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シーズン7 第9話
The One With All the Candy (フィービー 夢の自転車)
原題は「キャンディばっかりの話」
フレンズたちは、ロスの息子のベンが公園で自転車の練習をしているのを微笑ましく見ています。
モニカが「私の初めての自転車」のことを語った後、
フィービー: I never had a bike of my own. (私は自分自身の自転車を持ったことなかったの。)
ロス: (shocked) What?! ([ショックを受けて] 何だって?)
フィービー: Well, we didn't have a lot of money. But the girl across the street had the best bike! It was pink and it had rainbow-colored tassels hanging off the handle grips, and-and-and a bell and this big, white wicker basket with those plastic daisies stuck on. (私たち(の家族)は、お金があんまりなかったから。でも、通りの向こうの女の子が、最高の自転車を持ってたの! ピンクで、虹色の房がハンドルの握りの部分から垂れ下がってるの。それで、それで、ベルと、大きくて白い籐(とう)のカゴ、プラスチックのデイジー(ヒナギク)が(カゴに)つけてあるのよ。)
チャンドラー: That sounds like my first bike. (They all turn and look at him.) My dad gave me his old one. (それって俺の最初の自転車みたいだな。[みんなは振り返ってチャンドラーを見る] 俺のパパが自分のお古をくれたんだよ。)
ロス: Ohh. (おぉ。)
モニカ: Did the girl ever let you ride it? (その女の子はフィービーに、その自転車を乗らせてあげた?)
フィービー: No! But she gave me the box that it came in. It had a picture of the bike on the front. (They're all speechless) So I would sit on it and my stepdad would drag me around the backyard. (いいえ! でも(買った時に)その自転車が入ってた箱を私にくれたわ。前に自転車の絵があるの。[みんなは言葉をなくしてしまう] だから私はその箱の上に座って、私の継父が(箱に乗っている)私を、裏庭中、引っ張ってくれたものだったわ。)
ロス: That is so unfair! (そんなのすっごく不公平だよ!)
フィービー: Not really, I got to drag him around too! (They all nod, "Oh.") (そうでもないのよ、私も継父を引っ張って回ることになったから! [全員、おぉ、とうなづく])
今回は自転車の話です。
セリフに何度も登場する、bike が「自転車」ですね。
日本語で「バイク」と言うと、「オートバイ」がまずは頭に浮かんでしまいますが、「自転車」の意味を表すのに、英語では bicycle の短縮形の bike がよく使われます。
of my own は「自分自身の」なので、a bike of my own は「自分自身の自転車」。
「私、自分の自転車って持ったことがなかったの」と言うので、ロスはショックを受けたように、何だって?と言っています。
フィービーは、自分の家はお金持ちじゃなかったから…みたいに理由を説明していますね。
「でも、通りの向かいの女の子が、最高の自転車を持ってたの!」と言って、その子の自転車がどんなに素敵かを描写しています。
It was pink... 以下がその自転車の描写ですが、ものを描写する際、ノンネイティブではなかなかこんな風に表現することが難しいと思うので、いろいろと参考にしたいところですね。
まずは、It was pink 「ピンクだったの」と色を説明しておいて、it had... 「その自転車には…がついてるの」と説明を続けています。
rainbow-colored は文字通り「虹色の」。「虹の色のついた、虹の色で彩色された」というニュアンスから、colored という過去分詞形が使われていますね。
tassel は「房(ふさ)、飾り房」。handle grip は文字通り「ハンドルのグリップ、握り部分」」なので、it had 以下を直訳すると、「自転車は、ハンドルグリップから垂れ下がった虹色の房がついている」ということになります。
日本語では、房という言葉を言う前に「ハンドルグリップから垂れ下がった、虹色の」という修飾語を乗っける形になりますが、英語の場合は、色などの簡単な形容詞は前に置き、その物体の状態を表すような修飾語は、後置修飾として後ろに付け加えることが多いですね。
今回の場合も、「自転車には、虹色の房がある」と先に言っておいて、その房の説明として、「垂れ下がっている、ハンドルグリップから」のように後置修飾の形を取っています。
こういう「後から説明を付け足す感覚」に馴染んでおくことが、スピーキング力の上達にも繋がりますよね。
その後、and a bell and (this big white) wicker basket と言っています。
虹色の房がついてて、の後に、ベルと籐(とう)カゴのことも言っているのですね。
