2013年01月11日

なら、覚えてただろうに フレンズ7-9その2

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は4位、「にほんブログ村」は8位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


モニカは、感謝祭からクリスマスまでのホリデーシーズンのこの時期に、隣人さんに配るための holiday candy を作っているところ。
ドアに下げたバスケットにキャンディー(candy)を入れておいて、近所の人と知り合いになりたいの、とモニカは説明しています。(candy の具体的な内容については、解説中で触れます)
その後、バスケットに入れておいたキャンディーがなくなっているのを見て、「ご近所さんが食べてくれた!」と大喜びのモニカ。その後のシーン。
[Scene: Monica, Chandler, and Phoebe's, the middle of the night, there is someone knocking on the door and Monica and Chandler get up to answer it.]
モニカ、チャンドラー、フィービーの家。夜中にドアをノックする人がいるので、モニカとチャンドラーはそれに応対するために起きる。
モニカ: (turning a light on) Who is that?! ([電気をつけて] あれは誰?)
チャンドラー: Don't worry, I'm brave! I am brave! I-- I am brave! (They get to the door and Monica goes to open it.) No-no-no-no!! (He stops her.) (Through the door.) Can you tell me who is there, please? (心配しないで。俺は勇敢だから! 俺は勇敢だ! 俺は勇敢なんだ! [二人はドアのところに行き、モニカがドアを開けようとする] だめだめだめ! [チャンドラーはモニカを止める] [ドア越しに] そこにいるのはどちら様か教えてもらえますか?)
ノックしている人(The Knocker): My name's Gary, I live upstairs. (俺の名前はゲイリー。上の階に住んでる。)
(Monica opens the door.)
モニカはドアを開ける。
ゲイリー: Hi! (やあ。)
モニカ: Hi. Do you know what time it is? (どうも。今何時かわかってる?)
ゲイリー: It's candy time! My roommate says that they taste like little drops of heaven. (キャンディー・タイムだよ! 俺のルームメイトが言ってるんだ、そのキャンディーは天国の小さなしずく(ドロップ)みたいな味だって。)
モニカ: Oh, please! (To Chandler) Did you hear that? "Little drops of heaven." (もう、やめてよ! [チャンドラーに] 今の聞いた? 「小さな天国のしずく」だって。)
チャンドラー: (laughs) 4:00 A.M. ([笑って] 午前4時だぞ。)
ゲイリー: So, can I get some candy? (それで、キャンディーもらえる?)
チャンドラー: I am sorry, but some of us have to get up early and go to work! (Monica looks at him) (To Monica) He does not know that I am not "some of us." (悪いけど、俺たちの中には、早起きして仕事に行かなきゃいけないやつもいるんだよ! [モニカはチャンドラーを見る] [モニカに] 俺が「俺たちの中の誰か」じゃないって、彼(ゲイリー)は知らないんだから。)
モニカ: Umm, listen I am sorry, but I'll put some out first thing in the morning. (ねぇ、聞いて。ごめんなさい、でも明日の朝一番に、キャンディーを出しとくわ。)
ゲイリー: Well okay, I'll swing by later. You live in this building? (そっか、オッケー。後で立ち寄るわ。君、このビルに住んでるの?)
モニカ: Um-hmm. (まあね。)
ゲイリー: (looking at Monica.) Mm! Seems like I would've remembered you! ([モニカを見て] ンー! (もしそうなら)覚えてただろうに、って感じだな[実際には見覚えなかったけど]。)
チャンドラー: Mm! Night Gar! (Monica closes the door.) (ンー! おやすみ、ゲイリーくん。[モニカはドアを閉める])

今回のエピソードに頻出の candy という単語ですが、日本語の「キャンディー」から想像されるような「アメ」だけを指す単語ではありません。
研究社 新英和中辞典では、
candy 【名】【U】 [種類・個々には 【C】] 《米》 キャンディー、砂糖菓子 (《英》 sweets) 《ドロップ・キャラメル・トフィー・チョコレートの類》

