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これまで自分の自転車を持ったことがないの…というフィービーの話を聞いて、ショックを受けたロスは、フィービーが憧れていたのと同じ形の自転車をフィービーにプレゼント。
大喜びのフィービーは、その自転車を大事にしている様子。
[Scene: Central Perk, Joey, Monica, Ross, and Chandler are watching Phoebe polish the daisies on her bike outside.]
セントラルパーク。ジョーイ、モニカ、ロス、チャンドラーは、外でフィービーが自分の自転車についているデイジーを磨いているのを見ている。
モニカ: Ross! That is so sweet of you to get Phoebe that bike! When I heard the story, I almost cried. (ロス! フィービーに自転車を買ってあげたなんて優しいのね! その話を聞いた時、私はほとんど泣きそうだったわ。)
ジョーイ: Almost cried, huh? Hear that, Chandler? "Almost" cried. (ほとんど泣きそうだった、だろ? 今の聞いたか、チャンドラー? ”ほとんど”泣いた(泣きそうだった)、って。)
チャンドラー: Hey, you cry every time somebody talks about Titanic! (おい、お前は誰かがタイタニックの話をするたびに泣くだろ。)
ジョーイ: (about to cry) Those two had only each other! ([泣きそうになって] あの二人はお互いしかいなかったんだ!)
ロス: Phoebe really likes the bike, huh? (フィービーは本当にあの自転車が好きだよねぇ?)
モニカ: Oh yeah! I saw her walkin' it down the street the other day. She had uh, these flowers in the basket. It was so cute. (ええそうよ! 私はこないだ、フィービーが通りを自転車を押して歩いてるのを見た。バスケットにお花を入れて。すっごくかわいかったわ。)
ジョーイ: Yeah, I saw her this morning, walkin' it by the park. (あぁ、俺は今朝フィービーを見た。公園のそばを自転車押して歩いてた。)
ロス: Wait a minute, she was walking the bike? Both times? (ちょっと待ってよ、フィービーは自転車を押して歩いてた? 二度とも?)
That is so sweet of you to get Phoebe that bike! は、"It is 形容詞 of 人 to do" 「人が〜するとは(形容詞)だ」という構文ですね。
通常は、It is の形が使われますが、今回は it ではなく、that が使われています。
「話に聞いた例のあれ」みたいな感じで、先に that が出てきて、「あれってすっごくスイートだわ、ほら、あなた(ロス)がフィービーに自転車を買ってあげた、ってことよ」みたいなニュアンスで理解すれば良いのかな、と思います。
ロスがフィービーに自転車を買ってあげた話を聞いた時、モニカは、I almost cried. だと言っています。
almost+過去形は、フレンズに何度も出てきましたが、「ほとんど・もう少しで〜するところだった」という意味。
実際には、cry してないけど、もうちょっとで泣いちゃうとこだった、泣いちゃう寸前だった、と言っていることになります。
その話を聞いたジョーイは、嬉しそうな顔を向けてチャンドラーを見ています。
「もう少しで泣くところだった、ってよ」みたいに言っているのは、チャンドラーがその話を聞いた時に、実際に涙ぐんでしまったことをからかっているのです。
「お前は almost じゃなくて、実際にほんとに泣いちまったもんなー」みたいにからかわれたので、チャンドラーも反撃しています。
you cry every time somebody talks about Titanic! という文の現在形は、「習慣、習性」を表すと考えれば良いでしょう。
「お前は、誰かがタイタニックの話をするたびに泣く。タイタニックの話を聞いて毎回泣いてしまう人間だ」と言っている感覚になります。
そう言われたジョーイは、それだけでほとんど泣きそうな顔になって(笑)、Those two had only each other! と言っています。
過去記事、フレンズ2-20その21 で、モニカとリチャードが付き合っていた時に、リチャードがジョーイ&チャンドラーと一緒にあちこち出掛けることに対して、以下のセリフがありました。
モニカ: I appreciate this, but you don't have to hang out with them for me. They have each other. (このこと[リチャードがジョーイやチャンドラーと遊んでいること]にはとても感謝してるわ。でも、私のために彼らと遊ぶ必要はないのよ。彼らは二人で遊ぶから。)
They have each other. は「彼らは、お互いを相手として持っている」ということですから、この二人で言うと、「ジョーイにはチャンドラーという友達(相手)がいて、チャンドラーにはジョーイという友達がいる」という感じですね。
「彼らにはお互いがいる(存在する)。遊ぶ相手がいる」ということになります。
