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大学の図書館の古生物学セクションに、自分の博士論文があると喜んでいたロスですが、その場所が、学生たちがエッチをする場所として認識されてしまっていることにロスは大憤慨。
ロスは自分で、その聖域(笑)を守ろうと、うろうろしています。
エッチをしようとやってきた学生カップルを追い返すと、今度は美女が一人でやってきました。
ロス: Uh, meeting someone? Or-or are you just here to brush up on Merriam's views on evolution? ([その美人の女性に] あー、誰かと会うのかな? または、進化論に対するメリアムの見解を復習するためにここにいるのかな?)
女性: Uh, actually, I find Merriam's views far too progressionist. (あー、実は、私はメリアムの見解は、あまりにも進歩主義的だと思うわ。)
ロス: I find Merriam's views far too progressionist. (僕もメリアムの見解は、あまりにも進歩主義的だと思ってる。)
女性: I'm sorry. Who are you? (ごめんなさい、あなたは誰?)
ロス: I'm a professor here uh, Ross... Geller. (僕はここの教授の、あー、ロス・ゲラーだ。)
女性: Ross Geller? Why do I know that name? It's uh-Wait! (Grabs his book off of the shelf.) Did you write this? (ロス・ゲラー? どうして私はその名前を知ってるの? 待って! [棚からロスの本を掴み取る] あなたがこの本を書いたの?)
ロス: Yes! You're the person who checked out my book?! (そうだよ! 僕の本を借りて[借り出して]くれたのは君なのか?!)
女性: Y'know, you look nothing like I would've thought. You're... you're so young. (私が思っただろうのと、(実際の)あなたの見かけが全然違う。あなたって…すっごく若いのね。)
ロス: Well I uh, I skipped forth grade. (そうだね、僕は4年生を飛び級したんだ。)
[Time Lapse, Ross and the woman are now in a state of partial undress and are standing in front of the head librarian with two security guards watching them.]
時間が経過。ロスとその女性は今、部分的に服を脱いだ状態で、司書長と、彼らを見ている2人の警備員の前に立っている。
ロス: I am very... very sorry. (非常に…非常に申し訳ない。)
meeting someone? は、Are you meeting someone? ということですね。
「君は今からここで誰かと会おうとしてるところ? 誰かとここで落ち合う予定?」みたいに尋ねていることになるでしょう。
それは、このセクションが、学生のエッチの場所となっているために、君もそういうことをするためにやってきたのかな?と聞いているわけですね。
その後、Or are you just here to...? 「または、君は…するためにここにいるのかな?」とも言っています。
もしかしたら、エッチが目的じゃなくて、古生物学に興味のある真面目な学生さんで、進化論に対するメリアムの見解を brush up on するために来たのかもしれないね、と言っているのですね。
brush up on は「…を復習する」。
後半部分は、ロスなりの皮肉ですね。
ロスは、この女性がかなりの美人なので、誰かとエッチをするためにここに来たと思っているわけですが、ここの古生物学セクションには、(君はそんなこと知らないと思うけど)そういう進化論に関する書物がたくさんあるんだよね、と言って、古生物学のことを知らないような人は、とっととどっかに消えてくれ、という気持ちで、このセリフを言ったのでしょう。
からかった感じでそう言ったロスでしたが、相手の女性は意外な言葉を返してきます。
I find Merriam's views far too progressionist. は、「私は Merriam 氏の見解はあまりにも progressionist だと思う」ということ。
progress は「進歩」で、progressive だと「進歩的な、進歩主義の、革新的な」という形容詞。
日本語でも「プログレッシブ」というようなカタカナ表記の言葉としても使われるので、そのニュアンスはわかりやすいでしょう。
上のセリフでは、progressive ではなくて、progressionist という単語が使われています。
pianist などと同じような、-ist 「…する人、…主義者」という接尾辞がついていますので、厳密に言うと、「進歩主義者、進歩論者」という「人、者」的な意味になるのでしょうが、大まかには、far too progressive 「あまりにも進歩的」と同じように解釈すれば良いのだろうと思います。