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
candy : [countable, uncountable] a sweet food made of sugar or chocolate, or a piece of this
例) a piece of candy, chocolate candies

つまり、「砂糖やチョコレートでできた甘い食べ物、またはこの一片」。

実際、このエピソードの中でモニカが作っているものを見ると、アメというよりは、やはりチョコレートっぽいもののように見えます。
なので、大阪のおばちゃんのカバンの中には必ず入っていると言われる(笑)あの「アメちゃん」ではなく、チョコレートをイメージしてセリフを聞いていただけると良いでしょう。

夜の寝ている時間だというのに、ドアを、コココンコン!という感じでしつこくノックする音が聞こえるので、チャンドラーとモニカが起きてきます。
「あれは誰?」というモニカにチャンドラーは男らしいところを見せようと、「心配しないで。俺は勇敢なんだ!」と何度も言いながら、ドアの前に立ちます。

ですが、モニカがドアを開けようとするとそれを制して、"Can you tell me who is there, please?" と尋ねるのに笑ってしまいますね。
このセリフを直訳すると、「そこにいるのは誰か、どうか私に教えてもらえますか?」という感覚。
Could you..., please? 「…していただけますか?」ほど丁寧ではないにしても、can を使った疑問文の形で、相手に「名前を言うことが可能かどうか問うている」という形式ですから、「教えてもらうことはできる? (良かったら)教えてくれる?」というニュアンスになるわけですね。
「俺は男で勇敢なんだから、俺に任せろ!」とばかりにドアのところまで来たのに、いざ、その時になると、「あのー、そこにいる人、名前を教えてもらえるかな?」と弱気になってしまっているのが、チャンドラーらしいところだと言えるでしょう。

ゲイリーという知らない男性が夜に訪ねてきたと知り、モニカは「あなた、今何時かわかってるの?」と怒った様子で聞いています。
ゲイリーは悪びれた様子もなく、「今、何時って、今はキャンディー・タイムさ。俺のルームメイトが、そのキャンディーは、little drops of heaven みたいな味だって言ってる」と説明します。
その言葉を聞いて、モニカは嬉しそうな顔で、Oh, please! と言っていますね。
これは、「もう、お願いだから(そんなお世辞はよしてよ)」という感じの照れたニュアンス。
drop は「しずく(滴)」「一滴、少量、微量」「しずく状のもの(あめ玉、ドロップ)」などを指しますね。
今回、モニカは、チョコレート(キャンディー)のようなものを、1粒ずつ作って、それをカゴに入れているわけですが、その数粒のキャンディーのことを、「小さな、天国のしずく・一粒・ドロップ」みたいに表現したわけです。
天国で味わうような、究極の味、みたいに表現されたので、褒められるのにとにかく弱いモニカは、「もう、そんなこと言ってくれちゃって〜」みたいに喜んでいるわけですね。
喜ぶモニカを見ながら、チャンドラーは乾いた笑い声をあげて、「午前4時だぞ」と言っています。
いくらキャンディーを褒められたって、こんな非常識な時間に来られちゃ困るだろ、ということですね。

キャンディーもらえるかな?とゲイリーに言われたチャンドラーは、「申し訳ないんだけど、俺たちの中の何人かは朝早く起きて、会社に行かなくちゃいけないんだよ」と言っています。
それを聞いたモニカは、「え? それってあなたのこと? あなたは別に早起きして会社に行ったりしないじゃない」みたいな顔で見ていますね。
これでも一応(笑)、大きなビルに会社が入っている、多国籍企業に勤務しているはずのチャンドラーですが、確かにそんなに朝早くから出勤しているというイメージはありません。
あなた、自分が「朝早い勤勉ビジネスマン」みたいに言うつもり?というような顔をされたので、その後、チャンドラーは、He does not know that I am not "some of us." と言っています。
これは、「俺が(今言った)”俺たちのうちの何人か”じゃない、ってことを、彼(ゲイリー)は知らない」ということ。
初対面の彼は、俺の仕事ぶりを知らないんだから、今の発言が俺自身のことを言ってるかどうかなんてわからないじゃん、だから、適当に言っても問題ないんだよ、さも自分のことのように言ってもバレないんだよ、みたいなことですね。

