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チャンドラーが、サマーキャンプで付き合っていた彼女ジュリーを「太ったから」という理由で振ったと知って、若い頃かなり太っていたモニカはショックを受けています。
チャンドラー: Look, I know it was a stupid reason to break up with somebody, but I was 15! (ねぇ、それが誰かを振るのにバカな理由だった、ってことはわかってる。でも俺は15歳だったんだ!)
モニカ: Yeah, well.... That's not the only time this was an issue. You remember when umm, you spent Thanksgiving with us? You called me fat. (えぇ、そうね…このことが問題だったのは、今回だけじゃないのよ。あなた、覚えてる? 私たち(の家族)と一緒に感謝祭を過ごした時のことを。あなたは私を「太ってる」って言ったのよ。)
チャンドラー: Okay. Okay, now wait a minute. That was totally different. (わかった、わかった。ちょっと待ってよ。あれは(ジュリーの件とは)全く別なんだ。)
モニカ: How? (どんな風に(違うの)?)
チャンドラー: You were not supposed to hear that! I said that behind your back! (君はあの(モニカは太ってる、という)発言を聞くはずじゃなかったんだ! 君のいないところでこっそりと言ったんだよ。)
モニカ: What if I have babies, okay? I mean I'm gonna look different. I'm okay with that, but I'm not sure that you are! (私が子供を産んだらどうなるの? つまり、私のルックスは変わっちゃうわ。私はそれでも構わないけど、でも、あなたがそれでも構わないかは私にはわからないもの!)
チャンドラー: Look, you have to realize I don't think of you as a thin, beautiful woman. (Monica glares at him.) See, this is one of things that I can apologize for later! Look, what I mean is, you're Monica! Okay? And I am in love with Monica. (ねぇ、モニカは自覚しないと[悟らないと]いけないよ、俺は君のことを、細くて美しい女性だと思ってるわけじゃないんだ。[モニカはチャンドラーをにらむ] このことは、後で謝罪しないといけないことの一つだな。ねぇ、俺が言いたいのは、君はモニカだ、ってことだ。いいかい? そして俺はモニカを愛してるんだ。)
モニカ: Keep going. (続けて。)
チャンドラー: So you can balloon up or you can shrink down and I will still love you. (だから君は膨らんでもいいし、縮んでもいい、それでも君を愛してる。)
it was a stupid reason to break up with somebody は、「誰かを振るのには、バカな理由だった」。
「彼女が太ったから振る、なんてバカな理由だってことはわかってるさ、でも俺はその時15歳(の子供)だったんだよ!」ということですね。
That's not the only time this was an issue. を直訳すると、「これが問題になるのは、そのことが一度きりではない」という感じですね。
「この件が問題になるのは、何もジュリーを振る話に限ったことじゃないのよ」というところです。
「ジュリーのことだけじゃないわ」と言って、モニカは「私たちと一緒に過ごした感謝祭のこと、覚えてる? あなたは私を fat と言った・呼んだのよ」とも言っています。
チャンドラーがモニカを fat と言った、というのは、フレンズ5-8その3 の以下のシーン。
1987年の感謝祭を回想するエピソードで、
ロス: All right, it's cool, you can stay here. My parents won't mind. (大丈夫だよ、問題ないさ。チャンドラーはここに泊まればいい。僕の両親もそれで構わないって思うさ。)
チャンドラー: No, it's not that. I just don't want to be stuck here all night with your fat sister. (いや、そういうことじゃないんだ。俺はただ、一晩中ずっとここにとどまっていたくない、ってだけなんだ、お前の太った妹と一緒にね。)
という会話が交わされたのですが、それをこっそりモニカが聞いていた、というシーンでした。