バスケットについては、大きくて白い wicker 「籐(とう)の、枝編み細工の」という形容詞で説明した後、with... stuck on を使って、「…が上にくっついてる、くっついた状態である」とも言っています。
何がついているかと言うと、プラスチックのデイジー(ヒナギクの花)で、この場合も上の房の説明と同じように、大きさや色は最初に言っておいて、その後、「こういうものが上にくっついてるの」という説明を付け足している感覚になります。
その説明を聞いたチャンドラーは、「それって、俺の最初の自転車みたいだな」と言っています。
sound like は「〜のように聞こえる、思われる」ということで、フィービーの説明を聞いていると、それって俺の最初の自転車みたいに思えるよ、と言っていることになります。
フィービーが説明した自転車は、「虹色の房、お花のついた白いバスケット」という、何ともファンシーでガーリーな自転車が想像されるので、「チャンドラーはそんな女の子っぽい自転車に乗ってたのか?!」みたいに、みんなが一斉にチャンドラーの方を見ていますね。
それに対してチャンドラーは、さらに自虐的なことを言っています。
My dad gave me his old one. は「俺のパパは、彼の古い自転車を俺にくれた」。
つまりその女の子っぽい自転車は、パパのお古だった、ということがここでわかるわけです。
「チャンドラーは女の子用の自転車を買ってもらったのかよっ!」とまずはツッコミが入りそうなところを、「…って、それは元々はパパのものだったのかよっ!」というダブルでツッコミを入れたくなるジョークになっているところがポイントなわけですね。
チャンドラーのパパはゲイである、というネタがフレンズの随所に出てきますが、これもそのお約束のジョークの一環だということです。
let you ride it は「あなた(フィービー)にその自転車に乗ることを許す、乗らせてあげる」」という感覚。
自転車がなかったフィービーのために、その子は自分の自転車を貸してくれた?ということですね。
フィービーは一言、No! と言うことで、その自転車に乗らせてもらうことはできなかった、と言った後、その子は箱をくれた、と言っています。
she gave me the box that it came in は「自転車がその中に入ってやって来た、その箱を彼女は私にくれた」と言っている感覚。
つまりは「自転車が入っていた箱」ということですが、それを英語では、the box that it came in と表現しているわけですね。
The bike came in the box. 「その自転車は、その箱に入った状態で(その子の家に)やって来た」の the box を前に出した形になります。
箱の説明として、「前にその自転車の絵がある」とも言っていますね。
「その可愛い自転車には乗せてもらえなかったけど、それが描いてある箱をもらったのよ」と説明しているフィービーがあまりにも不憫だ…というように、フレンズたちは絶句してしまっています。その絶句の様子が、ト書きの speechless ですね。「言葉にできない、言葉にならない」という感覚です。
次に、So I would ... and my stepdad would ... のように、would を使って、当時の様子を語っています。
こういう場合の would は、過去の習慣などを回想する would ですね。「(よく)…したものだった」と訳すと良いでしょう。
小さな私はその箱の上に座って、stepdad 「継父」、(自分の実の父ではない、母と再婚した父)が、私を裏庭中ぐるぐると引っ張り回してくれたものよ、と説明していますね。
貧乏で自転車が買ってもらえなかったから、箱をもらって自転車代わりに乗ってた、というだけでもかなり切ないのですが、それを引っ張ってくれてたのが実父ではなくて継父、というのがまた、フィービーの悲しい幼少期を語るエピソードによく登場する事柄なので、フレンズたちはますます「フィービー、大変だったね…」みたいに同情することになるわけです。
切ない話を聞かされたロスは思わず、That is so unfair! 「そんなのすっごく不公平だよ!」と叫んでいます。ものすごくアンフェアだ!ということですね。
それを聞いたフィービーは、Not really. 「そんなにすごくアンフェアってことでもないのよ」みたいに軽く否定しています。
I got to drag him around too! は、「私も彼を drag around することになった」ということ。
継父が私を箱に乗せて、裏庭を引っ張って回ってた、と言ったけど、私も継父を箱に乗せて、引っ張って回ってあげることになったから、おあいこで別にアンフェアじゃない、みたいに言っていることになります。
つまりフィービーは、ロスの「そんなの不公平だ」発言を、「義理のお父さんは、重い箱を引っ張り回さないといけなかったなんて大変だったよな、フィービーは乗っかって喜んでるだけだから楽だったろうけどさ」みたいに言ったと勘違いしたわけですね。
引っ張る人、乗ってる人、という連想から不公平だと言われたのだと思って、「そんな不公平ってことでもないのよ。私が引っ張る側に回ることもあったから」と平然とした顔で言っているわけです。
みんなもその話を聞いて、一応「なるほどね」みたいにうなづいていますが、実際のところは「不公平って言ったのは、そういうことじゃないんだけど…でも、フィービーが不幸だってことをことさら強調しなくてもいいか、そっちだと勘違いしてるなら、そうしとこっか」みたいにうなづいていることになるでしょうね。
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