モニカは、今の時間にはキャンディーがないことを詫びて、明日、キャンディーを(いくつか)出しておくからと言っています。
first thing in the morning は「朝の最初のこと」ですから、日本語の「朝いち」のこと。
英語でもやはり、「朝の一番目のこと」みたいに言うのは同じなのですね。

swing by は「立ち寄る」。swing は「スイング」というカタカナからもわかる通り、「揺れる、揺れ動く」「行き来する、行ったり来たりする」という意味があります。
swing by の by は、stop by などと同じ感覚ですね。

モニカの顔をじっと見ていたゲイリーは、「君はこのビルに住んでるの?」と聞いています。
こんな時間に部屋にいるのですから、当然、このビルの住人に決まっているわけですが、その質問から、ゲイリーはこれまでモニカのことを知らなかった、同じビルのご近所さんだとは知らなかったことがわかります。

Seems like I would've remembered you! について。
seems like は「…のように見える、思える」。
I would've remembered you つまり、would have remembered you は、「would+have+完了形」の形で、「(もしそうなら)…しただろう」というような感覚。
これは、「もし君がこのビルの住人だったら、君のことを知ってただろうにな」というニュアンスで、それはつまり、「同じビルの住人だから、君のことを知っててもおかしくないのに、実際には今まで君のことを全然知らなかったわ」と言っていることになるでしょう。

助動詞に have+過去分詞(p.p. = past perfect)がつく形は、他にも、should've p.p. や、could've p.p. などがありますね。
should've p.p. だと「…すべきだったのに(実際には…しなかった)」、could've p.p. だと「…できたのに(実際には…しなかった)」のような「過去に実現しなかったこと」を表すことになります。
should や could が使われたものよりも、would のニュアンスを掴むのは難しくなってしまうのですが、この流れに沿うと、would've p.p. は「…しただろうに(実際には…しなかった)」と言っていることになると言えますね。
つまり、I would've remembered you. は、(I'm afraid) I didn't remember you. 「(悪いけど)君のことを全然覚えていなかった(今、初めて知った)」と言っていることになるでしょう。

午前4時にキャンディーをくれよ、とやって来ておいて、あげく、「ふーん、君、ここに住んでるんだー。君のこと、知っててもおかしくなかったのにね。どういうわけか君のこと、全く知らなかったわ。全く見覚えなかったわ」みたいに言っている、という大変失礼な発言をしていることになります。
それでチャンドラーは、ムッとした様子で、オウム返しのように、同じ Mm! という言葉を真似しながら、Night Gar! と挨拶をしています。
Gar は Gary (ゲイリー)という名前を、短くニックネーム風に呼んでいる感覚になるでしょう。
「おやすみ」は普通、Good night. ですが、親しい間柄だと、Night. だけで済ませる場合も多いですね。「おはよう」を、Mornin'! と言うのと似た感覚です。
チャンドラーにとっては、このゲイリーという男性は、全くの初対面で、本来であれば、こんな気安い挨拶をする間柄ではありませんが、相手のゲイリーがあまりにも礼儀知らずの無礼者なので、目には目を、という感じで、「んじゃな、早く寝ろよ、お前」みたいなぞんざいな挨拶を返した感覚になるでしょう。
日本語であんまり知らない人に、「お前、何やってんだよ」みたいに言われた場合に、「そういうお前もな」のように、同じレベルの言葉で言い返すことがありますが、今回のやり取りもそれと似た感じがするように思いました。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 16:46| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。