そういう過去の失敗(笑)を指摘されたチャンドラーは、「それとこれとは違うんだ」という感じで、弁解しようとしています。
その後のセリフが、あまりにもストレート過ぎて笑ってしまいますね。
You were not supposed to hear that! I said that behind your back! は、「君はそれ(モニカを fat と呼んだ発言)を聞くことにはなっていなかった。俺は君のいないところで(君に隠れて)それを言ったんだ」。
フレンズ5-8 のやり取りでもわかる通り、チャンドラーはモニカがそこにいるとは知らずに fat という言葉を使ったわけで、ジュリーに対して太ったから捨てた、というのとはわけが違う、別に君に面と向かってそう言ったわけじゃないんだ、ということです。
もちろん、そんな理由では言い訳にもなりませんが、自分が言ってしまった、モニカが聞いてしまった言葉を今更言わなかったことにもできないので、「あれは君に聞かせるつもりで言ったんじゃない。君のいないところでの”陰口”だったんだよ」と言って、ジョークで済まそうとしているわけですね。
そんなジョークを聞いても、モニカの不信感はなくならないようで、「もし私が子供を産んだらどうなるの?」と聞いています。
子供を産むと、look different つまり、見た目・ルックスが違っちゃうことになるわ、とも言っていますね。
I'm not sure that you are! は、I'm not sure that you are okay. ということで、その前の「私は産後に太っちゃうことについては構わない・しょうがないと思ってるけど」と対比する形で、「でも、あなたがそのことについて構わない・しょうがない、と思うかどうかは確信が持てない」と言っているわけですね。
私は母親になって自分のプロポーションが崩れるのは覚悟の上だけど、あなたはどうかしら? 私の体型がすっかり変わっちゃったら、心変わりしちゃうんじゃないかしら、と言っていることになります。
それを聞いたチャンドラーは、you have to realize I don't think of you as a thin, beautiful woman. と言っています。
you have to realize は「…を悟らないといけない、自覚しないといけない」。
「俺はモニカのことを、”痩せてて(細くて)美しい女性”だとは思ってない、って君は悟らないといけないよ」と言っていることになります。
その後、観客の笑い声(ラフトラック)があり、モニカは「一体それはどーゆー意味よっ!」みたいな顔をして、不満そうにチャンドラーをにらんでいます。
「太るかも、って気にしてるけど、俺は君のことを”痩せてて美しい人”だと思ってるわけじゃないから、太ることを心配しなくてもいい」みたいな意味で言ったわけですが、「君は”痩せててきれいな人”じゃない、なんて、それが恋人に対して言うセリフ?」みたいにモニカは怒っているわけですね。
自分の不用意な発言で、モニカの気分を害してしまったことを悟ったチャンドラーは、「これは後で謝らなきゃいけないことの一つだね」と言っています。
「まぁ、その件については後でゆっくり謝るけど、まずは俺の言いたかったことを先に言わせて」というニュアンスになります。
Look, what I mean is, you're Monica! Okay? And I am in love with Monica. というセリフには、きゅんとしてしまいますね。
「俺が言いたいことは、君はモニカだ、ってことだ。そして俺はモニカに恋してる・モニカを愛してるんだ」と言っていることになります。
昔は劇太りをしていたモニカですが、今は痩せているので、そういう意味では「モニカは痩せてる美人」と表現しても問題ないはずですが、チャンドラーが言いたいのは、「俺は別に、痩せてる美人だからモニカを好きなわけじゃない。痩せてるとか、美人とかには関係なく、モニカはモニカだから好きなんだ」と言っているわけですね。
痩せてるから、美人だから、という条件やスペックで君を好きになったんじゃない、俺はモニカという人を愛してるんだ、と言っていることになります。
さっきまで怒っていたモニカも、そんなロマンティックなことを言われたので、笑顔になって、「そのまま続けて」と言っています。
balloon up は、バルーンという言葉からもわかるように、「(風船のように)膨らむ」。
それの対義語として、shrink down は「縮む」。
「君が風船みたいに、ぷくぅ〜と膨らもうが、ちっちゃく縮もうが、俺はそれまでの君と変わらず、これからも君を愛するよ」と言っているのですね。
ラブラブの恋人らしい、素敵なセリフだと思いますので、みなさんも何かの折に(?)是非使ってみて下さい(^^)
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あれやこれやでずっとフレンズに触れられず久しぶりに再開しています。
早速質問ですが、お願いします。
ここの解説のちょっと前のチャンドラーのセリフで
As bad as that went, I actually enjoyed myself.