「私は…だと思う」と言いたい場合に、日本人の頭にまず浮かぶのは、I think that... の構文だと思いますが、英語では上のセリフのように、I find+目的語+補語、という形を取ることも多いですね。
I find you attractive. だと、「あなたを魅力的だと思う。あなたに惹かれてる」という意味になります。
古生物学には全く興味のなさそうな美女が、「ミリアムの見解は進歩主義的だと思うわ」という専門的な意見を返してきたので、ロスは驚いて、「僕もそう思ってるんだよ」と言うように、彼女と全く同じ言葉を繰り返しています。
驚いた顔をしているロスに、その女性は「失礼だけど、あなたはいったい誰?」と尋ねていますね。
ロスが名乗ると、女性はその名前に聞き覚えがあるかのように言って、棚にあるロスの書いた本(博士論文)を取り出しています。
「あなたがこの本を書いたの?」と尋ねてくれたことに対して、ロスはものすごく感激していますね。
自分の名前を知っていてくれて、書いた本もこれだと当ててくれた!という感動です。
check out は、ホテルのチェックアウトのイメージがまずは浮かびますが、このように図書館においては、「(本)を借りる、借り出す」という意味になります。
まさに、受付でチェックして、out する「外に持ち出す」感覚ですよね。
女性は、Did you write this? と言ったので、それと同じパターンの文章で返すとすると、Did you check out my book? か、You checked out my book?! 「君が僕の本を借りたの?」というシンプルな形になるでしょう。
ですがロスは、You're the person who checked out my book?! という、さらに強調した形の文章を使っています。
「君が借りたの?」というよりも、「僕の本を借りてくれた人は君なのか!」というニュアンスになりますね。
「僕の本を借りてくれたありがたい人がいて、その人が今、僕の目の前にいる、まさに君なのか?」という、驚きと感動が入り混じったセリフになっているわけです。
感動しているロスを前に、女性は女性で驚きの表情を浮かべたままで、「私が思っていたのと、あなたの見かけ・姿が全然違うわ。あなたって若いのね」みたいなことを言っています。
you look nothing like I would've thought. の look nothing like は「…みたいに見えない」。
I would've thought は、I would have thought ということで、「私が(その昔、その本を読んた当時)、思ったであろう」みたいな感覚になるでしょう。
ロスの論文を読んだ時に、「この著者って、こんな感じの人なんだろうなぁ」と「実際に」彼女が頭の中で思った、想像したのであれば、you look nothing like I thought/expected 「私が思ったのと全然違う」のようにシンプルな形で表現したようにも思います。
ですが、実際には、女性はあくまで「学術論文」として読んでいたに過ぎないので、「この著者はどんな人だろう?」とそのルックスを想像することもなかったのでしょう。
「どんな男性か?」と想像することもなかったけれど、多分、その時に想像するとしたらこんな感じだったかな、というイメージを今思い浮かべてみると…という感じで、I would've thought という表現を使ったのでは?という気が私はしました。
こういういかつい論文だから、そこから想像すると、いかめしいおじいちゃんを連想しちゃいそうだけど、目の前に立っているあなたはそれとは全然違う、すっごく若いのね、と言っているわけですね。
so young と言われたロスは、すっかり調子づいてしまって、「いやぁ、僕は4年をスキップしたんだ」みたいに得意げな顔で言っています。
skip は「とばす」ですから、学年の話だと「飛び級をする」ということですね。
ロスは実際には飛び級はしていないと思うのですが(笑)、若いと言われたのをいいことに、「僕は子供の頃、神童と呼ばれていて、学年も飛び級したくらいなんだよ」みたいに、この美女に対してアピールしているわけです。
「こんなセクシーな女性が僕の論文を借りてくれた!」「この論文の著者が、こんなに若い教授だったなんて!」という流れから、二人の気持ちが一気に近づいたことがわかるやり取りだったわけですが、その後、突然、画面がカットし、ロスとその女性が、服をはだけた状態で(あらまぁ…笑)、司書長や警備員に睨まれている状態を映し出す、というのが、コメディの王道的展開で、こうなるやろうな、とわかっていながらも、つい笑ってしまうシーンになっています。
古生物学セクションの前で、学生たちがエッチするなんてけしからん! 僕が自分でそのエリアを守ってみせる!と息巻いていたロス当人が、その美女と盛り上がってしまって、エッチしようとしてしまった、ということがその映像でわかる、という面白さですね。
まさに「ミイラ取りがミイラになる」結果となってしまったロスが、神妙な顔をして、「全く面目ない」みたいに謝るのも、フレンズっぽくて楽しいなと思いました。
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you look nothing like I would've thought.
のwould have thought についてですが、
would には過去の推量を表すことができるので、
i would think/expect とも言えたのかな〜、とういうかこの使い方、ニュアンスの違い、みたいなものがわからなくなってしまいました。今回のこの場面では使えたのでしょうか?
