回答を引用する形で、以下に説明させていただきますね。

1つのエピソードを見る場合、私がお勧めしている「はしょる3段階」という方法があります。

1. 英語音声、字幕なし (必ず「“ネタバレ禁止”状態」で)
2. 日本語音声、日本語字幕
3. 英語音声、英語字幕 (ここで英語の意味を自分で調べる)

その3段階を終えたら、次のエピソードに進むべき、というのが私の持論です。その方が効果的に学べると考えているからです。

言葉やフレーズは、同じ人の同じ発音を繰り返し聞くよりも、違う場面で違う人が言う音を聞く方がより効果的に覚えられる気がします。そういうフレーズのニュアンスについても、「これは日本語でこういう意味だ」のように「一対一対応で丸暗記」するのではなく、いろんな人がいろんな状況で使うのを見る中で、「こういう感じで使うものなんだ」という雰囲気を掴むことができると思うのです。
必要な段階をこなして、次のエピソードへ進んで行く中で、「会話に何度も登場する便利な頻出フレーズ」に何度も出会う結果となります。何度も出会うから自然と覚えてしまう、という覚え方が、言葉を学ぶ上では理想的だと思っています。

最初から全部を理解しようとするのは大変難しいことだと思います。私自身、フレンズ学習を始めた頃は、もうびっくりするくらい聞き取れず理解できなかったことをよく覚えています。「わからないところは、わからないとあきらめる」というあきらめも結構肝心なのですね。「最初からすっとわかるくらいなら、誰もかれもが英語に苦労してるわけがない」くらいの気持ちで、少しずつわかる部分を増やしていく、わかる部分が増えてくるのを喜びとする、という心構えが大切だと思っています。

過去記事、
改めてDVD学習法を語る
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471751.html
で、DVD学習法の意義について語っています。
1年半くらい前に書いた記事ですが、DVD学習法に関する今の私の考え方が一番出ている記事だと思いますので、こちらも併せてご参考にしていただければ幸いです。
上の説明でわかりにくい部分などございましたら、またお気軽にご質問下さいね。


David Mさんへ
ネイティブの方ならではの貴重な情報、ありがとうございます。とても参考になります。

-er で終わる動詞に、人を表す接尾辞(suffix)である -er がつくと、-erer になってしまうわけですね。I've never heard the words 'lingerer' & 'malingerer' in my life, of course! :-)

Your Japanese is SO precise & clear. You write Japanese very well, using a lot of natural phrases & kanjis (漢字). I, as one of Japanese, feel so glad and honored to know the fact that people living in the UK like you keep learning Japanese and have a good command of Japanese like that.

Thank you for your compliment about my blog. Let me just say, "Could I BE any more honored?!" (lol) 'Friends' makes me laugh, makes me happy, and teaches me English a lot. I mean, 'Friends' is my funny, lovely English teacher. :-)
Posted by Rach at 2012年11月14日 15:47
なるほど、確かにそうですね。
Season1に関してはiTunesで購入したため日本語、日本語字幕が出来ません。
なので、はしょる2段階でしょうか。
それでは少し効果が落ちるかもしれませんが。
その分第3段階をしっかりやれば良いのでしょうか。
この方法を試してみたいと思います。
これで気兼ねなく次のエピソードに進んで行けそうです。
Posted by hiro at 2012年11月15日 09:56
hiroさんへ
ご丁寧なお返事ありがとうございます。

日本語音声・字幕は「ヒント」として使えるという利点があるのですが、ない場合は、はしょる2段階になりますね。おっしゃるように、自分で英語の意味を調べる段階で、しっかり念入りに取り組めば、日本語訳がない分を補えると思います。

楽しくマイペースで続けていただければと思います。頑張って下さい!
Posted by Rach at 2012年11月15日 16:11
Rachさん、こんばんわ。

こんな時間に。(7/30 3:00)

(金曜の夜中で「ビックバンセオリー」と言う アメリカTVドラマのDVDを観てました。こっちもコメディーです。)

いつもブログ記事更新有難うございます。

Rachさんのブログ記事がだんだんとフレンズの最終章に近づくのがなんだか寂しい気がします。


さて、ちょっと前のシーズン(07-05)のDVDを観ていた時、下記のセリフで引っかかってしまいました。
(オープニング、ロスとチャンドラーがバスケの話をしている場面です。)


Chandler: And those guys were this close to letting us play this time too.