っていうのがあるのですが、ここのAs bad as・・・の訳仕方教えて頂けますか?同等比較ってどういう風に訳せばいいのかいつも悩みます。
ここも何かの構文になっている?って思って調べてみたら 「as bad as it gets」で「最悪だ、落ちるところまで落ちた」っていうのを見つけたんですがここも同じように解釈するんでしょうか?(全く別??) よろしくお願いします。
お久しぶりです。ご質問ありがとうございます。
この as は先に結論を言ってしまうと「譲歩」を表す as になります。as の項目を辞書で調べると、そういう「譲歩」の意味が載っているのですが、辞書に載っている例文は、as が1個だけのパターンが多いので、今回のセリフのような as 〜 as と2個セットになっている場合には、その譲歩の意味だと気づきにくい気がします。
研究社 新英和中辞典では、この「譲歩」の意味について、以下のように説明されています。
as
Y [譲歩を表わして]
1 [形容詞[副詞]+as… で] …だけれども、…ながらも (注:この形は (As) young as he was, he… (彼ほど若くして…)に由来し、本来 young は主節の主語 he に対する同格的な叙述語)
Young as he was, he passed with flying colors. 彼は年こそ若かったが見事に合格した。
これも例文では、Young as he was となっていますが、(注)として、「As young as he was に由来する」と書いてありますので、as young as he was という形もありうるということになると思います。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
as:
though
例) As smart as Jake is, he doesn't know how to manage people well.
つまり、「この as は though の意味」で、例文は「ジェイクは賢いけれども、人をうまく管理する(扱う)方法を知らない」。
他の英英辞典(Macmillan や Merriam-Webster)にも、as の項目に though の意味は載っているのですが、どちらも例文は as が1個のパターンでした。
上のロングマンの例文は、as が2つのパターンで、良かったです(^^)
数研出版「基礎と完成 新英文法」の p.446 にも、「譲歩の副詞節」の1つとして、as が挙げられていますが、こちらもまた、例文は as が1つのものとなっていました。
ロングマンには、as が2つの例文が挙がっていたので、それが「証拠」にはなるのですが、実は過去のフレンズにも、as as を使った譲歩の形が出てきたことがありました。
スヌーピーの年齢 フレンズ3-10その1
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471060.html
チャンドラー: Well, as old as he is in dog years, do you think Snoopy should still be allowed to fly this thing? (うん、彼はドッグイヤーであの年齢なのに、スヌーピーはまだこういうものを飛ばす[操縦する]のを許されるべきだと思う?)
というセリフが出てきて、私は、
この as old as は譲歩の「〜だけれども」を表しているように思う
と書いています。その時にも、辞書の語義や例文を引用して解説しており、コメント欄でも意見交換していますので、併せてお読みいただけると幸いです。
改めて今回のセリフに戻りますと、
As bad as that went, I actually enjoyed myself.
を譲歩の意味で直訳すると、「それは悪く(ひどく)進んだ・進行したけれど、実際には俺は楽しめた」なるでしょうか。
この部分、DVDの日本語訳では、
「彼女にはとんだヒンシュク買っちゃったけどさぁ、俺自身はすっきりしたな」
と訳されていたのですが、「(ヒンシュクを買うという)悪い結果になったけれども」という「譲歩」の感覚が、日本語にも訳出されているように思いました。
上に書きましたように、as が2つのパターンは辞書の例文でも少ないため、譲歩の as だと気づきにくいことになりますが、今回、ご質問をいただけたことで、スヌーピーのセリフ(笑)と一緒に、実際のフレンズでの使用例を使って解説できたことをとても嬉しく思いました。
興味深いご質問、ありがとうございました(^^)
お返事ありがとうございました。
書き込み遅くなり失礼しました。
リンク読んでみました。皆さん「勉強しました」って・・・私覚えてませんでした・・・高校時代何やってたんだろう・・・
譲歩のas、でもいま使っているロイヤル英文法にはしおりはさんであった・・・英文法は何度も見直ししているのですが、それが使えるレベル(何かの文で見てもそれだと気づけるレベル?)になってないのが私の問題なんだろうと思っています。繰り返し触れていくことがベストだと思いますが、Rachさんはどうやって勉強されたんですか? この次は気づけるといいな!
また改めてRachさんの解説及び本読んでみます。ありがとうございました。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
「譲歩の as」は、学校時代の英文法の本に載っていたような記憶はぼんやりあるのですが、とりあえず「そういう英文法事項があるらしい」と暗記していただけ、という感じだったように思います。英文法の説明では「漠然としたイメージ」しか湧かないので、実際にこうして「フレンズ」のセリフなどで出会って初めて、「こんなふうに使うのか!」と合点がいく感じがしますね。
おっしゃるように「繰り返し触れていくことで、気づけるようになる」のだろうと私も思っています。今回の As bad as that went は、文法事項としては難しい部類だと思われますし、こういう文法事項があることを知らない人も多いように思うので、わからなくてもがっかりされる必要はないと私は思っています^^
こちらこそ、ご丁寧なお返事ありがとうございました。