would は受験英語の時はただ単純に仮定法、や控えめな推量、みたいな感じでとらえていたのですが、実際にフレンズなどで見てると、いろいろな場面でいろんなニュアンス使われていて、ちょっと翻弄されてしまっているので、Rachさんに解説を頂けたら、と思ってコメントさせて頂きました。
いろいろな質問やコメントが来てご多忙のところ、お手数おかけします。
初めまして、コメントありがとうございます。
それからご質問の件、申し訳ない、などということは全くありません。過去の記事を読んでいただけてご質問いただけけることはとても嬉しいことですので(^^)
さて、ご質問の you look nothing like I would've thought. について。
would のニュアンスは、ノンネイティブにとって手ごわいものの一つですね。
would は「過去の推量」を表すこともできるのですが、例えば、研究社 新英和中辞典には、以下の例文が出ています。
would
[話し手の過去についての推測を表わして] …だったろう
I suppose he would be about fifty when he obtained a doctorate. 彼が博士号を取ったのは50歳ぐらいの時だったろう。
過去の推量として使う典型例が、上のようなパターンなのかなと思います。
そして、数研出版「基礎と完成 新英文法」 p.140 には、
現在時をさす”丁寧用法”:He/She/It would で<断定的でない推量>を表す
<推量>:That would be the milkman. (あれ(=音)は、たぶん牛乳屋だろう。)
どの用法においても、will を用いた場合よりも、控えめまたは丁寧になる。
上の数研出版では、would の「推量」の意味として、「〜だろう」のように「現在」の意味で訳されています。will には推量の意味があり、その過去形が would でもあるわけですが、would を単体で使う場合には、That would be the milkman. のように、「過去の意味」は薄れ、「控えめな距離感」を出すニュアンスとして使われることが多いような気がするのですね。
I suppose he would be の場合はまさに「過去の推量」のニュアンスで使われていますが、これは I suppose との組み合わせであるため、推量の will の過去形 would として使われていることが想像できる、ということになるでしょう。
それ以外の単発の would の場合は、それが「過去」なのか「婉曲」なのかは、文意により判断することになる、ということかな、と思います。そして実際に、フレンズなどのセリフでは、I would 「私なら〜するだろう」のように、もっぱら「仮定のニュアンスを込めた現在の意味」として使われることが多いですよね。
ご質問のセリフですが、I would think/expect を使って、you look nothing like I would think とした場合には、「私が”今、思うであろう”姿とは、あなたの見かけは全然違う」みたいな意味になる気がします。
would は「過去」のニュアンスよりは、「婉曲」のニュアンスで使われることが多いので、「私が思ったであろう」という「過去」の意味ではなく、「もし今思うとしたら、そう思う」という、婉曲的な仮定のニュアンスが込められている「だろう」として使っていると、聞いた方も捉えると思うわけです。
今回のセリフの場合は、「過去に論文を読んだ時に、著者の姿を想像したわけじゃなかったけれど、もしその時に、こんな人かなと想像していたとしたら、きっとこんな感じだと思っていただろう」という「〜だと思っていた(過去)だろう」なので、「過去の仮定のニュアンス」となる、would have+過去分詞、の形が使われているということになるだろうと思います。
「あの時、(実際に)そう思った」であれば、I thought で、それを「(もし考えることがあったとしたら)あの時、そう思っただろう」という過去の推量のニュアンスを出したいのであれば、I would have thought という形になる。
それを、I would think すると、I would have thought 「私は思っただろう」という過去形を現在形にした「私は思うだろう」になる、という流れになるかな、と思います。
お忙しいところ、早速のご返信ありがとうございます。
Rachさんの解説を読んで今までモヤモヤっとしていたものがスッキリしました。
いつも解説や他の方のコメントへの回答などを読んでいても、Rachさんの説明の上手さや、丁寧さにはホントにただただ感心してしまいます。
私が初めてこのブログを拝見したのがRachさんがseason 2の解説をやっていころなのですが、気づけばもうseason 8も終わり。残りの解説が楽しみなようで、終わってしまうのが残念なようで、、、、複雑な思いですが、残り2シーズン、Rachさんが完走できるよう陰ながら応援しております。
それから、全く関係ない話なのですが、ピヨちゃんとクワちゃんってどうなっちゃったんでしょうかね?私が確認した限りでは、season 7のエピソード2でクワちゃんがレイチェルのフェイスクリームを食べて具合を悪くした、という話を最後に出てこなくなってしまったような、、、
レイチェルに処分されちゃったんでしょうかね(笑)
こちらこそ、ご丁寧なお返事ありがとうございます。
「モヤモヤっとしていたものがスッキリしました」と言っていただけて、光栄です。また、私の解説や回答へのお褒めのお言葉も本当にありがとうございます。そう言っていただけることで、これからも頑張ろう!と思えます。
私がシーズン2をやっていた頃だと随分昔になりますね。そんな頃からこのブログを知って下さっていたこと、本当に嬉しいです(^^)
ピヨちゃんとクワちゃんですが、確かにフレンズ7-2 以来、見かけなくなりましたね。エピソードに絡めるのが難しくなってきたのでしょうか^^
ずっと後になってからですが、ファイナルシーズンのフレンズ10-17 で、ピヨちゃんとクワちゃんに関する言及があります。そのセリフをご紹介するためにも(!)、ファイナルまで是非完走したいなと思っております。
現在、フレンズ8-24 の解説まで来ましたが、あと2シーズンだけ!とも思えるし、まだあと2シーズンもある!とも思えます。「2シーズンもある!」というのはもちろん嬉しい叫びで(笑)、私自身、本当に楽しくブログを続けられているので、まだあと2シーズンもこれを続けられるのがとても幸せなのです。
温かいお言葉、応援のお気持ち、本当にありがとうございます。いただいたお言葉を励みにこれからも頑張りますね!
これからもどうかよろしくお願いします(^^)