「this close」の意味が分かりずらく、構文も曖昧な感じです。

このセリフの構造についてRachさんのお考えをお聞かせいただけると有難いのですが。

どうぞ宜しくお願いいたします。
Posted by Joey Jr.Jr. at 2016年07月30日 03:43
Joey Jr.Jr. さんへ
コメントありがとうございます。そんな時間(!)にコメントいただけて光栄です(私は間違いなく爆睡中でしたw)。
「ビッグバンセオリー」は面白いという評判、よく聞きますね。パロディーも多いそうですし、一度見てみなくちゃ、、と思っています。

それでは、ご質問のセリフについて。
And those guys were this close to letting us play this time too. は、バスケをしてきた二人が、「レイアップやスリーポイントがすごかった」という話をした後のセリフでしたね。
このセリフは、DVD日本語訳では、「(字幕)俺たちは 補欠だったけどね/(音声)しかも今回は、俺たちも、あとちょっとで試合に使ってもらえそうだったしな」と訳されていました。
close は形容詞「近い、接近した」で、this close 「これくらい近い」が、その「あとちょっと」のニュアンスになります。

このような this close については、後のエピソードになりますが、
あとこれくらいで〜しちゃうわよ フレンズ8-8その6
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/391079351.html
という記事で解説しています。
ネタバレ禁止の方のために、ネタバレしない程度に引用させていただくと、フレンズ8-8 では、
I am this close to robbing you guys.
というセリフになっていました。
"主語+be this close to doing" という形が同じですね。
今回のフレンズ7-5 は let という使役動詞が入っている分、フレンズ8-8 のセリフよりも文の構造が複雑になっていると思います。

"主語+be this close to doing" を直訳すると、「do するところまで、主語はこれくらい近い、これくらいの近さの距離のところにいる」というニュアンス。
close to は「〜に近い」ということですから、「〜寸前で」という意味にもなります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
close [adjective] : LIKELY TO HAPPEN
seemingly likely to happen or to do something soon
close to doing something
例) The two countries are close to signing a peace agreement.
つまり、「一見(見たところ)、起こりそうである、または何かを間もなくしそうであること」。
例文は、「その二国は和平合意に調印しそうである」。

ロングマンにも、上のように close to doing という形が載っていて、その「〜しそうである、〜する寸前である」の close が「このくらい近い、このくらい寸前」として this がついたのが、フレンズ7-5, 8-8 のセリフとなります。
今回、チャンドラーがこのセリフを言う際に、「これくらい近かった、これくらい寸前だった」というようなしぐさをしています。
ネットスクリプトのト書きでは、(Doing the standard "This Close" gesture) 「標準的な”これだけ近い”ジェスチャーをしながら」とありますが、それがこのしぐさだと言うことですね。

be this close to doing が「〜するまでこれくらい近かった、〜するまでこれくらい寸前だった」という意味であることを踏まえて、チャンドラーのセリフを直訳すると、
And those guys were this close to letting us play this time too. (そして、あいつらは、今回も俺たちにプレーさせる[俺たちを試合に出場させる]のに、これくらい寸前だった」→「もうちょっとで、あいつらが俺たちを試合に出場させるところだった」→「もうちょっとで試合に出られるところだった」と言っていることになります。
「レイアップ、スリーポイント、すごかったよね」と、さも自分たちが試合で大活躍したみたいに言っていたけれど、「実際には試合に出させてもらえなかった、自分たちは補欠だった」ということが、その「あとこれくらいのちょっとのところで、試合に出させてもらえそうだったのに」というセリフからわかる、という面白さですね。

また、拙ブログについての温かいお言葉、ありがとうございます<(_ _)>
本当にファイナルまでもうすぐとなってしまいましたね。こうして更新できるのも、ブログを読んで下さる方がいて下さるからこそで、ブログをお読み下さっていること、本当に嬉しく光栄に思っております。ありがとうございます。
引き続き頑張りますね♪
Posted by Rach at 2016年07月31日 17:48
Rachさん、判り易く・詳しく解説していただき有難うございます。

エピソード8-8の該当箇所をDVDでチェックしてみました。
セリフに合わせ指でジェスチャーしてましたね。このシーンを見たら この表現はもう忘れないですね。

但し、覚える例文は「〜robbing you guys」ではなくて「〜signing a peace agreement」の方にします。(笑

やはりDVDでの英語トレーニングは最高ですね!

引き続き応援しますね。
Posted by Joey Jr.Jr. at 2016年07月31日 21:27
Joey Jr.Jr.さんへ
こちらこそご丁寧なお返事ありがとうございます。
フレンズ8-8 の方が、英文の構造的にも流れ的にもニュアンスがわかりやすいと思ったので、そちらで確認していただけて良かったです。

確かに、robbing you guys では物騒なので(笑)、是非、和平合意の方で覚えて下さい(^^)

話の流れに加え、ジェスチャーや表情などと共にニュアンスを学べるDVDは、本当に最高だと私も思っています。
「引き続き応援します」とのお言葉も本当にありがとうございます。そのお言葉を励みに精一杯頑張ります!
Posted by Rach at 2016年08月02日 10:03
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。