そんな風に「同性の(遊び)友達、友人」のニュアンスでも使われるようですが、タイタニックの話だと、男女の恋愛において「君には俺がいて、俺には君がいる」という感覚になりますね。
今回のセリフでは、Those two had only each other! と表現されていますので、「あの二人(ジャックとローズ)は、お互いだけしかいなかった」ということになるでしょう。
DVDの日本語訳では、「運命の恋なんだぞ」のように「運命の恋」という言葉が使われていましたが、まさにジョーイも、「ジャックにはローズしかいなかった、ローズにはジャックしかいなかった」というニュアンスでその言葉を使っているわけですね。
自分がプレゼントした自転車を、外で磨いているフィービーを見て、ロスは嬉しそうに、「フィービーはあの自転車、大好きなんだな」と言っています。
モニカやジョーイもそれに同意して、それぞれ、「フィービーがこんなことをしてる様子を見た」と語っています。
モニカのセリフ、I saw her walkin' it down the street the other day. は、see+人+doing 「人が〜しているところを見る」の構文。
walk は自動詞の「歩く」という意味でよく使われますが、この場合は it (自転車)が目的語に来ている他動詞で「歩かせる」と言う意味になることから、「(自転車)を押して歩く」というニュアンスになります。
自転車に乗っている、自転車をこいでいる、のではなく、横に立って歩きながら自転車を動かしている、ということですね。
ちなみに、walk+人だと、「人を歩いて送る、案内する」、walk+犬だと、「犬を散歩させる」という意味になります。
それらもすべて、いちいち目的語とセットで日本語訳を覚えるような話ではなく、自動詞で「歩く」、他動詞で「歩かせる」になるから、自転車、人、犬を歩かせる、というイメージから、それぞれ「自転車を押す、人を送る、犬を散歩させる」という日本語が自然に連想される、というだけのことですね。
逆に日本語の「自転車を押して歩く」という言葉が先にイメージされてしまうと、英訳する際に、押すという動詞が必要なのかな?と思ってしまいそうですが、それを他動詞 walk で「自転車を歩かせる」と表現するという発想があることに気づくことが、語学習得には必要なのだと思います。
次にジョーイも、目撃談を語っています。
I saw her this morning, walkin' it by the park. は、さっきのモニカの発言と形が似ていますが、厳密に言うと微妙に違いますね。
ジョーイの場合は、「俺は今朝、フィービーを見た」と先に言っておいて、後から、分詞構文を使って、「公園のそばを自転車を押して歩いてるのを」と付け加える形になっています。
モニカと同じ構文にすると、I saw her walkin' it by the park this morning. になるわけですが、それだとセリフとして単調ですし、ジョーイのような言い方をした方が、「あぁ、俺も今朝見たよ、公園のそばを押して歩いてたな」みたいになって、話し言葉っぽい感じ、頭にその様子を思い浮かべながら話している感じが出て、より生き生きしたニュアンスが出ますよね。
それまでニコニコと嬉しそうに聞いていたロスですが、モニカもジョーイも、walk it (= the bike) という言葉を使ったので、「ちょっと待って、二人が目撃した二度とも、両方とも、フィービーは自転車を(乗らずに)押して歩いてたのか?」と問い返すことになります。
その後、フレンズたちは外のフィービーのところに行って、「フィービーって自転車の乗り方知ってるよねぇ? フィービーが乗ってるとこ、見たいなぁ」と言うのですが、乗ってみせたフィービーは案の定(笑)、自転車に乗れずにすぐにコケてしまうことになり、それが CMブレイク前のオチになります。
我々英語学習者が英語のリスニングとして聞いている場合に、walk it という表現を聞いて、「フィービーは自転車を押して歩いてる? 自転車に乗ってない?」ということがわかるかどうか、が笑えるかどうかの大きなポイントになるわけです。
walk のように中1で習うような簡単な単語も、あなどることなかれ、ですよ、皆さん^^
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また質問よろしくお願いします。
ここの解説のちょっと前のシーンで、モニカがキャンデーがなくなっていて喜んでいるシーン。ジョーイのセリフで
Something might have happened to a chunk of it.( スクリプトでは a huge chunk of itとなっていました)この文の構造がわかりません。何かが起こっていたかもしれない それが大量に(あることで?)って・・・
何かが欠けている?としても何か判らない・・・よろしくお願いします。
こんにちは。ご質問ありがとうございます。
この回では、モニカはご近所さんにあげるためのキャンディー(チョコ)を作っていましたね。
このセリフの前に、バスケットが空っぽで一瞬喜んだ後、もしかしたら食いしん坊のジョーイが食べちゃったのかもしれない、という話になって、ジョーイに尋ねに行くと、「俺もそうしようと思ってたけど、俺が見た時にはもう2、3個しか残ってなかった」とジョーイが言うので、「やっぱりご近所さんが私のキャンディーを気に入って全部食べたのね!」とモニカは喜んでいました。
そのセリフの続きとして、このジョーイのセリフがあるわけですが、そのセリフは全体として以下のようになっていました。
ジョーイ: Hey Mon. You might wanna make some more lasagna too, because something might've happened to a huge chunk of it.
happen to... は「(主語<あること、出来事>)が…に起こる」。
chunk は「大きい塊(かたまり)」という意味で、a chunk of... で「かなりの量の・たくさんの…」という意味になります。
a chunk of it の it は、直前に出てきた lasagna 「ラザニア」のことですね。
ですから、a huge chunk of it は「かなりの量の it」→「かなりの量のラザニア、たくさんのラザニア」と訳すことになると思います。
You might wanna は、You should のように「〜した方がいい」というアドバイスのニュアンスなので、ジョーイのセリフを直訳すると、「ねぇ、モニカ。モニカは(キャンディーだけじゃなくて)ラザニアももっと作る方がいいよ、だって、かなりの量のラザニアに何かが起こったかもしれないから」となります。
文章の構造としては、時制を無視してシンプルにすると、
主語(something) happen to 名詞 「主語(という出来事)が(名詞)に起こる」
になります。それが、might have+過去分詞の形になっているので、「起こったかもしれない」という時制になっています。
通常は、「私に何かが起こる」のように、happen to の後は人称代名詞が来ることが多いのですが、この場合は何かの出来事が起こった対象が「かなりの量のラザニア」という「モノ」だったことになります。
「ラザニア(という食べ物に)何かが起こったかもしれない」という、この文章の直訳だけでは、意味がわかりにくいところですが、その前に「キャンディーがなくなっているのはジョーイが食べたのかもしれない」という疑いを向けられていたけれど、結局、ジョーイが盗み食いしたのではなくて、目的通り、ご近所さんがキャンディーを食べてくれていた、という事実がありますね。「ジョーイがキャンディーを全部食べた疑惑」はここで晴れたわけですが、みんなが食べてくれた! と喜ぶモニカに、「キャンディーだけじゃなく、ラザニアももっと作った方がいいよ」とアドバイスしているということは、今はまだモニカは気付いていないけれど、キャンディーだけではなく、ラザニアもなくなっているということを示唆していて、「かなりの量のラザニアに何かが起こったかもしれない」→「かなりの量のラザニアが誰かに食べられて減っているかもしれない」と言っていることになります。ご近所さんはお菓子は食べても、さすがにラザニアまでは食べませんから、これはまさしく「食いしん坊ジョーイ」の仕業(しわざ)で、「キャンディーを作るなら、ついでにラザニアももっと作っといた方がいいよ〜。かなりの量のラザニアにあることが起こったかもしれないしね」と表現することで、「実はジョーイがラザニアをこっそり食べちゃって、たくさんあったラザニアがごっそり減っている」ということがわかる、という仕組みです。
「ラザニアも作った方がいい、何かが起きたかもしれないから」と言えば、「追加で作らないといけないようなことが起こった」→「誰かがラザニアを食べちゃった」ことを示すことになり、「キャンディー食べたでしょ!」みたいに犯人にされそうになっていたジョーイは、キャンディーに関しては無実だったけれど、「ラザニアは食べちゃった」ということがこのセリフでわかるという面白さですね。「なーんだ、キャンディーはジョーイが食べたんじゃなかったのかぁ、、、って、ラザニアは食べたんかいっ!」という「やっぱり何かしらのものをつまみ食いしていた」という、「食いしん坊ジョーイ」のキャラを生かしたジョークになっている、ということですね(^^)
お返事すっかり遅くなり申し訳ありませんでした・・・
解説読んでスッキリしました。って、somethingってそこだったの?って感じです。
ドラマのセリフだからそこだけ切り取ってもダメなことありますよね、つながり考えなくては・・・でも繋がりを見ていてもきっと私はここまで理解できなかった気がします。
ホントいつもいつもRachさんに助けていただいて感謝してます。またよろしくお願いします。
ちょっと方針変更して今までは毎日見ていたんだけどしばらく週末のお楽しみにしてその分普段は基礎トレーニングに励もうかと思っています。毎日観たい気持ちはあるんだけどまだまだ抑えなければならないところが多すぎて・・・
ちょっと試しにやってみます。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
今回のセリフは「ただその文章だけを訳しても、ピンと来ない」タイプのものでしたね。前からの流れがあって、さらにはジョーイの習性(笑)みたいなものも関係してくるセリフだったと思います。私の解説でスッキリしていただけて良かったです(^^)
「週末のお楽しみにする」というのもいいですね。何をやるべきか、というのはやはり最後はご自分の判断となりますので、「今はこれをやった方がいいと思う」というものをメインに据えるなどして、やっちんさんが一番やりやすい形で続けていただければと思います。頑張って下さいね♪